平成26年度 防災技術交流会 平成26年度 防災技術交流会 本日の発表 ・鉄道における雪崩災害 ・雪崩対策の種類 ・雪崩危険度の評価方法 ・発生危険度の評価方法 ・到達危険度の評価方法 ・危険度評価の実施例 ・雪崩危険度と対策の考え方 ・まとめ 雪崩危険箇所の抽出方法 防災技術研究部(気象防災) 宍戸 真也 Railway Technical Research Institute Railway Technical Research Institute 平成26年度 防災技術交流会 平成26年度 防災技術交流会 鉄道における雪崩災害 雪崩対策の種類 ハード対策 ● 巡回 巡回(徒歩、前頭)/固定警備 ヘリコプター空中巡回 ● 検知(雪崩警報装置) ● 斜面積雪の除去,雪庇除去作業 柵背面ポケット除雪 ● 運転規制(徐行、抑止) 雪崩割 群杭 吊枠 防止林 土塁 誘導工 減勢杭 階段工 平成18年豪雪時の雪崩発生箇所 防護柵 Railway Technical Research Institute ソ フト 対 策 ソフト対策 雪庇防止柵 予防柵 ハード対策 対策の 検討 雪崩災害防止 雪崩覆(シェッド) 防護擁壁 Railway Technical Research Institute 平成26年度 防災技術交流会 平成26年度 防災技術交流会 雪崩危険度の評価方法 雪崩が発生し、線路及び沿線設備に到達する 可能性がある場所を抽出します。 雪崩発生危険度:Pの評価 雪崩到達危険度:Qの評価 (スコア表による判定) (到達危険度曲線による判定) 雪崩危険度評価 スコア表の作成 積雪期の空中写真 無積雪期の空中写真 雪崩発生斜面の判読、気象データ解析 ⇒雪崩の発生に影響する因子(傾斜、 積雪深、植生など)の調査 スコア表 要因 傾斜 雪崩の発生に影響する因子を選定 し、それぞれの影響度を算出 発生危険度:P×到達危険度:Q=雪崩危険度 積雪深 植生 (樹冠密度) スコア表の作成 Railway Technical Research Institute 地形図 階 級値 θ<25 25≦θ<30 30≦θ<35 35≦θ<45 45≦θ<50 50≦θ Hs<100 100≦Hs<200 200≦Hs<300 300≦Hs 50≦ρt 15≦ρt<50 5≦ρt<15 ρt<5(B,G,K) スコア 0 3 5 6 8 9 5 6 7 7 0 3 9 10 θ:傾斜(deg),Hs:積雪深(cm),ρt:樹冠密度(%) B:裸地、G:草地,K:灌木 Railway Technical Research Institute 1 平成26年度 防災技術交流会 平成26年度 防災技術交流会 発生危険度:P の評価方法 到達危険度:Q の 評価方法 スコア14の場合、発生危険度は20% 100% 80 40 20% 20 0% 0 表層雪崩 1000 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526 傾き(A - ) 全層雪崩 到達する 800 到達しない 600 傾き(A + ) 400 200 到達確率モデル 100 200 300 400 500 600 60 40% 40 20 0 1.2 1.4 1.6 1.8 傾き(A + ) 落差 ADH(m) 落差と流下距離の関係 Railway Technical Research Institute 到達確率モデル 平成26年度 防災技術交流会 雪崩危険度と対策の検討 雪崩危険度が高い 流下方向 対策の検討 (維持すべきサービスレベルを設定して対策を検討します) ハード対策 ソフト対策 流路・堆積区対策 ・誘導工 ・防護よう壁・柵 ・雪崩覆 など 雪崩巡回・ 警備区間の抽出 鉄道 100 80 40 標高(m) 25 30 60 20 40 □: 発生危険度 10 20 55 45 35 80 25 30 60 20 40 10 20 △: 到達危険度 ■ : 雪崩危険度 0 0 0 10 20 30 40 50 60 70 100 雪崩危険度(%) 35 標高(m) 45 40 50 危険度(%) 55 傾き(A - ) Railway Technical Research Institute 経路 50 2 2.2 2.4 2.6 2.8 3 3.2 3.4 落差と流下距離との比(ADS/ADH) 平成26年度 防災技術交流会 危険度評価の実施例 80 60% 0% 0 スコアと発生危険度の関係 100 頻度分布 80% 20% 通過する 0 スコア合計 通過 到達確率モデル 100% 中央値 ADS=A×ADH 到達危険度(%) 40% 到達範囲 1200 頻度 到達しない 60 流下距離 ADS(m) 60% 頻度 発生危険度(%) 80% 落差 (A DH ) 流下斜距離 (AD S) 100 非発生 発生 発生確率モデル 80 水平距離(m) 0 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 水平距離(m) 発生危険度と到達危険度 雪崩危険度 Railway Technical Research Institute 発生源対策 ・予防柵 ・防止林 ・階段工 など 斜面の傾斜や方位など の性状を考慮して、斜面 雪圧を算定し、対策工を 提案します。 斜面の傾斜や方位など の性状を考慮して、斜面 雪圧、衝撃荷重を算定し、 対策工を提案します。 危険度評価や衝撃荷重 の推定結果をもとに、積 雪期間の巡回等の箇所 を提案します。 Railway Technical Research Institute 平成26年度 防災技術交流会 まとめ • 本手法は、発生危険度と到達危険度の積によって 算出される雪崩危険度に基づき、定量的な指標に よって雪崩危険箇所を抽出するものです。 • 発生危険度は、雪崩の発生・非発生に影響する要 因を分析して得られたスコアから算出されます。 • 到達危険度は、落差と流下距離をパラメータとした 評価手法に基づき算出されます。 対策の必要性は、維持すべきサービスレベルを設定 して、なだれの衝撃荷重、降積雪条件等を総合的に検 討し、判断します。 Railway Technical Research Institute 2
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