東京都病院薬剤師会創立60周年を迎えて 社団法人東京都病院薬剤師会 副会長 金子 重雄 定款に記載されております様に、東京都病院薬 を超えております。このような状況下において、 剤師会は「病院・診療所薬剤師の職能向上を中心 ますます医薬品の安全性確保の上で、病診薬剤師 に病診医療の発展を図り、もって都民の健康福祉 と開局薬剤師の連携強化が必要とされ、効率的な に寄与すること」を目的に、終戦後間もない昭和 患者情報の共有化が求められております。その一 23年 7 月に設立されております。お蔭様を持ちま 環として、東京都薬剤師会の病院診療所委員会と して今年、創立60周年を迎えるに至り、会員数も 協力して、現在様々な活動を行っています。具体 ますます増加し現在は約4,000名を抱える大所帯 例としては、毎年10月∼11月に都内各地で開催し に成長致しております。これもひとえに諸先輩方 ている「薬と健康の週間」において、開局薬剤師 のご尽力の賜物と深く感謝申し上げております。 とともに病院薬剤師も街頭相談を行い、都民に対 各部会の活動内容については、多岐に渡ってお して「顔が見える薬剤師」としての貢献が上げら りますので、ここでは研修会関係および薬薬連携 れます。また平成15、16年度の東京都委託事業と の進捗状況に関しまして、簡単にご紹介させて頂 して「退院時服薬説明 (指導) 書を利用した医療機 きます。 関薬剤師と薬局の連携モデル事業」では、基本と 東京都病院薬剤師会は、以前より卒後教育を重 なる「退院時服薬説明 (指導) 書」のフォーマット 点事業として捉え、臨床薬学研究会、中小病院実 作成を行い、それらの有用性並びに保険薬局から 務研究会、診療所例会など、各種研修会の開催を 医療機関への退院後の患者情報のフィードバック 行って参りました。それらに加え、日本病院薬剤 状況なども含めて検証を行っております。その成 師会の領域別専門薬剤師の資格制度発足を受け、 果が薬薬連携の礎となって、おくすり手帳を介し 平成16年度からは、がん・褥瘡・感染制御・糖尿 た有意義な情報提供へと繋がっていくことと思い 病などの専門薬剤師を養成するため、現在 7 つの ます。その他、東京都病院薬剤師会の支部組織制 特別委員会を立ち上げ積極的に活動を行っており (平成13年から実施) の中での東京都薬剤師会開局 ます。また、これら薬剤師としての専門知識の習 支部との合同研修会の開催、薬学生長期実務受入 得と平行して、社会的地位の向上には、薬剤業務 体制の整備など、今後も各種対策を通じて薬薬連 の標準化も大事な事業の一つとして考え、新たに 携の強化に取り組んで行きます。 特別委員会を設け、患者の安全性確保に対しての その他、病薬雑誌、ホームページなどで情報の 薬剤師の重要性や存在意義を示せるように努めて 充実を図っており、さらなる会員の満足度の向上 おります。その他にも、画期的な試みとして、豚 に努めております。そして、来る平成22年 8 月に 眼を用いての白内障手術の模擬体験や全国に先が は、関東ブロック大会が10年ぶりに東京で開催さ けてのクリーンベンチ、安全キャビネットを使用 れますので、盛会裏に終了できる様に現執行部で した高カロリー輸液・抗がん剤の混合調製トレー できうる限り準備体制を整え、次期執行部へ引継 ニング、またロールプレイングを取り入れた糖尿 ぎを行う予定です。 病服薬指導体験など、参加型の研修会を実践する この様にして創立70周年に向け、気持ちも新た ことで薬剤業務の拡大並びに質の向上に寄与して に執行部一丸となって会務の充実を図り、会員の 参りました。 ための、また会員から信頼される薬剤師会を目指 一方、先生方もご存知のように、全国各地で医 薬分業が進展し、東京都ではすでに分業率が60% し、頑張って参りますので、これからも宜しくご 指導、ご支援の程お願い申し上げます。 31
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