第3章 土浦市の温室効果ガス将来推計と削減目標 第1節 温室効果ガス排出量の将来推計 温室効果ガス排出量の将来推計は、現状趨勢時を基本として、対象とする分野・部門毎に、以下 の計算式を基本として算出します。 現況の温室効果ガス排出量 × 活動量のベースとなる指標 (製造品出荷額等、世帯数など)の増減率 現状趨勢時とは、地球温暖化防止に向けて現在既に行われている省エネの対策や取組は今後も継 続しますが、今後の追加的な対策や取組は見込まないとした場合のことです。 活動量のベースとなる指標は、過年度の推移状況に基づいて推計することを基本とします。 現状趨勢時の場合、2020 年度における温室効果ガス総排出量は 282 万トン(二酸化炭素換算)で あり、基準年度である 2005 年度の総排出量 266 万トン(二酸化炭素換算)から 6.4%増加すると推 計されました。 (万t-CO2) 300 282 266 250 温 室 200 効 果 ガ 150 ス 総 排 出 100 量 33 212 27 29 14 143 41 272 242 30 33 15 20 225 30 30 34 30 189 145 263 29 29 39 36 20 19 171 174 29 32 20 将来推計 2005 年度比 +6.4% 18 15 167 265 157 196 50 0 1990 2005 2008 2009 2010 2011 2012 基準 年度 2020 中期 目標 産業部門 家庭部門 業務その他部門 運輸部門 農業 廃棄物 図 3-1-1 土浦市における温室効果ガスの総排出量の将来推計(現状趨勢時) 66 (年度) 第2節 温室効果ガス排出量の目標設定 2-1 長期目標の設定 2050 年度における温室効果ガスの排出量を、71.7 万トン(二酸化炭素換算) 長期目標 とし、2005 年度比で 73%(193.9 万トン)削減します。 (万t-CO2) 300 266 272 250 温 室 効 果 ガ ス 総 排 出 量 265 263 242 225 212 200 削減目標 2005 年度比 150 -73% 100 71.7 50 0 1990 2005 2008 2009 2010 2011 2012 基準 年度 注.目標は小数以下の数値も考慮しています。 2050 (年度) 長期 目標 図 3-2-1 長期目標の設定 【長期目標の考え方】 (1) 国の長期目標「2050 年までに温室効果ガスの排出量を 80%削減」に基づき、本市の削減 量を試算し、本計画における長期目標を設定します。 (2) 国と本市では排出量の部門別構成比が異なっており、本市では産業部門の排出割合が国よ りも大きくなっています。 (3) 長期目標年度(2050 年度)における本市の温室効果ガスの削減量については、策定マニ ュアル(平成 22 年3月の本計画策定時の指針)に基づき、部門別構成比に係る補正を行 いました。 (4) 補正の結果、政府発表の長期目標 80%削減に相当する本市の長期目標は「73%削減」と なります。 67 2-2 中期目標の設定 2020 年度における温室効果ガスの排出量を、249 万トン(二酸化炭素換算) 中期目標 とし、2005 年度比で 6.2%(17 万トン)削減します。 (万t-CO2) 300 272 266 263 249 242 250 温 室 効 果 ガ ス 総 排 出 量 265 225 212 削減目標 200 2005 年度比 -6.2% 150 100 50 0 1990 2005 2008 2009 2010 2011 2012 基準 年度 注.目標は小数以下の数値も考慮しています。 2020 (年度) 中期 目標 図 3-2-2 中期目標の設定 【中期目標の考え方】 (1) 国の新目標は、最終エネルギー消費量を以下のとおり削減することで達成することとして います。本市の中期目標は、この国の部門別の削減率を本市の排出状況に当てはめて設定 しました。 表 3-2-1 国の新目標達成に向けたエネルギー消費量削減の目安 部 門 エネルギー消費量削減 削減量 削減率 産業部門 2 百万㎘ -1.1% 家庭部門 10 百万㎘ -17.9% 5 百万㎘ -6.5% 25 百万㎘ -25.8% 業務その他部門 運輸部門 注1.削減量は「原油換算」 。 2.削減量・削減率は 2020 年度における 2005 年度比の数値。 68 (2) 温室効果ガス排出量の内訳をみると、本市は国と比べて産業部門からの排出割合が大きい ことが特徴です(42 ページ参照) 。このため、国の新目標と同じ割合で削減した場合、本 市の削減目標は以下のとおりとなります。 表 3-2-2 本市の削減目標の考え方 部 門 温室効果ガス排出量 基準年度(2005 年度) 中期目標(2020 年度) 中期目標の 削減率 産業部門 167 万 t-CO2 165 万 t-CO2 -1.1% 家庭部門 20 万 t-CO2 17 万 t-CO2 -17.9% 業務その他部門 41 万 t-CO2 39 万 t-CO2 -6.5% 運輸部門 33 万 t-CO2 24 万 t-CO2 -25.8% 農業 2 万 t-CO2 2 万 t-CO2 0% 廃棄物 3 万 t-CO2 3 万 t-CO2 0% 266 万 t-CO2 249 万 t-CO2 -6.2% 合 計 注.中期目標の削減率は、国の新目標と同じ(前ページの表 3-2-1 参照) (3) 第四次環境基本計画に示された国の目標は,原子力発電所の稼働を前提としています。 しかし、現時点においては、全ての原子力発電所が稼働停止となっており、稼働の開始は 不透明となっております。したがって、原子力発電所による温室効果ガスの削減効果を含 めずに目標を設定します。 (4) 温室効果ガス排出量の推移状況をみると、2005 年度以降、本市は国と類似した傾向を示 しています。2012 年度における温室効果ガス排出量は、 国 :2005 年度比-0.5% 本市:2005 年度比-1.0% となっており、国とほぼ同じ水準にあります。このため、市全体での排出削減に係る目標 は、国の目標と同じ考え方で設定します。 国の排出量の推移状況 市の排出量の推移状況 110 105 110 100.0 100 増 96.8 94.9 95 105 99.5 102.3 99.8 99.0 100 増 95 93.0 89.3 90 100.0 91.2 90 減 85 80 減 85 80 75 75 70 84.6 70 2005 2008 2009 2010 2011 2012 (年度) 基準 年度 2005 2008 2009 2010 2011 2012 (年度) 基準 年度 注.排出量の増減は、2005 年度を 100 とした場合の相対値です。 図 3-2-3 国と本市の温室効果ガス排出量の推移状況 69 【計画の改訂に伴う中期目標の変更】 計画の改訂に伴い、中期目標を変更しました。 計画の目標の設定に際しての根拠を以下に示します。 改 訂 前 長期目標 政府発表の目標「1990 年度比 80%削減」に基づく。 長期目標を達成するために必要なレベルをバックキャスティング手 中期目標 法により設定(下図参照) 。 第四次環境基本計画に示された国の長期目標「2050 年までに温室効 長期目標 果ガスの排出量を 80%削減」に基づく。 改 訂 後 (改訂前から変更なし) 国が気候変動枠組条約事務局に提出した新目標「2020 年までに温室 中期目標 効果ガスの排出量を 2005 年度比 3.8%削減」に基づく。 (改訂前から変更) 表 3-2-3 計画の改訂前・改訂後の中期目標の比較 温室効果ガス排出量 区分 削減率 【D】 【E】 【A】 【B】 【C】 1990 年度 2005 年度 (基準年度) 2020 年度 (中間目標) B-C B-C B 199 万t 66 万t 25% 長期目標からバック キャスティング 249 万t 17 万t 6.2% 国の新目標(2005 年 度比 3.8%削減) 改訂前 212 万t 改訂後 削減量 266 万t 中期目標の設定根拠 注.目標は小数以下の数値も考慮しています。 2050 年度における長期目標を達成 するために、2020 年度に満たさなけ ればならない温室効果ガス排出量 より、2020 年度における中期目標を 設定しました。 図 3-2-4 改訂前の中期目標の検討イメージ 70
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