CHROMATOGRAPHY CONSUMABLES Product Specifications Thermo Scientific pH グラジェントバッファー チャージバリアントのシンプルな分析方法の開発 Thermo Scientific™ pHグラジェントバッファーは、タンパク やモノクローナル抗体（MAb ）に含まれるチャージバリアント の LCによる分析方法の開発や、 QA/QCへのメソッド移管の時 間短縮を実現します。 ・バッファー成分の特長により、速くて再現性の良い pHグラ ジェントが可能です。また、分析方法の開発もシンプルで簡単 です。 ・普段使用している生体分子分析用の LCカラムやシステムで、 pHグラジェントバッファーを使用することができます。ま た、塩によるグラジェント時のように、移動相の調製に時間が かかりません。 ・pHグラジェントを使用する方法は、ほとんどの MAbに適用 可能です。 はじめに バ イ オ 医 薬 品が 一 般 的にな ってきたた されてきました。 しかし、それぞれの チ ャ ー ジ バ リ ア ン トに 合 った 塩 グ ラ め、バイオ医薬品に携わる分析者は、より ジェントが必要なため、更なる検討が必 速く、汎用で、堅牢性に優れた分析方法を 要でした。サーモフィッシャーサイエン 求めています。これらの要件を満たすた ティフィックがご提供するpHグラジェン め、スクリーニング、メソッド開発、QA/ ト バ ッ フ ァ ー と MAb 分 析 用 カ ラ ム の QCへのメソッド移管といった開発から キットは、陽イオン交換を利用した pHの 製造段階を通して、分析方法は単純であ 直線的グラジェントで、非常に再現性が ることが求められます。リコンビナント 良 好です。この LCを 利 用した pHグ ラ モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体（ re c o m b i n a n t ジェントによるアプローチは、さまざま monoclonal antibodies ）には、シアリル化 な MAb チャージバリアントに適用でき （sialylation ）、脱アミド（deamidation ）、 るため、分析方法の開発や QA/QCへのメ C末端リジンのトランケーション ソッド移管の時間を短縮します。従来か （C-terminal lysine truncation ）が 混 在し らの塩グラジェントとは異なり、モノク ています。モノクローナル抗体の精製や ロ ー ナ ル 抗 体の pIを 予 測できるため、 製造においては、バリアント構造の特定 チャージバリアントの保持時間を予想で や副生成物の安定性だけではなく、分析 きます。これにより、より狭い pH範囲で による抗体のキャラクター化、不純物の グラジェント分析を行い、高い分離を得 定量が重要です。これは、抗体医薬品の安 ることができます。 全性・効能を証明するもので、 U.S. FDA や 他の 国 々の 規 制 当 局で 求められてい ます。 従来から、塩グラジェントを利用した陽 イオンクロマトグラフィーにより、 MAb のチャージバリアントがキャラクター化 pH グラジェントバッファーの濃度 60 は、 2つの濃度の緩衝液を使用します。これ 25 10.50 pH trace の pH範囲では、両方のバッファーに含ま れる 緩 衝 剤は 中 性もしくは マ イ ナ スに チャージしています。よって、両方のバッ ファーに含まれる緩衝剤は、 キットに含ま れる陽イオン交換カラムには保持されず、 “good buffer ”として作用します。 シンプル を0 %から100 %にプログラムするだけ で、pH 5 .6から pH 10 .2のリニアーグラ ジェントが可能です。 のカラムを使用しています。グラジェン この結果より、 pHグラジェントはチャー には、分析方法の最適化が必要になるこ ジェントにするか、より狭い範囲で pHグ ラジェントを行うことになります。勾配 の低い pHグラジェントを行えば、溶出順 序が変わらないのでクロマトグラムのプ ロファイルが予想できます。図2は、ソフ ト ウ ェ アを 使 用して、 pHグ ラ ジ ェ ン ト バ ッ フ ァ ー を 狭 い pH 範 囲 で 行 っ た と きの検討例です。移動相 Bを0 %から 100%にし、バッファー Bを pH 7.9にし、 次に移動相 Bを25 %から100 %にして分 析を行いました。 12.5 15.0 Retention Time (min) 17.5 5.00 20.0 10.50 pH trace 9.00 7.00 6.00 0 5 10 15 20 25 30 35 40 5.00 8.50 pH trace (b) 20.0 7.00 10.0 6.00 -5.0 とがあります。より 勾 配の 低い pHグ ラ 10.0 10.0 回を超える分析を行っても0.8%でした。 チャージバリアントの分離を向上させる 7.5 8.00 は20分です。保持時間の %RSDは、300 0 16.0 5 10 15 20 25 30 35 5.00 8.00 pH trace (c) 40 7.75 10.0 7.50 pH シンプルな分析方法の最適化 5.0 20.0 0.0 性が良いといえます。 2.5 30.0 トは15分 間 行い、1回あたりの 分 析 時 間 ジバリアントの分離において非常に再現 5回注入 (a) 25.0 Absorbance (mAU) この分析には Thermo Scientific MAbPac™ SCX-10 、5 µm、4 x50 mm 6.00 40.0 再現性のよい pH グラジェント A ）の pHグラジェントによる分析例です。 100回注入 図1：pHグラジェントバッファーを利用して得られた再現性 カラム：MAbPac SCX-10、5 µm、4 × 50 mm; サンプル：ribonuclease A -5.0 図1は、 リボヌクレアーゼ A（ribonuclease 7.00 -50 -100 0.0 Absorbance (mAU) 方は簡単で、溶媒を10倍希釈するだけで 200回注入 -75 この pHグラジェントバッファーの使い す。移動相 Aを100 %から0 %、移動相 B 8.00 -25 pH 5.6で、バッファー Bは pHが10.2です。こ pH が 含まれています。バッファー Aは pHが 9.00 300回注入 0 pH らの緩衝液は特許取得済みで、 両性イオン Absorbance (mAU) pHグラジェントによる分析方法の構築に Absorbance (mAU) 2 7.25 5.0 -2.0 7.00 0 5 10 15 20 25 30 35 Retention Time (min) 図2：pHグラジェントを利用した MAbチャージバリアントの分離検討 カラム：MAbPac SCX-10、10 µm、4 × 250 mm （a ）0 % B（pH 5 .6）から100 % B（pH 10 .2） （b ）0 % B（pH 5 .6）から 50 % B（pH 7 .9） （c ）25 % B（pH 6 .75）から 50 % B（pH 7 .9） 6.60 40 チャージバリアントの pI 予測 10.5 pHグラジェント分析時に pHをモニター 10 すると、チャージバリアントの pIが予測 9.5 れぞれ固有の pIを超えると、溶出する性 質を持つためです。図3は、6つのタンパ クを分析し、保持時間を基に pHを測定し た結果です。これにより、理論による pI値 と測定による pHの相関関係が得られま した。この分析の結果、保持時間より得ら れた pHから、タンパクの pIが予測できま した。 Cytochrome C 9 pH （測定値） できます。これは、タンパクや MAbがそ 3 y = 1.6923x - 7.2914 R2 = 0.9929 8.5 Ribonuclease A 8 Trypsinogen 7.5 7 6.5 6 5.5 7.5 Lectin-3 Lectin-2 Lectin-1 8.5 pI （理論値） 9.5 10.5 図3：6つのタンパクの pI（理論値）に対する pH（測定値） 関連製品 pH デザイナーソフトウェア Thermo Scientific pH デザイナーソフトウェアは、それぞれのチャージバリアントに 合った pHグラジェントを、より簡単にプログラムすることができます。このソフト ウェアパッケージには、個々の pHグラジェントをどのようにプログラムするかが記 載されています。また、 pHグラジェントプロファイルによって分離できるだけではな く、イオン強度や緩衝キャパシティ（buffering capacity ）が予測できます。 Thermo Scientific ProPac™ と MAbPac 陽イオン 交換カラム ProPacと MAbPac陽イオン交換カラムは、タンパクやモノクローナル抗体、これに関 連するバリアントの高分離・高効率分析を目的に開発されたカラムです。このユニー クな無多孔性の充塡剤は、バリアントの1電荷の違いを分離できるほど、分離に優れた カラムです。MAbPacシリーズには3 µmや5 µmの充填剤もありますので、従来より も高速かつ高分離が期待できます。 Thermo Scientific Dionex™ PCM-3000 pH グラジェントセパレーションモジュール PCM-3000 pH グ ラ ジ ェ ン ト セ パ レ ー シ ョ ン モ ジ ュ ー ルは、Thermo Scientific Dionex UltiMate™ 3000に接続することができ、pHグラジェントによるイオン交換 クロマトグラフィーを行う際には非常に便利です。モノクローナル抗体やチャージバ リアントを分析する場合、伝導度でpHをモニターすることができます。pHグラジェン トで pHの範囲を検討する場合や、pI値が分からない場合に便利です。 Thermo Scientific Dionex UltiMate 3000 BioRS システム UltiMate 3000 BioRS システムは、生体分子の分析において、高速高分離が必要な場 合にも対応できる UHPLCシステムです。このシステムは生体分子の分析に適合する ように、チタニウム製のポンプです。また、ステンレスを用いない特殊合金製の、流路 拡散の少ない配管類を使用しているため、高いピークキャパシティが得られます。ま た、タンパク、ペプチド、バイオ医薬品といった複雑なサンプル分析時にも高感度が得 られます。Thermo Scientific Dionex Viper™フィンガータイトフィッティングは、堅 牢性に優れたフィッティングとデッドボリュームの無い接続を可能にし、高いパ フォーマンスを実現します。UltiMate 3000 BioRS システムは、 ペプチドマッピング、 モノクローナル抗体のチャージバリアント、糖鎖、核酸といった生体分子分析のニー ズにお応えできます。 pH測定値 pH （測定値） とpI （理論値） の相関性 オーダーインフォメーション た、 125 mLのペアにカラムがセットになった商品もご用意しています。 ・CX-1 pH Gradient Starter Kitは 次の 商 品を 含みます : 125 mLの バ ッ フ ァ ー Aおよび バ ッ フ ァ ー B、 MAbPac SCX-10、10 µm、4 x 250 mmカラム1本 ・CX-1 pH Gradient High Throughput Kitは次の商品を含みます: 125 mLのバッファーAおよびバッファーB、 MAbPac SCX-10、5 µm、4 x 50 mmカラム1本 Product Specifications Thermo Scientific pH バッファー濃縮液は、個々のバッファーをご購入いただくことも、バッファー Aと バッファー Bのペアでご購入いただくことも可能です。容量は、 125 mLと250 mLをご用意しています。ま ・CX-1 pH Gradient High Resolution Kitは次の商品を含みます: 125 mLのバッファーAおよびバッファーB、 MAbPac SCX-10、5 µm、4 x 250 mmカラム1本 ・製品番号083380、083376、083270は、各バッファー、カラム、 pH デザイナーソフトウェアも含みます。 オーダーインフォメーション 製品番号 詳細 083273 CX-1 pH Gradient Buffer A (pH 5 .6 ), 125 mL 083275 CX-1 pH Gradient Buffer B (pH 10 .2 ), 125 mL 083274 CX-1 pH Gradient Buffer Kit (pH 5 .6 to 10 .2 ), 125 mL 085346 CX-1 pH Gradient Buffer A (pH 5 .6 ), 250 mL 085348 CX-1 pH Gradient Buffer B (pH 10 .2 ), 250 mL 085349 CX-1 pH Gradient Buffer Kit (pH 5 .6 to 10 .2 ), 250 mL 083381 CX-1 pH Gradient Starter Kit (pH 5 .6 to 10 .2 ), 125 mL 083378 CX-1 pH Gradient High Throughput Kit (pH 5 .6 to 10 .2 ), 125 mL 083272 CX-1 pH Gradient High Resolution Kit (pH 5 .6 to 10 .2 ), 125 mL 083380 CX-1 pH Gradient Starter Platform (pH 5 .6 to 10 .2 ), 125 mL 083376 CX-1 pH Gradient High Throughput Platform (pH 5 .6 to 10 .2 ), 125 mL 083270 CX-1 pH Gradient High Resolution Platform (pH 5 .6 to 10 .2 ), 125 mL 085022 pH Designer Software Ⓒ 2014 Thermo Fisher Scientific Inc. 無断複写・転載を禁じます。 ここに掲載されている会社名、製品名は各社の商標、登録商標です。掲載されている価格は消費税を含んでおりません。 ここに掲載されている内容は、予告なく変更することがあります。詳細については、販売代理店にお問い合わせください。 サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 分析機器・消耗品に関するお問い合わせはこちら TEL 0120-753-670 FAX 0120-753 -671 〒221-0022 横浜市神奈川区守屋町3 -9 E-mail : [email protected] www.thermoscientific.jp 販売店 E1404
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