論 文 Ar+イオン照射法を用いた NbN/Pb(In)ジョセフソン素子の特性 田中豊 斉藤幸典 管ノ又伸治 (昭和60年8月31日受理) Characteristics of NbN/Pb (In) Josephson Junction prepared by Ar+ ion irradiation YutakaTANAKA YukinoriSAITO ShinjiSUGANOMATA Abstract Josephson junctions were fabricated by ion irradiation. The base electrode, NbN, was prepared by reactive sputtering. After the NbN film surface was irradiated by Ar+ion(16.2 kV), the counterelectrode, Pb(In)was evaporated in situ. The junctions showed the well− defined ac Josephson effect. The layer irradiated by Ar+ion showed metallic behavior, but its resistivities are very large compared to those of non−irradiated NbN丘lms. 1.序 し,くびれの部分の長さをサブミクロン程度に短かく 論 したり,バンク部とブリッジ部の厚さを変える等の微 ジョセブソン効果は,二つの超電導体の間に薄い絶 縁層あるいは常伝導層を挾み,二つの超電導体を弱く 薄い絶縁層をはさむのでマイクロショートがおきやす 結合させた時に現われる現象で,量子論的な現象がマ クロなスケールで現われる。この現象を使ってさまざ い。しかし,製作が比較的簡単なため研究もよくされ ている。論理回路の集積化にも向いており,ジョセブ まな分野でジョセブソン素子の応用が試みられてい る。例えば,ミリ波検出器,磁気センサー,ジョセブ れている2)。また電圧標準として各国が用いているも 細加工が必要である。またトンネル接合型の素子は, ソン接合を使っていろいろな論理回路の製作も試みら のでもある。トンネル接合型素子で間にはさむ絶縁層 の代わりに,数千Aの常伝導層をはさんでもジョセブ ソンコンピューター,電圧標準等がある。 ジョセブソン素子の代表的な形状には次の三つがあ ソン効果が起こることが知られている3)。このように る1)。 (2)一つの超電導体の中央部をくびれさせたものでマイ 厚い常伝導層を介したジョセブソン素子の特性が良好 であれば,その応用の可能性もでてくるであろう。薄 い絶縁膜として,下地電極の熱酸化膜,rf酸化膜, Si クロブリッジ型 (3)二つの超電導体のあいだに数十Aの絶縁層をはさん やAlの膜を蒸着してから酸化した膜4)などが検討さ れているのと同じように,常伝導層として用いる金属 (1)超電導体の表面をなめらかにし,そこに針状の超電 導体を軽く接触させたポイントコンタクト型 だトンネル接合型 膜についても検討を加える必要がある。 ポイントコンタクト型素子は,簡単に製作すること 本研究では,下地電極として高い臨界温度をもち, ができるが,針と平面とのコンタクトの調整,表面の 酸化層を完全にとり除くことが困難であること,再現 物理的化学的に安定であるNbN(窒化ニオブ)を用 い,NbN表面にAr+イオンを照射し,そこを常伝導層 性などに問題がある。マイクロブリッジは,一つの超 電導体でできていることから素子が丈夫である。しか とし,その上に上部電極Pb(In)(鉛一インジウム合金) を蒸着したNbN/Pb(In)ジョセブソン素子を製作し, その特性を調べた。イオン照射によって形成された常 伝導層を介したS−N−S型の素子は漏れ電流は大きい *電気工学科,Department of Electrical Engineering 1 昭和60年12月 山梨大学工学部研究報告 第36号 けれども,マイクロ波に応答して,きれいな定電圧ス テップを示し,磁界の変化に対しては,複数個の接合 射量は3.5×1016ions/cm2である。図一1(a)に示す特性は が並列になっているような興味ある特性を示してい る。ここでは,マイクロ波応答特性,磁界特性と製作 1−V特性の全体の様子を示すものであり,図一1(b) に示す特性は,原点付近の微細な構造をみるために拡 方法との関係を中心に述べる。 大してみたものである。この素子の特長としては,次 2,実 の代表的な/−V特性を図一1に示す。Ar+イオンの照 のようなことがいえる。零電圧下で流れる直流ジョセ 験 ブソン電流(臨界電流1、)が小さく,およそ50μA程 試料の製作および実験方法は前回報告したもの5)と 度である。臨界電流1。の理論値6)は,常伝導抵抗Rnと 同様な方法を用いたので,ここでは簡単に述べる。試 エネルギーギャップ電圧Vgから理論的に1、= 料は次のような構成になっている。下地電極は反応性 πA(T)/2eRnで与えられる。ここで∠(T)はエネル スパッタ法を用いて製作したNbN薄膜,上部電極は ギー・ギャップ,eは電子の電荷である。NbNとPb(In) Pb(In)の蒸着膜である。接合部の常伝導層は, NbN薄 のエネルギーギャップをdNbN(T),∠Pb(T)とおくと 膜上にSiOを蒸着し, SiO膜の中央部にリフトオフ法 Vg={∠INbN(T)+Ap,(1。)(T)}/eなる関係がある。これ により50×100μm2の大きさの接合窓を形成し,そこ に高エネルギーのAr+イオッを照射した部分である。 らに実験データを代入すると,1。は約2mAとなる。 実験値は理論値より約2ケタ小さい。トンネル接合型 素子においては,二つの超電導体の間の接合障壁に絶 縁層を用いた場合,Vg(有限電圧状態で電流が急激に イオン照射後,真空をやぶらずにただちに,上部電極 Pb(In)を蒸着した。 Ar+イオンの加速電圧は16.2 kV で一定に保ち,照射量を変化させた。このようにして 増加し始めその傾きが最大になる電圧:ギャップ電 製作した試料を液体Heに浸し,4.2 Kで電流一電圧特 圧)がはっきりしているのに対して,図一1(a)の特性に 性を測定した。 みられるように,この形の素子は非線形の特性,すな わちギャップ構造を示唆している特性は見られるもの 3.結果と考察 のVgははっきりしていない。また,ギャップ電圧以下 の有限電圧状態でのリーク電流も大きい。原点付近を Ar+イオン照射法を用いて製作した試料(No.333) X:1mA/div, Y:2mV/div X:10μA/div, Y:40μV/div 図一1(a)Ar+イオン照射法を用いた素子の1一γ特性 図一1(b) 原点付近の拡大図 30 26.7 2Q4 ○ → 万:20μA/div, Y:100μV/div 図一2 マイクロ波応答特性 2 153 12.2 9.9 8.9dB Ar+イオン照射法を用いたNbN/Pb(In)ジョセブソン素子の特性 拡大してみれば,そこに微細構造(小さなStep)が見 られる。これらの特性は,試料に特に人為的に磁界, 調べてみた。 図一3に定電圧ステップの電流幅のマイクロ波電力 の依存性を示す。この図において縦軸は,0次から5次 までの定電圧ステップの電流幅を,マイクロ波を照射 していない時の臨界電流1、で規格化した値であり,横 マイクロ波等を印加しないでみられるものであるが, 次に外部からマイクロ波を試料容器まで,同軸ケーブ ルを用いて導入し,マイクロ波を照射した時の1−V をしだいに増加していった時の1−V特性を順に左 軸はマイクロ波電力の減衰率をそれぞれ表わしてい る。また,図に実線で示したものは理論値であって次 のようにして計算から求めたものである。ジョセブソ ン素子に流れる超電導電流1と,素子に印加される電 から右に示してある。すなわち,マイクロ波発生器(使 圧V=V。+Vi sin tu、t(V。は直流のバイアス電圧, V、, 特性がどのようになるかを調べてみた。 図一2にNo.333のマイクロ波応答特性を示す。試料 にマイクロ波(9.12GHz)を照射し,マイクロ波電力 ω、は接合に印加されるマイクロ波の電圧とその周波 用しているクライストロンの出力は約10mW)と試料 容器の間に挿入された抵抗減衰器を調整して,試料に 数)との間には次の関係がある6)。 1=lcΣ(−1)n/n(2eVi/hca,) 照射されるマイクロ波電力を徐々に増していく。1− V特性のうちマイクロ波の照射によって変化する部 分は原点付近である。ギャップ電圧以上の電圧・電流 特性にはほとんど変化はみられない。マイクロ波電力 の減衰量はdB表示してある。試料に照射されるマイ n= oo sin{(ωo一ηω1)τ十θo} ここでnω、=ω。=2e V。/hなる条件が満足される度 に,直流超電導電流1、ノn(2ev、/hω,)が流れることにな る。また,ノ。(x)はn次の第1種Bessel関数である。 マイクロ波電圧v、と照射しているマイクロ波の減衰 クロ波電力を30,26.7,20.4……としだいに増加するに したがって,定電圧ステップの電流幅が振動的に変化 すると同時に,より高い電庄に定電圧ステップが次々 と現われてくるのがわかる。誠料にマイクロ波を照射 した時に観測された定電圧ステップの電圧間隔は約 20μVである。この値は,ジョセブソン素子にマイク ロ波を照射した時に,あらわれるマイクロ波の周波数 ωと電圧ステップVとの関係式6)V=nhca/2e( n:整数,h:プランク定数を2πで割ったもの, e:電 子の電荷)より予想される値(18.9μV)とほぼ一致し ている。次にマイクロ波電力を増加させていった時に, X:50μA/div, Y:0.2 mV/div 代表的なステップの電流幅がどのように変化するかを 10 図一4 磁界特性 1 NO333 1c=21yA ・Exp. o −Theory(Bessel) { =05 二 ◎Rt point ’V(\ O Q5 ξ[ 二 ニ ー o Q5 = 、 一 ≡ = 0 3020105 21 RF POWER(dB) 図一3 0> → ↑x=o 11 0 3020105 21Q5 RF POWER(dB) 定電圧ステップ幅のマイクロ波電力依存性 3 X:40mOe/div, Y:20μA/div 図一5磁界特性 II 山梨大学工学部研究報告 昭和60年12月 第36号 率とを対応させるために,基準点として0次のステッ プにおけるL。/1、が1となる点と最初に1。/1,が0に Ar+イオンの照射量とエッチングの特性は図一6のよ なる点を選んだ(この図では二重丸で表わしている)。 うになっている。すなわち,イオン照射量が多い場合 マイクロ波電力の増加とともに定電圧ステップの電流 には,下地電極のエッチングも無視できないことにな みた。 幅は振動的に減衰し,理論とよい一致がみられる。 る。たとえば,試料No.333の場合のように,3.5×1015 次に外部から磁界を印加した時の1−V特性を調 ions/cm2ではエッチング深さは70 A程度になる。した べた。地磁気はμ一メタルで2重にシールドしてある。 がって,接合部のModelとしては次の三つの要素,す 図一4,図一5に磁界特性を示す。図一4はシンクロスコー なわち プに1−V特性を描かせておき(200Hzで電流を振ら i)Ar+イオンによるダメージ層 している),磁界を膜面に平行に0∼60eまで連続的に ii)エッチングによるedgeの効果 変化させた時の特性である。1−V特性上に次々と定 iii)Ar+イオンを照射する時の雰囲気による影響 電圧ステップが出てくるのがわかる。このようにマイ により,図一7(a)に示すようなものが考えられる。丸印 クロ波を照射しないで,磁界を変化させていった時に で示したedgeの部分が,マイクロブリッジとしてニ ケ並列になった形でdc SQUIDの働きを示すのでは 現われる定電圧ステップは,一般的に,Fisk stepと言 われている6)が,ここではこの問題には立ち入らない ないかと推定された。 で,直流ジョセブソン電流1。と印加磁界との関係に注 そこでエッチングによるedgeの効果を取り除くた めに,いままでの製作工程の順序を変えたもの,すな 目してみた。図一5において,縦軸はdcジョセブソン 電流を示し,横軸は試料の膜面に平行に印加した磁界 の大きさを表わしている。単一接合の場合には,1、(の) わち,下地電極NbNを成膜後,まず最初にAr+イオ ンを照射し,次いでSiOを蒸着し,リフトオフ法によ (のは接合に侵入した磁界)と印加磁界との関係は, り接合部を形成し,グロー放電クリーニング(Ar雰囲 次のような式にしたがって変化する6)。 Ic(φ)=Ic(0)sin(πφ/φo)/(πの/のo) Pb(ln) ここでφ。=h/2e(磁束量子)である。しかし,図一 Sio 5の1、の変化の様子は,接合部が単一の場合にみられ NbN るディフラクションパターンとは大部様子が異なって いる。1,の変化の1周期は0.060eで,0.300e程度ま では減衰的な振舞いは示していない。これは二つのジ 図一7(a)接合部のModel(接合部だけにAr+照射) ョセブソン接合が並列に接続されたdc SQUID (Superconducting Quantum Interference Device)が 示す特性に近いものである。外見上は単一接合であり ながら複数の接合が並列に存在するような現象を理解 ….・°8・ するために,複数の接合が存在する可能性を検討して ●●●●●●●●●●●●●●● ●●●■●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●● 図一7(b)接合部のModel(全面照射) づ2000 。≦ $ 2 亘 £ .⊆1000 E ● 面 O Q5 1.O Ar◆lon dose(xlOi8ions∫cm2) X:0.1mA/div, Y:2mV/div 図一8 全面照射による素子の1−V特性 図一6Ar+照射量とエッチング量 4 Ar+イオン照射法を用いたNbN/Pb(In)ジョセブソン素子の特性 22.8 6.4 OdB 1.9 O lt > → X:20μA/div, Y:100μV/div 図一9 全面照射による素子のマイクロ波応答特性 気10”Torr,放電電圧300 V,時間15分)を施し,た る。この理由を考えてみる。R。’が大きいということ だちにその場でPb(In)を蒸着した試料を製作した。こ は,試料の接合部に抵抗の高いものがあることを示し の試料のModelは,図一7(b)に示すようなものが考え ている。これは試料を製作する時に,油拡散ポンプを 使用しているため油蒸気の若干の逆拡散により,Ar+ られる。 このようにして製作した試料の1−V特性を図一8 に,マイクロ波を照射した時の特性を図一9に示す。こ れはAr+イオンをあらかじめ下地電極表面に,全面に 照射(4.3×1016ions/cm2)したものの特性である。図 600 一1および図一2に示した特性とそれぞれ比較するとほ ぼ同様な特性であることがわかる。あらかじめ全面に ● ● ; 三400 ● き Ar+イオンを照射した試料の場合も定電圧ステップが ξ きれいに現われている。これらのことより,次のよう ●● ● 200 なことが言える。すなわち,Ar+イオン照射によって ● ● ●● ● NbN膜がエッチングされ, SiO膜にマスクされた部分 との間に約70A(Ar+照射量3×1016ions/cm2の時)の 二゜ ● ● X< XX X >領pc X X 0 >ぱXX XX 段差が生じる。この段差が生じないような方法で製作 した試料でも定電圧ステップは生じている(図一8,図 1 10 1C)O 一9)。したがって段差の部分の果たす役割はそれほど重 の最高電圧Vm。.の関係 R㎡(A) 図一10常温における接合抵抗R。’と定電圧ステップ 要なものでないことが予想される。次に,図一1に示す ように,1−V特性はトンネル接合型に近いものであ るため,絶縁膜ではないものの抵抗の非常に高い層が 介在している可能性が考えられる。Ar+イオンで照射 鋤 ● され,非晶質化したNbN膜が果たしてそのような性 ● 質をもつかどうか検討してみた。 言400 図一10に常温における接合抵抗R。’とマイクロ波を ξ 照射することで現われる定電圧ステップの最高電圧 ● ● ● 2 ● ● ● ● ● 2∞ Vm。xとの関係を示す。この図より,R。’が1Ωから10 ● 、 , Ωの範囲のものがマイクロ波に応答して定電圧ステッ ● ● プの現われる確率が高いことがわかる。ここで,×印は ● 0 0,01 マイクロ波に応答しなかった試料を示している。R。’ X 激 X X XX X脚O¢蒐 X X 10 01 1 Rn/Rrf 図一11Rn/R。’とVmaxの関係 が大きい値になると定電圧ステップが現われなくな 5 昭和60年12月 山梨大学工学部研究報告 第36号 イオンを照射する際,イオンビームと油蒸気との相互 特性を強く出させている原因ではないかと考えられ 作用により分解および堆積したカーボンのようなもの る。 ではないかと考えられる。このようなカーボンの層に 4.結 より下地電極と上部電極との距離が大きくなり,電極 間の結合が弱くなりジョセブソン効果を示さなくなっ 論 本研究では,Ar+イオン照射を施した試料のマイク たものと考えられる。カーボン層の堆積のいま一つの ロ波応答特性を中心に調べてきた。室温における接合 根拠は,試料室直前のAr+イオンビーム通路に液体窒 素トラップを設置すると,接合の抵抗が小さくなるこ 抵抗R。’と42 Kにおける接合抵抗Rnの値により, 接合部は大きな抵抗率をもつものの,絶縁膜ではなく, とである。すなわち,油蒸気の逆拡散はこの液体窒素 あくまで金属的な接合であることがわかった。したが トラップで阻止され,試料室は清浄な雰囲気になるも ってS−N−S型の素子はトンネル接合型というより, のと思われる。 むしろ縦型のマイクロブリッジに近いものとして,そ 次に,図一11にRn/R。’とVm。xの関係を示した。こ の特性を解釈してゆくべきではないかと考えられる。 こでRnは液体ヘリウムに浸されている時の接合部の そして,素子の形状から接合容量が大きいため通常の 常抵抗である。この図よりRn/R。’の値が,0.1から0. ブリッジとは異なり1−V特性にヒステリシスを生 9の範囲にあるとマイクロ波に応答しやすいことがわ かる。一般に金属は低温に冷却すると,抵抗が減少す じ,ブリッジ部は常伝導になっているから準粒子電流 小さいということは,接合部が金属的であることを示 によるもれ電流が大きく,Vgがはっきりしない特性 になったと解釈される。なお,磁界特性においてなぜ dc SQUID的なふるまいをするのかを明らかにするこ している。われわれが製作した試料においては,ジョ とが,今後の課題である。 ることが知られている。したがって,Rn/R。’が1より セブソン効果を示し,マイクロ波に応答した試料は, 参考文献 Rn/Rn’の値が1より小さいものの,純粋な金属のよう にRnがR。’に比べて非常に小さくなるというもので 1)中村 彬:クライオエレクトロニクス入門,オーム社(1980) はなく,高々1/10程度でしかない。Ar+イオン照射に 2)Seigo Kotani, Norio Fujimaki, Takeshi Imamura, Shinya Hasuu and Toyoshi Yamaoka:Jpn. J. Appl. Phys.,24 より接合部には抵抗の高い常伝導性を帯びた層,すな (1985)L421 わち結晶性の極端に乱れたNbとNの混合に近い層 3)J.Clarke:Proc. Roy. Soc. A.308,(1969)447 が形成されている。この損傷層の厚さはAr+イオンの 4)D.W. Jillie, H. Kroger and L. M. Smith:Appl. Phys. 飛程(加速電圧が16.2kVでは,約100 Aである7))と Lett.,40,8(1982)747 同程度とみると約100Aである。そしてR。’=1Ω,接 5)田中 豊,斉藤幸典,菅ノ又伸治:山梨大学工学部研究報告, 合面積50×100μm2から接合部のダメージ層の抵抗率 は約50Ωcmと見積られる。これは金属よりはるかに 大きく,また絶縁物とみなすには小さすぎる。すなわ ち,半金属的な数100A程度の膜の介在したS−N−S型 35(1984)p.1 の構造が,1−V特性においてマイクロブリッジ的な Press, London(1976) 6)電気学会クライオエレクトロニクス常置専門委員会:ジョ セブソン効果《基礎と応用》コロナ社(1978) 7)P.D. Townsend, J℃. Kelly and N.EW. Hartley:Ion Im− plantation, Sputtering and their Application, Academic 6
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