接触力測定に基づく トロリ線の静高さ推定 - 鉄道総合技術研究所

平成26年度 電力技術交流会
トロリ線の局部摩耗の一例
平成26年度 電力技術交流会
トロリ線摩耗
接触力測定に基づく
トロリ線の静高さ推定
支持点
支持点周期でトロリ線の局部摩耗が発生している。
発生条件
・在来線シンプルカテナリ区間
・DC1500V
・パンタグラフ間の母線はなし
・100~115km/h程度での走行
・き電分岐取付箇所や曲線区間(上記はR=1000m)にて顕著に発生
鉄道力学研究部(集電力学)
臼田 隆之
Railway Technical Research Institute
平成26年度 電力技術交流会
本ケースの局部摩耗の原因
径間中央での偏位
架 線偏 位
パンタから見た
ホグ量
50m
支持点
での偏位
Railway Technical Research Institute
ちょう架線
600mm
トロリ線
20mm
20mmのホグ架線を想定した場合の架線構造
100mm/div
100N/div
カント 量 第1パンタ
第2パンタ
第3パンタ
20mmのホグ架線を走行した場合の
接触力とパンタ軌跡(100km/h)
本ケースでは約20mm相当のホグに相当
本研究の目的
現状の検測車での測定項目
(架線・パンタ系)
・トロリ線摩耗
・離線
・トロリ線偏位
・パンタグラフ高さ
・電柱位置
・パンタグラフ舟体加速度
(硬点・衝撃)
(・パンタグラフ接触力)
平成26年度 電力技術交流会
検測
接触力
パンタ高さ
解析
各種線条の位置
トロリ線の静高さ
吊架線の静高さ
ハンガ長さ・ハンガ位置
架線静構造解析
シミュレーション
(ひずみ・張力・高さ)
支持点で接触力が低下→離線アークによる摩耗
トロリ線静高さがわかれば
架線の改良提案が可能
Railway
Technical Research Institute
トロリ線の静高さは重要なパラメータの一つ
ハンガ長さの修正
架線構造の改良提案
Railway Technical Research Institute
4
トロリ線の静高さの推定法
平成26年度 電力技術交流会
架線の動特性の抽出
平成26年度 電力技術交流会
パンタグラフ高さ
検測車で実測
推定
パンタグラフ接触力
パンタグラフの押上量
+
-
加振点間隔dx=1.0
で加振
トロリ線静高さ
トロリ線の動きをシミュレーション
検測車で実測
高さ推定区間
各加振点から推定点へのインパルス応答関数を事前に取得しておき、接触力を
畳み込み積分すれば、パンタグラフの押上量が推定できる。
Railway Technical Research Institute
Railway Technical Research Institute
5
1
平成26年度 電力技術交流会
推定
パンタの押上量 - +
0
.
02
0.
02
0
.
01
0.
01
4
0
0.
005
50
接触力を畳込み積分
0
30
2
0
-5
0
1
0
トロリ線静高さ
0
押上量の推定位置 (
m)
-1
50
力作用点の位置 (
m)
Railway Technical Research Institute
パンタ高さ
(mm)
50
30
20
10
0
20
推定結果
10
0
シミュレーション結果(真値)
-20
250
偏位北50mm
平成26年度 電力技術交流会
偏位南50mm
試1号
試6号
試11号
偏位北50mm
試16号
測定項目
・パンタグラフ高さ
・パンタグラフ接触力
・トロリ線静高さ(高さ・摩耗測定器による測定)
観測点の20m手前から
接触力を畳込み積分
Railway Technical Research Institute
提案手法と将来的活用方法の位置づけ
牽引走行(12km/h)
トロリ線静高さ
(mm)
架線種別:5.5tf系コンパウンド架線
50
40
30
20
10
0
20
10
0
-10
-20
250
300
距離(m)
300
平成26年度 電力技術交流会
2330
2320
2310
2300
2290
100
50
0
40
30
20
10
0
トロリ線押
上量推定値
(mm)
接触力
(N)
偏位中央
牽引走行 12km/h
100
トロリ線静高さの推定結果
(集電試験装置)
試21号
新幹線用パンタグラフ
10
Railway Technical Research Institute
距離(m)
パンタ高さ
(mm)
集電試験装置での検証試験
20
0
50
40
-10
30
150
0
50
-1
00
0
平成26年度 電力技術交流会
0
200
100
トロリ線押上量
(mm)
0
10
150
0.
015
-0
.
01
50
20
パンタ接触力
(N)
0.
025
パンタ接触力
(N)
0.
03
0
.
03
トロリ線静高さ
(mm)
インパルス応答(mm/N)
0
.
04
40
30
0
200
検測車で実測
0.
035
0
.
05
50
40
トロリ線押上量
(mm)
パンタ高さ
0.
04
50
トロリ線静高さ
(mm)
この点の押上量を推定する場合
トロリ線静高さの推定結果
パンタ高さ
(mm)
トロリ線の静高さの推定法
2310
推定値
2300
2290
2280
測定値
2270
50
Railway Technical
100 Research Institute
150
距離(m)
まとめ
平成26年度 電力技術交流会
本報告で提案する手法
シミュレーション
接触力測定に基づくトロリ線の静高さ推定手法
加振器
①特定のトロリ線位置を加振するシミュレーションを実施し、各トロリ線位置の振動を計算
②加振位置を⊿xずつずらしながら加振し、各加振位置毎の各トロリ線位置での振動を計算
計算機での処理
架線の動特性情報を抽出
データベース化
検測車データなど
パンタグラフの接触力
架線の動特性に接触力を
畳み込み積分
パンタグラフ高さ
○ 今回検証を行った条件では、本手法によりトロリ線の静高さを約3~4mm程
度の精度で推定可能です。(シミュレーションおよび集電試験装置)
○今後は架線保守への効率的な適用方法を含めて検討を進めます。
パンタグラフによる各位置
のトロリ線押上量を推定
現在検討中の内容
保全コスト
○ パンタグラフ接触力とパンタグラフ高さからトロリ線の静高さを推定する手法
を紹介しました。事前に架線の動特性データベースを作成しておけば,比較
的簡便な演算によりトロリ線の静高さの推定が可能です。
トロリ線の静高さを推定
架線構造の修正案を提示
電車線保守の省力化
Railway Technical Research Institute
Railway Technical Research Institute
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