平地研究室技術メモ No.20141125 位相シフト方式フルブリッジ型 DC/DC コンバータのシミュレーション波形 (読んでほしい人:パワエレ初心者) 2014/11/25 舞鶴高専 平地克也 位相シフト方式フルブリッジ型 DC/DC コンバータは数 100W 以上の電力変換装置に広く用いられ ています。特別に部品を追加しなくてもソフトスイッチングを実現できることが大きな特長です。こ の回路方式の動作原理は平地研究室技術メモ No.20110928 ですでに説明済みです。しかしこの技術 メモでは各動作モードの電流径路は詳しく図示していますが、各部の波形は掲載していませんでした。 今回主要部品の全ての波形を掲載しますので技術メモ No.20110928 と合わせて参照下さい。 実測波形は回路の寄生要素のために振動やサージが発生して基本原理の理解のためには適切では ありませんのでソフトスイッチング可能な理想的な条件でのシミュレーション波形を掲載します。 シミュレーション回路および条件を以下に示します。シミュレーションソフトは SCAT です。サー キットファイルをホームページに添付してますのでご利用下さい。 Rin CQ1 DQ1 CQ3 DQ3 Q3 Q1 D1 1mohm 1nF Ll 40uH 1nF E Q2 TR1 n1 1 400V CQ2 DQ2 Lm 3mH CQ4 DQ4 Q4 Rn1 n2 1 Ld 2mH Cd 100uF RL 50ohm n3 1 D2 1mohm 1nF 1nF <シミュレーション回路> ・Ll は TR1 の漏れインダクタンスまたは外付けリアクトル ・Lm は TR1 の励磁インダクタンス ・Rin と Rn1 は無視して下さい。 ・TR1 の巻き数比は分かり易く 1:1:1 としている。 <動作条件> ・入力電圧 400V、出力電圧 222V、出力電流 4.44A、出力電力 986W ・動作周波数 20kHz、位相シフト量 20%(10μsec) 、デッドタイム 1%(0.5μsec) ・スイッチ素子の ON 抵抗は 0.1Ω、ダイオードの順方向電圧降下は 0.6V+0.1Ω×電流 ・ダイオードの逆回復時間は 0sec、スイッチ素子のスイッチング時間も 0sec ・理想的なソフトスイッチングを実現できる部品定数としている。 ・出力電圧が高いので実用的には全波整流とすべきだが、技術メモ No.20110928 に合わせて両波整 流とした。 ・部品記号、動作モード番号は全て技術メモ No.20110928 による。 ・Ll はかなり大きい(40μH)が、ソフトスイッチング実現にはこの回路ではこの程度が必要。 1 3-1,2,3 2-1,2 Mode 1-4 1-1,2,3 4-1,2 2-3 3-4 4-3 1-4 Q1 電圧 Q2 電圧 Q3 電圧 Q4 電圧 Q1 電流 Q2 電流 Q3 電流 Q4 電流 n1 電圧 Lm 電流(励磁電流) Ll 電圧 Ll 電流 電圧は全て 500V/div 電流は全て 5A/div 時間軸は 15μsec/div 2 3-1,2,3 2-1,2 Mode 1-4 1-1,2,3 4-1,2 2-3 3-4 4-3 1-4 Q1 電圧 Q2 電圧 Q3 電圧 Q4 電圧 Q1 電流 D1 電流 D2 電流 Ld 電圧 Ld 電流 ← Ld 電流の GND DQ1 電流 DQ2 電流 DQ3 電流 DQ4 電流 電圧は全て 500V/div 電流は全て 5A/div 時間軸は 15μsec/div 以上 3
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