FileMaker Server の安全な運用のための ベストプラクティス

26
∼
NOV 18:30
19:30
G-10
中級
FileMaker Server
の安全な運用のための
ベストプラクティス
!
株式会社ジェネコム
高岡幸生
自己紹介
高岡 幸生 (たかおか ゆきお)
FileMaker 8∼13 認定デベロッパ
!
株式会社ジェネコム
創 業:1995年
本 社:東京都新宿区 九州支社:福岡県福岡市
従業員:12名
FileMaker Business Alliance Platinum
Apple Consultants Network
http://www.genecom.co.jp/
FileMaker Excellence Award for
FBA Business Partners of the Year
in North Asia
このセッションで学ぶこと
•FileMaker Server 運用に関する周辺知識
•FileMaker Server 用ハードウェアの構成
•障害発生などリスクへの備え
周辺知識
オペレーティングシステム
•OSの種類
・Windows Server → 2008 R2 SP1 / 2012 Standard Edition
→ Windows 7 Professional(テスト用など)
・Mac OS
→ Mavericks 10.9 / Lion 10.8
•64bit
ディスク装置
『ハードディスク』
と
ひとくちに言っても
種類があります
ハードディスクの種類
SATA
特徴
通信方式
SAS
SSD
基本的にPC用途を想
複数ユーザからのアク
定し、 低価格での提
供を重視している。
セス、高負荷運用を想 タ読みだしが可能であ
定した、性能、信頼性 るため、最近ではデー
半二重
HDDよりも高速にデー
を特に重視している。
タベースサーバにも
SSDが搭載されること
全二重
が増えています。
!
最大スル
ープット
300MB/秒
600MB/秒(SAS-2)
1200MB/秒(SAS-3)
ただし、少々高い。
ハードディスクの冗長化
冗長化
(じょうちょうか)
9090990
RAID
(レイド)
ハードディスクの冗長化
RAID
数台のハードディスクを組み合わせる
ことで仮想的な1台のハードディスク
として運用し冗長性を向上させる技術
(Wikipediaより)
ハードディスクの冗長化
RAID
RAID5
どれか1台のディスクが破損し
A1
B1
C1
P1
A2
B2
P2
C2
A3
P3
B3
C3
P4
A4
B4
C4
ディスク1
ディスク2
ディスク3
ディスク4
ても、復旧用の情報が他のディ
スクに保存され得れているた
め、障害発生と復旧に強い。
破損ディスクを入れ替えると復旧が行われる
ハードディスクの冗長化
RAID
RAID1
Block1
2台のディスクで同じデータを保持
Block1
Block2
Block2
2つのディスクの
内容が常に同じ
Block3
Block3
Block4
Block4
ディスク1
ディスク2
します。どちらか1台のディスクが
破損しても、もう1台のディスクで
継続運用が可能。
破損ディスクを入れ替えると復旧が行われる
ハードディスクの冗長化
RAID
RAID0
複数のディスクを1台のディス
Disk1
クに見立てる。
Disk2
読み出し、書き込み共に高速
ですが、リスクは高い。
Disk3
Disk4
ディスク1本が破損=全て台無し
ハードディスクの冗長化
RAID
RAID1+0
RAID0の心配事をRAID1の手
RAID0
RAID1
法で補う。高速且つ安心。
RAID1
A1
A1
A2
A2
A3
A3
A4
A4
A5
A5
A6
A6
A7
A7
A8
A8
ディスク1
ディスク2
ディスク3
ディスク4
安心度も高いがコストも高い。
ハードディスクの冗長化
RAID
RAID
RAID
RAID
0
1
5
1+0
ウイルス対策
FileMaker Serverにおける
ウイルス対策
•FileMaker データベースには一般的なウイルスは感染しない
※前例は無いだけで、リスクはあります。
•USBなどを介した、ウイルスの侵入は考慮すべき
•ネットワークを介した、外部からの侵入は考慮すべき
FileMaker Serverにおける
ウイルス対策
USBメモリなどを介した、ウイルスの侵入
【対策】
•ウイルス対策ソフトでストレージからの侵入を防ぐ
•ウイルス対策が成されているUSBメモリは最低限
FileMaker Serverにおける
ウイルス対策
ネットワーク(Internet)を介した外部からの侵入
【対策】
•Firewallによる侵入対策は必須
•VPNによる仮想ネットワークも検討すべき
バックアップ装置
バックアップ装置
FileMaker Server のスケジュールバックアップの保存先
内蔵HDD
外付HDD
ネットワークドライブ
バックアップ先
○
○
バックアップ法
FMSスケジュール
FMSスケジュール
バッチ転送
お薦め度
竹
松
組合わせ有りなら松
復旧しやすさ
竹
松
竹
障害対応
障害対応の一般的な流れ
代替機有り
ハードウェア
障害?
代替機無し
とりあえず
バックアップ
SVの準備
戻し
障害発生
対応終了
バックアップ
戻しでOK?
データ障害?
障害度合いの
見積り
データ復元
でOK?
データ復元
障害対策
ハードウェア障害
•電源などサーバ本体の故障?
•ハードディスクの故障?
ソフトウェア障害
•OSやFileMaker Serverに問題?
•データベースファイルに問題?
障害対策
ハードウェア障害
•電源などサーバ本体の故障?
• メーカーサポート等に対応依頼∼予備機があれば切り替え
• 社内システム担当者に対応依頼
•ハードディスクの故障?
•専用ツールなどでディスク修復
•ハードディスク交換
障害対策
ソフトウェア障害
•OSやFileMaker Serverが起動せず
•予備機があれば、予備機発動で本番/バックアップDBを移行
•再インストールなどを試みる
•データベースファイルに問題
•必要に応じてデータベース修復
•バックアップDBを移行(一部戻しなど含む)して運用再開
サーバの構築
(インフラ)
サーバの構築
小規模
部門
ミッションクリティカル
マシン本体
サーバ専用OS(Mac除く)
CPU
サーバ用CPU (intel Xeon等) サーバ用CPU (intel Xeon等) サーバ用CPU (intel Xeon等)
2つ以上のコア
2つ以上のコア
2つ以上のコア
メモリ
4GB以上
最低4GB
運用するシステムによる
最低4GB
運用するシステムによる
ディスク構成
できれば、複数ディスクで
RAID 1構成
RAID必須
RAID 1またはRAID 5
RAID必須
RAID 10またはRAID 1
バックアップ装置
取り出し可能な外部ディスク
取り出し可能な外部ディスク 取り出し可能な外部ディスク 且つ他のマシンに転送
待機マシン
できれば必要
サーバ専用OS(Mac除く)
できれば必要
サーバ専用OS(Mac除く)
必要
予算が許せばクラスタリン
グ環境を準備
FileMaker Server
データベースのバックアップ
ケース1:小規模グループ
Schedule
Backup
・・・
バックアップは最低でもスケジュールで実施
ケース2:部門システム
Internet
robocopy
Schedule
Backup
・・・
バックアップはスケジュールとrobocopyなど
ケース3:ミッションクリティカル
Internet
robocopy
Schedule
Backup
・・・
クラスタリング or FTの構成
バックアップはスケジュールとrobocopyなど
サーバの仮想環境
について
仮想環境での運用
!
•物理的なサーバマシンの減少
• FileMaker Server自体の増設が容易になる
• 個別ハードウェアの管理から解放
•トータルコストの削減が見込まれる
!
ただし、1台のFileMaker Server用に仮想環境を用意しても無意味
障害ケーススタディ
ケース1
利用者の誤操作により、大量のレコードが消失してしまった
• 本番運用の即時停止&現状のバックアップ
• 消失データの特定
• バックアップからレコードインポートあるいは、データベース入替で対
応
• 運用再開
ケース2
サーバの再起動を行ったところ起動しなくなった
• OSがセーフモードで起動したら、本番データを抜き出す
• 代替マシンがあればデータ移行のうえ、運用再開
• 代替マシン無しの場合、OSの再インストールを実施
• OSの再インストールで起動した場合は、各種設定の後に運用再開
• 代替マシンの準備中にクライアントOSでFileMaker Serverを構築
ケース3
急な停電でサーバがダウン
• 電源再投入後にデータベースのダメージ度合いを確認(ログから)
• 破損データベースがあった場合には、修復を実施。
• 修復が完了した時点で、レコードをExportして保全(後で利用)
基本的に修復したDBは、そのまま本番では運用しない。
バックアップDBにレコードを取り込んで運用
• 準備が出来た時点で運用再開(その後、UPSを発注)
ケース4
サーバマシンがバックアップごと消失
• 休み明けに会社に来てみたら、サーバマシンが居なくなっていました。
• バックアップも同じマシンの中なので、データがありません。
• 開発会社電話して、開発時のシステムを利用して、FileMaker Serverを
再構築。
• データは諦めるほか無し(バックアップデータは他所へ転送)
ケース5
本番DBがデータベースフォルダから無くなる
• 月曜日に会社に来てみたら、データベースが無くなっていた
• 調査の結果、システム部が導入した管理ソフトが「管理外ソフトウェア」
アヤシイデータとしてデータベースを除去していた。
• システム部にお願いして、設定を変更して貰う。
ケース6
外部接続のサーバが踏み台になっていた
• ある日、サーバのパフォーマンスが以上なくらい低下
• サーバを調べて見たところ、外部からアクセスされた痕跡が多数
• Firewallの設定とサーバのパスワードが甘く、外部からの不正アクセス
を許していた。
• Firewallの設定で、アクセスを限定的にして対応
ケース7
障害発生時にバックアップデータが存在しなかった
• 障害が発生したときに、バックアップフォルダを確認すると、バックアッ
プは、1年以上前のものしか無い。
• いつの間にか外付けのバックアップ用ディスクが無くなっていた。
• とりあえずデータベースを修復して対応。
• 以後、FileMaker Serverのエラーログをメール送信
サーバの構築
サーバ自体の冗長化
サーバ自体の冗長化
サーバに使用するハードウェア自体の冗長化では、以下の
様な構成で検討されるケースが増えています
!
•クラスタリング
•FT(フォールト・トレラント)サーバ
!
どちらも高コストとなるため、費用対効果を検討して導入
クラスタリング
サーバのハードウェア自体を2重化し、トラブルが発生し
たら、切り替える。
フェイルオーバー
Active
障害発生!
Stand by
ハートビート
同期
LAN
クラスタリング
サーバのハードウェア自体を2重化し、トラブルが発生し
たら、切り替える。
停止
Active
ハートビート
同期
LAN
HDD
サーバのハードウェア内にサーバ2台分の装置構造をもち、
トラブルが発生しても、サーバは停止しない。
障害発生!
モジュール1
モジュール2
プライマリ
セカンダリ
CPU
メモリ
HDD
CPU
メモリ
HDD
同期
HDD
サーバのハードウェア内にサーバ2台分の装置構造をもち、
トラブルが発生しても、サーバは停止しない。
HDD
交換作業
モジュール1
モジュール2
セカンダリ
プライマリ
CPU
メモリ
HDD
CPU
メモリ
HDD
同期
まとめ
•OSはサーバ専用
•ディスクはRAID
•バックアップからの戻しは慎重に
•障害復旧は誰のためかをハッキリさせておく
•障害の種類によって対応は異なるので、
事前のシミュレーションが大事
Q&A
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