Untitled - 山形県立博物館

特別展化石展ーサンヨユ
1979.
5 月 26 日 ~7 月 8 日
あいさつ
このたび、本館では、県内の化石研究家のご協
力をえて、特別展として「化石展
サンヨウチュ
ウからクジラまで、」を開催;しました。
地球上には、何億年前もの大昔から、さまざま
な生物が現われ、栄え、そして滅亡してきた事 実
が、いたるところに刻み込まれています。この未
知なる世界を、化石を手がかりとして、少しずつ
解明していくことは、大変興味をそそられること
で、本展の開催が、この研究分野へのいぎないと
なり、山形の自然史研究の向上発展に役立つこと
を願っております。なお、この好機会にあたり、
新発見の大海牛の化石も公開いたします。
本図録は、特別展に展示きれた資料を、可能な
かぎり掲載し、長〈記録として保存すると共に、
郷土教育の一助になればと考え作成したもので、
多方面で、ご活用くだされば幸いです。
終りに、貴重な所蔵品を快よくご出品くださっ
た方々、また開催に積極的にご協力くだきった関
係各位に対して、心よりお札を申し上げますと共
に、今後とも、本館の活動に 一層のご指導を賜わ
りますようお願いいたします。
4年 5月
昭和 5
山形県立博物館長
遠藤来二
恐竜ユープロン テスの足跡
アメリカ・アリゾナ州
化石とは
「これは化石になっていま すか」とよく聞かれ
るが、 一般に、 化石とは、 地質時代の生物の遺骸
がそのまま残ったもの(遺体化石)、 鉱物 質に置換
されているもの(印象化石)、生息の証拠になるも
の(生痕化石)などが地層に残されているものを
いう。 したがって、 シベリアの永久凍土から発掘
された皮と肉のついたマンモス象や
、 生物のはい
まわった跡や糞なども、 地質時代のものであれば
化石である。
2 -
先カンブリア代の生物
この時代の生物の種類は少なく、 変成岩が
多いこともあり、 化石として残っているもの
が少ない。
始生代には、 単純な生物が水中に発生した
が、 最初に発生した生物は、 今日でいう細菌
のようなものであろう。 こ のようなものは、
普通はとても化石にはならない。
原生代に入ると、 藻菌類のほか、 原生動物、
節足動物、 無脊椎動物なども出現した。 なか
でも藻類のコレニアが有名である。
×す
コレニア(先カンブリア代)中国産
- 3ー
吉田三郎氏蔵
古生代の生物
こ の時代の生物は種類も量も先カンブリア代とは比較にならないほど 多くなった。
古生代の前期は、 植物では藻類、 動物では無脊椎動物が繁栄した。 動物界では 、 節足動
物の三葉虫類はその代表者で 、 古生代全体を通じて生存し続けた。 中期になると、 三葉虫
は衰退し、 これに代り、 クサリサンゴ 、 ハチノスサンゴや脊椎動物の甲らを持った甲宵魚、
が栄えた。
後期になると 、 三葉虫はいよいよ衰え、 古生代の末には絶滅 するが、 フズリナ(紡鍾虫)
が急速に栄えた。 両生類や昆虫類が陸上に進出 する。 植物界は 、 現在のトクサの仲間 のロ
ボク、 ヒカゲノカズラ の仲間のリンボク、 フウインボクなどは高さ20メートルにも達する
巨大な植物の大森林になり、 埋没し、 石炭になった。
三葉虫
庭先などの日陰にいるワラジム
シを大きくしたような形をしてい
て、 頭部・胸部(胸腹部)・尾部の
三つの部分からなり、 カンブリア
紀に爆発的に繁栄した古生代の代
表的な生物である。
三葉虫は、 浅い海底をはいまわ
ったり、 泥にもぐったり、 泳いだ
りして生活し、 体長は、 数センチ
メートルであるが、 ときには60セン
チメートルもあるものがいる。
斎藤常正氏蔵
パシュウリスダス(力ンブリア紀)
アメリカ ・ユタ州産
工ルラシア(カンブリア紀)
アメリカ・ユタ州産
斎藤常正氏蔵
城北女子高校蔵
-4-
一古生代の生物一
三葉虫の化石
フレキカリメネ(オルドピス紀)アメリカ・オハイオ州産
斎藤常正氏蔵
三葉虫の体には、 エビのように沢山の節が
あり、敵から身を守るために体を丸くするこ
とができたらしい。
三葉虫の仲間には、
泥の中にもぐって生活
したものもあり、「モグ
ラ」の眼が退化したと
同じように、 めくらの
三葉虫がいる。
X3
ペロノプシス(カンブリア 紀)
アメリカ・ユタ州産 斎藤常正氏蔵
トリアトスルス(オルドピス紀)
アメリカ・ニューヨーク州産
斎藤常正氏蔵
シュウドフィリプシア(二畳紀)
シュウドフィリプシア(ニ畳紀)
宮械県産
城北女子高校蔵
宮城県産
- 5一
城北女子高校蔵
一 古生代の生物 一
サンゴの化石のいろいろ
サンゴの化石
化石には、 その古生物が
生存していた当時の自然環
境を知るのに役立つものが
少なくない。 化石を含む地
層のたい積した環境が浅海
か深海か、 日差海か寒海かな
どいろいろ推測できる。
現在、 サンゴ礁をつくっ
ている造礁サンゴは、 水温
20'C以上の、 きれいな海水
で太陽光線の とど〈浅い海
にしか生息できない。 サン
ゴの化石の産出はこのよう
な環境を物語る。
タサリサンゴ(シルル紀)
スウェーデン産
吉田三郎氏蔵
ハチノスサンゴ(デポン紀)
アメリ力・ケンタッキー州産
斎藤常正氏蔵
四射サンゴ(石炭紀)
アメリ カ・ペンシ ルパニア州産
へリオフィルム(デポン紀)
アメリカ・ニューヨーク州産
斎藤常jI氏蔵
-6-
斎藤常正氏蔵
一古生代の生物一
貝類と 貝でない腕足類
スピリファ一
二枚貝の設は、 左右に分れるが、 腕足類の殻は背 と腹
に区別される。 現生のホウキム シ、 こけむし類 との類縁
関係にある。 スピリファーは シルル紀から二畳紀まで生
せきえん
存し、 デポン紀に特に栄えた。 中国では “石燕"(石ツバ
メ) と言われ薬 として、 またヨーロッパでは、 お守りに
するこ ともある。
プラティラセラ(デポン紀)アメリカ・オハイオ州産
斎藤常正氏蔵
ストロフェオドンタ(デポン紀)
アメリカ・オハイオ州産
斎藤常正氏蔵
アトリ パ(テ'ポン紀)
アメリカ・ニューヨー ク州産
斎藤常正氏蔵
レ プト ダス(ニ畳 紀)
宮城県産
城北女子高校蔵
- 7一
一古生代の生物
ウミユ リ(ニ畳紀)
宮城県産
減北女子高校蔵
オウィコエリヌス(石炭紀)
アメリカ・インデア ナ州産
斎藤常正氏蔵
ウミユリ
ウミユリの体は、 植物のよ
うに、 根・茎・冠の三つの部
分からなり、 根は海底の岩に
しがみつくだけの役目で、 茎
は、 冠を支える役目だけしか
ない。 ユリの花にあたる冠は、
“ガク" と花びらにあたる“腕"
に区別される。 ウミユリの生
エ ウカリブ卜ク ク ニ テ ス(石炭紀)
アメリカ・ペンシル ノてニア州産
活は、 この “腕" の部分だけ
で行われており、 線皮動物で
斎藤常正氏蔵
ある。 デボン紀、 石炭紀に特
に栄えた。
ウミユリ(イラスト)
- 8ー
一古生代の生物一
ウミツボの化石
ぺ ントレミテス(石炭紀)
アメリカ・ケンタッキー州産
斎藤常正氏蔵
アンクリオ クリヌス(デポン紀) アメリカ・オハイ オ州産
斎藤常正氏蔵
フズリナの化石
フズリナの系統図
石炭紀
期l中
前
二
後期
期i 後
前 期j中 期l後 期;末期
期
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フズリナ(紡錘虫)
フズリナは、 単細胞で、
原生動物の有孔虫類である
が石灰質のかたい穀をもっ
ているので、 化石になりや
すい。 石炭紀から二畳紀に
栄え、100属以上、 約5000種
にも分化し、 二畳紀末には
絶滅した。
フズリナ (ニ畳 紀)栃木県産
- 9一
城北女子高校蔵
一
古生代の生物 一
植物の化石
X2
スフヱノフィルム(石炭紀)
アメリカ・ペンシルパニア州産
斎藤常正氏蔵
ペコプ テ リス(石炭紀)
アメリカ・ペンシルパニア州産
斎藤常正氏議
古生代の植物
デポン紀の後期から石炭紀にかけて、 ヒカゲノカツラ
類のリンボク、 フウインボクやロボクで代表されるトク
サ類などのシダ植物が大森林をつくった。 また、 原始的な
繰子植物のグロソプテソスや ギガントブテリ スも現れた。
エウシギラ リア(石炭 紀)
山形大小i積
カラミ テス(石炭紀)
アメリカ・ペンシルベニア州産
ド イ ツ産
-10-
斎必lr;iE氏蔵
中生代の生物
古生代に栄えた三葉虫やフズリナは絶滅し、 頭足類 のアンモナ
イトや恐竜など のハ虫類が全盛をきわめ、J毎生 のもの、 陸生のも
の、 巨大なものが現われ、 生物界の王者になるが、 白亜紀末には
絶滅 する。 植物界では、 シ夕、植物に代りイチョウ、 ソテツ、 ベネ
チラ ス類など の裸子植物が栄える。
恐竜ののこしたもの
恐竜プロトケラトプ スの卵(白亜紀)
工:r.L
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(
さZ
月".
トカゲ恐竜
・ヶモノ竜
トリ恐竜
! ・ トリ竜
I
(ハドロザウルス、イクアノドン、カンプトザウルス)
I ・ヶ ン 竜
山
ジエ
・ヨロイ竜
ケ
)
(スコロザウノレス、アンキロザウルス)
竜 (トリケラ卜プス、プロトケラトプス)
・ッノ
ブロトケラトプスの復元図
斎藤1�正氏蔵
ア フリ力産
(アロザウルス、チラノザウルス、タルボザウルス)
・ヵミナリ竜
(プラキオザウルス.ディプロド7ス、ブロントザウルス.ディプロド7ス)
恐竜の親類
魚竜、クビナガ竜、トカゲ竜、コウモリ竜
×す
小型恐竜ア ンキサ ウリプスの足跡 (ジユラ紀)
アメリカ・ア リゾナ州産
11
斎藤常正氏歳
一
中生代の生物 一
アンモナイト化石のいろいろ
アンモナイト
軟体動物門、 頭足綱、 四鰐 、 亜綱の
ア ンモナイト自に属し、“いか"や“た
こ" の仲間である。
石灰質の殻を持ち、 現生のオウム
貝に似ているので同じ四偲類の仲間
と推定される。 ア ンモナイトの殻に
は、 いくつもの壁があり、 入口の大
きい室(住房) から、 奥の小さい房
まで、 隔壁を貫いて体管がある。 各
アンモナイトの断面
(イラスト)
オウムガイの断面(現生)
(イラス卜)
住房の仕切が殺の表面にあらわれた
模様が縫合線でア ンモナイトの分類
や進化をたどるのに重要でおある。
ベリシン クテス(ジユラ紀)
イギリス産 城北女子高校蔵
ダクテリオセ ラス(ジユラ紀)
イギリス 産
斎藤常正氏蔵
ジン ポ イセラス(白亜紀)
北海道産
城北女子高校蔵
パキデセウス(白亜紀)北海道産
城北女子高校蔵
-12-
一 中生代の生物一
ネオ フィロセラス(白亜紀)
プゾシア(白亜紀)
ア ン モナイトの横縦断面
城北女子高校蔵
北海道産
城北女子高校蔵
北海道産
城北女子高校蔵
ユウパリ セラス(白亜紀)
スカラリ テス(白亜紀)
北海道産
城北女子高校蔵
北海道産
城北女子高校蔵
ニッポニテス
、 最初に北海道
白亜紀の異常巻きのア ンモナイトで
はないか と言われ
奇型で
病的な
、
見され
方で発
天塩地
され、 進化の進
ていたが、 後に、 他からも数多く発見
。
んだ最後の型 と考えられている
ネオ フ・ゾシア(白亜紀)
北海道産
城北女子高校蔵
×す
ニ ッポ ニ テス(白亜紀)
北海道産
城北女子高校蔵
ノ、ィファントテラス(白亜車D
1じ毎道産
城北女干高校蔵
-13-
一
中生代の生物 一
カキの化石のいろいろ
X1
グリファエア(ジュラ紀)
イギリス産
斎藤常正氏蔵
グリ ファエア(白亜紀)アメリカ・ニュージャージ-;'11産
斎藤常正氏蔵
ヱ グゾキラ(白亜紀)
アメリカ・テキサス州産
斎藤前正氏蔵
グリ ファヱア(白亜紀)アメ リカ・テキサス;'1'1産
斎藤常正 氏議
エ グゾギラ (白亜紀)
オストレア(白亜紀)
アメリ力・ニュージャ ージー州産
アメリカ・ニュージャージー州産
斎藤常正氏蔵
斎藤常正氏議
14一
一 中生代の生物ー
貝の化石と植物の化石
イノセラムス
軟体動物門、 斧足綱、 貧歯目に属し、 ジュラ紀
白亜紀の浅海成層によく産する二枚貝で、 種によ
って異なるが、 一部の種類は流木などに付着し生
活したものや、 大型で殻の厚いものなどは浅海底
に生息していたものもある。
城北女子高校蔵
卜リゴニア(三畳 紀)宮城県産
イノセラムス(白亜紀)
北海道産
城北女子高校蔵
フナ クイムシ(白亜記)
北海道産
城北女子高校蔵
×す
ベルムナイト(白亜紀)
アメリカ・ニュージャージー州産
斎藤常正氏蔵
イノセラムスとスカラリテス(白亜車δ
城北女子高校蔵
北海道産
x+
クラドクレピス(三畳紀)
山口県産
イチョウ(ジュラ紀)石川県産
城北女子高校蔵
山形大学積
- 15 一
新生代の生物
この時代は、 晴乳動物の時代、 被子植物の時代と言われている
ように、 ゾウ、 シカ、
ウマ、 カパ、 クジラ など の晴乳動物が急速
に栄え、 植物は、 カエデ、 カバノキ、 ハンノキ、 クルミなど現在
でも見られる被子植物の全盛時代である。 海には、 サメ、 スズキ
魚・ヒトデの化石
の仲間など の魚や貝やウニなど 多くの種類が生息するようになっ
イワシの仲間(新第三紀)朝日町産
本館蔵
×す
メ バルの仲間(新第三紀)大江町産
-16-
クモヒトデ (新第三紀)朝日町産
城北女子高校蔵
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ア オ ザメの歯の化石 (復元)
朝日村産
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為
弘
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山添高校科学部蔵
サメの歯の化石
現在、 サ メは、 世界で約 250種。 日本近海では約
80種生存している。 最古のサ メの歯の化石は、 古
生代のデポン系から発見きれている。 県内で、 小
X1
国町、 白鷹町、 西川町、 山形市、 鮭川村、 真室川
町、 朝日村などから、 カルカロドン・メカ*ロドン
やイスルス (ア オザメ)などが発見されている。
朝日村のようにーヶ所から約 500本ものア オザ
メの歯の化石が発見された例は、 非常に珍しい。
- 17 一
一新生代の生物
飯豊町白川ダム用地の貝化石
1973年、 飯豊町白川ダム用地の工事現場から数
多くの貝類化石が発見された。 新種 とみられるカト
ウビノスガイ、 新亜種 とみられるタカハシホタテも
産出じている。
フォーチベクテン (タカハシホタテ)
(新第三紀)飯豊町産
加藤 啓氏蔵
×す
ベクテン (ナガヌ マホタテ)
(新第三紀)
飯豊町産
加藤 啓氏蔵
クリノカルテュ
・ ウム(マクラ ザルガイ) (新第三紀)
加藤 啓氏蔵
飯豊町産
紀 蔵
三 氏
第啓
噺
藤
旧
、
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t削
J1
力
ス
ノ
ah'
テク卜ナテカ(ヤマガタタマガイ) (新第三紀)
加藤 啓氏蔵
飯豊町産
ピ
×去
力
加藤 啓氏議
ウ
飯豊町産
れア
叫リ 産
弓ナ 町
セ豊
ル飯
メ
フ。ツシヌン (工、ノ'パイの類)(新第三紀)
セリップス(ザルガイの類)
(新第三紀)
飯豊町産
加藤 啓氏J援
。。
一新生代の生物一
山形県産の貝化石とウニ化石
ミ ズホベ クテン(新第三紀)
山形市産
城北女子高校蔵
スピネラ(新第三紀)朝日町産
城北女子高校蔵
パテノベクテン(新第三紀)金山町産
沼野透明氏蔵
グリシメリス(新第三紀)
八幡町産
ウ二(リンティア)(新第三紀)
又井昭彦氏議
八幡町産
文井昭彦氏議
ルシノ マ(新第三紀) 八幡町産
又井昭彦氏議
- 19-
新生代の生物一
植物化石のいろいろ
田川地方の植物化石
植物化石は、 県内各地から産
するが、 田川地方の油戸地区で
は、 北方系の植物化石を多く産
し、 草井谷地区では、 南方系の
植物化石を多〈産する。
ハシバ ミ の仲間 (新第三紀)鶴岡市産
植松芳平氏蔵
ブナ(新第三紀)鶴岡市産
植松芳平氏蔵
ム クロ ジの仲間(新第三紀)鶴
植松芳平氏蔵
×す
ニレの仲間 (新第三紀)鶴岡市産
植松芳平氏蔵
シデの仲間(新第三紀)鶴岡市産
植松芳平氏議
メタセコイ ヤ(新第三紀)鶴岡市産
植松芳平氏蔵
ハンノキの仲間
(新第三紀)鶴岡市産
植松芳平氏蔵
- 20
一新生代の生物一
植物化石のいろいろ
コンブ卜ニア (新第三車D南陽市産
田宮良一氏蔵
ケ ヤキに近似(新第三紀)新潟県産
本館蔵
ヒノキの仲間 (新第三紀)新潟県産
本館職
X1
謬滋p'?:'
クリ(新第三紀)小国町産
藤田幸夫氏議
クリ(新第三紀)新潟県産
本館蔵
カパの一種(新第三紀)高畠町上和国産
藤田幸夫氏議
21 -
ニレの仲間(新第三紀)
高畠町上和国産
藤田幸夫氏蔵
一新生代の生物ー
昆虫の化石
高畠町上和田の昆虫化石
高畠町で発見された昆虫は、 キノコパエなどの多麹目、
シロア リな との等遡目や半麹目などの成虫や幼虫が数多
く発見された。 薬理の発達した凝灰質の シルト岩て\リ
クイダンパーなどの植物化石を含むこ とから新第三紀、
中新世のものである。
キノコパエ(新第三紀) 高畠町産
城北女子高校議
X8
キノコパエ (新第三紀) 高畠町産
城北女子高校議
キノコパエ(新第三紀) 高畠町産
伊藤之己氏蔵
X8
ハアリ(新第三紀)高畠町産
ハエ(新第三紀)高畠町産
X8
X8
藤田幸夫氏蔵
ハチ(新第三紀)高畠町産
ガガンボ(新第三紀) 高畠町産
伊藤之己氏穣
藤田幸夫氏議
- 2 2-
ガガンボ(新第三紀)高畠町産
伊藤之己氏蔵
藤t日幸夫氏1被
一新生代の生物 一
X3
ヒメカゲロウの羽(新第三紀) 高畠町産
藤田幸夫氏議
クシヒゲムシ(新第三紀)高 畠町産
藤田幸夫氏議
X5
カメムシ(新第三紀)高畠町産
藤E8幸夫氏磯
X8
クモの類(新第三紀)高畠町産
勝凹幸夫氏議
シロア リ(新第三紀)
高畠町産
藤田幸夫氏議
モン カゲロウの幼虫(新第三紀)
高畠町産
藤田幸夫氏蔵
×す
ヒトリガ(新第三紀)
高畠町産
伊藤之巳氏蔵
カワゲラの幼虫(新第三紀)
カワゲラの幼虫(新第三紀)
高畠町産
官[lj'賢二氏議
- 23 一
高畠町産
伊藤之己氏l議
発掘 さ れた大海牛
発掘の経過
1978年8月21日
異常渇水で水位の下った大江町大字三郷字用の最上川角河床の岩盤に動物の骨の化石らし
いものを、 渡辺政紀君、 斎藤正弘君(当時大江町立左沢小学校6年生)が発見した。
8月28日
現地調査を行い、“クジラ(7)らしい動物の 脊椎骨、肋骨の一部の化石である"ことを確認す
る。
8月29日
発掘の打合せ、 手掘りによる発掘開始する。
8月30日
削岩機を導入し、 発掘作業を行う。 午後7時、 強い雷同の中、 発掘に成功する。
8月31日
資料を搬入し、 以降自然乾燥を行う。
17
9 8年 1 2月-1 97年
9 3 月、 クリーニング作業を行う。
24-
一大
海 牛
一
発掘現場は、 普通の水量のと きは水没して
いる河床で、 相当の渇水期でないと 現われな
い。 両岸、 河床には、偽層理が発達し、 いたる
と ころにポットホールが見られる。 岩質は、
凝灰質砂岩で、 同質のノジュール、 泥岩の艇
を多〈含む。 中新世後期に対比きれている。
発掘作業
- 25 -
運微作業
一大 海 牛
クリーニングの結果
(1)
脊椎骨の一つの節の長きが60-80酬で短か
〈、 肋骨の形が特徴的である。
(2) 臼歯が四本、 犬歯らしいものが一本出てき
たが、 いずれも小型で日ある。
(3)肩甲骨の大きき、 形が特徴的である。
(4) 頭骨が、 骨格に比べ小きい。
(5)前肢の尺骨、 携骨、 腕骨が特徴的である。
脊椎骨と肋骨
肩甲骨と前肢
×す
肩 甲 骨
26一
一大海 牛 一
脊椎骨
×す
X 1
犬歯
臼歯
臼
歯
一大海 牛 一
展示された大海牛
大海牛
17
9 年
9 4月、 ハーワード大学(アメリカ) のドミニング博士から、
大海牛類(Dusisiren SP.)であると の鑑定を受けた。
こ の大海牛は、 アメリカ、 カリフォルニアの新第三系、 中新統から
発 見されたDusisiren jordani(ヨルダニ海牛) の直系の子孫で、 1768年
に、 乱獲によって絶滅したといわれているSteller's Sea Cow (ステ
ラー海牛) と の中間に位置するもので新種の可能性があることも指摘
されている。
大海牛は、 皮膚が厚〈、 暗灰色で、 食欲で、 おとなしく、 浅海で海
草をむさぼり食べていた草食 の晴乳動物である。
- 28一
特別展
化
石
展
昭和54年5月26日
昭和54年5月30日
印刷
発行
行
山形県立博物 館
印刷所
アベ印刷株式会社
発
山形市霞城町lの 8
山形市沼辺町10の10
,