第 3 章 モデリングフェーズの操作 3.5.5 (2) 応力設計条件(建物) 画面名:建物応力設計プロパティ タブ名:応力解析条件 メニュー :編集-建物共通-応力・設計 フェーズ:モデリング 分 類:プロパティシート ボ タ ン: 画面イメージ HP449 説明 ・ 「解析ソルバー」 使用可能なソルバーを選択する。HyperSD 最新バージョンについて「スパース」と「ス カイライン」が選択可能である。また、バージョンアップに伴う経過処置として旧バー ジョンを指定できる場合がある。 「スパース」は高速なソルバーであるが、解析に失敗する場合「スカイライン」の方が 多くの情報を得ることができる。 「個別に設定」をクリックするとモデル毎に指定できる。 「非線形」は一次設計用 NL(非 線形)解析と保有水平耐力解析に適用される。 ・ 「剛性計算法」 ここでの指定は一次設計応力解析と保有水平耐力解析に共に有効である。 剛性計算法の TYPE1、2 はせん断変形無視である。TYPE3 は RC、SRC 部材はせん断変 形を考慮するが S 部材はせん断変形無視である。 ・ S 造の剛域について、TYPE3 で RC(または SRC)造部材が一つでも取り合う節点の剛 域は、節点が RC(または SRC)造部材であるとして、剛域を設定する。 S(又は CFT)造部材のみが取り合う節点の剛域は、TYPE3 かつ、 「S部材にも剛域・せ ん断変形を考慮する」にチェックを入れた場合に設定される。 ・ S造部材でせん断変形を考慮するときには「TYPE3 の時、鉄骨部材にも剛域、せん断変 形を考慮する」をチェックする。 せん断変形無視の場合、保有水平耐力(弾塑性)解析でせん断降伏しても剛性低下しな いので注意すること。 なお、耐力壁のせん断剛性は常に考慮される。 次項あり C-3.5.5(2)-1 第 3 章 モデリングフェーズの操作 ・ 「ハンチを梁の剛性に考慮する」は変更できない。 RC、SRC 造大梁ではハンチを考慮した等価剛性を採用し、S 造大梁は中央断面の剛性が 採用される。 ・ スラブによる梁の剛性計算法について、RC 規準に準拠し、鉛直・水平モデルで協力幅の 取り方を変えたものをデフォルトとする。 ・ 逆梁などスラブ段差を剛性に考慮したい場合は「スラブ段差を梁の剛性に考慮する」を チェックする。チェックがない場合は上スラブは FL±0 のレベルに、下スラブは大梁下 端=スラブ下端にあるとして剛性計算される。 ・ 「剛域入り込み寸法比率」は「剛域起点位置」からの剛域入り込みを部材有効成に対す る比率で指定する。 ・ 「柱・壁軸変形」は鉛直モデルについて軸変形の考慮方法を指定する。 ・ 「全体のねじれ」で「ねじれ拘束」とすると並進系の解析となり、擬似平面解析ができ る。但し、偏心補正はしない。また、 「ねじれ拘束」は適用範囲外扱いであり、使用時は エラーメッセージが出力されるので留意する必要がある。 ・ 「偏心率の重心」の「地震時重量」では当該階以上の地震時重量の重心、 「長期軸力」で は当該階の鉛直力を負担する部材の(架構用積載荷重による)長期軸力の重心が採用さ れる。 ・ 「接地圧計算」指定 「##パネル基準」は支点反力の周辺ベタ基礎への配分率が大梁パネル面積比例か格子 パネル面積比例かを指定する。 「NL 解析を考慮する」をチェックすると(NL 解析結果があれば)NL 解析結果の支点 鉛直反力で接地圧を計算する。一次設計での浮き上がり等を接地圧に反映できる。チェ ックをはずすと上部弾性解析結果(常に存在する)の支点鉛直反力で接地圧を計算する。 ・ 「基礎梁架構解析支点」の「反力を付加する」指定 基礎梁架構解析で不同沈下解析等を目的として支点に鉛直バネを設定したとき、その支 点に上部架構の対応する支点の鉛直反力を荷重として加える。 基礎梁架構解析は「荷重が存在しない」場合は実行されない。直接独立基礎はそれにあ たる。その場合には必ず「反力を付加しない」を選択すること。 「基礎の偏心」の「考慮する」を指定すると、杭基礎であれば基礎(杭)の偏心を基礎 梁架構解析に考慮できる。 ・ 「地震時水平力伝達率」は、ある層に対して上部から伝達されるせん断力に乗じる係数 である。 R 3 2 1 この図のような形状であれば、1 階にある 基礎の水平力分担を考慮して、1階層せん 断力の B1 への伝達率を 1 階のデータとし て入力する。 B1 ・ 「地震時重量伝達率」はユーザー定義荷重(X1、X2)で定義された荷重を地震力の計算 に考慮する指定である。 「拡張荷重」は鉛直荷重専用ユーザー定義荷重(XV1~10)について、その荷重を地震 力の計算に考慮する指定である。 次頁あり C-3.5.5(2)-2 第 3 章 モデリングフェーズの操作 ・ 「異種基礎使用時の水平力分担率」は異種基礎並存時の杭の分担せん断力を制御する。 「分担率」は基礎スラブ、独立基礎、杭基礎の分担割合を比例表示する。例のように 1.0、 1.0、1.0 であると、各 1/3 ずつ分担する。 ・ 「杭基礎 杭頭曲げ戻し率」は杭頭曲げモーメントを基礎梁心まで補正した応力に対し て割り増す係数である。基礎梁で杭頭曲げモーメントを処理する場合の杭頭モーメント から基礎梁心節点モーメント荷重を換算する係数ではない。 基礎梁架構に作用させる杭による曲げモーメントは、杭頭位置での曲げモーメントで はなく、内部で自動的に基礎梁成の 1/2 位置の曲げモーメントを算出してその応力を作 用させる。 ・ 「1次設計時非線形(NL)解析条件」は1次設計用応力解析を非線形で行う場合に指定す る。増分荷重テーブルは荷重の方向も考慮して係数を設定する。 増分荷重は1次設計用荷重を指定ステップで等分した荷重となり、当該荷重までの増分 解析を実行する。 変位増分は使えない。 基礎の浮き上がりに水圧を考慮する場合は「HW」に0以上の係数を指定する。 ・ 「基礎支点を拘束する」指定は、一次設計応力解析(鉛直・水平) 、一次設計応力解析(非 線形)において、基礎(独立フーチング基礎、べた基礎、杭基礎)が配置された格子点 (以下、基礎支点)の、解放指定を除くZ方向支持条件に関して、強制的に拘束する(Z 方向以外は個別の支持条件による) 。また、本指定におけるZ方向拘束の手法は、一次設 計応力解析(鉛直・水平)では支点拘束し、一次設計応力解析(非線形)では、基礎支 点に硬いばね(1.0×107 kN/cm)を設定する。 ・ 「剛性率・偏心率・層間変形角に用いる応力解析」により剛心の計算方法、応力解析結 果および非構造壁の扱いを指定することができる。剛心計算方法は、個材の X・Y 方向 の等価水平剛性を、各方向の結果から計算する「XY 独立」と2方向の結果から計算す る「XY 連成」を選択することができる。応力解析方法は、 「弾性解析」が指定された場 合「+EX、+EY」の結果を用い、「非線形解析」が指定された場合「NL1~NL4」の結 果を用い、 「弾性+非線形解析」が指定された場合「+EX、+EY」及び「NL1~NL4」 の結果を用いる。また、非構造壁の扱いは、下記から選択することができる。 ユーザー指定:個々の小梁、スラブ上の壁を層の剛性に考慮するか否かを指定 することができる。 すべて考慮とすべて無視の両方:すべての小梁、スラブ上の壁を考慮するケー スとすべて無視するケースの両方計算する。 剛性率・偏心率を複数のパターンで計算した場合は、Fe と Fs は全ケースの最大値 を用い、Fes はその最大 Fe と最大 Fs の積を用いる。 ・ 「自動設定」ボタンは一次設計用非線形解析の設定を自動的に行うもので、以下のウィ ンドウの OK ボタンを押すことにより実行される。部材の断面設計や計算書出力条件は 自動設定されないため、注意が必要である。 (本節の「*NL 解析の設定方法について」 を参照) Link 理論編:4.3.2 上部架構解析 C-3.5.5(2)-3 第 3 章 モデリングフェーズの操作 *基礎梁応力の扱いについて 基礎梁の応力は応力解析、断面設計の計算で下図のように扱われる。 ベタ基礎 杭基礎 指定 上部弾性解析 PG PG R=100 R=100 基礎梁架構水圧解析 上部非線形解析 引き抜き 抵抗 HW R=100-20=80 + R=100 HW R=-20 PG + R=100 HW R=-20 F=R=100 接地圧計算 杭偏心曲げ計算 接 R=20 + PG MAX 一次設計 HW 偏心 PG 偏心 接 P,G=1 HW=1 F=R=100 基礎梁架構解析 PG R=20 R=100-20=80 PG 初期応力 HW R=-20 + HW R=100 偏心考慮 R=100 R=100 R=-20 * 接地圧計算、杭の(長期)偏心曲げ応力計算及びそれらを使った基礎梁架構解析では、上部 NL(非 線形)解析を実行していても、常に上部弾性解析結果がベースになる。 C-3.5.5(2)-4 第 3 章 モデリングフェーズの操作 3.5.5 (2) 応力設計 画面名:建物応力設計プロパティ タブ名:応力解析条件 メニュー :編集-建物共通-応力・設計-拡張荷重 フェーズ:モデリング 分 類:プロパティシート ボ タ ン: 画面イメージ HP449 説明 ・ ユーザー定義 XV1~10 は鉛直荷重専用のユーザー定義荷重である。 それぞれについて、その荷重を地震力計算時の建物重量に加えるかどうかを指定する。 Link C-3.5.5(2)-5 第 3 章 モデリングフェーズの操作 3.5.5 (2) 応力設計 画面名:建物応力設計プロパティ タブ名:応力組合せ メニュー :編集-建物共通-応力・設計 フェーズ:モデリング 分 類:プロパティシート ボ タ ン: 画面イメージ HP322 説明 ・ 部材の設計用応力組合せを定義する。 ・ 積雪荷重(S)は「解析モデル指定他」の「積雪区域指定」によりデフォルトの係数が 自動設定される。 「積雪地域指定」の「多雪」のγは「地震荷重を計算する時に用いる積雪重量」の基準 (積雪時)の積雪重量に対する低減率を指定する。上の例では地震荷重は低減率 0.5 で 計算し、積雪時応力の 0.35 と長期荷重とを加えて地震荷重ケースの短期設計用応力とす ることを示している。 ・ 新しい応力組合わせを 40 番まで定義することができる。 各荷重ケースについて係数を定義し、 「許容応力度」を選択すると定義される。 ・ 限界耐力計算では、積雪荷重、風荷重に対する安全限界検討用応力組合わせケースを定 義する。係数は積雪荷重 1.4、風荷重 1.6 許容応力度は短期である。 ・ 許容応力度が中期の場合、設計・検定式は長期と同じであり、許容応力度のみ長期と短 期の平均となる。 ・ 1 次設計で非線形解析をおこなう場合、 「NLi」に係数を定義する。 (→NL(非線形)解析の設定方法は次頁参照) 非線形解析ケース「NLi」では初期応力として長期鉛直荷重が内部で考慮されているので、 P~F の荷重の係数を0としなければならない(P~F の荷重の係数に 1.0 などを設定する と初期応力分がニ重に加算されてしまうので要注意) 。 非線形解析では応力設計プロパティの増分荷重で荷重方向も含めて定義されている。応 力組み合わせで、方向を意識して-1としてはならない。 次頁あり C-3.5.5(2)-6 第 3 章 モデリングフェーズの操作 ・ ユーザー定義荷重は鉛直モデル用か(長期荷重扱い)水平モデル(短期荷重扱い)用か を指定する。但し、許容応力度の指定は許容応力度の指定による。 ・ 「水圧と接地圧の計算法」で「大きいほう」を指定すると、断面計算時に各断面ごとに せん断力の大きいほうの荷重組合わせで計算する。このとき短期設計用応力組合せにつ いて、危険側となる場合があるので注意する。詳しくは理論マニュアル3.1.2 荷重ケース の取り扱いを参照のこと。 なお、杭反力による応力は応力組合わせ上は「接地圧」扱いである。この場合は「加算 する」としなければならない。 ・解析結果の各応力は常に係数を乗じた値が表示される。 Link 理論編: 3.1.2 荷重ケースの取り扱い *NL 解析の設定方法について NL 解析の設定方法は ++++ ①~④の設定で応力解析時にNL解析を実行できる。++++ ①基礎支点固定チェック⇒[建物]応力解析プロパティ/応力解析条件/基礎支点を拘束する のチェックを外す。チェックを外さないと設定した支点条件が有効とな らない。 ②初期応力テーブル⇒「数字」を設定する。 ③増分荷重テーブル⇒チェックを入れて EX,EY の欄に「±数字」を設定する。 ③’計算した非線形解析結果を剛性率・偏心率・層間変形角に考慮することができる。 ④応力組み合せ ⇒NL1~NL4の欄に「数字」を設定する。 ++++ ⑤の設定で各部材をNL解析結果の応力を用いて設計する+++ ⑤各部材の応力設計プロパティ/設計応力⇒[建物]応力設計プロパティで指定した組み合せ NOにチェックを入れる。表中の設計応力割増係数は[建物]応力設計プロパティで指定した数字 を表示している。ここでは編集は出来ない。 ++++ ⑤の設定でNL解析結果を計算書に出力する +++ ⑥計算書のデフォルトではNL解析結果を出力しない。 「荷重ケース指定」から支点反力図、応力図 などでNL解析の荷重ケース指定してから計算書出力する。 C-3.5.5(2)-7 第 3 章 モデリングフェーズの操作 C-3.5.5(2)-8 第 3 章 モデリングフェーズの操作 応力組み合せで 指定したNOに チェック デフォルトはNL解析 は出力しない。出力の 場合はチェックする。 C-3.5.5(2)-9 第 3 章 モデリングフェーズの操作 3.5.5 (2) 応力設計 画面名:建物応力設計プロパティ タブ名:設計ルート メニュー :編集-建物共通-応力・設計 フェーズ:モデリング 分 類:プロパティシート ボ タ ン: 画面イメージ HP321 説明 ・ プログラム認定の適用範囲検査、許容応力度等計算の設計ルートに関する条件を入力す る。 ・ 「構造種別」はプログラム認定の適用範囲の検査、設計ルートの適用範囲検査時の構造 種別、周期の自動計算時の係数選択に用いる。 構造計算書の認定番号はここで指定した構造種別の認定番号が出力される。 指定構造種別以外の構造種別の柱が存在するとワーニングが出力される。 ・ 「建物高さ」はプログラム認定の適用範囲(60m以下)の検査及びルート 1 及びルー ト 2 の適用判定に用い、地震力算定用の 1 次固有周期算定には用いられない。内部判定 は階高の合計が設定されるので、適用範囲ぎりぎりの場合は正確な数値を指定する。 ・ 設計ルートの適用範囲については設計上の判断による部分もあり、プログラムでは全て の事項についてチェックしていない。指定により適用範囲外の計算法が実行される可能 性もあるので、事前にチェックリストで確認する。なお、ルート 2-3 はプログラムでは 対応しない。 ・ 設計ルートを方向別に「ルート3」と「ルート3以外」を指定する場合は、保有水平耐 力の計算が実行されるため、保有耐力プロパティのケース指定についても設計ルートに 合わせた指定をする必要がある。 ・ ルート判定基準(制限値)の層間変形角を直接入力する場合、1/200 以上とすると警告メ ッセージが出力され、1/120 以上とすると適用範囲外となり、エラーメッセージが出力さ れるので留意する必要がある。 次頁あり C-3.5.5(2)-10 第 3 章 モデリングフェーズの操作 ・ 「柱梁接合部 Qd1 柱τ下限値」は、一次設計における接合部の設計せん断力 Qd1 に、 柱τの下限値 0.7N/mm2 を考慮/無視する指定である。デフォルトは「考慮」とする。 ・ ルート 3 で RC 柱、大梁に高強度せん断補強筋 KH785 または SPR785 を用いた場合、短 期せん断設計について、損傷制御または安全性確保のための検討指定が選択できる。具 体的な検討方法は、KH785 または SPR785 の設計指針による。 ・ RC 柱梁接合部の一次設計において、Qd 算定時の大梁 My に、スラブ筋の考慮/無視の 指定が可能である。デフォルトは「考慮」とする。 ・ RC・SRC 柱の一次設計において、Qd2 算定時の大梁 My に、スラブ筋の考慮/無視の指 定が可能である。デフォルトは「考慮」とする。 ・ 「ブレースのβによる応力割増」は、 「考慮」とした場合(デフォルト) 、設計ルート 1-2 またはルート 2 のとき、告示第 1791 号第 2 に基づき、地震力による各階のブレースの水 平力分担率βに応じて、部材の設計用応力の割増しを行う。 ・ 「幅厚比設計(有効断面) 」は、設計ルート 1-2 またはルート 2 のとき、FA ランクの幅 厚比制限値について、 「基準法」 (デフォルト)を指定した場合は制限値を超えた部分を 無視した断面性能に低減することで法適合させるものとし(S 規準の適用) 、 「無視」を 指定した場合は断面性能の低減は行わず、制限値を超えた場合は検定 NG とする。なお、 上記設計ルートの場合、個材の幅厚比指定によらず、FA ランクの幅厚比制限値により断 面検討を行う。 ・ 「冷間成形角形鋼管用 Ds」は、冷間成形角形鋼管のルート 2 の設計で、柱梁耐力比にお ける柱耐力を算定する際の地震時柱軸力について、標準せん断力係数 C0 に対する入力 値の比率で、地震時軸力の割増を行う。 ・ 耐力壁負担せん断力が層せん断力の 50%を超える場合のフレーム用設計応力割増の指定 が可能である。デフォルトは「無視」とする。 Link 理論編:5.1.1 断面設計共通事項 5.2.1 大梁の断面設計の共通事項 6.2.2 層間変形角 C-3.5.5(2)-11 第 3 章 モデリングフェーズの操作 3.5.5 (2) 応力設計 画面名:建物応力設計プロパティ フェーズ:モデリング タブ名:共通設計条件(大梁・小梁・ 分 類:プロパティシート スラブ) メニュー :編集-建物共通-応力・設計 ボ タ ン: 画面イメージ HP317 説明 ・ 大梁・小梁・スラブに関する共通設計条件を入力する。 ・ 鉄骨ウェブの考慮は1次設計についてのみの指定である。保有耐力計算時の指定は保有 耐力・応答プロパティで別途指定する。 ・ S ウェブ Z 考慮の考慮、無視、端部のみ無視から選択できる。端部のみ無視は、断面設 計位置および危険断面位置がフェイスの場合にウエブ Z を無視する。 ・ SRC ウェブ Z 考慮時には「SRC ウェブ曲げ分担率」が有効になる。デフォルトは 0.0 で あるが、0 以上 1 未満の機能は開発中につき、 「1.0」を指定する。 ・ トップ筋長さ検討の RC 規準(1999)を指定すると、99 年度版 RC 規準 16 条に準拠して、 必要トップ筋長さを算定する。さらに(内法長さ×1/4+15×主筋呼び径)と比較して、 これを超える場合は、断面検定表の必要トップ筋長さの数字の後に※印を印字する。 ・ 投影定着長さ La 算定規準は、大梁主筋の折曲げ定着による必要柱成の検討における水平 投影定着長さ La の算定方法として、 「公共標仕」または「RC 規準(2010)」が選択指定で きる。 ・ たわみ、クリープ、振動等についての検討条件を指定する。但し、断面に対する検定と その結果表示のみである。断面計算結果の OK/NG には反映しない。 ・ 長大スパン検討はクリープとひび割れの検討をする。その方法としてコンクリートの圧 縮応力度とせん断応力度を制限する方法(Cとτで検討)と主筋の許容応力度を低減す る方法が選択できる。 次頁あり C-3.5.5(2)-12 第 3 章 モデリングフェーズの操作 ・ 検定比は(存在応力/許容耐力)である。検定/算定時の判定基準となる。 ・ たわみ制限値の長さ比のデフォルトは平成12年建設省告示 1459 号による。 ・ たわみ制限値の絶対値のデフォルト値の出典はない。 ・ 振動数制限値の RC 梁、SRC 梁、RC スラブのデフォルト値の出典はない。 ・ 振動数制限値の S 梁のデフォルト値の内部判定は、振動数=10.2×e^(-0.03lo) ・ ここでlo は梁の内法長さ による。 Link 理論編:5.1.1 断面設計共通事項 C-3.5.5(2)-13 第 3 章 モデリングフェーズの操作 3.5.5 (2) 応力設計 画面名:建物応力設計プロパティ タブ名:共通設計条件 (柱・ブレース・耐力壁) メニュー :編集-建物共通-応力・設計 フェーズ:モデリング 分 類:プロパティシート ボ タ ン: 画面イメージ 説明 HP318 ・ 柱・ブレース・耐力壁に関する共通設計条件を入力する。 ・ 短期設計用応力位置が「剛域端モーメント」とは「柱・梁フェース位置から入り込む剛 域端」の応力にはなるが、 「一般壁による剛域端」にはならない。 ・ 柱梁接合形式 冷間成形コラムの場合は下記による。 内ダイア形式(落とし込み形式を除く) : 「内ダイア(落とし込み形式を除く)」を指定 通しダイアフラム、外ダイアフラム形式、落とし込み形式の内ダイアフラム : 「上記以外(外ダイア、通しダイア)」を指定 ・ 積載荷重の低減は柱の断面計算時の長期柱軸力を低減する。基礎には考慮されない。用 途に関する適用制限は考慮されない。 ・ NG 部材断面情報は断面設計が最終的に NG になったとき、設計結果断面を初期断面に 戻すか指定された設計条件範囲の最大断面(最終設計断面)とするかを選択する。 断面設計の断面諸元も同様の表示になる(応力度等中間情報は常に最終設計時の数値が 表示される) 。 ・ 最小鉄筋比制限は断面設計、検定時に各種鉄筋の鉄筋比制限を考慮するか無視するかを 選択する。 無視するを選択すると、許容応力度等計算を一貫検定計算で実行しても、計算書に大臣 認定番号が出力されない。限界耐力計算では認定番号が出力される。 次頁あり C-3.5.5(2)-14 第 3 章 モデリングフェーズの操作 ・ 検定比は(存在応力/許容耐力)である。設計/検定時の判定基準となる。 (存在応力/ 許容耐力)がここで指定した値以上になると設計/検定結果が NG になる。 柱の許容耐力は当該軸力における許容曲げモーメントとする。 ・ S ウェブ考慮 :S 柱の軸力曲げ計算時にウェブを考慮するかどうか SRC ウェブ軸力考慮 :SRC 柱の鉄骨の軸応力度計算時にウェブを考慮するかど うか(曲げ応力度計算時には常に無視される)を選択する。 ・ 冷間成形設計指針を考慮とすると限界耐力計算の場合にも適用されるので注意する(1 次設計用応力が割り増される場合がある) 。 この指定をすると、局部、混合崩壊時には保有水平耐力の結果に+C1~-C4 として柱降 伏型の結果が追加され、表示できる(応力図、N-Q 図、支点反力図、変位図、ヒンジ図、 ランク図、塑性率図、但し、計算書は考慮していない結果が出力される) 。なお、解析結 果ファイルが大きくなるので注意すること。 ・ 柱梁・パネル耐力比算定時 S 梁ウェブ考慮指定の考慮/無視指定が、冷間成形検討ルー ト 2 およびルート 3 における、梁耐力のウェブ強度に反映される。本指定が内部判定の 場合は、ルート 2 では大梁設計条件における S ウェブ Z 考慮指定の指定内容が、ルート 3 では建物共通保有耐力算定条件の部材強度計算条件における、S 梁ウェブ強度考慮指定 の指定内容が反映される。 ・ 二軸検討時軸力割増を考慮すると直交方向の地震荷重時の軸力を考慮した軸力割増を適 用する。 ・ 柱の二軸検討用曲げモーメントの XY 相関関係( 「曲線」か「直線」 )を選択する。 二軸検討を考慮する/しないの指定は、各柱部材毎の応力設計プロパティによる。 ・ ブレース分担率 水平移動拘束境界値は、柱座屈長さの算定において、ブレースの層せん断 力の分担率が境界値以上の場合、水平移動が拘束されたものとして座屈長さを算定する。 初期値は 0.714(≒ 5/7)とする。 ・ 境界値以下の座屈長さ係数は、解析結果によるブレースの層せん断力の分担率が、境界 値未満の場合の柱座屈長さの算定方法を指定するもので、 「直線補間」は、ブレース分担率 の境界値における水平移動拘束時の座屈長さと、分担率ゼロにおける水平移動自由時の 座屈長さの間で、解析結果による分担率について直線補間することで座屈長さを算定し、 「水平移動自由」は、解析結果による分担率が境界値未満の場合は、水平移動自由とし て座屈長さを算定する。 ・ 水平移動拘束時の座屈長さ係数は、 「1.0」は座屈長さを部材長とし、 「精算」は「鋼構造 塑性設計指針」に準じて座屈長さを算定する。 ・ 耐力壁の軸力と曲げモーメントに対する設計を「する」と指定した場合は、耐力壁が負 担する軸力を耐力壁自身に、曲げモーメントを両側の RC、SRC 柱の設計軸力に考慮し た設計を行う。 「しない」とした場合は、耐震壁は負担せん断力に対してのみ設計を行う。 ・ 付帯ラーメンの条件を検討する指定がある場合は、RC 規準(耐力壁の章)の記載に準じ て、耐力壁周りの柱、大梁に関して下記の条件の検討を行なう。 柱および大梁の断面積:s×t/2 以上 柱および大梁の最小径:√(s×t/3)以上かつ2×t以上 s:壁板h’×l’の短辺長さ、t:壁板厚さ ・ 耐力壁の付帯ラーメン大梁はptを検討することが選択できる。 ・ 付帯ラーメンの2つの条件(条件検討、大梁 pt)は RC または SRC のみ検討し,耐力壁 の要素が耐力壁シェルの場合にも検討する。 ・ 先端 N 値計算範囲は杭の支持力算出用平均 N 値の計算に使用する N 値を採用する杭先 端からの範囲を指定する。 ボーリングデータが入力されていなければこの指定は意味がない。 Link 理論編:5.3.1 柱の断面設計の共通事項 5.4.1 Sブレースの設計 5.5.1 RC耐力壁の設計 C-3.5.5(2)-15 第 3 章 モデリングフェーズの操作 *鉄筋規定の解除対象 柱: 最小主筋比、帯筋比 梁: 最小主筋比、最小あばら筋比 壁: 最小せん断補強筋比 スラブ: 最小鉄筋比(長大スパンスラブの最小鉄筋比も含む) 場所打ち杭: 最小主筋比 帯筋ピッチ、あばら筋ピッチは検定時のみ解除対象になる。 C-3.5.5(2)-16 第 3 章 モデリングフェーズの操作 3.5.5 (2) 応力設計 画面名:建物応力設計プロパティ タブ名:主筋位置 メニュー :編集-建物共通-応力・設計 フェーズ:モデリング 分 類:プロパティシート ボ タ ン: 画面イメージ HP5063 説明 Link ・ 柱・大梁の主筋位置タイプを定義する。 ・ ここで定義した主筋位置タイプは、RC 造・SRC 造の柱・大梁(跳ね出し大梁を含む) の断面形状プロパティで指定できる。 ・ 大梁の主筋位置における「D16U」~「D41L」欄は、個材について、径に応じた主筋位 置の自動設定が可能な範囲を示す(数値の編集可能)。 ・ 大梁個材の主筋位置の自動設定において、 「自動設定(上)」は「D**U」欄、 「自動設定(下)」 は「D**L」欄の値を適用する。 ・ 柱の主筋位置における「D16」~「D41」欄は、個材について、径に応じた主筋位置の 自動設定が可能な範囲を示す(数値の編集可能)。 ・ 柱・大梁の主筋位置における 1~20 欄は、径に応じた自動設定とリンクしないユーザ指 定欄とする。 ・ 柱・大梁の主筋位置の自動設定に対応したテーブルに初期設定された数値は、施工精度 WG で提示された数値に準拠しているが、基礎梁やすべてのせん断補強筋径に対応した ものではないので、建物ごとに見直す必要がある。なお、SRC 大梁用の P2 の初期値は 参考値であるので、注意する。 理論編:5.2.1 大梁の断面設計の共通事項 5.3.1 柱の断面設計の共通事項 C-3.5.5(2)-17
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