住まいの健康・快適・省エネルギーを考えるー実務者向け講習会 断熱化による省エネルギー効果 HEAT 20 2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会 Investigation committee of Hyper Enhanced insulation and Advanced Technique for 2020 houses 地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 建築研究本部 北方建築総合研究所 環境科学部 鈴木大隆 HEAT 20 の活動内容 2009 戦略検討 ■高断熱化のメリット検討 ・温度 , エネルギー, B/C,CO2 ・普及啓蒙資料の作成 ■欧米の省エネ基準・制度調査 ■CO2-25%削減戦略 ・新築、既存住宅実態調査 ・ 誘導水準/義務水準検討 ・戦略提案 ■戦略的制度設計の提案 戦術検討 ■新築住宅の断熱・遮熱技術 ・誘導1(事業主レベル) ・誘導2(事業主超レベル) ■既存住宅(部分断熱区画も含む) ・誘導1(H11) ・誘導2(H11超) ■断熱・遮熱ガイドライン作成 ■評価技術構築 ・簡易防露設計手法の開発 ・地下室断熱評価手法の開発 etc. 2010 2011年度 HEAT 20 委員長 幹 事 委 員 体 制 2010.12現在 東京大学教授 坂本雄三 北総研 鈴木大隆+近畿大 岩前 篤 住宅生産者 (社)プレハブ建築協会 (社)日本木造住宅産業会 三井ホーム株式会社 ジャパンビルダーズネットワーク 建材団体 硝子繊維協会 ロックウール工業会 押出発泡ポリスチレン工業会 日本フォームスチレン工業組合 ウレタンフォーム工業会 フェノールフォーム協会 高発泡ポリエチレン工業会 ALC協会 技術専門委員 株式会社ポラス暮し科学研究所 (株)アライ コンサルタント 砂川建築環境研究所 事務局 財団法人 建築環境省エネルギー機構 1 140 130 フランス ドイツ スイス イギリス 日本 USA 120 [Gg-CO2換算] 1990年を100とした場合のCO2排出量 HEAT 20 日本と世界各国のCO2排出量の推移 110 100 90 80 70 1990 1995 2000 2005 2010 出典:UNFCCC, National greenhouse gas inventory data for the period 1990-2007, 2009 HEAT 20 全国各地の住宅運用エネルギー(二次)の推移 2 70 150 60 140 50 130 40 120 30 110 20 100 北海道 北陸 中国 10 東北 東海 四国 関東 近畿 九州 0 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 出典:家庭用エネルギーハンドブック 2007 ㈱住環境計画研究所 編 住宅床面積の増加率 [%] 世帯当たりの住宅運用二次エネルギー [GJ/戸] 80 HEAT 20 全国各地の住宅運用エネルギー(二次) 内訳 3 北海道 1990 北海道 2005 東北 1990 東北 2005 北陸 1990 北陸 2005 関東 1990 関東 2005 東海 1990 東海 2005 近畿 1990 近畿 2005 中国 1990 暖房 冷房 給湯 照明・家電・その他 中国 2005 四国 1990 四国 2005 九州 1990 九州 2005 0 10 20 30 40 50 出典:家庭用エネルギーハンドブック 2007 ㈱住環境計画研究所 編 60 70 HEAT 20 全ストックの住宅運用エネルギー(二次) 地域分布 単位[千万GJ/年] 出典:家庭用エネルギーハンドブック 2007 ㈱住環境計画研究所+国交省「住宅着工統計」 4 HEAT 20 各都道府県別 居住者1人当たりの運用エネルギー 関東以北 5 HEAT 20 暖房/冷房一次エネルギー [GJ/年] 70 住宅断熱化と省エネルギー 6 全館空調(暖房) 60 居室間欠暖房(暖房) 全館空調(冷房) 50 居室間欠暖房(冷房) 40 30 20 10 0 1 2 3 4 熱損失係数 [W/K・㎡] 5 事業主基準ガイドブック(IBEC発行) Ⅳb地域 暖房冷房一次エネルギー算定シート 6 住宅断熱化-設備高効率化と省エネルギー HEAT 20 全館空調 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 7 10 等級3 等級3.5 暖冷房 全館空調 等級4 等級4+ 等級4++ 等級3 暖冷房 居室間欠空調 等級3.5 等級4 等級4+ 等級4++ 換気 照明 居室間欠空調 給湯 ガス従来型給湯→ガス潜熱回収型) ガス従来型→石油潜熱回収型 ガス従来型給湯→HP式電気温水器 ガス従来型給湯→電気温水器 節湯機器 太陽熱温水器 壁掛けFAN→壁掛けFAN(比消費電力0.2以下) 太陽光発電 一般的照明→高効率照明 太陽光発電(2kW) 太陽光発電(3kW) 出典:事業主基準ガイドブック(IBEC発行) Ⅳb地域 暖房冷房一次エネルギー算定シート 15 20 HEAT 20 ゼロエミッションも可能だが・・・・ 8-1 「あばら家」に高効率設備機器や太陽光発電の導入? 世界に誇れる「技術立国 日本」の良質ストックといえるのか? HEAT 20 あとからできること、今しかできないこと 建築後に断熱性能を向上させるのは大変 建てた後に断熱性能を次世代省エネ基準相当に高めるには、壁や床、天井をはが す等大掛かりな工事になり、費用も掛かります。暑さ寒さをやわらげ、暖冷房効率を 上げ、心地よい住環境を実現するためには、新築時にしっかり断熱施工をすること が基本です。 ■工事内容別 工事費の平均 工事内容 増改築時 浴室の設備改善工事 177万 台所など給排水設備改善工事 206万 断熱工事 357万 基礎構造の補強工事 522万 国土交通省「増改築・階層等実態調査結果」より抜粋 新築時は約69万円 8-2 HEAT 20 断熱の役割 省エネルギーと「環境の質」の両立 9 暖房室の上下温度むらは、高効率エアコンで解消できるか? 等級3 等級2 等級4 等級4+ 等級3+ (躯体:等級4+窓:U=1.9) (躯体:等級3+窓:等級4) HEAT 20 断熱の役割 省エネルギーと「環境の質」の両立 10 暖房室の水平温度むらは、高効率エアコンで解消できるか? 等級3 等級2 等級4 等級4+ 等級3+ (躯体:等級4+窓:U=1.9) (躯体:等級3+窓:等級4) HEAT 20 断熱の役割 省エネルギーと「環境の質」の両立 非 寝 8 室 と 2 6 階 便 4 所 の 2 温 度 0 差 [K -2 ] 11 部分間欠暖房住宅での非寝室と2階便所の温度差 (東京) am 3:00 等級2 等級3 等級4 等級4++ -15 -10 -5 0 5 10 外気温[℃] 部分間欠暖房住宅での非暖房室の作用温度 (東京) 15 HEAT 20 断熱の役割 省エネルギーと「環境の質」の両立 12 部分間欠暖房住宅での非暖房室(2階便所)の作用温度(東京) 16 14 最低作用温度[℃] 12 10 8 6 4 2 0 -2 9.50 S55以前 5.31 4.87 4.60 S55 4.43 4.07 4.13 4.01 2.65 H4 上段:Q値[W/(m2・K)] 2.34 H11 下段:断熱レベル 2.00 1.95 1.74 H11超 1.51 HEAT 20 断熱の役割 省エネルギーと「環境の質」の両立 13 部分間欠暖房住宅での非暖房室の表面結露を防ぐための断熱 主暖房室20℃-50%RHの水蒸気が 非暖房室に一様拡散したと仮定した場合 断熱材の最低熱抵抗値 [㎡K/W ] 4.0 -5℃ 0℃ 5℃ 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 5 10 15 非暖房室温度 [℃] 20 25 HEAT 20 断熱の役割 住宅のコンパクト化と省エネ 13 床面積の増大+ゆたかさの向上 → 運用エネルギーが増加 物理的拡大(広さ)ではなく、空間の質(性能)の充実化 物理的豊かさから質の向上へ 国土交通省 住宅着工統計 温度ストレスのない実利用空間が広がる HEAT 20 等級4の住宅の熱損失・日射侵入率の部位別構成比 14 Ⅰ地域 熱損失係数に 占める割合 床 外壁 天井 窓 換気 Ⅳ地域 Ⅵ地域 0% Ⅰ地域 夏期日射取得係数に 占める割合 Ⅳ地域 20% 外壁 天井 40% 60% 80% 100% 60% 80% 100% 窓 Ⅵ地域 0% 20% 40% 躯体と窓のバランス・断熱と遮熱をどう考えるか・・・・・ HEAT 20 高齢社会+多様化するライフスタイルー住宅断熱化 高齢化先進国「日本」 +多様なライフスタイル・ライフステージへの対応 出典:内閣府 平成22年版 高齢社会白書 14 HEAT 20 住宅断熱化の展望
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