P14 Local enhancement of deposition rate by gas blowing in

P14
応用物理学会SC東海学術講演会 (JSAP SCTS 2014)
有機金属原料化学気相成長法による Ge1-xSnx エピタキシャル層の結晶性
Crystallinity of Ge1-xSnx Epitaxial Layers grown with Metal Organic Chemical Vapor Deposition
名古屋大院工 1, 学振特別研究員 2
犬塚雄貴 1,池進一 1, 2, 浅野孝典 1, 2 竹内和歌奈 1,中塚理 1,財満鎭明 1
○
Grad. Sch. Of Eng. Nagoya Univ. 1, JSPS Research Fellow 2
○
Y. Inuzuka1, S. Ike1, 2, T. Asano1, 2, W. Takeuchi1, O. Nakatsuka1, and S. Zaima1
E-mail: [email protected]
研究背景> 現在、次世代半導体材料として Ge1-xSnx 混晶が注目さ
Ge1-xSnx004
Ge004
れている。Ge への Sn の添加によってエネルギーバンド構造が変
350˚C
300˚C
280˚C
Ge1-xSnx 混晶のさかんな研究により、さまざまな方法で熱平衡固
溶限(~1%)を超える Sn 組成を有する Ge1-xSnx 混晶の形成が報告
されている[2- 4]。安全な有機金属原料を用いた化学気相成長法
(MOCVD 法)では Sn 組成 2%を有する Ge1-xSnx 混晶の形成が報
告されているが[5]、その結晶性の評価や Sn 組成の向上は十分で
ない。そこで本研究では、MOCVD 法による高 Sn 組成 Ge1-xSnx
混晶の形成およびその結晶性の評価を行った。
実験方法> Ge(001)基板を化学洗浄後、圧力 2.4kPa の水素雰
囲気中において、600˚C、10 分間の熱処理を施し、表面清浄
化を行った。Ge 原料および Sn 原料として、Tertiary buthyl
germane(TBGe)および Tri buthyl vinyl tin(TBVSn)を用いた。
成長温度を 280~350˚C とし、成膜圧力 33kPa、水素雰囲気中
にて Ge1-xSnx 膜の成長を行った。
特色と独創的な点> CVD 法を用いる Ge1-xSnx 膜の形成で、主に使
われている無機金属原料は原料自身に危険性を有する。本研究で
は、比較的に安全で取扱いの容易な有機金属原料のみを用いた
64.5 65.0
65.5 66.0 66.5 67.0
2θ-ω (deg.)
Fig. 1 XRD 2θ-ω scans of GeSn layers on
Ge(001) substrate at different temperatures.
Omega 77.12830
2Theta 83.28050
Phi 0.00
Chi 0.00
X 0.00
Y 0.00
Z 9.350
omegastep_0.01.xrdml
Qy*10000(rlu)
7100
0.5
7080
1.4
7.10
Reciprocal lattice Qy (nm−1)
光学デバイスや電子デバイスへの応用が期待されている。近年、
Intensity (a. u.)
調できる。特に Sn 組成 8%以上では直接遷移化が予測され[1]、
0.9
2.0
7060
3.0
7.05
7040
4.2
6.0
8.3
7020
11.5
7000
7.00
15.9
21.9
6980
30.0
6960
41.2
6.95
6940
56.3
77.1
105.3
6920
143.9
6900
6.90
-5015
-5010
-5005
-5000
-4995
-4990
-4985
-4980
-4975
-4970
−5.015 −5.000 -4.985 Qx*10000(rlu)
Reciprocal lattice Qx (nm−1)
196.5
268.3
366.3
500.0
Fig. 2 XRD-2DRSM results around the Ge -224 receprocal point for GeSn layer grown at
280˚C with a Sn contents of 3.9%.
Ge1-xSnx 膜の形成を実現し、その詳細な結晶性を解明した。
研究成果> Ge1-xSnx 膜の X 線回折(XRD)2θ-ω 測定の結果を図 1 に示す。Ge1-xSnx 膜由来の回折ピークが
観察され、成長温度の低減とともに、Sn 組成が 1.3%, 3.2%, 3.9%と増大することがわかった。膜厚フリン
ジが明瞭に観測されることから、Ge1-xSnx 膜は転位や Sn 析出のない急峻な界面を形成し、Ge 基板上に
pseudomorphic に成長していると考えられる。成長温度 280˚C の試料について、Ge Sn −
2−
24回折ピークま
1-x
x
わりの XRD-2DRSM を行った結果を図 2 に示す。Ge1-xSnx 膜は確かに Ge 基板上に pseudomorphic に成長
していることがわかる。また、Qx 方向に広がりの小さな鋭いピークを示していることから、Ge1-xSnx 膜が
高い結晶性を有していることがわかった。
参考文献> [1] S. Gupta et al., IEDM2011, p.398. [2] Y. Shimura et al., ECS Trans., 33, 205 (2010). [3] R. R.
Lieten et al., ECS Trans, 50, 915 (2012). [4] F. Genecarelli et al., ECS J. Solid State Sci. Technol. 2, P134 (2013).
[5] K. Suda et al., Abstract of 226th ECS Meet. 1828 (2014).
キーワード> Ge1-xSnx, MOCVD 法, エピタキシャル成長