Br CH CH Br CH CH - 国立環境研究所

㈱東レリサーチセンター
1,4-ジブロモブタン、1,3-ジブロモプロパン、
臭化アリル)
3-ブロモ-1-プロペン(別名
1,4-Dibromobutane、1,3-Dibromopropane、3-Bromo-1-propene
【対象物質の構造】
1,4-Dibromobutane
CAS 番号 110-52-1
1,3-Dibromopropane
CAS 番号 109-64-8
CH2
Br
CH
3-Bromo-1-propene
CAS 番号 106-95-6
1,4-ジブロモブタン
【物理化学的性状】
分子量
沸点(℃)
蒸気圧(kPa)
水溶解度
(mg/L)
LogPow*
215.9
197
0.06156(25℃)
350(25℃)
2.99(計算値)
*Syracuse Research Corporation のホームページ中の Interactive LogKow (KowWin)
Demo を用いて計算
http://www.syrres.com/esc/est_kowdemo.htm
【毒性、用途】
毒性情報:不明
用途
:医薬、医薬中間体
1,3-ジブロモプロパン
【物理化学的性状】
分子量
沸点(℃)
蒸気圧(kPa)
水溶解度
(mg/L)
LogPow*
201.9
167
0.136(25℃)
1700(25℃)
2.50(計算値)
*Syracuse Research Corporation のホームページ中の Interactive LogKow (KowWin)
Demo を用いて計算
http://www.syrres.com/esc/est_kowdemo.htm
【毒性、用途】
毒性情報:不明
用途
:医薬、医薬中間体
3-ブロモ-1-プロペン
【物理化学的性状】
分子量
沸点(℃)
蒸気圧(kPa)
120.98
70.1
0.181
※化学物質データベース(国立環境研究所)
水溶解度
(mg/L)
LogPow
1.79
(文献実測値※)
http://w-chemdb.nies.go.jp/
3830(25℃)
【毒性、用途】
毒性情報:ラット
経気道 30 分 LC50
10000 mg/kg
マウス
腹腔内注射
LD50 108 mg/kg
モルモット 経口
LD50 30 mg/kg
ラット
経口
LD50 120 mg/kg
用途
:合成中間体
§1
分析法
(1)分析法概要
【水質試料】
試料からパージアンドトラップ装置を用いて目的成分を四重極型
GC/MS(QP-GC/MS)に導入し、定量する。
(2)試薬・器具
【試薬】
・ 目的物質:1,4-ジブロモブタン(製造元:和光純薬工業)
・ 内標準物質:1,4-ジブロモブタン-d8(CDN ISOTOPE 社製)
・ 目的物質:1,3-ジブロモプロパン(製造元:和光純薬工業)
・ 内標準物質:1,3-ジブロモプロパン-d6(CDN ISOTOPE 社製)
・ 目的物質:3-ブロモ-1-プロペン(製造元:和光純薬工業)
・ 内標準物質:1-ブロモプロパン-d7(CDN ISOTOPE 社製)
・ メタノール:残留農薬試験用 5000 倍濃縮検定品
・ アセトン:残留農薬試験用 5000 倍濃縮検定品
・ 蒸留水:HPLC 用
【試薬の安定性・毒性】
メタノールは比較的皮膚刺激は少ない方であるが、劇物にも指定されて
いるため暴露されないように取り扱いに気をつける。
【器具】
・ 試料採取瓶(褐色):アセトンで洗浄し、乾燥して用いる。
・ メスフラスコ:アセトンで洗浄し、乾燥して用いる。
・ ガラスピペット:アセトンで洗浄し、乾燥して用いる。
(3)分析法
【試料の採取及び保存】
環境省「化学物質環境調査における試料採取にあたっての留意事項」、
「化
学物質環境実態調査実施の手引き」に従う。試料は容器に満水にし、冷蔵
で輸送、冷暗所で保管する。
3-ブロモ-1-プロペンは水中で不安定なので、採取当日に分析を行う。
【試料の前処理及び試料液の調製】
試料水 20ml を試料注入用シリンジ(25ml)にガラスピペットでゆっくり
入れ、内標準物質を溶解させたメタノール溶液を 2.5μL(1,4-ジブロモブ
タン-d8、1,3-ジブロモプロパン-d6、1-ブロモプロパン-d7 が各 2.626、2.626、
2.530ng)添加する。試料を密閉されたパージ容器に注入し、分析を行う。
【空試験液の調製】
試料と同じ量の蒸留水(HPLC)を空試験液とする。20ml を試料注入用シ
リンジ(25ml)にガラスピペットでゆっくり入れ、内標準物質を溶解させ
たメタノール溶液を 2.5μL(1,4-ジブロモブタン-d8、1,3-ジブロモプロパ
ン-d6、1-ブロモプロパン-d7 が各 2.626、2.626、2.530ng)添加する。試料
を密閉されたパージ容器に注入し、分析を行う。
【標準液の調製】
・ 内標準溶液
内標準物質(1,4-ジブロモブタン-d8、1,3-ジブロモプロパン-d6、1-ブロモ
プロパン-d7)を各 10mg 正確に量り取り、メタノールで 100ml に希釈し
(各 100mg/L)、内標準原液とする。内標準原液から 1ml を正確に分取し、
メタノールで 100ml として内標準溶液(各 1000μg/L)とする。
・ 検量線作成用標準溶液
測定対象物質(1,4-ジブロモブタン、1,3-ジブロモプロパン、3-ブロモ-1プロペン)を各 10mg 正確に量りとり、メタノールで 100ml に希釈し(各
100mg/L)、標準原液とする。標準原液をメタノールで適宜希釈し、標準
液を作成する。
(検量線濃度範囲)
1,4-ジブロモブタン:2.5μg/L から 125μg/L
1,3-ジブロモプロパン:2.5μg/L から 125μg/L
3-ブロモ-1-プロペン:2.5ng/L から 125ng/L
【測定】
〔GC 測定条件〕
・ GC 部:GC Trace(サーモクエスト社製)
・ GC カラム:キャピラリーカラム(GL サイエンス社製:Aquatic2)
60m(長さ)×0.25mm(内径) 1.4μm(膜厚)
・ 昇温条件:40℃(10 分)−10℃/分−200℃(7 分)
・ キャリアガス: He 1.5mL/min(パージアンドトラップ装置から)
〔MS 測定条件〕
・ MS 部:VOYAGER(サーモクエスト社製)
・ インターフェース部温度:200℃
・ イオン化法:EI
・ イオン化電圧:70eV
・ イオン源温度:200℃
・ イオン化電流:150μA
・ 検出モード:SIM
・ 分解能:1000
・ モニターイオン(1,4-ジブロモブタン):135(定量用)、137(確認用)
・
・
・
・
・
モニターイオン(1,4-ジブロモブタン-d8):145(定量用)、143(確認用)
モニターイオン(1,3-ジブロモプロパン):121(定量用)、123(確認用)
:127(定量用)、129(確認用)
モニターイオン(1,3-ジブロモプロパン-d6)
モニターイオン(3-ブロモ-1-プロペン):120(定量用)、122(確認用)
モニターイオン(1-ブロモプロパン-d7):129(定量用)、131(確認用)
〔パージアンドトラップ稼動条件〕
・ 装置:TEKMAR AQUA PT 5000J(GL サイエンス製)
・ 試料量:20ml
・ パージガス:ヘリウム
・ パージ時間:8 分
・ パージ温度:40℃
・ 一次トラップ管:VOCARB 3000(SUPELCO 社製)
・ 一次トラップ管温度:20℃
・ 一次トラップ管再加熱温度:250℃
・ キャリアガス流速:1.5ml/min
・ 二次トラップ管(クライオ)温度:‐150℃
・ 二次トラップ管再加熱温度:200℃
・ 二次トラップ管再加熱時間:4 分
注)GC カラムは Aquatic (GL サイエンス社製)でも分析可能。最初の
10 分は一般ガスや水分が多く検出されるため、MS 検出器を OFF にして
おく。
一次トラップ管は VOCARB 3000、もしくは VOCARB 4000(SUPELCO
社製)が使用可能。装置に除水機能がついている場合は、使用する事を
推奨する。一次トラップ管を初めて使用する際は、ヘリウムを流しなが
ら 260℃で 10 時間以上加熱する事を推奨する。
〔検量線〕
使用する QP-GC/MS の検出下限値付近と予想される濃度レベルを含む、5
段階以上の検量線作成溶液 20ml を調製する。各検量線の範囲は 2.5∼
125ng/L である。
20ml を試料注入用シリンジ(25ml)にガラスピペットで蒸留水(HPLC
用)をゆっくり入れ、標準物質及び内標準物質を溶解させたメタノール溶
液を 2.5μL 添加する。試料を密閉されたパージ容器に注入し、分析を行う。
一定量(各 125ng/L)入れた内標準物質のピーク面積比により、計算式を求
める。
〔定量〕
試料水 20ml を装置に注入し、内標準物質とのピーク面積比より水試料中
の測定対象物質(1,4-ジブロモブタン、1,3-ジブロモプロパン、3-ブロモ-1プロペン)濃度を測定する。
〔濃度の算出〕
あらかじめ検量線溶液を測定し、ピーク面積比を Y 軸に、対象物質の濃
度(ng/L)を X 軸に回帰直線を作成し、回帰直線の傾きから水試料中の測
定対象物質(1,4-ジブロモブタン、1,3-ジブロモプロパン、3-ブロモ-1-プロ
ペン)濃度を求める。
ピーク面積比 = As/Ac
ここで、As:対象物質の測定イオンのピーク面積
Ac:内標準測定イオンのピーク面積
検出量(ng/L)
=
ピーク面積比
/
傾き
〔装置検出下限(IDL)〕
本分析に用いた GC/MS の IDL を以下に示す。
物質
1,4-ジブロモブタン
1,3-ジブロモプロパン
3-ブロモ-1-プロペン
IDL(pg)
23.3
21.0
19.9
試料量(mL)
20
20
20
IDL 試料換算値(ng/L)
1.16
1.05
0.99
IDL の算出方法は環境省「化学物質環境実態調査実施の手引き」(平成 17
年 3 月)に従った。結果を表 1 に示す。
表1
装置検出下限(IDL)の算出(ThermoQuest Voyager)
物質名
試料量(L)
最終液量(L)
注入量濃度(pg/20mL)
装置注入量(mL)
1,4-ジブロモ
ブタン
0.02
0.02
50.32
20
1,3-ジブロモ
プロパン
0.02
0.02
51.04
20
48.6
59.0
結果 1
61.5
66.9
結果 2
58.9
63.1
結果 3
54.9
61.0
結果 4
50.4
74.0
結果 5
53.1
70.1
結果 6
44.1
69.4
結果 7
53.1
66.2
平均値
5.99
5.40
標準偏差値
IDL(pg)
23.3
21.0
1.16
1.05
IDL 試料換算値(ng/L)
S/N
4.2
6.3
C.V.(%)
11.3
8.2
IDL = t (n-1, 0.05) ×σn-1 × 2
3-ブロモ-1プロペン
0.02
0.02
50.46
20
38.3
47.6
42.6
44.4
33.5
37.9
35.3
39.9
5.11
19.9
0.99
8.9
12.8
〔測定方法の検出下限(MDL)、定量下限(MQL)〕
本分析に用いた GC/MS の MDL、MQL を以下に示す。
物質
1,4-ジブロモブタン
1,3-ジブロモプロパン
3-ブロモ-1-プロペン
試料量(mL)
20
20
20
検出下限値(ng/L)
1.35
1.25
1.12
定量下限値(ng/L)
3.47
3.21
2.87
MDL、MQL の算出方法は環境省「化学物質環境実態調査実施の手引き」
(平
成 17 年 3 月)に従った。結果を表 2 に示す。
表2
測定方法の検出下限(MDL)及び定量下限(MQL)の算出
物質名
試料量(L)
標準添加量(ng)
試料換算濃度(ng/L)
最終液量(L)
注入量濃度(pg/20mL)
装置注入量(mL)
1,4-ジブロモブ
タン
0.02
0.100
5.03
0.02
100.64
20
1,3-ジブロモ
プロパン
0.02
0.102
5.10
0.02
102.08
20
3-ブロモ-1-プ
ロペン
0.02
0.101
5.05
0.02
100.92
20
操作ブランク平均(ng/L)①
−
−
0
0
無添加平均(ng/L)②
94.8
114.2
結果 1(ng/L)
94.0
107.8
結果 2(ng/L)
102.5
121.2
結果 3(ng/L)
91.6
111.0
結果 4(ng/L)
85.5
115.8
結果 5(ng/L)
94.8
126.8
結果 6(ng/L)
81.2
113.2
結果 7(ng/L)
92.1
115.7
平均値
6.94
6.41
標準偏差値
1.35
1.25
MDL(ng/L)
3.47
3.21
MQL(ng/L)
S/N
4.8
6.3
C.V.(%)
7.5
5.5
MDL = t (n-1, 0.05) ×σn-1 × 2
MQL =σn-1 × 10
①操作ブランク平均:
試料マトリクスのみがない状態で他は同様の操作を行い測定した値の平均値
②無添加平均:
MDL 算出用試料に標準を添加していない状態で含まれる濃度の平均値
−
0
71.9
74.9
71.9
80.2
88.0
79.8
80.3
78.2
5.75
1.12
2.87
7.4
7.4
§2
解説
【分析法】
〔フローチャート〕
分析のフローチャートを図 1 に示す。
ヘリウムバブリ
ング(パージ)
水質試料
20mL
液体窒素
冷却トラッ
図1
加熱脱離
GC/MS-SIM
分析フロー
〔検量線及びマススペクトル〕
検量線及びマススペクトル図等を次に示す。
y = 9.7800E-01x
R2 = 9.9994E-01
1.00
ピーク面積比
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
0.00
0.20
0.40
0.60
0.80
濃度比(対象物質/内標物質)
図 2-1
1,4-ジブロモブタンの検量線
1.00
y = 1.1336E+00x
R2 = 9.9767E-01
1.20
1.00
ピーク面積比
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
0.00
0.20
0.40
0.60
0.80
濃度比(対象物質/内標物質)
図 2-2
1,3-ジブロモプロパンの検量線
1.00
y = 8.9431E-01x
R2 = 9.9911E-01
1.00
ピーク面積比
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
0.00
0.20
0.40
0.60
0.80
1.00
濃度比(対象物質/内標物質)
図 2-3
3-ブロモ-1-プロペンの検量線
1.20
1,4-ジブロモブタン
検出時間:33.89
図 3-1
1,4-ジブロモブタンのクロマトグラムとマススペクトル
1,4-ジブロモブタン-d8
検出時間:33.63
図 3-2
1,4-ジブロモブタン-d8 のクロマトグラムとマススペクトル
1,3-ジブロモプロパン
検出時間:29.83
図 3-3
1,3-ジブロモプロパンのクロマトグラムとマススペクトル
1,3-ジブロモプロパン-d6
検出時間:29.66
図 3-4
1,3-ジブロモプロパン-d6 のクロマトグラムとマススペクトル
3-ブロモ-1-プロペン
検出時間:17.11
図 3-5
3-ブロモ-1-プロペンのクロマトグラムとマススペクトル
1-ブロモプロパン-d7
検出時間:17.15
図 3-6
1-ブロモプロパン-d7 のクロマトグラムとマススペクトル
〔添加回収実験結果〕
河川水への標準物質添加回収実験結果を表 3 に示す。
表3
河川水への添加回収実験結果
試料量 添加量
検出濃度
回収率
変動係数
測定回数
(L)
(ng)
(ng/L)
(%)
(%)
1
4
N.D.
無添加
−
−
1,4-ジブロモ
1
12.58
4
11.47
91.2
2.94
ブタン
1
37.74
4
34.07
90.3
3.68
1
4
N.D.
無添加
−
−
1,3-ジブロモ
1
12.76
4
11.49
90.1
2.28
プロパン
1
38.28
4
38.96
101.8
2.59
1
4
N.D.
無添加
−
−
3-ブロモ-11
12.62
4
9.93
78.7*
5.5
プロペン
1
37.85
4
24.86
65.7*
8.9
*回収率が低い原因として、河川水に含まれる化学的成分による影響や、pH が
若干酸性(pH6)であったことが考えられる。
〔分解スクリーニング試験結果〕
分解性スクリーニング試験結果を表 4 に示す。
表4
分解性スクリーニング試験結果
初期濃度
pH
1,4-ジブロモブ
タン
1,3-ジブロモプ
ロパン
3-ブロモ-1-プ
ロペン
5
7
9
5
7
9
5
7
9
(ng/L)
125.8
125.8
125.8
127.6
127.6
127.6
126.2
126.2
126.2
1 時間後の
残存率
(%)
93.6
98.4
91.3
95.0
102.8
93.4
82.8
101.0
76.9
5 日後の
残存率(%)
暗所
光照射
93.4
−
88.2
89.5
88.7
−
100.4
−
96.1
88.1
95.9
−
1.7
−
2.0
0.091
2.2
−
〔環境試料分析例〕
1,4-dibromobutane
750pg/20ml(sample)
添加
m/z = 135
検出時間:33.11
1,4-dibromobutane
750pg/20ml(sample)
添加
m/z = 137
検出時間:33.12
1,4-dibromobutane-d8
2500pg/20ml(sample)
添加
m/z = 143
検出時間:32.87
1,4-dibromobutane-d8
2500pg/20ml(sample)
添加
m/z = 145
検出時間:32.87
図 4-1
環境試料(河川水)分析結果のクロマトグラム(標準物質添加)
(1,4-ジブロモブタン)
1,4-dibromobutane
無添加
m/z = 135
1,4-dibromobutane
無添加
m/z = 137
1,4-dibromobutane-d8
2500pg/20ml(sample)
添加
m/z = 143
検出時間:32.88
1,4-dibromobutane-d8
2500pg/20ml(sample)
添加
m/z = 145
検出時間:32.88
図 4-2
環境試料(河川水)分析結果のクロマトグラム(標準物質無添加)
(1,4-ジブロモブタン)
1,3-dibromopropane
750pg/20ml(sample)
添加
m/z = 121
検出時間:29.20
1,3-dibromopropane
750pg/20ml(sample)
添加
m/z = 123
検出時間:29.20
1,3-dibromopropane-d6
2500pg/20ml(sample)
添加
m/z = 127
検出時間:29.04
1,3-dibromopropane-d6
2500pg/20ml(sample)
添加
m/z = 129
検出時間:29.04
図 4-3
環境試料(河川水)分析結果のクロマトグラム(標準物質添加)
(1,3-ジブロモプロパン)
1,3-dibromopropane
750pg/20ml(sample)
無添加
m/z = 121
1,3-dibromopropane
750pg/20ml(sample)
無添加
m/z = 123
1,3-dibromopropane-d6
2500pg/20ml(sample)
添加
m/z = 127
検出時間:29.04
1,3-dibromopropane-d6
2500pg/20ml(sample)
添加
m/z = 129
検出時間:29.04
図 4-4
環境試料(河川水)分析結果のクロマトグラム(標準物質無添加)
(1,3-ジブロモプロパン)
3-bromo-1-propene 250pg/20ml(sample)
m/z = 120
検出時間:16.77
3-bromo-1-propene 250pg/20ml(sample)
m/z = 122
図 4-5
添加
検出時間:16.80
1-bromopropane-d7 2500pg/20ml(sample)
m/z = 131
添加
検出時間:16.77
1-bromopropane-d7 2500pg/20ml(sample)
m/z = 129
添加
添加
検出時間:16.80
環境試料(河川水)分析結果のクロマトグラム(標準物質添加)
(3-ブロモ-1-プロペン)
3-bromo-1-propene 無添加
m/z = 120
3-bromo-1-propene 無添加
m/z = 122
1-bromopropane-d7 2500pg/20ml(sample)
m/z = 129 検出時間:16.62
3-bromo-1-propene 250pg/20ml(sample)
添加
添加
m/z = 120
1-bromopropane-d7 2500pg/20ml(sample)
m/z = 131
図 4-6
添加
検出時間:16.62
環境試料(河川水)分析結果のクロマトグラム(標準物質無添加)
(3-ブロモ-1-プロペン)
【評価】
本法により、水試料中 1,4-ジブロモブタン、1,3-ジブロモプロパン、3ブロモ-1-プロペンの 2.5ng/L レベルの定量が可能である。いずれも河川水
からは検出されなかった。3-ブロモ-1-プロペンは水中で不安定なので、
採取当日に分析する。
【採取試料及び試料液の輸送】
試料は容器に満水にし、冷蔵で輸送、冷暗所で保管する。
【参考文献】
環境ホルモンのモニタリング技術∼分析・測定法の実際∼
森田昌敏監修 (p.89-99;川田邦明著)㈱CMC
【担当者氏名・連絡先】
担当
株式会社 東レリサーチセンター
環境分析研究部 環境分析研究室
住所
〒520-8567 滋賀県大津市園山 3 丁目 3 番 7 号
TEL
077-533-8595
FAX
077-533-8596
担当者 竹本紀之 [email protected]
井口詔雄 [email protected]
八嶋 博 [email protected]
【Summary】
An analytical method was developed for the determination of
1,4-dibromobutane, 1,3-Dibromopropane, 3-Bromo-1-propene in water by
purge-and-trap gas-chromatography mass spectrometry (PT-GC/MS). A water
sample was not pretreatment.
IDL of 1,4-dibromobutane was 1.16ng/L, MDL and MQL were 1.35 and 4.04
ng/L, respectively.
IDL of 1,3-dibromopropane was 1.05ng/L, MDL and MQL were 1.25 and 3.74
ng/L, respectively.
IDL of 3-bromo-1-propene was 0.99ng/L, MDL and MQL were 1.1 and 3.4
ng/L, respectively.
The recoveries of 1,4-dibromobutane in river water were 90.3-91.2%. The
relative standard deviation were 2.94-3.68%.
The recoveries of 1,3-dibromopropane in river water were 90.1-101.8%. The
relative standard deviation were 2.28-2.59%.
The recoveries of 3-bromo-1-propene in river water were 65.7-78.7%. The
relative standard deviation were 5.5-8.9%.
Water 20ml
Added Internal standard
Inject to purge and trap device
GC/MS-SIM
物質名
1,4-ジブロモ
ブタン
分析法フローチャート
水質試料
20mL
ヘリウムバブリ
ング(パージ)
液体窒素
冷却トラッ
備考
GC/MS-SIM
加熱脱離
GC/MS-SIM
カラム
GL サイエンス
AQUATIC2
(
60m
0.25mmID
1.4μm)
×
検出下限
<水質>
1,4- ジ ブ ロ モ
ブ タ ン :
1.4ng/L
1,3- ジ ブ ロ モ
プ ロ パ ン :
1.3ng/L
3- ブ ロ モ -1- プ
ロ ペ ン :
1.1ng/L