1 < 参考 > 重量床衝撃音対策等級 居室に係る上下階との界床の重量

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参考
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◎重量床衝撃音対策等級
居室に係る上下階との界床の重量床衝撃音(重量のあるものの落下や足音の衝撃音)を
遮断する対策の程度
◎等級
・等級5 特に優れた重量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格の
L i,r,H -50 等級相当以上)を確保するため必要な対策が講じられている
・等級4 優れた重量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のL
i,r,H
-55 等級相当以上)を確保するため必要な対策が講じられている
・等級3 基本的な重量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のL i,r,H
-60 等級相当以上)を確保するため必要な対策が講じられている
・等級2 やや低い重量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のL i,r,H
-65 等級相当以上)を確保するため必要な対策が講じられている
・等級1 その他
◎居室
居室の定義は建築基準法に定められており、居住、執務、作業などの目的のために継続
的に使用する室とされています。住宅の場合、居間、寝室などがこれにあたります。こ
こでは、実際の住宅でのクレームの発生状況などに鑑み、台所は除きます。また、浴室、
便所、洗面所、納戸、廊下、玄関などは含まれません。
◎上下階との界床
本事項は居室への衝撃音の遮断の程度を評価対象とするものです。このため、上階から
当該住戸の居室への衝撃音の遮断と、当該住戸から下階の居室への衝撃音の遮断の両方
を評価対象としています。住戸内で最も等級の低い居室の評価結果と最も等級の高い居
室の評価結果とを併せて表示することとします。
◎重量床衝撃音
子どもが走り回ったり、大人が歩行したりするなど、比較的質量が大きく軟らかいもの
による床衝撃時に下階に発生する衝撃性の音をいいます。
◎必要な対策
重量床衝撃音の遮断性能を向上させるためには、床の構造や構成方法の違いに応じて、
床の構造躯体の厚さを増加させる、床を重くする、振動を抑えるように床の端部の取付
け方を工夫する、衝撃音を増幅させないように床仕上げ材の種類を選択する、などとい
った対策が必要となります。ここでは、このような対策のうち、その効果がある程度定
量的に判断できるものについて、評価することとしています。
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◎特定の条件下
界床の性能については、現時点の科学的な知見の範囲では、音や振動の共鳴現象、共振
現象などといった定量的に把握しがたい不確定な要素が多いことから、こうした要素を
含めて事前に評価することは困難です。ここでは、このような要素をできる限り取り除
き、一定の条件下で界床の性能を評価することとしていますので、実際の住宅における
性能とは必ずしも一致しません。
◎おおむね日本工業規格のL i,r,H -50 (55 、60 、65 )等級相当
日本工業規格(JIS )には、床衝撃音のレベルに関する等級が定められています。等
級は、一定の条件での床衝撃音の測定値をもとに判定されるもので、L i,r,H -50 等級と
は、たとえば標準衝撃源を用いた場合の発生音が周波数 500 ヘルツ帯域で 50dB 程度
の重量床衝撃音として測定されることなどをあらわしています。L
i,r,H
等級は数値が
小さいほど重量床衝撃音がよく遮断される床であると評価できます。
「おおむね」とあるのは、床衝撃音レベルについては、特定の条件下であっても、性能
のばらつきが生じるものであるため、表示する値に対して、5 dB 程度の性能低下を見
込んでいることを表しています。なお、L
i,r,H
等級と生活実感との対応の目安には別
表のような解説の事例があります。ただし、騒音に対する感じ方(聞こえ方やうるささ)
には個人差がありますので、ひとつの目安と考えてください。また、前述のとおり、本
事項での評価は、あくまでも特定の条件下のものですので、本項目で表示する値と実際
の住宅での実感とは必ずしも一致しません。
出典:国土交通省
日本住宅性能表示制度のポイント(平成14年4月1日改訂版)
「8.音環境に関すること」
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