ルール 1 C TR AD CK 01 何はなくともキーを 把握することから始めよう! 幅広く役立つ ★ ★ ★ ★ ピンポイントで効果的 すぐに実践できる ★ ★ ★ ★ じっくり練習しよう 理論がいらない ★ ★ ★ ★ 理論も学べる 指板を活用してキーの中心となるコードを特定しよう! CD 0:00〜 CD 0:19〜 何はなくともキーの把握が先決 曲中のメジャー・コードに注目せよ! ア ドリブを弾く時、何はなくともまず曲のキーを知 3個ないか探してみましょう。3つ見つけられたらラッ ることが先決です。曲のキーを知ることでアドリ キー! ほぼキーは判明します。ひとつだけ離れた場所 ブで使えるスケールなどがわかり、自信をもって弾くこ にあるコードが、キーの中心になっています。 とができるようになるのです。 メジャー・コードがふたつしかなくて、ふたつのコード もし、既にスコアを持っているのなら、 や の数で確 が2フレット間隔の場合は、低い方のコードからさらに5 認できます。122〜127ページにまとめてありますの フレット下がったところがキーの中心です。 で、それを参照して下さい。 マイナー・コードから探す方法もあります。2フレット スコアがない場合どうすればいいでしょう? ここで 間隔になっているマイナー・コードを探し、その低い方の はコードだけはわかっている場合の、キーの探し方を紹 コードからさらに2フレット下がったところがキーの中 介します。 心になります。 ま ず は Gや B △ 7な ど の メ ジ ャ ー 系 コ ー ド を 探 し ま 曲の中でメジャー・コードが4つ以上ある場合は、部分 しょう。メジャー系だったらメジャー・セブンスでもセ 的に転調をしていたりします。“雰囲気が変わったな”と ブンスでも構いません。曲の中にメジャー・コードが2〜 思うコード進行の部分を除いて考えてみましょう。 008 第 1 章 指板を味方にするスケールとコードの読み解き方 まず、メジャー・コードが3つの場合を見てみましょう。こ メジャー・コードがふたつの場合の図(③)では B b と E b だ こでは2フレット間隔になっているのが Aと Bですので、ポ けがメジャーで、2フレット間隔ではないため“5フレット ジションが離れている Eがキーになります(①)。 下がる”作戦は使えません。ここはマイナー・コードに注目 また、2フレット間隔になっているコードの低い方である しましょう。2フレット間隔のマイナー・コードを探すと、 Aのルートが6弦5フレットですので、そこから5フレッ Cmと Dmがあります。音が低い方の Cmから2フレット下 がるとB b 。ここでのキーは B b とわかりました。 ト下の6弦開放弦(=E)という探し方もできます(②)。 第 1 章 指板を味方にするスケールとコードの読み解き方 009 ルール 2 C TR AD CK 02 メジャー・スケールなくして アドリブは成らず 幅広く役立つ ★ ★ ★ ★ ピンポイントで効果的 すぐに実践できる ★ ★ ★ ★ じっくり練習しよう 理論がいらない ★ ★ ★ ★ 理論も学べる 相対音感を鍛えながらメジャー・スケールを制覇! CD 0:00〜 CD 0:10〜 CD 0:22〜 Cメジャー・スケールを把握して、 相対音感を鍛えよ! ケールが沢山載っている本を読んでも、実際のア ケールが身体に染み込んでいないと、どんなスケールを ドリブやコード・バッキングでどう活かせば良い 覚えても確実に弾きたい音が弾けるようになりません。 かわからない……そんな悩みが、多くの生徒から寄せら 指板のどこに何の音があるか、まず把握することが大 れます。スケール集はデータ・ベースとしての使い道が 切ですが、すべての音を把握するのはなかなか大変なも わかっていれば良いのですが、曲調、コード、歌詞、サウン の。その取っ掛かりとして、指板上でピアノでいう白鍵 ドによって、スケールの使い方が変わるので、自分が弾こ の位置(=Cメジャー・スケール)を覚えると、その後の習 うとしている曲にフィットしないこともあります。 得が大変スムーズになります。 実際のアドリブを弾く上では、まずすべての基本であ また、メジャー・スケールを何度も弾いて身体に叩き込 る“メジャー・スケール”(Cメジャー・スケール=ドレミ むことは、相対音感を身につけることにもつながります。 ファソラシド)を把握し、使い方を身体に叩き込む必要が ただし、複数の弦を上下するボックス・ポジションと呼ば あります。というのも、ほとんどの曲はメジャー・スケー れるスケール図では指だけ動かしてしまい音感が鍛えに ルを基本に構成されていて、メロディやコードの主要な くいので、弦1本で弾くと音感が鍛えられて、あとで応用 材料となっているからです。逆に言えば、メジャー・ス が利くようになります。 ス 010 第 1 章 指板を味方にするスケールとコードの読み解き方 CD 0:35〜 音感を育てるため、まずは弦1本を横移動しながら Cメ を作ってみて下さい。ポイントは譜例④のようにスケール ジャー・スケールを弾きましょう(①)。それができたら、② 内で2〜3回同じメロディの流れを作ること。こうすると のように2弦上だけでフレーズを作ってみましょう。 統一感があり、聞き手にとって印象が残りやすくなります。 イメージがつかめたら、開放弦を含むロー・コードでのポ 自分で“かっこいい!”と思うフレーズを沢山作ることで、メ ジション(③)を覚えて身体に叩き込んでいきます。ロー・ ジャー・スケールが自分のものになっていくでしょう。⑤は コードを鳴らしながら、アドリブでメロディやアルペジオ その発展型です。 第 1 章 指板を味方にするスケールとコードの読み解き方 011 ルール 3 C TR AD CK 03 コードに合う音と合わない音を 前もって知っておこう! 幅広く役立つ ★ ★ ★ ★ ピンポイントで効果的 すぐに実践できる ★ ★ ★ ★ じっくり練習しよう 理論がいらない ★ ★ ★ ★ 理論も学べる Cメジャー・スケール内での各コードに合う音は? CD 0:00〜 CD 1:59〜 スケールを盲信するべからず 同じスケール内でもコードとの親和性に差がある! CD 2:12〜 ス “なんだか伴奏と合わない気がするな〜”と思う いを知っておけば、よりアドリブの音の流れをコント ことがありませんか? 実は同じスケール内でも、バッ きたいものです。“伴奏と合わない”と感じる時、たいて クで鳴っているコードによっては相性の悪い音があるの いは合わない音をロング・トーンで弾いているか、合わな で、単にスケールの音を弾けばカッコ良いアドリブが弾 い音を強調するようなリズムで弾いているかです。自分 けるとは言えないのです。 の感覚で NGだと思う音を目立つように弾かなければ、 音楽理論書で調べると“弾いてはいけない音”などと厳 外したような感じにはなりません。 格な使い方が書いてありますが、そこまで気にする必要 筆者の場合は合う音と合わない音を、だいたい5段階 はありません。クラシックの世界ではどの音が使えるか、 にして把握するようにしています。まずはキー=Cの各 かなり厳しく決まっていますが、ロックやポップスでは コードに対して合う音、合わない音を5段階にして覚え 弾いてはいけない音は存在しないと思って良いでしょ ていきましょう。筆者個人的には合うか合わないかギリ う。コードに対して気持ち悪い音を鳴らし続けるのも、 ギリの“ランク2”が一番グッと来る音で、実際のアドリ ある意味カッコ良いのですから。ただし、相性が良い、悪 ブでもかなり多用しています。 ケールを覚えてアドリブ・ソロを弾いていても、 012 第 1 章 指板を味方にするスケールとコードの読み解き方 ロールしやすくなるので、その点はしっかり押さえてお Cメジャー・キーの各コードに対して、合う音と合わない 譜例③では合わない音を経過音として使っています。安 音を図にしたのが①です。数字が大きいほどコードとの親 定した音の間をつなぐように、合わない音を入れているわ 和性が高くなります。ランク1の音を思いっきり伸ばしてし けです。つまり、どんな音でも一瞬なら OKということです まうとミス・トーンのように響きます。譜例②では1小節目 ね。この“合わない音”を使うことで、不安定さが出て、フ は各コードに合わない音、2小節目は合う音を使っていま レーズにスパイスが加わることがあります。スパイスを効 す。同じスケールでもこれだけイメージが違うわけです。 果的に使うためにも、準備しておくことが必要なのです。 第 1 章 指板を味方にするスケールとコードの読み解き方 013
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