参考資料 1 大邱(テグ)広域市について *広域市とは、釜山、光州、蔚山などとともに韓国に 7 つある自治体の一つで、 「道」 と同格の権限を持つ広域自治体。 大邱広域市は、韓国の東南部地域に位置し、人口 254 万人、面積 885.7k ㎡(川 崎市域の約6倍)で、人口はソウル、釜山、仁川に次ぐ4位だが、仁川がソウル のベッドタウンとしての性格が強いことから、実質3番目の都市とされる。 現在の大邱広域市長は、曺海寧(ジョ ヘニョン)氏。 (以下、大邱広域市を大邱市と表記) 2001 年 5 月に大邱国際空港が開港し、2002 年にはサッカーワールドカップ、 2003 年にはユニバーシアード大会が開催されるなど国際都市としての発展をめ ざしている。 産業経済は、生産額割合ではサービス業など3次産業 78.9%、製造業など2 次産業 20.5%、1次産業 0.6%で、そのうち製造業については事業所数が 5,992 社、99.6%が中小企業であり、繊維産業が 36.2%、機械・金属・自動車部品産 業が 43%を占めている。 現在、先端産業の中心都市として韓国東南圏 R&D ハブをめざし、国の支援 のもとに次のような諸プロジェクトを進めている。 ○ 情報通信、ナノ技術、生命工学分野における産・学・研の共同技術開発 事業、大型プロジェクトを推進する科学技術振興室を新設 l 大邱テクノポリス建設 l 韓方バイオバレー建設 ○ ポストミラノプロジェクトを推進−地域伝統産業の競争力を強化して地 場産業の基盤を構築するために推進された“ミラノプロジェクト”の後 継。ソフトウェア開発、マーケティング支援に重点 ○ 大邱テクノパークを中心にインキュベーションセンター、ベンチャー共 同化生産団地などのインフラを活用したベンチャー企業の創業支援 ○ 2004 年 4 月にオープンした「大邱機械部品素材試験評価センター」を中 心に、機械・金属産業を技術集約型メカトロニクス産業に再編し産業競 争力を強化 ○ 文化インフラを整備し、文化情報コンテンツ産業団地造成を推進 など。 また、観光にも力を入れており、司馬遼太郎の「韓(から)のくに紀行」で も紹介され、日本人の観光メッカとなっている「友鹿洞(ウロクドン)」(豊臣 朝鮮出兵のとき、兵 3 千人を率いて投降した日本人武将沙也可(サヤカ)と部下の その後の功績を称えるとともに、現在もその子孫が住んでいる村)など文化遺 産や観光名所豊かな都市でもある。 (財)大邱テクノパークについて ① ② ③ ④ 設立 出捐金 理事長 事業目的 ⑤ 主要事業 ⑥ 支援機関 ⑦ 特徴 1998(H10)年 12 月 650 億ウオン(約 65 億円) 大邱市長、国立慶北大学総長(共同) 新技術先端産業の創出及び育成(新産業創出のメッカ) 地域革新システムの構築(地域革新のハブ) 創業保育、研究開発支援、教育訓練、装備設備支援、技術支援 等 政府(産業支援部)、大邱市、慶北大学、啓明大学、永進専門 大学 「大学発の地域イノベーションシステム」 経営理念は「産・学・研・官の有機的な協力を基に新技術創 業と地域革新体制の構築において先導的役割を担う」とされ、 運営の主導権は大学が担っている。 具体的には、市内 3 大学が各々大学キャンパス内に創業保育 施設(財団分所)を設置し、大学それぞれの特徴をいかした 研究開発及び技術の支援、販路開拓の支援を行うとともに、 成長企業は市中心部に用意したオフィス等(東大邱ベンチャ ーバレー)へ、生産機能を必要とする企業は先端産業団地に 誘導するなど、地域全体をインキュベート施設にみたててベ ンチャー企業育成に取り組み。 この間 200 社を超えるベンチャー企業が生まれ、すでに 5 社 が KOSDAQ への上場を果たし、先端産業団地に進出した成 長企業 12 社で従業員 1000 名強、市内総生産の 5%を占める までになっている。 2003(H15)年 11 月、(株)ケイエスピーと(財)大邱テクノパ ークは友好提携の協定を締結した。 (財)慶北テクノパーク ① 設立 1998(H10)年8月 ② 出捐金 6,500 万ドル(約 75 億円) ③ 出捐機関 政府(36%)、5大学( 20%)、慶山北道( 14%)、慶山市( 10%)、 他(20%) ④ 特徴 嶺南大学 15 万㎡の敷地のなかにインキュベーション施設を配 置。大学との密接な連携により事業を展開。繊維、機械加工、 金型製造などの伝統型(従来型)産業の新製品、新素材などの 研究開発センター、太陽エネルギー研究開発センターなどを設 置、また大学発のベンチャーの積極的育成などに取り組んでい る。
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