Uドップラーを用いた 岩盤斜面の安定性評価法

平成26年度 防災技術交流会
平成26年度 防災技術交流会
背景:振動計測による岩塊安定性評価法
Uドップラーを用いた
岩盤斜面の安定性評価法
振動軌跡
三 成 分 地 震計
安定
岩盤ブロックの安定性
(安全)
定性的評価
0.0 05
0.0 04
スペクトル
0.0 03
0.0 02
不安定
(危険)
0.0 01
0.0 0
不安定岩塊
小
振動の大きさ
大
不明瞭
卓越周波数
明瞭
振動軌跡
方向性
-0 .0 01
不安定
-0 .0 02
-0 .0 03
-0 .0 04
-0. 04
2
4
0
6
2
4
8
1 0
12
1 4
16
18
20
-0 .0 03
22
-0 .0 02
-0. 0 1
24
0. 0 0
2 6
0. 01
0.0 02
28
0.0 03
0. 0 4
30
0. 0 5
32
6 8 1 0 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
周波数( Hz)
0 .0 0
60
等方的
0 .0 0
48
0 .0 0
36
0 .0 0
24
0 .0 0
12
0.0
2
0
振動特性
0 .0 0 0
0.0
1
8
0 .0 0
12
0.0
1
6
やや不安定
0 .0 0
24
0.0
1
4
0 .0 0
36
0.0
1
2
0 .0 0
48
0.0
1
0
0.0
0
8
0 .0 0
24
. 01
0
8
-0
. 0
12
0 .0 0
6
. 00
0
0 .0 0
6
. 0
0
12
0 .0 0
8
1
. 02
0
4
0 .0 0
30
三成分地震計
(ジオフォン)
0.0
0
6
0.0
0
4
0.0
0
2
0.0
0
0
2
4
0
鉄道力学研究部(構造力学)
6
2
8
4
1
0
6
12
1
4
16
1
8
2
0
2
2
2
4
2
6
2
8
3
0
3
2
8 1 0 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
周波数( Hz)
Y
0.0 05
0.0 04
0.0 03
0.0 02
0.0 01
x
0.0
4
0
0.0 0
上半 文昭
0.0
3
6
-0 .0 01
0.0
3
2
Y
安定
0.0
2
8
0.0
2
4
-0 .0 02
-0 .0 03
-0 .0 04
0.0
2
0
-0. 04
0.0
1
6
x
-0 .0 03
-0 .0 02
-0. 0 1
0. 0 0
0. 01
0.0 02
0.0 03
0. 0 4
0. 0 5
0.0
1
2
0.0
0
8
0.0
0
4
0.0
0
0
0
0
Railway Technical Research Institute
安 定 岩 盤
4
4
6
6
8
10
1
2
14
1
6
1
8
20
2
2
24
2
6
28
3
0
8 1 0 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
周波数( Hz)
1
2
平成26年度 防災技術交流会
振動計測による評価法の課題と研究目的
平成26年度 防災技術交流会
非接触振動測定システム「Uドップラー」
uレーザ照射で構造物振動を遠隔
(1~100m超)非接触測定
振動計測による評価法の課題
① 危険な急崖斜面への地震計設置作業が必要
u独自の補正技術により屋外環境
において,微動,衝撃振動,列車
振動等を測定
②岩塊の振動特性と安定性の間の定量的な関係
の明確化が必要
研究目的
「安全」・「効率的」・「定量的」な
岩盤斜面の安定性評価システムの構築
固有振動数
たわみ量
遠隔非接触計測
① 「安全」・「効率的」:遠隔非接触計測
②「定量的」:振動特性と力学的安定性の
関係の調査
Uドップラー3
平成26年度 防災技術交流会
岩塊振動計測への適用性の検証
Railway Technical Research Institute
4
平成26年度 防災技術交流会
岩盤斜面用振動計測システムの開発
反射ターゲット形成装置
地震計
フーリエ振幅( mm/sec・sec)
反射材
2
2
不安定岩塊の常時微動の
フーリエスペクトル
0.005
地震計
再帰反射塗料
0
0.005
0
スプレーガ
ン
Uドップラー
5
10
15
20
振動数 (Hz)
現地測定状況
(測定距離約200m)
Uドップラー で不安定岩塊の
微動を測定できることを確認
Railway Technical Research Institute
5
• 3次元測定,多点同時測定が可能な振動計測システムを開発
• 遠隔地への反射ターゲットの形成装置を開発
6
平成26年度 防災技術交流会
岩塊振動の現地計測実験
対象斜面および岩塊の状況
岩塊1
(不安定)
地震計
岩塊2
(安定)
石膏ブロック模型の振動計測実験
背面に明瞭
な亀裂
反射塗料
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転倒安全率ノモグラムによる簡易評価
Uドップラー
接着長
非接触振動計測
岩塊3
(安定)
岩塊2
-0.004
0
岩塊3
10
200
非接触測定
20
150
2回目
物性 f
2回目
3回目
50
崩落
0
5
10
15
転倒安全率
7
20
8
平成26年度 防災技術交流会
平成26年度 防災技術交流会
岩塊形状の取得:空撮測量システム
物性 e
初回
3回目
0
Railway Technical Research Institute
物性 c
物性 d
100
周波数 (Hz)
時 間 (sec)
物性 b
物性 a
初回
卓越周波数( Hz)
地震計
フーリエ振幅(mm/sec・sec)
速 度 (mm/sec)
0
転倒安全率ノモグラムによる評価概念
転倒安全率= 接着部抵抗モーメント
転倒モーメント
非接触振動測定結果
岩塊1
(足踏み加振)
・転倒安全率のノモグラムに岩塊の実測
卓越周波数を照合して安定性を評価す
る手法を提案
台 座
岩塊1(不安定)
0.006
・寸法,物性,縦横比などの異なる模擬岩
塊の振動特性と安定性の関係を調査
石膏ブロック
岩塊形状の取得:点群の重ね合わせ
死角
地上測量では岩塊上部など重要箇所が死角
撮影・点群データの作成
重ね合わせ後の点群
点群データの重ね合わせ
A
岩盤斜面
模型ラジコンヘリコプターで岩塊形状を空撮
C
B
D
岩塊形状を座標点群としてデジタルデータ化
空撮測量システムの概要
多方向から
動画を撮影
画像相関解析
岩塊形状の
座標点群
データ
ステレオ動画
防振装置
通信
ステレオカメラ
E
空中移動して多方向
から動画を撮影
複数の岩塊形状点群
データ(A~E)を作成
地上局
Railway Technical Research Institute
対 象 岩 塊
点群Cの座標系への
座標変換と重ね合わせ
æP
ç
çP
ç
çP
ç
è1
'
x
'
y
'
z
ö æ r00 r01 r02 t 0 öæ Px ö
÷ ç
÷ç ÷
÷ ç r10 r11 r12 t1 ÷ç Py ÷
÷ = çr
r
r
t ÷ç P ÷
÷ ç 20 21 22 2 ÷ç z ÷
÷ç ÷
÷ ç
ø è 0 0 0 1 øè 1 ø
rij : 回転行列, tk : 平行移動行列
10
平成26年度 防災技術交流会
直方体フレーム
ノイズ判定される座標点
切り出し範囲
個別岩塊の詳細評価手法
不安定岩塊の
数値解析モデル
空撮測量
不安定岩塊
鉛直方向
立方体
寸法・形状
岩石サンプル
Z
水平方 向
XX
奥行き方向
Z
(a) 対象岩塊周辺部点群の切り出し
岩塊の表面形状座標点
(b) 立方体要素化
(c) 立方体要素モデル
岩盤斜面
非接触振動計測
実測振動特性
基盤岩との接着状態と作用荷重
によるパラメータスタディ
接着部最大引張応力( N/mm2)
岩塊形状の数値解析モデル化プログラム
Y
・外観や寸法の調査
・数値解析モデルの作成
9
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Y
死角のない岩塊形状
データの取得
安定性評価
14
L2地 震崩落 基準
12
10
L1 地震崩落基準
8
自重崩落基準
6
引 張強 度
4
2
現 状応 力
0
自重崩落
周波数
0
実測
100
5 0 周波数
150
200
卓越周波数(Hz)
接着部
(d) 対象岩塊の立方体要素
(1辺100mm)モデル
(e) 要素サイズの調整
(1辺400mm)
基盤岩
(f) FEM解析用の数値解析モデル
11
離れた場所から非接触で岩塊の振動・形状を計測し,ノモグラム
による簡易評価または数値解析による詳細評価によって岩塊の
安定性を評価することができる一連のツールを開発
12
※本研究は国土交通省・鉄道技術開発費補助金の助成を受けて実施しました。