- 854 - 1980年 5月 面 見 出 し/ 記 事 通信社など 5月1日朝 7 - nifty

1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
5月1日朝 7 パキスタン大統領、あす訪中
通信社など
イスラマバード30日=ロイタ−
2日から8日まで。
16 五輪拒否の失敗願う
<この人に聞く>
政治利用に反発
国際競技連盟機構事務局長、C・パーマー氏
2日朝 7 カーブルで再び暴動
ソ連軍発砲学生多数が死傷説
ニューデリー1日=AP
1日カーブルからニューデリーに届いた情報によると、カーブルで先月
26日から30日まで5日間続けて、大規模な反ソ抗議デモが起き、ソ連
軍がこれに対して発砲したため、少なくとも学生57人が死亡、100人
以上が負傷、逮捕された総数は300人に達したという。デモの際にソ連
軍兵士1人がナイフで目を刺され、失明した。
このデモは、2月下旬にカーブルで起きた反ソ暴動以来、最大のものと
いわれる。2月の暴動は1週間続き、約300人のアフガン人が殺され、
1000人以上が逮捕されている。
情報によると、アフガン軍は投石する学生に対する発砲を拒否。このあ
と、ソ連軍が投入された。ニューデリーに到着した旅行者は「アフガン軍
も介入した」といっている。
旅行者によると、ソ連のMI24武装ヘリコプターが上空からカーブル
大学の学生めがけて発砲したという。
暴動が起こったのは先月26日、同市のハビビア高校の生徒が、ダルラ
マン通りで、ソ連の公用車に石とジャガイモを投げたのがきっかけ。この
あとソ連部隊が生徒たちに発砲して数人が死亡、これをきっかけに市の各
教育機関で騒ぎが起こった。ハビビア高校生たちは、戦友の死体を肩にか
つぎ、ソ連とカルマル政権に反対する数々のスローガンを叫びながら、カ
ーブルの一区画を行進、「ブレジネフに死を、ソ連のクマは帰れ、われわ
れは、アフガン人が最後の一人になるまで戦うぞ」などと叫んだ。
ソ連の装甲車も学生たちに発砲し、多くの学生が死亡したが、同市のガ
ージー高校では生徒の一グループがソ連兵をナイフで攻撃、兵士一人が目
を刺されて失明した。デモは30日も続いており、カーブル市内は引き続
き緊迫しているという。
英大使らがボイコット
モスクワのメ−デ−
アフガン介入非難
モスクワ1日=吉井特派員
英国、オランダ、オーストラリア、ポルトガルなどと中国の16カ国
出席をボイコット。日本の魚本大使欠席、代理の参事官出席。
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
通信社など
M.SEKINA
5月2日朝 16 迫るタイムリミット
20超すNOCが拒否
西独・日本の動向カギに
アイスホッケ− 五輪拒否のとば
っちり カナダカップ中止に
トロント30日=AP
IOC会長へ激励文を打電
米ソ首脳と会談でJOC
「参加は義務」仏五輪委表明
IOCに九項目の提案
3日朝 7 「アフガン」議題に
パキスタン大統領訪中
パリ30日=AP
北京2日=船橋特派員
農業に特権的借款を
アジア開銀総会
アフガンが要請
マニラ2日=佐藤特派員
アジア開銀(ADB)第13回総会最終日の2日午前、ベトナム、アフ
ガン、ラオスなど14カ国が一般演説を行った。アフガンがADBの特権
的援助を求めたのに対し、ベトナムは自国に対するADBの消極姿勢を強
く批判した。
最も注目されたアフガン代表(ファジルハク・カリキャル財務次官)は
カルマル政権が苦しい状況のもとでいかに経済再建に取り組んでいるか、
数字をあげて紹介、「これまでに例をみないほど開発資金を必要としてい
る」とADBの同国に対する援助の増大と、特にソフト・ローンによる農
業プロジェクトへの特権的借款(ブリビレッジド・ローン)」を要請した
ADBと世銀はアフガンの現在の政治的混乱を理由に、ADBがこれまで
承認ずみの同国への貸付分について、その実際の支出申請を当面ストップ
するようアフガン政府に要請しているが、同国代表はこうしたADBの動
きに異を唱えたものといえる。
4日朝 1 西欧NOC 国旗・国家使わぬ
モスクワ五輪参加めざし「基準」
7
ロ−マ3日=根本特派員
米ソ外相16日にも会談
マスキ−外交始動
”アフガン”の糸口探す
ワシントン3日=小川特派員
ソ連遠征帰り、ゲリラが襲う
アフガン・ホッケ−に死者・捕虜
ニューデリー3日=AP
3日、カーブルから届いた情報によると、アフガン五輪代表ホッケーチ
ームの乗ったバスがこのほど(日時不明)、ソ連での試合から帰る途中、
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
通信社など
M.SEKINA
アフガン北部で反政府ゲリラに襲撃され、10数人のうち数人は逃げたが
残りの選手達は殺されたり、捕虜になったりした、という。
ホッケーチームは、ソ連の中央アジア共和国での遠征試合から帰る途中
カーブルの北約400キロのカタガン州の州都クンドウズに近いジャレ・
コッシュの村はずれで襲われた。生存者の話によると、ゲリラはホッケー
チームのバスとわかって攻撃してきた、といい、ソ連への遠征試合をソ連
への協力とみなしてねらったのではないかと、みている。
消息筋によると、この事件でアフガンはモスクワ五輪へのホッケー参加
を断念、出場はレスリングだけになったという。サッカーも、主力7選手
の西ドイツ亡命で出場予定を取りやめている。
5月4日朝 9 対アフガン援助要請応ぜず
マニラ2日=AP・ DJ共同
マニラで開かれていたアジア開発銀行(ADB)の第13回年次総会最
終日の2日、アフガン代表ハリキャール大蔵次官はADBに対し、同国の
経済再建のため資金援助を要請した。これに対し吉田ADB総裁は記者会
見で「私のスタッフが危険地帯に行くのは好まない」と延べ、ADBとし
ては新たな資金援助に応じるつもりがないことを確認した。同国への援助
計画は現在、停止されている。
5日朝 3 再びソ連はいま 7
ロンドン=ヨーロッパ総局
西欧から無視できぬ”お隣さん”
7
反ソ行動、首都以外にも波及か
アフガン
ペシャワル3日=AFP時事
当地に3日届いた情報によると、アフガンでは先週、首都カーブルで死
者80人を出す衝突が起きたあと、学生達がゼネストを呼びかけており、
反ソ暴動はカーブル以外の地域にも波及した。
情報によると、カーブルでは2日、ソ連の支援を受けたカルマル政権が
反ソ集会を鎮圧するため「大がかりな軍事力」を使用したことに抗議する
デモが繰り広げられ、300人以上の若いデモ参加者が逮捕された。同情
報はまた、学生達がイスラム反政府ゲリラを支持し、カーブルのほかカン
ダハル、ジャララバード、その他の都市で授業をボイコットしている、と
伝えている。
対アフガン問題でパキスタンを支持
小平副首相が表明
RP=東京
4日北京放送。ジアウル・ハクと会談。
緊急非同盟会議の開催で合意
テヘラン4日=共同
テヘラン放送4日。3日夜キュ−バ入りのマルミエンカ外相、バニサ
ドル大統領と会談。
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
5月5日朝 19 モスクワ参加勧告
国際水連、各国水連に
通信社など
M.SEKINA
パロマ・デ・マジョルカ4日=AP
6日夕 10 モスクワ五輪イラクは参加
バグダット5日=ロイタ−
イラク国営通信5日。
知事反対おして五輪参加決める
プエルトリコ・バスケット
サンファン4日=UPI共同
プエルトリコ・バスケット連盟。プエルトリコは米国自治領。
7日夕 2 イランなど意見を交換
民社委員長、西独首脳と
10 米NBC五輪中継を正式断念
ボン6日=共同
ニュ−ヨ−ク6日=石特派員
210億ドルの契約料。ロイド社に保険、90%かえる。
8日朝 3 モスクワ五輪の派遣費
政府は補助金出さぬ蔵相表明
16 キラニン会長、まず訪ソ
ブレジネフ氏と会談
国旗なしを了承か
モスクワ支局7日
ブ書記長
モスクワ7日=時事AFP
ソ連は柔軟に対応する用意
スミルノフIOC副会長
岡野氏を派遣
体協要請でIOCへ
モスクワ参加決定
デンマ−ク五輪委
コペンハーゲン6日=AP
8日夕 1 「非同盟」「アフガン」探る
”喪服外交”花盛り
ベオグラ−ド
各国首脳精力的に動く
米ソ外相会談16日本決まり
ベオグラード8日=高山特派員
ワシントン7日=小川特派員
9日朝 5 <雑誌広告> アフガン問題の真相と自主独立の立場 緒方 靖夫
アフガンの歴史と戦いの伝説
増田 紘一
前衛 6月号
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
5月9日朝 7 五輪・アフガン水面下で動き
通信社など
M.SEKINA
ベオグラ−ド8日=高山特派員・
シュミット西独首相、サッチャ−、ガンジ−と会談。
16 モスクワ五輪ユ−スキャンプ
代表団派遣を中止
中青連「政府決定に従う」
JOCに衝撃
中央青少年団体連絡協議会。
IOCや欧州などに
JOCの代表を派遣
五輪めぐる動向探る
15日ごろ会談
米大統領とIOC会長
モスクワ7日=AP
モスクワ訪問時期遅すぎる
西独スポ−ツ連会長
キラニン会長を批判
13日の総会で参加を決定へ
仏五輪委
パリ7日=時事AFP
ニュ−ジ−ランド委も参加決定
ウェリントン8日=UPI共同
12対5で決定
9日夕 1 中東征服図るソ連 ベオグラ−ド
華首相 大平首相に強調
ベオグラ−ド8日=国正特派員
10日朝 1 「モスクワ」不参加確認
日独首脳会談
イラン、平和解決を
サミット「協調」前提に
ボン9日=国正特派員
10日夕 2 アフガン東部で千人が死亡
反政府勢力明かす
イスラマバード10日=UPI共同
アフガンの反政府勢力ヒズビ・イスラミ(イスラム党)のスポークスマ
ンが8日明らかにしたところによると、アフガン東部のガズニ州で、ジェ
ット戦闘機とヘリコプターの支援を受けたソ連軍の攻撃で、数ヶ村が破壊
され、約千人が死亡した。
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
5月11日朝 4 思惑秘め”かけ足”会談
アフガン・バルカン焦点
喪服外交主な会談
5
<声>
7
パキスタン テロ続出、親ソ派か
アフガン国境近く
ゲリラ基地を目標
通信社など
大阿久
M.SEKINA
尤児記者
ソ連に望む撤退の勇断
東京都 須田 浄彦(会社員65歳)
万難を排して五輪に参加を 東京都 佐藤 幸男(会社員29歳)
ボイコットは当然の結論だ 帯広市 浦野 智志(学生 19歳)
ニュ−デリ−10日=吉村特派員
インドのUNI通信が伝えるところによると、アフガン国境に近いパキ
スタンの警察署が8日爆破され、警官17ないし27人が殺された。同国
では、さる3日にもペシャワルにあるアフガン・ゲリラの事務所が爆破さ
れ、25人が殺されたばかり。ソ連、アフガン両国の支援を受けたグルー
プがパキスタン国内で武装闘争をはじめたのではないか、と当地では観測
されている。
これはアフガン国境近くにあるパキスタン領内の武器や爆弾販売店で原
因不明の火災や爆破事件が相次ぎ、4月だけでも約90件を数えているた
めで、反政府ゲリラに手を焼いているソ連、アフガン・カルマル政権側が
国境を越えて武器弾薬の供給基地をたたこうとしているという見方が強い
そのようなテロ活動が、ゲリラ事務所や警察までエスカレートしたものと
みられる。
これらの事件が相次いでいるパキスタンの北西辺境州はパタン族の自治
地区で、パキスタンの国内法は適用されず、アフガンとの国境の通行も実
質的には自由である。また、ペシャワルの南方にあるダラは昔から小火器
の産地として知られ、アフガン・ゲリラに武器、弾薬を供給していること
は公然の秘密である。
パキスタンの反政府勢力では故ブット首相の率いたパキスタン人民党(
PPP)と関係の深い人民解放軍がアフガン領内でソ連などの指導を受け
ていることが知られている。故ブット首相の遺児2人もカーブルに滞在し
てソ連、アフガン・カルマル政府と協力しているともいわれる。
ソ連、アフガン国境に新規部隊を
投入 反政府勢力語る
ペシャワル9日=AFP時事
当地のアフガン反政府勢力筋が9日語ったところによると、ソ連は今週
アフガンの中国との国境の戦略拠点バダクシャン州に数百人の兵士を含む
新規部隊を投入した。
同筋によると、これらソ連軍兵士は同国ジェット機の援護の下ヘリコプ
ター36機により同州に空輸されたという。また、「アフガン解放イスラ
ム同盟」によると、新たなソ連兵はほとんどが、ゲリラ勢力の拠点である
同州の州都ファイザバード近くのバハラ地域に送り込まれている。
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
通信社など
5月11日朝 16 西独五輪委 理事会は不参加勧告
15日に注目の総会表決
M.SEKINA
フランクフルト9日=ロイタ−
理事会では12対5でボイコット決議。総会は54委員。
ボイコット反対を決議
37ヵ国ODEPA総会
グアテマラ市9日=ロイター
パン・アメリカン・スポーツ機構・・・米国、カナダ、ラテンアメリ
メリカ37ヵ国で構成。
スイス五輪委、参加を表決
ジュネ−ブ10日=川上特派員
ペル−は参加を正式決定
リマ9日=AP
サンマリノ条件付き参加
サンマリノ9日=AFP時事
代替競技予算24億円を要請
カ−タ−大統領
ワシントン9日=AP
24 <番組>
アフガニスタン潜入
12日朝 2 アフガン大使を空席化 外務省
PM11:50ー0:20 TBSテレビ
きょう「帰朝命令」
外務省はソ連のアフガニスタン侵攻と、それによるカルマル政権誕生に
不快感を示す措置の一つとしてアフガン大使を空席にすることを明確化す
るため、12日付で前田利一駐アフガン大使に「帰朝命令」を出す。
同大使は3月13日から「一時帰国」となっていたが、このままだと不
快感の意志表示としては弱いため、異動を前提とする「帰朝命令」を前田
大使に出したうえ、後任の大使を発令しない、という事務手続きをとるこ
とになった。
アフガン大使の空席化について外務省は A日本政府はカルマル政権を
承認していない B「一時帰国」が2カ月を過ぎるのは不適当なので、前
田大使を異動させる、と説明している。
7
アフガン情勢緊迫
与党の内紛が激化
ソ連、カ議長更迭検討か
ニューデリー11日=共同
アフガンの与党人民民主党(PDPA)の二大派閥間の対立は極めて深
刻な状況となってきた。ソ連の「意向」を受けて大同団結したパルチャム
(旗)とハルク(人民)両派は、長期化するソ連軍の駐留、国民の反ソ感
情の高まりなどの緊迫した情勢にもかかわらず、互いに非難の応酬を強め
ている。ニューデリーの観測筋の間では、ソ連はカルマル革命評議会議長
の首のすげ替えを真剣に検討し始めたのではないかと見ている。
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
通信社など
M.SEKINA
アフガンの首都カーブルからニューデリーに到達した情報を総合すると
カーブルでは連日、学生層を中心とした反政府、反ソ・デモが繰り広げら
れているが、このデモ鎮圧には政府軍でなく、人民民主党が前面に出て鎮
圧に当たっているという。
政府軍はアミン前議長(ハルク派)が1978年4月クーデター以前か
ら軍内部工作を開始したため、昨年10月のクーデター以後も、ハルク派
の影響力が支配的となっている。緊迫した情勢にもかかわらず政府軍が出
動しないのは、カルマル議長のパルチャム派とハルク派との間に、激しい
意見対立があるからだと見られる。両派はいずれも親ソではあるが、パル
チャム派はソ連に従順であるのに対し、ハルク派は独立的傾向が強い。
カルマル政権は「限られた数のソ連軍の駐留」を承認した。しかし、こ
の承認をめぐり革命評議会内部ではハルク派が「パルチャム派はわが国を
ソ連に売り渡した」とののしり、激論が戦わされたという。
またカルマル政権はタラキ元議長(ハルク派)が採用した国旗をダウド
政権時代のものに戻してしまった。新国旗は ①イスラム聖職者の説教台
②メッカのカーバ神殿を指すマーク
などが描かれ、宗教色の強いも
のになったが、ハルク派には「革命」で誕生した政権が、宗教界におもね
ることにも強い不満がある。
さらに対立に拍車をかけたのは軍の昇格人事である。4月26日に発表
されたこの人事でパルチャム派のラフィ国防相が准将に昇格したが、ハル
ク派のワタンヤル大佐、マズドーリヤル大佐らは昇格しなかった。
カルマル議長は5月8日、人民民主党会合で演説し、アミン前議長をあ
からさまに非難するとともに、78年クーデター後の指導者には誤りがあ
ったと述べ、暗にタラキ元議長をも非難した。現在政権にいるハルク派は
反アミンであっても、タラキ元議長を同派創始者として敬愛しており、両
派の対立は抜き差しならないところまできてしまった。
ニューデリーの消息筋は、両派の対立をこのまま捨て置けば、内部閉鎖
する可能性があり、ソ連はパルチャム派のカルマル議長を辞任させ、両派
に受け入れられる人物を議長に据えることを真剣に検討し始めたと見てい
る。
5月12日朝 7 ソ連技術者引き揚げ?
ゲリラとの衝突も続発
ニューデリー11日ロイター
PTI通信が11日カーブルからの報道として伝えたところによると、
アフガンの情勢が危険になったため、最近、同国で開発プロジェクトに従
事していた多数のソ連人やチェコ人の技術専門家が本国に帰国した。また
依然としてアフガンにとどまっているソ連人技術者も家族はすでに帰国し
たという。
同通信によると、カーブルの北バグラン州のプリクムリ炭坑のチェコ人
技術者は、ゲリラ側の砲撃を受けたあと引き揚げてしまい、先月からイン
ド人技術者がこの仕事を引き受けている。チェコ人は他の二つの炭坑から
も引き揚げたほか、ヘラートのセメント・プロジェクトも昨年12月のソ
連軍侵攻後、未完成のまま手を引いてしまった。
ソ連の援助でカンダハルに建設中の織物工場の工事も中止され、ソ連人
技術者は3月帰国した。同通信によると、現在アフガンにとどまっている
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
通信社など
M.SEKINA
外国人技術者はほとんどインド人だという。
5月12日朝 7
イスラマバード10日=UPI共同
アフガンの反政府ゲリラ勢力関係者や旅行者が10日明らかにしたとこ
ろによると、ソ連軍は大規模なゲリラ掃討作戦を開始、6日には武装ヘリ
コプター、戦車を繰り出して、ガズニ州とナンガルハル州の村落を一斉に
攻撃、千人以上の村民を殺し、民家を焼き払った。
首都カーブルからニューデリーに到着した旅行者によると、ガズニ州で
は、反政府ゲリラを支援した村落に対するソ連軍の報復作戦が激化してい
る。信頼できる消息筋によると、4月27日に同州の3つの村に対して行
われたソ連軍の爆撃では、5千人の村民が死亡、25人の子供たちだけが
重傷を負って生き残ったといわれる。
同筋は「春になって山岳地帯の雪が解けたため、ソ連軍の攻撃が始まっ
たようだ」と語っている。
カーブルから10日ニューデリー入りした旧アフガン政府軍将校による
と、こうした軍事作戦に伴って、カーブル空港周辺のソ連軍の活動が活発
となり、同空港近くには2ないし3箇師団のソ連軍部隊、A12輸送機、
ミグ24戦闘機、武装ヘリコプターなどが集結しているという。
ペシャワルに根拠地を持つアフガン解放イスラム同盟は10日、反政府
勢力が最近、アフガン東北部のバダクシャン州で、4機以上のソ連軍武装
ヘリコプターを撃墜したが、ソ連軍がいったんゲリラに奪還された村落を
再占領、数百人の村民を処刑した、と発表した。
一方、旅行者の話を総合すると、首都カーブルでは、学生たちが政府の
学園復帰命令を無視し、3日には5千人以上の学生が「神は偉大なり」「
敵を倒せ」と叫んでデモ、1200人がソ連軍に逮捕された。これまで逮
捕された学生は4千人ないし6千人に達し、4月末の反ソ・デモに同調し
て休業した数百軒の商店も、政府の再開命令を拒否して、依然店を閉じた
ままだという。
<雑誌広告> アフガン解放区最前線
13日朝 17 ソ連、延期を示唆
米誌報道
モスクワ五輪、81年に
恵谷
治
公明・6月号
ワシントン12日
「USニュ−ズ・アンド・ワ−ルド・リポ−ト」
14日朝 16 仏五輪委
モスクワ参加決定
パリ13日=共同
エントリ−延期要請も
柴田JOC委員長示唆
ボイコットを勧告
イスラエル議会委
エルサレム13日=共同
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
5月14日夕 10 「参加」決定は圧倒的多数で
フランス五輪委
通信社など
パリ14日=和田特派員
15日朝 4 危機はらむ世界の新構図
浅田
アフガン・イラン・そしてチトーの死
7
チェコ軍隊もアフガン進駐
野党政治家が記者会見
M.SEKINA
泰範(朝日新聞外報部)
ニューデリー14日=時事AFP
アフガン反政府派のアフガン社会民主党のワクマン書記長は14日、当
地で記者会見し「ソ連軍支援のためチェコ軍将兵約5千人が10日ほど前
にアフガン入りした。アフガンの自由を求める闘争はついにワルシャワ条
約機構全体に対する闘争となった」と語った。
16 全委員の意見改めて聴取へ
JOC常任委
イラン、五輪不参加を再検討
テヘラン14日=共同
ベヘシュチ最高裁長官(革命評議会メンバ−)
16日朝 3 西独五輪委は「不参加」
モスクワ問題 総会で正式決定
7
ボン15日=五十嵐特派員
アフガン介入非難を表明
国連 軍縮委で大川大使
ニューヨーク支局15日
ソ軍撤退の条件再提案
カルマル政権
モスクワ15日=高山特派員
ソ連国営タス通信が14日夜、カーブル発特電として伝えたところによ
ると、アフガンのカルマル政権は、イラン、パキスタンとの関係打開をめ
ざす声明を発表。両国がカーブルとの間で正常な関係をつくりあげるなら
アフガン領内からのソ連軍撤退もあり得よう、と述べた。同声明はまた、
アフガン問題の政治的解決にはソ連、米国を含む国々の適切な政治的保証
が不可決だとし、特に米国に対し、第三国領内からの行動を含め、破壊活
動を行わぬことを誓約すべきだ、と述べた。
カルマル政権は先月中旬にも、地域安定化のためイラン、パキスタンと
無条件で話し合いに入ろうと提案している。この日の声明は、この提案を
繰り返すとともに、両国との関係正常化こそソ連軍撤退の前提、との立場
を強く出してきている点が注目される。
5月17日朝 7 ソ連に警告 米国務長官
ウィーン16日=ロイター
仏ソ外相が会談
RP=東京
- 863 -
1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
通信社など
5月17日朝 7 仏ソ首脳会談 早急に開催か
英紙報道
M.SEKINA
ロンドン16日=AFP時事
米ソ外相会談開始
アフガン収拾論議
撤退条件めぐり応酬か
ウィーン16日=野村特派員
ホーフブルク宮殿内「仮装舞踏会の間」で、グロムイコ、マスキー会談
インド高官が中ソ両国訪問へ
ニュ−デリ−15日=UPI共同
ラオ外相、今月末ソ連に、ゴンザルベス・アジア担当外務審議官、中国へ
17 五輪揺さぶる西独ボイコット
締切り迎え重い材料
早くも各国に反応
小黒
参加見込み60国?
モスクワ組織委 IOCへ悲観報告
IOC加盟のNOCは144。
キラニン・カ−タ会談
不参加は不変
ワシントン16日=時事
「政府見解」は不変と解する
JOC委員長
ASEAN5ヵ国不参加
バンコク16日=横堀特派員
ユ−スキャンプ派遣中止
17日夕 3 米ソ対話再開へ糸口 外相会談
基本姿勢を確認
「アフガン」など意見交換
インドが仲介に動く
外務次官アフガン訪問
ウィ−ン16日=横堀特派員
ニューデリー16日=時事AFP
サテ外相16日訪問。
あすにも開催 仏ソ首脳会談
10 韓国五輪委がモスクワ拒否
パリ17日=和田特派員
正式に決定
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ソウル17日=時事
1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
通信社など
5月18日朝 4 継続ねがう西欧
窓開いた米ソ外相会談
7
M.SEKINA
ウィーン支局 有馬(ロンドン)
芳中(ウィーン)
吉井(モスクワ)
野村(ワシントン)駐在員
「アフガン」常任委を
イスラム外相会議
ハク大統領が提案
イスラマバード17日=吉村特派員
第11回イスラム諸国外相会議。
16 エントリ−延期要請
モスクワ組織委に
JOC首脳部方針
24日締め切り。
アジア諸国も大勢は不参加
佐野JOC委帰国
19日朝 7 ソ仏首脳きょう会談 ワルシャワ
「アフガン」「五輪」協議
ワルシャワ18日=吉井特派員
ブレジネフ、ジスカ−ルデスタン。
19日夕 2 アフガン支配 ソ連長期化の意図
閣僚の大半代行
英語やめロシア語教育
米高官筋情報を英紙報道
ロンドン18日=伊藤(三)特派員
アフガンに侵入したソ連軍は宮廷を軍事本部に改築し、教育システムま
で変革、カルマル大統領は人身御供浪の扱い
英国の代表的日曜紙オ
ブザーバーは18日、米政府高官から得た特ダネ情報として、ソ連のアフ
ガン支配の実態を詳しく報道し、ソ連がアフガンを永久支配する意図は明
確だ、との米政府の判断の根拠を紹介した。そして、これらのソ連支配の
情報は米政府が、最近のソ連からの平和交渉提案にきわめて冷めた態度で
望んでいる理由を説明するのに十分である、としている。
同紙の報道によると、アフガンにおけるソ連は、軍事、民政両面で厳し
い恒久的な支配体制を着々と固めつつある。その証拠として ①軍用のガ
ソリンを同国内のあらゆる基地に備蓄 ②ソ連の技術者はソ連からアフガ
ンに至る鉄道建設を進め ③国境の川には2本の橋が架けられ ④昨年末
アミン前大統領が暗殺された宮廷をソ連軍の本部に改築中
などの
事実を列挙。新型のロケット、戦闘作業用のコンピューターシステム、自
走砲など、ソ連が開発した新兵器がどんどん持ち込まれ、アフガン内の対
ゲリラ戦でテストされているという。
また、カルマル政権内では、外相を除くほとんどの閣僚ポストは実質的
にソ連人がおさえ、経済面でも統制を導入し始めており、カルマル大統領
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1980年
5月 面
見 出 し/ 記 事
通信社など
M.SEKINA
でさえ、まるでソ連の人身御供だとしている。そのあらわれとして、同大
統領の護衛、調理人、運転手、医師、6人の重要顧問らすべてがソ連人で
あり、実質的に自由が拘束されていると見られる状況を暴露している。
さらに、教育面でも英語教育を廃してロシア語を採用、教科書も新たに
準備され、すでに数千人のアフガン学生がソ連と東欧諸国へ留学のため送
り込まれているという。
こうした情報は、あくまで米政府部内の資料だが、そのまま事実だとす
れば、ソ連軍が短期間に撤退する意図が全くないことを物語るに十分だ。
西欧諸国では、米ソの道が開かれ、今後の平和交渉に一筋の光を見いだし
たところだけに、「アフガン中立化」構想とはほど遠いソ連支配の実情の
暴露に驚いている。
5月20日朝 7 「アフガン」政治解決を
ソ仏首脳会議で確認
世界首脳会議開け
仏提案 緊張緩和に対話必要
西独がソ仏会談支持
ボン19日=AP
アフガン反政府指導者
イラン代表団員に
イスラム外相会議
イスラマバード19日=吉村特派員
イスラマバードで開かれている第11回イスラム諸国外相会議に出席中
のゴドブザデ・イラン外相は、19日午後記者会見し「ソ連軍のアフガン
侵攻は、米国の対イラン軍事行動と同様に、イスラム世界に対する攻撃で
あり、アフガン国民の災禍はすべてソ連に責任がある」と述べ、ソ連に対
するきわめて厳しい姿勢を強調した。また「アフガンの自由の戦士を助け
ることは世界の人民の義務だ」と語り、アフガン反政府勢力の指導者らが
イラン代表団員の資格で同会議に出席していることを正式に認めた。
19日までに明らかになったところによると、パキスタンのペシャワル
に基地を置く「アフガン解放イスラム連合」のA・R・サイコフ教授をリ
ーダーとする5人のアフガン・ゲリラがイラン代表団のメンバーとして全
体会議および政治分科会に出席している。
これについて同外相は「アフガンの自由の戦士は、イランや他の地域に
おける自由の戦士と同じ戦いをたたかっている。平和的な交渉でソ連軍が
撤退しないのなら、あらゆる方法で支援しなければならない」と述べゲリ
ラ勢力に対する強い連帯を表明した。また、カルマル政権に対しては「ア
フガン危機はソ連軍が始めたものであり、ソ連軍が撤退しない限り、絶対
に承認できない」ときわめて強硬な姿勢を示した。
「アフガン危機、解決へ近づく」
インド(サテ)外務次官
ニュ−デリ−19日=AFP時事
インドのサテ外務次官は19日、アフガン危機は「解決に近づきつつあ
る」と語った。また同次官は、アフガン問題は近いうちに離陸の段階に達
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