粒子線加速器とは - RENANDI

粒子線加速器とは
IABS-IBARAKI
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粒子線加速器とは
加速器(Particle Accelerator)
荷電粒子に運動エネルギーを与えて加速し、高いエネルギーの
粒子ビームを得るための装置。
原子核・素粒子物理実験、放射線医学、放射線化学、人工放射性
同位元素の製造、非破壊検査等に用いられる。
粒子を真っ直ぐ走らせて加速する線型加速器と円運動をさせつつ
加速する円型加速器に大別される。
前者にはコッククロフト型加速器、ファンデグラーフ型加速器、
線形加速器など、後者にはサイクロトロン、シンクロトロン、
ベータトロンなどがある。
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電子銃、イオン源
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静電型加速器
コッククロフトワルトン
ヴァンデグラーフ
タンデム加速器など
小型の加速器
エネルギー精度が高い
最大20MV程度
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高周波型加速器
図1 ヴィデレー型リニアック
サイクロトロンの構成
図2 円盤装荷導波管
図3 アルバレ型リニアック
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関連する単位
Energy ( eV )
+
1eV
-
F  q E
P
e+
1Volt
• 原子核を分解するために
は~1 MeVを超える運動エ
ネルギーが必要
• 150 MeV以上では、中間
子を生成する
• 2,3 GeV, 以上では、K中
間子、反陽子など種々の
基本粒子(素粒子)が生成
される
proton e+
electron e-
e+=1.6x10-19Coulomb
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電子、陽子のエネルギーと速度
E  mc 
2
  v/c 
m0c 2
1  2
x ( x  2)
Ek
 x 
x 1
m0c 2
1.0
v/c
0.8
m0c2 = 0.511MeV for electron
938MeV for proton
Relationship between Energy and Velocity
1.2
Electron
0.6
Proton
0.4
Light velocity c=3x108m/s
Time interval for light to
fly 1m is 3.33ns.
0.2
0.0
10-3
10-2
10-1
100
101
102
103
104
105
Particle Energy (MeV)
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加速器と電磁場
 電磁場の中の荷電粒子は
ローレンツ力を受ける。
 エネルギーの変化は電磁場
に平行。
W Fs
 ds  
dW
 F  Fv
dt
dt
acceleration bend
Max. limit
electrical
breakdown
 磁場の中ではビームの軌道
は曲げられる
B
F
0
Particle
trajectory
最大電場は約10MVで発生する
放電によって制限される
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RF 加速
(Radio frequency、高周波: Alternating field)
 粒子ビームを繰り返し加速する条件
⊖
⊕
⊕
e+
⊕
⊖
⊖
⊕
e+
⊕
⊖
⊕
e+
⊖
⊕
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サーフィン
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加速器の分類
粒子加速器
静電加速器
円形加速器
B≠0
線形加速器
ベータトロン
Voltage Multiplier
Electrostatic Acc.
Cockcroft-Walton,
Dynamitron, ICT
Van de Graaff
Tandem Acc.
電磁場
wRF=Const.
B=B(r)
Const.
Gradient
B=0
陽子
電子
サイクロ マイクロ Isochronous
リニアック リニアック トロン トロン サイクロトロン
HIVAC
シンクロサイクロ
トロン
wRF=wRF(t)
最大エネルギー
B=B(r,f)
Sector.
Focusing
70MeV(p)
(800MeV)
20GeV
24MeV
700MeV
B=B(r,t)
Const.
Gradient
電子
シンクロトロン
陽子
シンクロトロン
590MeV
(p)
B=B(r,f,t) B=B(r,t)
Alternating
Gradient
10GeV
AG電子
シンクロトロン
AG陽子
シンクロトロン
1.3GeV
76GeV 10GeV 300MeV
(200GeV)
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主な加速器のタイプ
タイプ (粒子)
加速場
ビーム軌道
最大エネルギー
コッククロフト・ウオルトン (Proton, Ion
静電加速
Linear
5MeV
ヴァンデグラーフ (Proton, Ion)
タンデム加速器
静電加速
Linear
30MeV
リニアック (Electron, Proton, Ion)
RF
Linear
800MeV
サイクロトロン (Proton, Ion)
RF
Spiral
600MeV
ベータトロン (Electron)
RF
Circular
200MeV
シンクロトロン (Electron, Proton, Ion)
RF
Circular
1,000GeV
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静電型加速器 コッククロフト・ワルトン型
• 1932年にコッククロフト・
ワルトンが発明 800keV
• 1951年にノーベル賞
Transmutation of atomic
nuclei by artificially
accelerated atomic particles
• 高エネルギー加速器の
入射器として利用されてきた。
(750kV)
• 同種のものとしてダイナミ
トロン、タンデトロンがある。
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陽子加速器の入射器(750kV)
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核融合中性子源(FNS)
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静電型加速器 バンデグラーフ型
• 1931年にヴァンデグラーフが
発明(1.5MeV陽子ビーム)
• 絶縁のベルトで電荷を運ぶ
• イオン源が高電圧の
ターミナルに設置
• 原子核物理の実験に
使用されている
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• 放射線標準施設
• 4MVバンデグラーフ
バンデグラフ型加速器
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静電型加速器 タンデム型バンデグラーフ型
•
•
•
•
1951年にアルバレが発明。電圧発生の機構はヴァンデグラーフと同じ。
荷電変換により2倍のエネルギーにすることが出来る。
イオン源がグランドレベルに設置可能
原子核物理の実験、質量分析、PIXE(Particle Induced X-ray Emission)
分析等に使用されている
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静電加速器 タンデム
原子力機構タンデム
1. 原子核物理、重イオン
反応、物質科学に利用
2. この型の小さな加速器
は診断用、プラスチック
の重合、イオンインプラ
ンテーション、等に利用
されている
3. 超伝導加速器が付設
されている10MV/m
ペレトロン: (NEC: National Electrostatic
Corporation manufactures)
18MV
高さ27m
径8.3m
Folded type
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リニアック(Linear Accelerator)
• 1924年イジングが原理を発明
• 1947年アルバレが陽子加速器
を発明(高性能のマイクロ波源
の(クライストロン)の発明が
必要だった)
• 加速粒子の速さに合わせて
長さを変化させる
• 電子の場合は一定。
• 定在波型のものと進行波型の
ものがある。
電子リニアック 3/4πモード
陽子リニアック πモード
アルバレ型(ドリフトチューブ型DTL)
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φ =0(加速位相)
加速方向
Q
Q
Q
陽子ビーム
Q
陽子ビーム
タ ン ク
φ =π (非加速位相)
加速方向
Q
Q
タ ン ク
Q:収束用Q磁石
φ :高周波位相
DTLの加速概念図
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リニアック
• KEKの12GeV陽子加速器の入射器。
40MeVのDTL
• 2つのタンクからなる
• 保守作業を行っているところ
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電子リニアック
SPring-8入射部
1GeV electron
長さ140m
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LANSCE(ロスアラモス研究所)
Proton linac
800MeV、ビームパワー0.8MW
長さ800m
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J-PARCの陽子リニアック
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高周波4重極型(RFQ)リニアック
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超伝導リニアック
RF入力カプラ
972MHz、9セル空洞
(β=0.725)
断熱真空容器
地磁気シールド
液体ヘリウム
リザーバータンク
超伝導空洞
熱シールド
ビーム軸
Ti製LHe容器
2K運転(超流動He)
最大表面電界30MV/m
加速電界10MV/m
チューナー
システム
空洞サポート
高調波出力カプラ
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超伝導リニアック
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CERN LHC
超伝導リニアックの建設
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サイクロトロン
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サイクロトロン
PSI リングサイクロトロン(スイス)
590MeV Ring cyclotron
CW(Continuous Wave) Neutron
source, Beam power:1.2MW
AVF (Azimuthally Varying Field) サイ
クロトロン (K=90)。原子力機構(高崎)
これらは基本的に基礎(物理)研究に
利用されている。
医療用RI製造、がん治療、物質解析など
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シンクロトロン
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シンクロトロン
SPring-Synchrotron 8GeV
Diameter 87m
used for SOR
HIMAC/800MeV/nucleon
Diameter 42m
Medical use (Cancer therapy)
KEK PS(Proton Synchrotron
Main ring diameter 108m 12GeV Basic
research such as particle physics,
nuclear physics, neutrino oscillation.
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蓄積リングと衝突型加速器
同じエネルギーの電子・陽電子または陽子・
反陽子ビームを衝突させる場合
蓄積リング
同種粒子またはエネルギーの異なる
2つの粒子を衝突させる場合
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最大の加速器
Large Electron Positron Storage Ring (LEP)
New Large Hadron Collider (LHP) with 7TeV p-p collider are now being constructed
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日本における加速器研究施設と利用研究
京都大学
(重イオン加速器)
重イオンと物質との相互作用
国公立大学
長岡技術科学大学
(タンデム他)
材料研究・分析
京都大学
(電子ライナック・タンデム)
ビーム物理・加速器質量分析
大阪大学産研
(電子ライナック)
フェムト秒パルスラジオリシス・
FEL・低速陽電子
大阪大学核物理研究センター
(リングサイクロトロン)
核物理研究
大阪大学
(14MeV中性子源)
核融合中性子工学
産業技術総合研究所
(電子リニアック・シンクロトロン)
電子ビーム技術の高度利用
日本原子力研究所高崎研
(AVFサイクロトロン)
重イオン科学
北海道大学
(電子ライナック)
パルス冷中性子源・中性子機
器・高速化学反応機構
高エネルギー加速器研究機構
(Bファクトリー・放射光)
素粒子・放射光
群馬大学医学部
(サイクロトロン・ライナック)
秋田県立脳血管研究センター
(サイクロトロン)
PET研究
筑波大学
(タンデム・サイクロトロン)
原子核物理
国立環境研究所
(タンデム)
高感度分析及び微量元素の
非破壊高感度分析
日本アイソトープ^協会
(サイクロトロン)
アイソトープ生成、分析
東北大学
(サイクロトロン・電子ライナッ
ク)
中性子核物理学・中性子散乱
理化学研究所
(リングサイクロトロン)
RIビーム科学研究
大阪大学
(電子ライナック)
自由電子レーザー
若狭湾エネルギー
研究センター
(バンデ・サイクロトロン)
イオン照射科学
大阪府立大学
(電子ライナック)
放射線化学
東北大学
(ダイナミトロン型静電加速器)
材料工学・PIXE・
MeV中性子の核データ研究
立命館大学
(放射光)
放射光科学
SPring-8
(放射光)
光量子の高度利用
東京大学
(電子ライナック)
フェムト秒電子パルス・高速
過渡現象
東京大学物性研究所
(蓄積リング)
固体物理
姫路工業大学
(放射光)
放射光科学
佐賀大学
(放射光リング、電子ライナック)
放射光科学
広島大学
(放射光)
放射光科学
核燃料サイクル開発機構
(電子ライナック)
消滅処理
甲南大学理工学部
(タンデム)
原子物理
奈良女子大学理学部
(タンデム)
素子能・材料科学
京都大学化学研究所
(ライナック)
原子物理・加速器科学
広島大学工学部
(バンデグラフ)
材料研究・分析
産業技術総合研究所(関西)
(タンデム・バンデグラフ)
マイクロビーム・分析
神戸商船大学
(静電加速器)
海洋環境科学・核融合炉材料
分析
東京大学
(イオン加速器)
二重照射核融合材料・微粒子
加速
日本原子力研究所東海研
(タンデム・電子ライナック)
原子力研究
九州大学
(タンデム型・小型静電加速器)
偏極中性子散乱・荷電粒子前
平衡核反応研究
九州大学
(コッククロフト加速器)
前平衡過程核データ研究・超
伝導計測
私立大学
大学以外
建設中
京都大学原子炉実験所
(電子ライナック)
中性子科学
近畿大学
(小型中性子源)
繰り返し放射化法有効利用
法政大学
(タンデム)
材料科学
分子研
(放射光)
分子科学
名古屋大学
(バンデグラフイオン注入装置)
表面反応解析研究
名古屋大学
(バンデグラフ)
中性子放射化断面積の系統
的測定研究
日本原子力研究所
放射線・ビーム利用学際研究・
光量子ビーム研究
東京大学
(タンデム)
加速器質量分析
東京工業大学
(重イオン加速器)
keV領域中性子核データ・重
イオン慣性核融合
東京工業大学
(バンデグラフ加速器)
薄膜・生命・環境汚染物質・
PIXE
産業技術総合研究所(名古屋)
タンデム
材料加工・研究
原研・高エネ研
中性子科学研究計画と
大型ハドロン計画の統合計画
東京理科大学
(電子ライナック)
自由電子レーザー
放射線医学総合研究所
(重イオンシンクロトロン)
粒子線がん治療・宇宙におけ
る放射線人体影響
日本大学
(電子ライナック)
自由電子レーザー
立教大学
(コッククロフト)
原子核・素粒子物理
36
加速器発達
の経緯
37
エネルギーフロンティアの歴史
High energy →
Huge size,
Energy [eV]
Proton collider
Proton synchrotron
Electron linac
Electron synchrotron
Betatron
Cyclotron
synchrocychlotron
Proton linac
SF cyclotron
Cockrofo-Walton
38