平成26年度 軌道技術交流会 軌道弾性材の特性に対する 温度の影響評価 材料技術研究部(防振材料) 半坂征則 研究の背景と目的 日最低気温1月 平均値(気象庁) 平成26年度 軌道技術交流会 軌道弾性材(軌道パッド)の振動低減 性能が低温時に低下する可能性 温度の軌道弾性材の特性への 影響を定量化した事例は少ない =明確には把握されていない 寒冷地への高速鉄道網の建設も 進められている 研究の目的 ・軌道パッドの特性に対する温度の影響を評価 実軌道の同一箇所において夏・冬で振動・騒音測定 ・振動(加速度)中心に報告 Railway Technical Research Institute Railway Technical Research Institute 平成26年度 軌道技術交流会 測定箇所 平成26年度 軌道技術交流会 主要測定点 レール(この下に軌道パッド) 軌道スラブ 軌道構造 スラブマット 沿線の状況 ・在来線,高架橋,ほぼ直線の平坦線区,下り ・スラブ直結軌道、60Nレール、パンドロール式締結装置 ・軌道パッド(公称ばね定数30MN/m) ・スラブマット(詳細な仕様は不明) 夏と冬で同じ箇所で測定 側面図 ・VG1:桁直下には倉庫があるため設置困難 極力桁直下に近い位置で設置 ・振動測定点:全部z方向の結果を報告 Railway Technical Research Institute Railway Technical Research Institute 平成26年度 軌道技術交流会 VR1 VS VT VC1 VG1 20dB 40 振動加速度 振動加速度レベル (dB) 振動加速度レベル (dB) 測定結果-対象箇所の振動特性(夏)- 平成26年度 軌道技術交流会 測定結果-対象箇所の振動特性(夏)- VR1 VC1 20dB 80 100 120 140 60 車両速度(km/h) 車両速度 ・レール/車輪間から離れるほど部材の振動は小さくなる ・軌道スラブ(VS)と締結装置(VT)の振動値はほぼ同等 Railway Technical Research Institute VT VS 16 31.5 63 125 250 500 1k 2k 4k 8k O.A. 振動加速度 周波数 (Hz) 80~100km/h 下部構造への振動減衰量は周波数の増加に伴い増大 Railway Technical Research Institute 1 平成26年度 軌道技術交流会 測定結果-温度- 測定結果-対象箇所の騒音特性(夏)- 10 30 20 10 SG1 6 4 12 時 14 0 16 2月18日 6 8 夏 80 100 120 140 60 車両速度(km/h) 車両速度(km/h) 40 8 2 9月4日 SG2 レール 締結装置 スラブマット レール近傍 地上(気温) 12 25 10dB 騒音 温度 温度((℃) 騒音レベル (dB) SR 35 レール 締結装置 スラブマット レール近傍 地上(気温) 温度 温度((℃) 40 桁直下(SG1)≦12.5m点(SG2)<レール近傍(SR) 対象箇所では橋上騒音の寄与が大きい Railway Technical Research Institute VR1 80 100 120140 車両速度(km/h) 車両速度(km/h) 振動加速度 レール(VR1) 締結装置動(VT) 低速域 ○夏≧冬 ○夏<冬 VT 120140 80 100 60 車両速度(km/h) 車両速度(km/h) 高速域 ●両者の差小 ○夏<冬 軌道パッドの弾性支持理論に対して:○整合,●不整合 Railway Technical Research Institute 測定結果:騒音レベル-夏冬の比較- )B (d ル ベレ 音 騒 5dB 夏 冬 40 SR 60 80 100 120 140 車両速度(km/h) 車両速度(km/h) 車両速度(km/h) 騒音 レール近傍(SR) 桁直下(SG1) )B (d ル ベレ 音 騒 5dB 40 平成26年度 軌道技術交流会 夏 冬 低速域 ○夏>冬 振動より差が大きい ●夏>冬 60 SG1 80 100 120 140 車両速度(km/h) 車両速度(km/h) 高速域 ●両者の差小 ○夏<冬 軌道パッドの弾性支持理論に対して:○整合,●不整合 Railway Technical Research Institute 12 冬 平成26年度 軌道技術交流会 )B d( ル ベレ 度 速 加 動 振 5dB 測定結果:振動加速度レベル-夏冬の比較- 夏冬 40 夏 冬 (dB) 夏 冬 B)d( ル ベレ 度 速 加 動 振5dB 40 10 時 ・ 夏・冬の温度差は15~20℃程度 温度の影響評価のためには温度差が大きい方が望ましいが、 この時期の測定は運営上の都合による ・ 部材の温度変化:レールでは大きく、スラブマットでは小さい Railway Technical Research Institute 主として部材の温度特性による 平成26年度 軌道技術交流会 測定結果:振動加速度レベル-夏冬の比較- )B 夏 (d 冬 ル ベレ 度 速 加 動 振5dB 40 60 平成26年度 軌道技術交流会 VC1 60 80 100120140 車両速度(km/h) 車両速度(km/h) 振動加速度 床版(VC1) 桁直下(VG1) 低速域 ○夏<冬 ●夏>冬 ル ベレ 度 速 加 動 振5dB 40 60 VG1 80 100 120140 車両速度(km/h) 高速域 ●両者の差小 ●夏≧冬( 両者の差小) 軌道パッドの弾性支持理論に対して:○整合,●不整合 Railway Technical Research Institute 平成26年度 軌道技術交流会 まとめ 軌道弾性材の特性に対する温度の影響を評価するために、 在来線の同一箇所で夏と冬において振動と騒音を測定した。 その結果,以下の知見を得た。 (1) 対象箇所の振動・騒音特性を明らかにした。 ・レール/車輪間から遠い部材ほど振動は小さい。 ・対象箇所では橋上で発生する騒音の寄与が大きい。 (2) 夏,冬の振動・騒音差異を明らかにした。 ・レール振動,レール近傍騒音:冬の値の方が概して小さい。 ・軌道・構造物振動:冬の値の方が概して大きい。 軌道の弾性支持理論に合致する。 ・桁直下等の地盤振動,沿線騒音:冬の値の方が概して小さい。 軌道の弾性支持理論に合致しない。 詳細な解析は今後の課題としたい。 Railway Technical Research Institute 2
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