Check up! 薬理学総論: □ 生体内に投与された薬物は,吸収、分布、代謝、排泄の4段階を頗る。 □ 薬物の投与経路は,効果発現の速いものから順番にならべると、①静脈内 注射、②舌下投与、③直腸内投与、④経口投与、⑤経皮投与となる。 □ 毒薬は黒地に白枠、白字で「毒」と表示する。 □ 劇薬は白地に赤枠、赤字で「劇」と表示する。 自律神経作用薬: A) 交感神経作用薬 □ アドレナリンの持つβ受容体刺激作用は、心臓の収縮力を増加させる。 □ アドレナリン(エピネフリン)は血管を収縮させ、心拍数を増加させ、気管支 を拡張させる作用がある。 □ アナフィラキシーショックでは、アドレナリン投与が第一選択である。 □ レセルピンは,交感神経終末でカテコールアミンを放出させて枯渇させる ことで,鎮静効果をおこす。 □ レセルピンの連用はうつ状態をおこしやすい。 □ フエニレフリンには昇圧作用がある。 B) 副交感神経作用薬 □ ピロカルピンは縮瞳と眼圧低下をおこす。 □ ベタネコールは副交感神経刺激性で,排尿を促進する。 □ ネオスチグミンはアセチルコリンエステラーゼを阻害するので腸管麻痺に 有効である。 □ 抗コリン薬の投与は排尿困難をおこす可能性がある。 □ アトロピンは抗コリン作動性で,瞳孔散大作用,平滑筋弛緩作用,眼圧上 昇作用がある。また,気管支粘膜の分泌抑制作用を持ち,麻酔前与薬に用 いられる。 □ アトロピン製剤の有害作用としては,口渇,目のかすみ,頻脈などがある。 心血管系に作用する薬物: □ ジゴキシン投与中の患者に心室性期外収縮,房室ブロックなどが出現した場 合には,ジギタリス中毒を疑い,医師の指示を受ける。 □ 塩酸ドパミンの投与量を増すと,β1 受容体を介して心収縮力を強め,心拍 数を増加させる。 □ アミノフィリンは気管支を拡張させ呼吸を容易にする。 □ ニトログリセリンの舌下錠は,舌下でとかしてから吸収させるもので,のみ 込んでしまっては効果をあらわさない。 □ 硝酸薬あるいはニトログリセリンと勃起不全治療薬(バイアグラ)を併用す ると,過度の血圧降下をおこすので,併用禁忌である。 □ 局所麻酔薬であるリドカインには抗不整脈作用もあり,心室性不整脈の治療 に用いられる。 □ プロカインアミドは心房性の発作性頻拍症によく用いられる。 □ チアジド系利尿薬を使用するときは,低カリウム血症,抗尿酸血症などに留 意する。 □ フロセミドは即効性利尿薬である。 □ アドレナリンβ受容体遮新薬は,主として高血圧症・不整脈・狭心症などの 治療に使われる。 □ β遮新薬は気管支喘息発作を誘発する危険がある。 □ β遮新薬であるプロプラノロール,ピンドロール,オクスプレノロールなど は連用すると徐脈をきたす。 □ カルシウム拮抗薬はカルシウムイオンの細胞内への流入を阻止し,血管拡張 作用を示す。 □ ACE 阻害薬は,アンギオテンシン I(非昇圧物質)をアンギオテンシ II(昇圧物 質)に変換する酵素を阻害する。 抗炎症薬 鎮痛薬: □ アスピリンは代表的な非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で,リウマチ熱・ リウマチ性関節炎に有効である。 □ アスピリンには血小板凝集抑制作用がある。 □ アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬には,有害作用として消化管出血 がみられる。 □ 麻薬性鎮痛薬は呼吸中枢の機能を抑制する。 □ 麻薬性鎮痛薬であるモルヒネは気管支喘息患者には禁忌である。 □ モルヒネは呼吸中枢を抑制し,消化管に作用して便秘をまねく。 抗がん薬: □ 抗がん薬の投与方法としては,点滴静脈内注射を含め静脈内投与が多く行わ れる。 □ 抗がん薬は局所的に高濃度で作用させる目的で動脈内注入をすることがあ る。 □ メトトレキサートは細胞内で葉酸代謝を妨げ,細胞の増殖を阻止する。 □ 抗がん薬の副作用として骨髄毒性を伴うものが多い。 □ シクロホスファミドはその代謝物質によって,重症の出血性膀胱炎をおこす。 □ ダウノルビシンは心臓に選択的な毒性がある。 □ ビンクリスチンは末梢神経障害などの副作用がある。 □ シスプラチンは,投与量依存性の腎毒性をおこす。 □ シスプラチン投与時の吐きけ・嘔吐抑制に 5-HT3 受容体拮抗薬を使用する。 □ 塩酸イリノテカンは,骨髄機能を抑制し,また強い下痢(脱水)を引きおこ す。 ホルモン剤およびホルモン拮抗薬: □ バソプレシンは抗利尿ホルモンであり,下垂体性尿崩症の治療に用いられる。 □ 放射性ヨウ化ナトリウム(131I)は放射線により腫瘍細胞を破壊し,甲状腺が んに有効である。 □ 副腎皮質ステロイド薬は長期間服用中に急に中止すると,ショックをきた す可能性がある。 □ チアマゾール(メルカゾール)は甲状腺ホルモンの合成を阻害し,甲状腺機能 亢進症(バセドウ病)に用いられる。 □ 前立腺がん治療には LH-RH 類似ペプチド(リュープロレリン)が有効であ る。 □ 副腎皮質ステロイド薬を連用すると副腎の萎縮をきたす。 □ 副腎皮質ステロイド薬の副作用として,肥満,体重増加,高血糖,消化性 潰瘍,感染の誘発,骨粗鬆症などがある。 □ インスリンは消化液で分解されるので経口投与薬は行わない。 その他の薬: □ ストレプトマイシンには,難聴・耳鴫・めまいなど第 8 脳神経障害ならび に腎臓の障害の有害作用がある。 □ テオフィリンは気管支を拡張させ,気管支喘息治療薬として用いられる。 気管支喘息の治療でベクロメタゾンの吸入が行われる。 □ シメチジンは H2 受容体遮新薬で消化性潰瘍の治療に用いられる。 □ オメプラゾールはプロトンポンプ阻害作用をもつ消化性潰瘍治療薬である。 □ L-ドパ(レボドパ)はドパミンの前駆物質で,パーキンソン病の治療薬である。 □ レドパは治療中に幻覚・妄想をはじめとする精神・神経系の有害作用をお こすことが多い。 □ ヘパリンは、経口投与では,抗凝固作用はあらわれない。 □ ワルファリンはプロトロンビンの産生抑える。 □ オランザピンの服用中は高血糖に注意する。 □ クロルプロマジンには,著明な抗精神病作用があり,連用によってパーキ ンソン症候群が発現することがある。 □ ジアゼパムには神経症における不安・緊張などの症状をやわらげる作用が ある。 □ フェニトイン(アレビアチン)はてんかんの大発作に用いられる。 □ フェニトインの長期連用では歯肉増殖をおこす。 □ 麻薬依存(麻薬中毒)の患者にナロキソンを注射すると,禁断症状が急に 発現し危険である。 □ 糖尿病の薬物治療を受けている患者へのβ遮断薬の投与は,低血糖の身体 症状がおおいかくされるため,注意する。 □ フェンタニルパッチの貼付では,毎回貼付部位をかえる。 □ がん性疼痛の管理の際,次回投与時刻前に痛みが再発した場合は,ただち に速放性のオピオイド1回分を臨時に追加(レスキュードーズ)する。 □ ヨードを含む造影剤は,アナフィラキシーショックをおこす可能性がある。
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