佐藤 蘭

優 秀 賞
家族で作る幸せごはん
横手市立福地小学校 六年
さ
佐
とう
らん
藤 蘭
私の家は、米やすいか、さまざまな野菜を栽培して出荷してい
る農家です。冬には、横手市雄物川町の特産物である干しもちを
作り、 一 年 中 忙 し い 日 々 が 続 き ま す 。
そのなかでも米作りは、収穫までに多くの手間がかかり大忙し
です。作業の多くは機械を使っていますが、仕事は山のようにあ
り、大 変 で す 。
春三月、雪消えの頃に始まるのが、よい種もみを選別する塩水
選の作業です。おいしいお米を収穫するには、まずよい種もみを
選ぶことが大切なので、気の抜けない作業です。
つ ぎ に、 種 も み を 育 苗 箱 に ま き ま す。 祖 父 や 祖 母、 両 親 や 姉、
そして二才の弟までもが協力して種まきをするのです。そうして
整えた育苗箱は、ビニールハウスにすきまなく並べ、種が日光で
焼けないように銀色のシートをかけて保護します。
数日すると芽が出て葉が伸びてきます。その葉が一センチから
二センチになったら、シートをとります。そして、元気に育つよ
うに願いながら毎日水やりをします。それは、まるで赤ちゃんを
大事に 育 て て い る か の よ う で す 。
苗 が 約 十 五 セ ン チ に な っ た ら い よ い よ 田 植 え で す。 田 植 え は、
お父さんが田植え機でしますが、田んぼのすみはどうしても機械
で植えることができないので、祖母が手植えをします。長時間腰
を曲げての作業なので、とてもつらそうです。私がもう少し大き
くなったら祖母に代わってあげたいなと思っています。
田植えが終わった水田は、まるで緑のじゅうたんを敷きつめた
ようで、早苗の緑が青空に美しく映えます。また、まぶしいほど
の水田や鳥海山をながめていると、ゆったりとした気持ちになり
ます。
田植えが終わっても、苗が病気にかからないように消毒をした
り草刈りをしたりと仕事が続きます。また、田に水をたっぷり入
れたりぬいたりして水の管理にも注意を払います。
そして、季節は秋、うれしい収穫の時期です。実に養分が行き
わ た り、 葉 や く き が オ レ ン ジ 色 に な る と 稲 刈 り で す。 稲 刈 り は、
父がコンバインでどんどん刈っていきます。そして乾燥機で乾燥
させてお米のでき上がりです。
お米は、多くの手間をかけ、家族全員の協力があってできるも
のなのです。だから、私たちが生きるうえで欠かせない米を一粒
でも残したり捨てたりしてはいけないと思います。いつでも米が
あって、いつでも食べられることは、とても幸せなことなのです
から。
私の家では、母がていねいに米を研いでごはんを炊いてくれま
す。家族みんなの努力が実った白くてピカピカのごはんです。私
は、毎日感謝をこめて言うのです。
「いただきます。
」
この一言を言うときが、最高の幸せと家族がいるうれしさを感じ
るときなのです。