防衛研究所ニュース 2007年8・9月合併号(通算114号) 通算第114号 防衛研究所ニュース 2007年8・9月合併号 “NIDS NEWS” 防衛研究所企画室編集(03-3713-5912) ・・・・・2007年7月の主な出来事・・・・・ 《駐日オーストリア大使の来訪》 7月24日、駐日オーストリア共和国大使 ユッタ・シ ュテファン=バストル閣下が着任表敬のため来訪されま した。バルトス閣下は石井防研所長と懇談され、ゴラン 高原国連平和維持活動(UNDOF)での日本とオース トリアの間の協力関係や、アジア・ヨーロッパの安全保 障等に関して意見交換が行われました。 《統括研究官の米国防大学訪問》 7月9日から14日にかけて、武貞統括研究官 と片原研究部第1室長が米国防大学国家戦略研究 所(INSS)を訪問しました。INSS では11日に NIDS-INSS-KIDA3極安保対話が開かれ、日米韓の 研究者が「朝鮮半島の平和体制(ピース・レジー ム)」、「朝鮮半島における中国の役割」、「東 アジア安全保障秩序の将来」と題した議題につい て意見を交換しました。 統括研究官とアーミテージ氏 翌日には NIDS-INSS 日米研究交流研究会におい て、INSS のジム・プレスタップ博士司会の下で、「アーミテージレポートⅡ:中国の戦略 的選択肢の方向付け並びに朝鮮半島及び北東アジアの安保協力の進展を含む、日米安保協 1 防衛研究所ニュース 2007年8・9月合併号(通算114号) 力の将来」と題した議論が行われました。また同日、武貞統括研究官はリチャード・アミ テージ前国務副長官を訪問し、東アジアの戦略環境について意見交換を行っています。 《フランス国防省戦略本部南アジア担当官の訪問》 7月6日、フランス国防省戦略本部南アジア担当官、イザベル・サン=メザール博士と 在京大使館付国防武官ジャン=マルク・ジェルビエ海軍大佐が防研を訪問しました。ジェ ルビエ大佐は昨年、防研一般課程を卒業しています。一行は防研側の研究者と南アジア情 勢、特に日印関係をめぐる情勢等について意見交換を行いました。 《戦争・戦略研究会》 7月31日、 「太平洋戦争末期における日本陸軍の対米戦法-水際か持久か?」 と題し、 秦郁彦日本大学講師による戦争・戦略研究会が実施されました。部内外から約50名が参 加し、熱心な聴講の後、活発な質疑応答が行われました。 《第53期特別課程》 第53期特別課程を7月4日から26日までの 間、実施しました。この課程には、将補・1佐の幹 部自衛官と内部部局課長クラスの職員のほか、国の 機関及び民間企業からの研修員も合わせて計50 名が参加しました。 各研修員は、「東アジアの安全保障環境の変化と 日本の安全保障」という研修テーマの下、最近の国 際安全保障の多様化について理解するとともに、東 研修員に修了証書を授与する石井所長 アジアの安全保障環境について考察し、これらを踏 まえてわが国の安全保障・防衛政策の今後の課題等について活発な議論が交わされました。 さらに、 特別講義として守屋防衛事務次官、 齋藤統合幕僚長による講義を実施したほか、 硫黄島及び陸・海・空各自衛隊の司令部等で研修を行いました。 最終日に行われた修了行事では、石井防研所長から研修員一人一人に修了証書が授与さ れ、各研修員は研修を修了した達成感と、研修期間中に深めた互いの絆を確かめ合いなが ら、目黒の地をあとにしました。 2 防衛研究所ニュース 2007年8・9月合併号(通算114号) ・・・・・2007年8月の主な出来事・・・・・ 《韓国世宗研究所長の来訪》 8月17日、韓国世宗研究所 パク・キドク所長が防研を 訪れました。同研究所は韓国唯一の民間国家戦略研究所と して「国家戦略」という包括的視点で、韓国の安全保障、 南北統一問題、外交政策等に関する研究を行っています。 所長表敬においては、今後の防研側研究者との交流の促 進や情勢等についての活発な意見交換が行われました。 パク所長(左)と石井所長 《ポーランド科学政治学研究所教授の訪問》 8月21日、ポーランド科学アカデミー政治学研究所のヴァルデマル・ジャック教授が 防研を訪問しました。ジャック教授は朝鮮半島、中国情勢を中心とする東アジア安全保障 の専門家であり、防研側の研究者と朝鮮半島、中国をめぐる東アジアの戦略環境について 意見を交換しました。 《第55期一般課程》 来る9月6日から来年6月までの約10ヶ月間、第55期一般課程を実施します。本課 程は、安全保障及び国の防衛に関する知識を習得するとともに、内外情勢の動向を分析・ 検討し、軍事的視点のみならず、政策的視点の下でわが国の安全保障問題を総合的に考察 させることを目的に、講座、セミナー、研究論文、事例研究、現地研修等に区分して実施 する予定です。 3 防衛研究所ニュース ・・・・第86回 2007年8・9月合併号(通算114号) 「史料公開ニュース」・・・・ このコーナーでは、 図書館史料室所蔵史料の中の公開史料を紹介しています。 今月は、 新しく公開された「海自創設経緯資料」及び「山本資料」について紹介します。 両資料の概要は、次のとおりです。 1 『海自創設経緯資料』 含まれる史料総数は22点です。太平洋戦争の敗戦と海軍の解体後、海上警備隊(後 の海上自衛隊)の創設準備を目的として旧海軍関係者及び海上保安庁関係者等を中心 に組織された「Y 委員会」によって作成された史料(これらの一部は NHK の特集番組 で報道されました)が中心となっています。これらの史料は海上自衛隊の創設経緯に 関係する資料として、海上自衛隊に一括保管されてきましたが、本年4月、防衛研究 所戦史部を経由して、防衛研究所図書館史料室に寄贈され、現在、一般公開しており ます。 2 『山本資料』 含まれる史料総数は57点です。上記「Y委員会」の中心人物であった山本善 雄元海軍少将(兵学校47期)遺族から寄贈され、海上自衛隊で一括保管され て来た史料で、これらも『海自創設経緯資料』と同時に、海上自衛隊から寄贈 を受け、遺族の公開承諾を経て、一般公開しております。史料の中には太平洋 戦争中の海軍史料、復員庁(復員局)関係史料、Y委員会及び海上警備隊関係史 料、戦前・戦後の山本元少将本人の日記、自筆メモ等、さまざまなものが含ま れています。 詳しくは、防衛研究所(史料閲覧室)のウェブサイト<www.nids.go.jp>、第86 回「史料公開ニュース」をご覧下さい。 ※ 記事に関する御意見、御質問等は下記へお寄せ下さい。 なお、記事の無断引用はお断りします。 防衛研究所企画室 専用線 : 8-67-6522、6588 外 線 : 03-3713-5912 FAX : 03-3713-6149 E-mail : [email protected] 防衛研究所ウェブサイト:http://www.nids.go.jp 4
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