450 第 43 回埼玉・群馬乳腺疾患研究会 年 12 月にステレオガイド下マンモトーム生検装置 (以 当院で経験した US のみで発見される非触知・MMG 非 下 ST-MMT) が導入された. 当院での ST-MMT 施行の 検出・US 検出乳癌は 113 例中 10 例 (8.8%) であった.こ 基準としてはマンモグラフィでカテゴリー 3 以上の所見 れらは MMG 検出癌と比べ大きさは小さいものの浸潤 で, かつ超音波画像診断で腫瘤像などの所見を認めない 癌が多く, US 検査時に注意が必要である. 場合に施行する. 当院で, 2009 年 12 月から 2012 年 3 月 15.トモシンセシス・3Dマンモグラフィでのみ病変を までに施行した 120 例について検討した. 120 症例中, ST-MMT のみで癌の診断に至った症例 が, 16 症例あった. また, ST-MMT 施行して境界病変と 指摘された検診発見乳がんの検討 鯉淵 幸生,小田原宏樹 (高崎 いう診断になったものが 13 例であった. そのうち 3 症 合医療センター) 例は切除生検にて乳癌の診断に至り, 残りの 10 症例が 【はじめに】 当院では本邦で初めて, トモシンセシス・ 現在経過観察中となっている. ST-MMT 施行症例につ 3D マンモグラ フィ (MG) を 乳 が ん 検 診 に 導 入 し た. いて, 画像診断と病理結果について比較, 検討を行った 【対象と方法】 高崎市乳がん検診は視触診+2D マンモ グラフィ (MG) 撮影で行われるが, 当院では臨床試験と ので報告する. して, それに 3DMG を上乗せ導入した. 従来の視触診+ 2DMG の結果が出た後に 3DMG を読影し,3D で異常所 14.非触知 MMG 非検出乳癌10例の検討 甲 敏弘(新都心レディースクリニック) 【はじめに】 ステレオガイド・マンモトーム生検の普及 見があった場合には要精検とした. 平成 23 年度の受診 者は 484 人であった. 【結 果】 484 人のうち, 乳がん によって微細石灰化で発見される非触知・MMG 検出・ が 8 人発見された (発見率 1.7%). いずれも自覚症状は US 非検出乳癌が注目されているが,非触知・MMG 非検 なかった. 2D でも 3D でも異常を指摘可能であったのが 出・US 検出乳癌も一定の頻度で発見されている.当院で 4 例,2D で異常が指摘できず,3D でのみ指摘可能であっ 1 年間に経験した非触知・MMG 非検出・US 検出乳癌に た症例が 4 例あった. 年齢は 44 歳から 66 歳, 平 ついて検討した. 【対 象】 平成 22 年 11 月から平成 40 代の 1 名が MG2 方向, 3 名は 1 方向であった. 所見は 23 年 10 月までの 1 年間に当院で経験した乳癌は 113 例. 2 名が FAD, 2 名が構築の乱れ疑いで, いずれもカテゴ このうち非触知乳癌は 30 例で, MMG カテゴリー1 とし リーは 3 であった. 組織型は乳頭腺管癌 2 例, 充実腺管 た MMG 非検出・US 検出乳癌は 10 例. 【結 果】 非 癌 1 例, DCIS が 1 例で, 浸潤癌の 3 例の浸潤径はいずれ 触知乳癌 30 例では MMG 非撮影 2 例, カテゴリー1: 10 も 1 cm 以下であった. 4 例中 3 例はやや広範囲の石灰化 例 (33%),腫瘤像・FAD : 9 例 (30%),石灰化 9 例 (30%) を伴わない DCIS を有しており, US でも指摘困難な癌 である. US ではカテゴリー2 とした囊胞内癌 1 例を除き であった. 【まとめ】 2D で指摘できず 3D でのみ指摘 全てカテゴリー3 以上であり, MMG 検出・US 非検出例 される癌は微小な構築の乱れの症例と, 石灰化を伴わな は無かった. MMG 非検出・US 検出例 (A 群) と MMG い DCIS の画像を指摘できた症例であった. トモシンセ 検出・US 検出例 (B 群) とを比較すると, 大きさでは A シス・3DMG の乳がん検診への導入は, より早期での乳 群平 がん発見が可能になる可能性が示唆された. 15.3mm (5 mm∼53mm) と B 群 31.3mm (8 mm ∼65mm) で明らかに A 群は小さかった (p=0.0269, Mann-Whitneys U). 非浸潤癌と浸潤癌の比率は A 群 (2 例 : 8 例) と B 群 (10 例 : 8 例) で明らかに異なり (p= 0.0499,χ ),A 群では浸潤癌が多かった.A 群での US 所 見は腫瘤像 8 例, 低エコー域 2 例. 形状は円形・楕円形 7 例, 不整形 2 例 葉形 1 例. 境界は明瞭粗造 6 例, 明瞭平 滑 1 例, 不明瞭 3 例. 内部エコーは不 であった. US 最大径は平 は平 質 8 例, 質 1例 9.5mm (5.4∼14.7), D/W 比 0.79 (0.57∼0.98) であった, 【 56 歳. 察】 1 年間に 特別講演> 座長:竹吉 泉 (群馬大院・医・臓器病態外科学) がん研有明病院での乳癌診療 蒔田益次郎(がん研有明病院 乳腺センター 副部長)
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