PK3032 異文化理解3 担当教員 内海 敦子 受講方法 使用テキスト RT 配本年度 『社会言語学への招待-社会・文化・コミュニケーション』 田中春美+田中幸子 編著(ミネルヴァ書房) 2014 年度~ 科目概要 英語圏における社会言語学的状況を詳しく知り、英語の理解、英語圏の文化の理解につなげる。地域によって 異なる方言(地域変種)、人種・階級・性別によって異なる方言(社会方言)について学び、多様な英語が使われて いる状況を理解する。それぞれの言語変種がどのような場面・状況で選択され、どのように運用されているかを理解 する。英語におけるポライトネスや会話のスタイル・コミュニケーションの違いを理解する。 学習上の目標 ■ 科目の到達目標 1. 英語が第一言語として話されている国、第二言語として話されている国について理解する。「言語学」という学問 の下位分野である「社会言語学」がどのような分野であるかを理解する。他言語社会状態であるアメリカ、カナダ、 オーストラリアといった国々においてどのような言語的状況があるのかを理解する。英語の地域方言と社会方言 にどのようなものがあるかを理解する。日本語の敬語に代表されるような「ポライトネス」が英語話者においてど のように表現されているかを理解する。 ■ 科目の学習要点事項 1. 社会言語学とは何か。ことばの多様性を理解し、言語変種の差は何が要因で生まれるかを考える。 2. 言語と社会の関わりについて考える。社会言語学の研究方法を学ぶ。「ピジン」「クレオール」という概念を理解 し、実例を学ぶ。 3. 方言と標準語はどのように定義されるか、英語における方言と標準語とはどのようなものか、を学ぶ。 4. 英語の国際化により、世界に広がった様々な英語の変種について知る。第一言語として英語を使用している国、 公用語として英語を使用している国、第二言語として英語を使用している国について学び、様々な国における 英語の特徴を学ぶ。 5. 言語変種と社会階級の関係を学ぶ。英語が話されている社会において、どのような社会階級が観察されるか、 また階級による言語の差がどのように現れているかを知る。 6. 人種・民族と言語変種の関係について、特にアメリカの黒人英語について学ぶ。 7. 性別による差、年齢差について学ぶ。 8. それぞれの変種が場面・状況に応じてどのように選択されるのが適切かを学ぶ。 9. 英語でのコミュニケーションにおいて重要な「呼びかけ表現」の様々なありかたについて学ぶ。 10.日本語には敬意を表す表現として「敬語」がある。英語には「敬語」は存在しないと言われることがあるが、「ポラ イトネス(丁寧さ)」の表現は存在する。英語における「ポライトネス(丁寧さ)の表現」がどのようなものかを学ぶ。 11.英語におけるコミュニケーションのありかた、文化の違いにより会話のスタイルがどのように影響を受けるかを学 ぶ。 12.会話の含意がどのように伝わるか、発話行為や婉曲語法について、また、非言語的伝達手段についても学 ぶ。 1 13.言語によらないコミュニケーション、つまり「非言語伝達」について学ぶ。「周辺言語」「身振り言語」とは何かに ついて理解する。 14.距離による人間関係の現れ方、文化による距離の取り方の違いについて学ぶ。異文化理解において、「非言 語的伝達」のあり方を理解することが重要であることを理解する。 15.社会言語学を学ぶことによって、英語教育の方法をどのように向上させられるかを考える。また、言語能力の到 達目標をどのように設定するべきかを考える。 参考文献 ① ② ③ ④ ⑤ 『社会言語学入門 改訂版』東照二著 (研究社) 『ジョンブルとアンクルサム イギリス英語とアメリカ英語』野村恵造著(研究社) 『世界の英語と社会言語学 多様な英語でコミュニケーションする』ヤムナ・カチュルー他著 (慶應義塾大学出版会) 『概説 社会言語学』岩田祐子他著 (ひつじ書房) 『言語と社会』トラッドギル著 (岩波新書) 評価基準 ■レポート評価 課題の章について、理解して意味が通るように記述できているか。設問に適確に回答しているか。社会言語学に おいて重要な概念を表す学術用語をきちんと理解し、適切に使用して回答しているか。以上三点を重視し、100 点 満点で採点する。 ■科目終了試験評価 記述式の試験問題を解いてもらう。あらかじめ指定した教科書の部分をよく理解し記憶して臨んでもらいたい。各 2 問の出題をするので、それぞれ 50%の配点で採点する。 テキストのパラグラフのキーワードとして提示されている語(例えばテキスト 20 ページの「英語を使用する人びと」 の内容をきちんと説明できるように備えてください。また、テキスト中の学術用語(例えばテキスト 19 ページの「地域 方言」「言語地図」「等語線」、あるいはテキスト 26 ページの「容認発音」などの意味を理解し、論述において正しく使 用できるようにしてください。テキスト全体から出題されるが、特に、テキスト 19 ページから 82 ページまで、96 ペー ジから 110 ページまで、113 ページから 140 ページ、159 ページから 204 ページをコラムを含めてよく読み理解して おいてください。 2
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