CEReSニュース10月号 - 千葉大学 環境リモートセンシング研究センター

CEReS
Newsletter No. 71
Center for Environmental Remote
Sensing,, Chiba University, Japan
千葉大学環境リモートセンシング
研究センターニュース 2011 年 10 月
(本号の編集担当: 齋藤尚子)
発行:環境リモートセンシング研究センター
住所:〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町 1-33
Tel: 043-290-3832
Fax: 043-290-3857
URL: http://www.cr.chiba-u.jp/
環境リモートセンシング研究センター外部評価委員会(10 月 6 日)
平成 23 年 10 月 6 日(木)に、環境リモートセンシング研究センターの外部評価委員会が開催され
ました。センター発足から 5 回目となる今回は、JST 地球規模課題国際協力室研究主幹の安岡善文先
生、東京工業大学大学院総合理工学研究科の梅干野晃先生、京都大学大学院工学研究科の椎葉充晴先
生、宇宙航空研究開発機構宇宙利用ミッション本部の福田徹先生、中国科学院北京大気物理研究所の
石廣玉先生の 5 名の先生方に外部評価委員をお願いし、当センターの研究教育活動の現状や今後の在
り方について、忌憚のないご意見と助言を賜りました。
当日は、安岡外部評価委員長の議事進行のもと、まず久世センター長から 1986 年の映像隔測研究
センター発足からの当センターの沿革について紹介がありました。次に、共同利用・共同研究拠点と
して、平成 22 年度からの第 2 期中期目標・中期計画期間で新しいプログラム制を敷いて研究を進め
ているという現在の研究活動体制について概説があり、さらに、4大学連携気候診断系に関わるバー
チャルラボラトリ(VL)
(2007 年度~)
、ウェザーニューズ社の出資による寄付研究部門(2008 年
度~2010 年度)等の外部連携プロジェクトの活動状況の報告がありました。続いて、各研究プログ
ラムの紹介があり、プログラム 1 の代表者であるヨサファット准教授、プログラム 2 の代表者である
樋口准教授、プログラム 3 の代表者である近藤教授から、各プログラムの研究内容と直近の研究成果
について報告がありました。
午後 1 時から 5 時の長時間にわたる外部評価委員会の席上では、
予算の削減や教員の定数削減の中、
リモートセンシング研究の拠点として当センターが今後どのように活動していくべきかという点に
ついて、多様な視点から活発に議論がなされました。特に、当センターが日本のリモートセンシング
研究の中核を担う存在であるという自覚を持って積極的に活動すべきであるというご意見を頂戴し
ました。当日の資料を含めた外部評価報告書は追ってとりまとめ、公表する予定です。
最後に、外部評価委員の諸先生方には、大変お忙しい中、当センターの研究教育活動を評価頂き、貴
重なご助言を賜りました。ここに厚く御礼申し上げます。
(齋藤尚子・久世宏明)
第 5 回環境リモートセンシング研究センター外部評価委員会
1
ブルキナファソ国
農業・水利省大臣の来訪(10 月 27 日)
10 月 27 日にブルキナファソ(Burkina Faso)国の農業水利省大臣や在日大使らの一行が、千葉大
学学長および環境リモートセンシング研究センターを表敬訪問しました。同訪問は、JICA のブルキ
ナファソで活動する職員が、環境リモートセンシング研究センターの本郷助教の研究内容をブルキナ
ファソの大臣に紹介し、大臣が興味をもたれ
たことをきっかけに、JICA を通じて千葉大
学に受入照会があったものです。
最初に、一行ら 5 名は学長を表敬訪問し、
農業水利大臣の Laurent SEDOGO 氏から
今回の受入れに対するお礼と今後の教育・研
究交流に関する話がありました。その後、環
境リモートセンシング研究センターに移動
し、ヨサファット准教授がマイクロ波リモー
トセンシングとセンサ開発に関して、本郷助
教が農業リモートセンシングと精密農業に
関するプレゼンを行いました。
前列中央(左側)Dr. Laurent SEDOGO 氏 (右側)齋藤 学 学長
ブルキナファソは、西アフリカ内陸に位置する共和制国家で、ガーナ
やニジェールなどと国境を接してします。人口は約 1,480 万人、日本の
約 70%に相当する 274,200 ㎢の国土面積を保有し、国民の大半が農業
に従事している農業国です。天水農業が行われていることから、気候変
動の影響を受けやすく、旱魃などの被害により食糧が不足する深刻な問
題が生じています。さらに、農地の肥沃度や水資源に乏しいことから、
農業生産性の向上や生計手段の多様化を通し、農村の貧困削減や食料安
全保障に貢献することが求められている国でもあります。
大臣は、ワーゲニンゲン大学博士課程において自然資源管理や
GIS について学んだ経験があることから、
マイクロ波データを用いた土壌水分状態の
把握や光学センサ画像と GIS を用いた水稲
の収量・品質評価に対して大変興味を示され、
プレゼンに対して専門的な質問や討論が行
われました。
最後に、帰国後はリモートセンシングや
GIS 等を用いた食糧安全保障に係わる事業、
マクロ波リモートセンシングを用いた地下
水等の水資源評価に関する事業計画の立案
に着手し、研究者や学生の CEReS への派遣
を検討したいと今後の希望を語りました。
(本郷 千春)
プレゼンを行うヨサファット准教授
2
来春の花粉飛散量予測
―全国的に今年より 7 割減少の見込みー
(CEReS とウエザーニューズ社との共同研究成果報告)
株式会社ウエザーニューズは、2012 年の花粉シーズンにおける全国および各 12 エリアのスギ・
ヒノキ花粉飛散傾向を 10 月 11 日に発表しました。
スギ花粉の雄花生産量は、前年夏の天候と相関が高いことが分かってきています。よく晴れていて
暑い夏ほど植物の光合成が盛んになり、雄花の生産量が多
くなると考えられます。2011 年の夏は太平洋高気圧に覆わ
れて晴れた日があったものの、高気圧の勢力が弱まり、前
線や湿った空気の影響を受けるなどして、西日本を中心に
曇りや雨となる時期がありました。一方、東日本では西日
本に比べて雨が少なく、よく晴れて暑い夏となりました。
しかし、全国的に猛暑となった 2010 年の夏に比べると雲が
多く、気温も低い傾向になりました。このため、スギ花粉
の発生源となる雄花の量は 2011 年より少なくなり、2012
年のスギ花粉飛散量は少なくなる見通しです。
さらに、スギ・ヒノキ林とスギの雄花の現在までの状況についても観測を行いまし
た。今年から新たに取り入れたスギ・ヒノキ林の活性状況を解析した結果、2011 年は
2010 年よりも全国的にスギ・ヒノキ林の活性度が低く、スギの雄花量も少なくなると
いう予想になりました。
これまでのスギ・ヒノキ花粉飛散量の予測は、前年夏の日照時間や気温データ、雄
花の生育状況などを調査して行ってきました。2012 年の花粉シーズン予測は、これら
のデータに加えて実際にスギ・ヒノキ林にどれだけ多くの雄花が成長しているのか、
全国の林の状況を、衛星データを利用して把握し、花粉飛散予測に反映する取り組み
を新たに実施します。今回用いたのは、環境リモートセン
シング研究センター本郷研究室と共同研究してきた「光合
成有効放射吸収率(植物が光合成に有効な波長の光を吸収
する割合)」から解析したデータで、森林の活性度を示す指
標です。この値が高いほど、植物は光合成を活発に行い、
スギの雄花の量が多くなるとみられます。2010 年と 2011
年のスギ・ヒノキ林の活性度の値をもとに全国のスギ花粉
の飛散量を推定した結果、2012 年の花粉シーズンは 2011
年に比べて飛散量が少なくなる予想になりました。
なお、ウェザーニューズでは、衛星を用いた新たな予測
方法を取り入れることで、これまで以上に精度の高い花粉
飛散予測を目指していきます。(本郷千春・小津慎吾)
本ニュースは 10 月 11 日にウエザーニューズがプレスリリースした記事をもとに作成したものです。
3
ヨサファット先生、ICSANE2011 にて Best Paper Award
および Best Support Award を受賞
10 月 17 日~19 日にインドネシア・バリ島で開催された日本電気情報通信学会(IEICE)と IEEE
主催の International Conference on Space, Aeronautical and Navigational Electronics 2011
(ICSANE 2011)にて、小生の論文「DInSAR Technique for Retrieving Volume Change of Volcanic
Materials on Slope Area」が Best Paper Award を受賞しました。この論文では、微分干渉合成開口
レーダによる斜面における火山灰・土石流の堆積の体積推定法を提案しました。この手法によって、
2010 年 10 月 26 日と 11 月 4 日に噴火したインドネシア・中部ジャワ県のメラピ山の火山体積の推
定に成功し、現地政府が被害地域を短期間でマッピングすることができ、災害対策と予算計画に応用
することができました。また、同国際学会で小生が Best Support Award も受賞しました。
(ヨサファット)
受賞時の様子
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