パーキンソン病と 治療薬 パーキンソン病のメカニズム 脳内の「ドパミン」が減少することで発症! パーキンソン病とは、脳内の黒質という場所にある神経細胞が変性したり無くなったりして、黒質で作られる「ドパミン」と いう神経伝達物質が減少してしまうことにより、脳から全身に出される運動の指令がうまく伝わらなくなり、体の動きが不 自由になる病気です。 50~60 歳代で発症することが多く、超高齢社会になり、ますます増える傾向にあります。 健康時は・・・ パーキンソン病では・・・ パーキンソン病患者さんの脳内の「ドパミン」を画像で見る! 下の画像は、健康成人とパーキンソン病患者さんの脳内に存在する「ドパミン」の量がどのように違うのかを、脳画像診 断(FMT-PET)で比較したものです。画像の赤い部分にドパミンが存在しています。 健康成人の脳:黒質の神経細胞で作られたドパミンは、脳内 パーキンソン病患者さんでは、脳内の線条体でドパミンが少なく の線条体という場所で放出されます。健康成人では、線条体 なっている。画像は右半身から発症した症例。左側にある線条体 でドパミンが豊富に確認されています。 でドパミンの減少が目立ちます。 【画像提供】自治医科大学 神経内科学 藤本健一先生、村松慎一先生 「黒質」の神経細胞が変性する原因は、●環境との関わり、●神経毒、●酸化ストレス(活性酸素)、●ミトコンドリア障害、 ●遺伝的素因などの仮説が報告されていますが、いまだはっきりとした原因はわかっていません。 パーキンソン病の症状 パーキンソン病の症状は、運動面だけではありません。精神症状や自律神経機能の乱れから生じる症状もあります。た だ、症状の現れ方は個人によって異なるので、パーキンソン病患者さん全員に必ず起こるというわけではありません。 精神症状:うつ症状、幻視、記憶力の低下、不眠、痴呆 など 自律神経症状 ─特に多いのは「便秘」 パーキンソン病を発症すると、体中の働きを調整する「自律神経」の機能が乱れるため、様々な症状が現れます。 便秘、よだれ、発汗、顔が脂ぎる、飲み込みづらい、立ちくらみがする、頻尿、排尿困難、尿失禁、冷え、むくみ、性機能障 害等。 便秘 よだれ 発汗 顔が脂ぎる パーキンソン病の4大症状 パーキンソン病では、 振戦 無動 固縮 姿勢反射障害 「ドパミンの減少」によ 主に手や足にふるえが生じ、 すべての動作が遅 筋肉がかたくこわばって 体のバランスがとりにくく ってスムーズな動きが 何もしないでじっとしていると くなります。 動きが なります。ちょっと押され できなくなるため、「運 きや、横になっているときにも まばたきする回数 悪 く な ただけで、棒のように倒 動」に関する症状が多 ふるえる。 れてしまう。 くみられます。 1 秒間に 5 回前後と、規則的 くなったり、声も小さ 足がス 立っているときは背中を 代表的な運動症状とし にゆっくりふるえる。 ムーズ 丸め、前かがみになって て、振戦(手や足のふ に動か 歩きます。 るえ)、無動(動きが遅 せなくなります。 くなる)、固縮(筋肉が また、関節を曲げたり伸 かたくなってこわばり、 ばそうとすると、歯車が 関節の曲げ伸ばしに 「カクカク」ときしむような 抵抗がある)、姿勢反 抵抗感が断続的に出る 射障害(体のバランス ことが多くなる。 も減り、表情が乏し り 、 手 くなる。 がとりにくくなる)など が現れます。主要なこの 4 つの症状を、パーキンソン病の「4 大症状」といいます。 「振戦(ふるえ)」に注意?! パーキンソン病患者さんのうち、最初にみられるパーキンソン病の症状で一番多くみられるのは「振戦(ふるえ)」。 【パーキンソン病の初発症状(287 例)】 [柳沢 信夫:日内会誌 77:1378-1382,1988 より作図] 主なパーキンソン病治療薬の特徴と副作用 分類 特徴 主な副作用 レボドパ製剤 (L-dopa、L-ドパ) レボドパ (L-ドパ) は血液脳関門を通過できない。ドパミン脱炭酸酵素阻害薬であるカルビドパ(商品名メネシット、ネ オドパストンなど)または、ベンセラジド(商品名イーシー・ドパール、ネオドパゾール、マドパー)との配合剤がある。 主に運動症状 (3主徴) に対し極めて有効に働く。振戦の改善はその他の抗パーキンソン病薬に比べるとマイルド。 長期服用によりオン・オフ現象やウェアリング・オフ現象、ジスキネジアといった副作用(運動合併症)が出現。 【急性期】悪心 【長期使用】不随意運動、ウェア リング・オフ、幻覚、妄想、など ドパミン受容体刺激薬 (ドパミンアゴニスト) 麦角系のカベルゴリン(商品名カバサール)、ペルゴリド(商品名ペルマックス)、ブロモクリプチン(商品名パーロデル など)、非麦角系のプラミペキソール(商品名ビ・シフロール)、ロピニロール(商品名レキップ)、タリペキソール(商品 名ドミン)など。レボドパ製剤と比較してウェアリング・オフやジスキネジアを起こしにくい。 ロチゴン経皮吸収型製剤(ニュープロパッチ)はこの分類であり、警告に突発性睡眠等がある。 【急性期】強い悪心 【長期使用】心臓弁膜症、幻覚、 妄想、眠気など COMT 阻害薬 ドパミン代謝経路の酵素であるカテコール-O-メチル基転移酵素 (COMT) を阻害する。エンタカポン(商品名コムタ ン)は末梢で L-ドパの分解を抑制して中枢への移行性を高める。レボドパとの併用で使用する。ウェアリング・オフ現 象の改善に有効であるが、ジスキネジア、精神症状の増悪が認められることがある。 着色尿、悪心、 ジスキネジアなど MAO-B 阻害薬 中枢内に多く存在するドパミンの分解酵素である MAO-B を選択的に阻害することで、ドパミン濃度を高める。 セレギリン(商品名エフピー)が唯一の MAO-B 阻害薬である。 幻覚、妄想 など ドパミン遊離促進薬 アマンタジン(商品名シンメトレル等)は脳内の神経細胞からドパミンの放出を促進する。 初期パーキンソン病の運動障害の改善の他、運動障害を悪化させずにジスキネジアを改善させる作用がある。 幻覚 など レボドパ賦活薬 ゾニサミド(商品名トレリーフ)は進行期パーキンソン病の運動症状を改善し、とくにウェアリング・オフ現象のオフ時間 を短縮する効果がある。作用機序は、線条体でのチロシン水酸化酵素の産生を高めてドパミン合成量を増やす。 眠気、食欲不振 など 抗コリン薬 トリヘキシフェニジル(商品名アーテンなど)、ビペリデン(商品名アキネトンなど)、プロフェナミン(商品名パーキン)、 メチキセン(商品名コリンホール)などがある。2002年のガイドラインではあくまで補助的な薬物としての位置づけ。 前立腺肥大、緑内障の患者では禁忌。 口の渇き、かすみ目 等 ノルアドレナリン作動薬 ドロキシドパ(商品名ドプス)は進行期パーキンソン病のすくみ足や姿勢維持障害に効果があるといわれている。 また起立性低血圧にも効果がある。 悪性症候群、血圧上昇など 運動症状に対する治療としての薬物療法 日本で推奨され、また治療可能なものを中心に記述するが、すべての薬物がそうであるように、抗パーキンソン病薬にも有害事象があり、 なかでも中心的な薬物であるレボドパは長期服用によって運動合併症を引き起こす。 また多くの抗パーキンソン病薬治療下で、悪性症候群が起こりうる。幻覚・妄想の出現も主な合併症の一つである。 ドパミン補充療法:レボドパドパミンの前駆物質であるレボドパ (L-ドパ) を投与する。ドパミンを直接投与しないのは、ドパミンが血液脳関 門を通過できないためである。ドパミン脱炭酸酵素阻害薬であるカルビドパ(商品名メネシット、ネオドパストンなど)あるいはベンセラジド (商品名イーシー・ドパール、ネオドパゾール、マドパー)との合剤を用いることが多い。1960 年代に臨床応用されて以来、薬物治療のゴー ルデンスタンダードであり、主に運動症状 (3 主徴) に対し極めて有効に働く。振戦の改善はその他の抗パーキンソン病薬に比べるとマイ ルドである。十分な量の投与で、運動機能が長期間良好に維持され、QOL の改善や生存期間の延長につながる。長期にわたる服用によ りオン・オフ現象(突然薬の効果がきれ体が動かなくなる)やウェアリング・オフ現象(内服直後や時間がたった時に効果が突然切れる)、ジ スキネジアといった副作用(運動合併症)が現れる。この運動合併症は、レボドパに比べてドパミンアゴニストで治療を開始したほうが起こ りにくいことが示されている。このため、初期治療としてはドパミン受容体作動薬から投与することで、少しでもレボドパの内服開始時期を 遅らせる治療法が一般に推奨されるが、実際にどちらから開始するかについては年齢・生活・合併症の有無など患者個々人の状況に応じ て判断することが求められる。レボドパやドパミンアゴニストを投与すると悪心・嘔吐の副作用が出ることが多いが、これに対する治療とし ての制吐剤には、パーキンソニズムを悪化させるものが多い。メトクロプラミドはこの用途には用いず、ドンペリドンを用いるのが一般的で ある(パーキンソン症候群の薬剤性パーキンソニズムの項を参照)。運動合併症を改善できるよう新たな剤型や誘導体が開発・製品化され ている 。 ドパミン受容体作動薬ドパミンアゴニストとも呼ばれる。麦角系としてカベルゴリン(商品名カバサール)、ペルゴリド(商品名ペルマックス)、 ブロモクリプチン(商品名パーロデルなど)、非麦角系としてプラミペキソール(商品名ビ・シフロール)、ロピニロール(商品名レキップ)、タ リペキソール(商品名ドミン)などがある。レボドパ製剤と比較してウェアリングオフやジスキネジアを起こしにくいことから、認知症を伴わな い70歳未満の患者については、レボドパではなくこちらを第一選択とすることが推奨されている。幻覚(幻視が主である)などの精神症状 が強く出やすいため、認知障害のある患者では投与を避ける。また麦角系ドパミンアゴニストでは重篤な副作用(心臓弁膜症や間質性肺 炎など)を起こすことがわかり、新たに投与を開始する場合はまず非麦角系薬を選択し、治療効果が不充分であったり忍容性に問題があ るときのみ麦角系薬を使用することになっている(その場合、投与開始前および開始後定期的に心臓超音波検査をはじめとするフォロー が必要である)。ただし、非麦角系薬にも突発的睡眠などの重大な副作用があるため、注意が必要であることには変わりがない。また、こ れらの薬剤を内服している人が急に内服を中止すると悪性症候群などの重大な副作用を引き起こす危険があるので、必ず医師に相談す る必要がある。アポモルヒネはドパミン受容体のうち D1 および D2 受容体の作動薬で、即効性がある。すでに 1950 年代からパーキンソン 病への適応が検討されていたが、初回通過効果を受けやすいため経口薬としては使えなかった。 その後皮下注射薬が開発されて即効性と半減期の短さから、進行期のオフ症状に対するレスキュー役として使われるようになった (日本 では 2012 年 3 月承認)。 MAO-B 阻害薬:選択的不可逆的モノアミン酸化酵素 B (MAO-B) 阻害薬である。 中枢内に多く存在し、ドパミンの代謝経路として働く MAO-B を選択的に阻害することで、ドパミン濃度を高める働きがある。セレギリン(商 品名エフピー)が現在日本で使用されている唯一の MAO-B 阻害薬である。セレギリンは治療量内では MAO-B に対して選択的に働くが、 高用量になると MAO-A および MAO-B に対して非選択的に阻害してしまうので注意が必要である。 また、進行期パーキンソン病の運動合併症であるジスキネジアの発現を増強するため、ジスキネジアが出現した場合には投与を中止す る。セレギリンは神経保護作用もあるといわれているが、その効果については報告によって違いが見られ、議論が分かれている。COMT 阻害薬と異なり、MAO-B 阻害薬単独でも効果はあるといわれている (NHS <英国国立医療技術評価機構によるガイドライン NICE> あるい は国際運動障害学会によるレビューなどの推奨) が、日本では L-ドパとの併用のみが認められている。 セレギリンは代謝されアンフェタミン、メタンフェタミンが産出され、覚醒方向に働き不安、不眠の副作用が生じることがあり夕の内服は避 けられる傾向がある。ウェアリングオフやすくみ足といった他の抗パーキンソン病薬では効果が低い症状に有効である。 しかしピークドーズジスキネジアは出現しやすくなる。そのため早期パーキンソン病ではレボドパの開始と同時期に開始し、病気の進行を 遅らせたり後期パーキンソン病で幻覚や認知症のない例でウェアリングオフが認められジスキネジアが認められない例で用いられる場合 が多い。メペリジン、三環系抗うつ薬、SSRI とは急性の中毒性相互作用(セロトニン症候群)が知られている。また血圧を下げる作用があ るため起立性低血圧が認められる場合は増悪する可能性がある。また MIBG シンチグラフィーの検査に影響を与えることが知られる。 ドパミン放出促進薬アマンタジン(商品名シンメトレルなど)は、もともとインフルエンザ治療薬として開発された。 また神経保護作用もあるといわれるが、証拠はまだない。アマンタジンはセレギリンと同様に覚醒させる方向に働くとされており、朝、昼に 内服する場合が多い。初期パーキンソン病の運動障害の改善の他、運動障害を悪化させずにジスキネジアを改善させる作用がある。運 動障害の改善のためには 100~200mg/day の投与で十分であるが抗ジスキネジア作用を期待するには 300mg/day 以上の投与が必要で ある。 腎排泄性の薬物であり高齢者の投与の場合は減量が必要である。血液透析で除去されにくいのも特徴である。また高齢者、腎機能障害 者に投与した場合、副作用である幻覚やミオクローヌスが出現しやすい。ミオクローヌスと振戦の区別が難しい場合もある。その他の副作 用としては網状皮膚斑などが知られる。 グルタミン酸受容体作動薬ドパミン放出効果を持つアマンタジンはグルタミン酸受容体のうち NMDA 受容体の拮抗薬である。 その他の抗パーキンソン病薬 COMT 阻害薬:中枢外に存在するドパミン代謝経路の酵素であるカテコール-O-メチル基転移酵素 (COMT) を阻害する薬剤である。 末梢での L-ドパ分解を抑制して中枢への移行性を高めるための薬剤であり、レボドパとの併用のみで用いられる。 エンタカポン(商品名コムタン)およびトルカポンが開発されているが、トルカポンは致死的な肝障害の副作用が見られたため、現在米国 以外では使用されていない。日本ではエンタカポンが 2007 年 1 月に承認されている。 ウェアリングオフ現象の改善に有効であるが、ジスキネジア、精神症状の増悪が認められることがある。 抗コリン薬:アセチルコリン受容体のうち、ムスカリン受容体をブロックする薬剤である。最も古くから使用されている抗パーキンソン病薬で あり、19 世紀から天然アルカロイドが用いられていた。1949 年に合成薬トリヘキシフェニジル(商品名アーテンなど)が開発されて以来、 様々な薬剤が使われている。主な抗コリン薬としては他にビペリデン(商品名アキネトンなど)、プロフェナミン(商品名パーキン)、メチキセ ン(商品名コリンホール)などがある。2002 年のガイドラインではあくまで補助的な薬物として位置づけられている。 前立腺肥大、緑内障の患者では禁忌であり、幻覚、妄想、せん妄、認知症の悪化という副作用も認められるため認知症が認められる患者 や高齢者ではあまり用いられない。少量から開始し、中止する場合もゆっくりと減量をする。 フェノチアジン系抗ヒスタミン薬であるプロメタジン(商品名ピレチアなど)はパーキンソン病の振戦の緩和作用が知られている。中枢性抗 コリン作用を持つためである。鎮静作用が強く不眠改善も期待できる。 ノルアドレナリン作動薬:ドロキシドパは日本で開発されたノルアドレナリンの非生理的な前駆物質である。 進行期パーキンソン病のすくみ足や姿勢維持障害に効果があるといわれている。 また起立性低血圧にも効果がある。 ゾニサミド(商品名トレリーフ、エクセグラン)は日本で開発された抗てんかん薬である。てんかんを合併したパーキンソン病患者の治療過 程で、偶然にパーキンソン病の運動症状に対する効果のあることが示唆された。その後の大規模二重盲検試験では進行期パーキンソン 病の運動症状を改善し、特に進行期のウェアリングオフ現象のオフ時間を短縮する効果が明らかにされた。 その作用機序は、線条体でのチロシン水酸化酵素 (チロシンからドパミンを生成する反応の律速酵素) 産生を高めてドパミン合成量を増 やすこと、ある程度の MAO-B 阻害作用を持つことなどが考えられている。 持続性ドパミン刺激 CDS (continuous dopaminergic stimulation) の訳語。これまでのレボドパ内服療法では、長期間投与につれてウェアリングオフ・ジスキネジ アなどの運動合併症が現れる。この運動合併症の出現を遅らせたり抑止すること、あるいは出現した症状を軽減することが長年課題とな ってきた。この目的のために、ドパミン受容体を持続的に刺激する方法が指向されている。 レボドパ/カルビドパの持続的十二指腸内投与 レボドパとカルビドパの合剤をゲル状にしたものを、造設した胃瘻を通じて十二指腸内 に留置したチューブから持続的に投与する方法 (商品名デュオドパ)、薬液はポンプにいれて携帯する。 進行期パーキンソン病において、既存の多剤内服療法に比べてオン時間の延長を認め、ジスキネジアの増悪もなく生活の質の向上が見 られる。また安全性も高く、そのためアポモルヒネ持続注射法や (視床下核脳深部刺激に代表される) 外科的治療が無効だったり、もとも と適応がない場合には最後の砦となる治療法である。 レボドパ徐放剤 IPX066 は経口のレボドパ/カルビドパ合剤で、導入が検討されている。 レボドパ誘導体 レボドパのエチル化誘導体であるエチレボドパやメチル化誘導体のメレボドパ。 水溶性でレボドパに比べて吸収が早くなること、それによって no on、delayed on の改善が予想され、レボドパに代わるという期待がかけら れている。 ドパミンアゴニスト徐放剤として、プラミペキソール徐放剤(商品名ビ・シフロール)、ロピニロール徐放剤(商品名レキップ)が製品化されて いる。いずれも 1 日 1 回の内服となり、ドパミン受容体への持続的な刺激が期待できるだけでなく、患者にとっても利便性が向上する。 非麦角系ドパミンアゴニストのロチゴチン貼付剤 (皮下投与薬:商品名ニュープロパッチ)。 経口の徐放剤に同じく 1 日 1 回貼付となる。 早期・進行期でともに有意な運動症状の改善を認め、進行期でのオフ時間の短縮もプラミペキソールと同等である。 アデノシン受容体拮抗薬アデノシン A2a 受容体に対する選択的拮抗薬イストラデフィリン(商品名ノウリアスト)は、低容量のレボドパとの併 用で抗パーキンソン効果をあらわした。さらに維持量のレボドパ投与に比べてジスキネジアを軽減し、レボドパの半減期を延長した。アデ ノシン A2a 受容体は線条体から淡蒼球に投射するニューロン上で多く発現しており、ドパミン D2 受容体・代謝型グルタミン酸受容体などと 機能的な 2 量体を形成することもある。この受容体への刺激はドパミン D2 受容体の働きに拮抗している。 そのため A2a 受容体を遮断することは、ドパミン刺激を介さずに抗パーキンソン作用を示すことになる。
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