Voyage aux confins marocains.pub

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Les confins du Sud marocain
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モロッコ南部辺境の旅
沙漠の入り口ワルザザート(Ouarzazate)からザゴラ(Zagora)を経由して南東に260km移動するとムハミ
ド(M’hamid)に至る。アルジェリア国境から10㎞ほどのモロッコ最後のオアシスだ。ムハミドは、ト
ンブクトゥ(Tombouctou)からのキャラバンが50日後に辿り着くサハラ交易の要衝だった所だ。サハラ
交易は、アフリカとヨーロッパを結ぶもので、16世紀以降モロッコに大きな富をもたらした。アフリ
カからは金や塩、ヨーロッパからは衣料や砂糖などが取引された。今でも、アルジェリアからの軽油
とモロッコの農産物がラクダを使って密輸取引されることがあるとのことだ。
ムハミドから先は人の住む地域はない。トレッキングはドラー川の川岸に沿って歩く。ドラー川はか
つては水を湛えていたが、現在は上流で灌漑用のダムが造られたため、水が流れるのは稀とのこと
だ。川岸は土や礫のレグ(reg)が多く比較的歩きやすいが、エルグ(erg)と呼ばれる砂丘地帯は雪のよ
うに足を取られて歩きにくい。行程での比率はエルグが20%程度、残りがレグと言ったところか。
一日に歩く距離は10kmから21kmであるが、長距離を歩く日は昼食と昼寝に2時間ほど休みを取る。
砂丘まじりの21㎞は普段歩いていない人間にはかなり厳しいが、その他の行程はそれほど難しくな
い。
11月20日
09:30-14:00 Ouarzazate-M’hamid
14:30-16:00 El Rhozlane
259km
5km
11月21日
08:30-16:15 erg Aît Oumir
21.2km
11月22日
08:30-13:10 Lhebinat
16:20-18:20 最大砂丘(70m)登頂
11.2km
2.0km
11月23日
08:30-12:30 erg Zaher
10.4km
11月24日
08:30-15:00 erg Smar et Sedrar
13.7km
11月25日
08:30-09:30
09:30-16:00 Ouarzazate
4.0km
280km
徒歩合計
67.5km
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雨上がりのワルザザートを出発。雨は涸れ川に流れを作
り、流れを横断する道路は冠水している。
沙漠地帯であるため、荒涼とした大地には僅かの草と灌木
が生えているだけだ。この辺りはハマダ(hamada)と呼ばれ
る岩石沙漠とレグ(reg)と呼ばれる礫沙漠だ。エルグ(erg)と
呼ばれる砂丘地帯は200km以上東のメルズーガか、南東のザ
ゴラまで行かなければならない。
遠く北方には冠雪した山並みが見える。4000メートル級の
山を有するハイ・アトラス山脈だ。
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南東に向かう道路は涸れ川に沿っており、ところどころに
オアシスと村がある。村ではナツメ椰子が植えられ、椰子
の合間に野菜などが栽培されている。
村には泥で作られた建物も残っているが、殆どが廃墟と
なっている。立派なクサール(ksar=城塞で守られた村)も打
ち捨てられたものが多く見られる。泥造りの建物は雨の後
の修復が大変なので見捨てられ、安物のコンクリートブ
ロック造りの建物に移り住んでいる人が多いようだ。
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14:30 M’hamidの村はずれからトレッキング開始。気温は23℃程度、少し風もあって快適だ。砂丘地帯の始まりのため、表土が出ているとこ
ろと、比較的薄い砂で覆われたところを歩く。
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ムハミド近辺にはナツメ椰子の畑が広がっているが、帯水層が表土近くにあるようで野生のナツメ椰子も砂丘の中に点在している。
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夜の食事は大きな楽しみだ。長距離を歩いたあとなのでお
腹もすいている。ハリラと呼ばれるスープで始まり、タジ
ン料理やクスクスがメインだ。タジンは野菜の旨みが凝縮
しているようでとても美味しく、毎日違った材料と味付け
がされるのも楽しみだ。
食事中のおしゃべりも楽しい。ベルベル人ガイドのYoucef
によるCasbah(城)とKsar(城壁で守られた村)の違いについ
ての解説から、総選挙を控えたモロッコの政治状況の解説
など話題は尽きない。
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小山のようになったところは元々の表土で、ギョリュウ(tamaris)が根を張った部分だけが水の浸食を免れて小山のようになっている。ギョリュウは一見して針葉
樹のようにも見えるが、沙漠地帯に多い落葉樹だ。樹齢100年を超える大樹も時々見られる。この地域ではアカシアなどは見られず、樹木はナツメ椰子かギョ
リュウだけだ。
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休憩時のおやつはナッツ、ダーツ(ナツメ椰子の実)や干しイチジクなど。甘味があってカロリーの高いものだ。
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夜は満天の星空が美しい。風がなければテントの外にマットレスを敷いて、星空を見ながら寝るものいい。人口の光がなく澄みきっているので、星の数が何倍
にも感じられる。天の川が川であることを実感できる。朝方は零度近くまで冷えるが、朝焼けの変化も楽しめる。
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朝食は、前日の晩に地面を掘って作った竃で焼いたパンと、定番の「笑う牛」チーズに苺やイチジクのジャムだ。パンはイーストを使わないためか、あまり
ふっくらとはしていない。
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ドラー川方面に発生した蜃気楼。遠くに水溜まりがあるように見えるが水はない。「下位蜃気楼で空が地面に鏡映」しているものとのことだ。自生している木
はすべてギョリュウ。
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砂丘では馬の背を歩くが不安定で歩きにくい。
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砂丘最高峰の頂上で日没を見る。この地域では比較的低い砂丘が多く、最高峰と言っても標高差70m程度だ。他の地域では300m程度に達するものもある。
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この日は半日だけの行程で、午後は簡易式のシャワーで4日振りにすっきりしたあと、日
が沈むのを待って焚き火を囲んだ。
焚き火には不思議な力がある。焚き火を囲むと自然と笑みもこぼれ、一日の疲れを取って
くれる。こ残念ながらこの地域では枯れ木が少なく、焚き火を囲んだのは一日だけであっ
た。
焚き火の横では、穴を掘って造った簡易式のかまどでパンを焼いている。
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焚き火が燃え尽きたところで、ガレットを焼く。ガレットは小麦粉を練っ
ただけのシンプルなパンだ。焚き火で熱せられた砂の上にガレットを置
き、その上に除けておいた砂と炭火を乗せる。20分もすれば焼き上がり
だ。
焼き立てならそのままで食べられるが、それほど美味しくは感じられな
い。細かく千切ってスープに入れて食べるのが良いようだ。
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朝から少し雨が降り出したので、駱駝の荷にはシートを掛けて出発。
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雨は止んだが、激しい風が吹いて砂嵐の様相だ。視界は数十メートル程度だ。砂が頬に直接当たるとピリピリと痛い。こんな時は目元だけを出すツアレグ族の
ターバンが便利だ。
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雨まじりの砂が吹きつけるなかでは、駱駝はうずくまってじっとしているだけだ。
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最終日はレグ(礫沙漠)を歩く。礫の中には貝などの化石を含むものもある。1時間ほど歩いて、ランドクルーザーに乗ってワルザザートに向かう。
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泥造りのクサール。一部はレストランに改造されて使われているが、大部分は壊れたまま打ち捨てられている。修復に手間暇をかけようとする人がいないのが
残念だ。
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サハラトレッキングの仲間たち。ベルベル人ガイド1名、フランス人12名、イタリア人・ベルギー人・日本人各1名。
父娘を除いて全員個人参加。夫婦や恋人同士で沙漠トレッキングを楽しみたいという趣味の合うカップルは少ないの
だろう。でも、若い男女は相手を変えてはお喋りをしながら歩いている。ただ歩くしかない行程なのでお喋りの時間
はたっぷりある。なるほど、サハラトレッキングは出会いの場として最適かも。
旅 行 の 友MSRハ バ ハ バ。2回 の サ ハ ラ 旅 行 と
ウィンブルドンでは快適なテント生活を楽し
ませてくれたが、今回は最悪。インナーテン
トが全面メッシュのため細かい砂が舞い落ち
る。特に砂嵐の晩は、降り積もった砂が数ミ
リ。
一 方、カ メ ラ のEOS 1DMkIVとEOS5DMkIIは
む き 出 し で 携 行 し た が、何 と か 耐 え て く れ
た。でも、防塵仕様でない5DIIは苦しそうで
あった。次回は簡単な布カバーをを作って保
護した方がよさそうだ。
2011年11月
英 隆行