ブレーザー放射モデル - 東京大学宇宙線研究所

ブレーザー放射モデル
浅野勝晃
(宇宙線研究所)
ブレーザーの多波長スペクトル
Mrk 421
-
スペクトルが詳細化
明らかに丸みを帯びた形状
Abdo+ 2011
Leptonic Model
BL Lac: SSC
FSRQ: EIC
Hadronic Modelも可能だが、
今回はSkip
Mrk 421
Mrk 501
Abdo+ 2011
Cerruti, Zech, Boisson & Inoue 2015
Leptonicモデルにおける複雑な電子分布
Abdo+ 2011
電波は別成分
ダブルブレークと低エネルギーカットオフ
電子のベキ指数
Yan+
乱流による加速
乱流内での粒子の散乱
じわりじわりとエネルギーを得る
散乱一回あたりの獲得エネルギー
Fermi2次加速
𝜃2
𝜃1
𝛽
Lorentz変換を2回
Δ𝐸
= Γ 2 1 − 𝛽 cos 𝜃1 1 + 𝛽 cos 𝜃2′ − 1
𝐸
𝛽
cos 𝜃1 = − , cos 𝜃2′ = 0
3
E
4
  2
E
3
宇宙線拡散で良く仮定されるAlfven波との相互作用の場合
Alfvenic Wave
(transverse/incompressible)
Dampしにくい波なので、少なくとも星間空間などでは、
Primaryに考えられてきた。
𝐵
𝑘 −1
𝛿𝐵
pitch angle diffusion → mean free path 𝑙 ∼
𝐵2
𝑘𝛿𝐵 2 𝑘
𝑟L , 𝑘 ∼
𝛿𝐵2 (𝑘)
1
𝑟L
∝ 𝐸 −1
共鳴条件
太陽近傍での宇宙線の空間拡散係数
𝑘 −𝑞
𝐷𝑥𝑥 ∼
𝑞 = 5/3: Kolmogorov
𝑞 = 2: Hard Sphere
𝑘
𝛿𝐵2
𝑙𝑐
∼ 1029 cm2 s−1 @TeV
3
→ 𝑙 ∼ 1019 𝑐𝑚 ∼ 104 𝑟L
𝑘 ∝
𝑘 −𝑞
→ 𝐷𝐸𝐸
𝐵 ∼ 3𝜇G
< Δ𝐸 2 > 𝜉𝐸 2
∝ 𝐸𝑞
=
∼
Δ𝑡
𝑙/𝑐
テスト計算
by 寺木
𝛿𝐵2 (𝑘)
Δ𝛾
𝑘 −2
𝑘res
𝑘
2桁
𝑡
𝛿𝐵2 (𝑘)
𝑘 −2
𝑘res
2桁
𝑡
1桁
𝑘
Alfven波?
• AGNでは磁気エネルギーはSub-dominant.
(乱流エネルギーをすぐ使い果たす?)
• 後で見るように、Kolmogorovというよりは
Hard Sphere.
• Kelvin-HelmholtzでHD的な乱流がInjectionさ
れると期待される。
Mizuno+ 2007
乱流=波動?
こうした状況に近い?
エントロピー mode?
MHD: Alfvenic, slow, and fast waves.
Yan & Lazarian 2004
“Can the MHD perturbations that
characterize turbulence be separated
into distinct modes?
Cho & Vishniac 2000
RM不安定性による磁場の増幅・乱流スペクトル
Inoue, Asano & Ioka 2011
Kolmogorov
圧縮性波動
Acoustic Wave (longitudinal/compressible)
Ptuskin 1988
移流拡散方程式
摂動
縦波
𝑘𝑖 𝑘𝑗
𝑢𝑖 𝜔, 𝒌 𝑢𝑗 (𝜔1 , 𝒌1 ) = 𝑆 𝑘
𝛿 𝜔 − 𝑘𝑣𝑆 𝛿 𝜔 + 𝜔1 𝛿 3 (𝒌 + 𝒌1 )
2
𝑘
𝐷𝑝𝑝
8𝜋𝐷
= 𝑝2
9
𝑘 4 𝑆(𝑘)
𝑑𝑘 2
𝑣𝑠 + 𝐷2 𝑘 2
Cho & Lazarian 2006
Δ𝑝2
𝐷𝑝𝑝 ∼
∼ 𝑝2 𝛻 ⋅ 𝒗𝑳 2 Δ𝑡
Δ𝑡
𝐷𝑘 ≫ 𝑣𝑆 → 𝐷𝑝𝑝 ∼ 𝑝2 𝑣𝐿2 /𝐷
𝑝 ∼ −𝑝𝛻 ⋅ 𝒗𝐿
Δ𝑡 ∼ 𝑡𝑑𝑖𝑓𝑓
𝐿2
∼
→ 𝐷𝑝𝑝 ∼ 𝑝2 𝑣𝐿2 /𝐷
𝐷
圧縮性波動
Lynn et al. 2012, 2015
Mirror Force(Transit Time Damping)
Δ𝑝 𝑝⊥ 𝑣⊥
𝑝⊥ 𝑣⊥
∼
𝛻𝐵 ∼
𝑘𝛿𝐵(𝑘)
Δ𝑡
2𝐵
2𝐵
𝐷𝐸𝐸
𝑐 2 < Δ𝑝2 > 𝐸 2 𝑐 2
1
2
3
2
∼
∼
∫ 𝑑 𝑘𝑘∥ 𝛿𝐵 (𝑘)
Δ𝑡
8𝐵2
𝑘∥ 𝑣ph
For fast wave with a typical eddy size 𝐿
𝐷𝐸𝐸 ∼ 𝐸
2
𝑣
𝛿𝐵𝐹2
ph
2
𝑐𝐿 𝐵2
𝑘max
𝑑 𝐿𝑘 𝐿𝑘
𝑘min
1−𝑞
∼
𝐸2
𝑣ph
𝑐
𝐵2 ∼ 𝛿𝐵𝐹2
2
𝑐
∝ 𝐸2
𝐿
𝑡acc ∝ 𝐸 0 (Hard sphere)
Cho & Lazarian 2006
𝐷𝑝𝑝
Δ𝑝2
∼
∼ 𝑝2 𝛻 ⋅ 𝒗𝑳 2 Δ𝑡, Δ𝑡 ∼ 𝐿/𝑐 ならほぼ同じ?
Δ𝑡
Test Particle Simulation
Slow-modeが効いているとされる。
Lynn+ 2015
Focker-Planck Equation
𝐷𝐸𝐸 = 𝐾𝐸 𝑞
Kolmogorov+Alfvenic q=5/3, Compressible q=2 (hard sphere)
𝜕𝑁e (𝜀, 𝑡)
𝜕
𝜕𝑁e 𝐸, 𝑡
=
𝐷𝐸𝐸
𝜕𝑡
𝜕𝐸
𝜕𝐸
Diffusion
𝑁 𝜀 ∝𝜀
𝜕 2𝐷𝐸𝐸
− 𝐸cool 𝑁e 𝐸, 𝑡
𝜕𝐸
𝐸
Cooling
Acceleration
−
2
−1 or −3 or 2
No cooling, continuous injection, time evolution
e2
Ne(e)


+ 𝑁e,inj (𝐸, 𝑡)
Injection
harder than the shock case
𝑁 𝜀 ∝ 𝜀 −2
No injection, balance with cooling, steady
𝜀 2 𝑁(𝜀)
0
t=t0
-1
1
3t0
Hard Sphere
Kolmogorov
Bohm
t=t0
2t0
0.01
10-1t0
q=2
t=t0

10-1/3t0
-2/3
0.0001
10-2/3t0
q=5/3
𝜀2
10-2t0
1e-06
q=1
107
108
109
1010
1011
1012
e [eV]
1e-08
0.01
0.1
1
10
𝜀
Green関数
モデル
•
•
•
•
定常流 あるいは One-shell
連続的なシェル放出:シェル幅(共動系) R0/Γ
電子注入・加速 R=R0 から 2R0 まで
2R0で注入も加速も打ち切り
物理プロセス • 電子注入
•
•
•
•
•
•
•
統計加速
シンクロトロン放射・冷却
逆コンプトン放射・冷却
シンクロトロン自己吸収
断熱冷却 (V∝R2)
光子の逃走
電子の逃走は無し
Extreme Hard Blazar 1ES 1101-232
L  2.6 1043 erg s-1
Asano+ 2014
Electron spectrum
-2
10
'2 n'(') [erg/cm3]
1ES 1101-232
f() [erg/cm /s]
2
10-10
Photon spectrum
1ES 1101-232
2.0
-4
3.0
10
1.5
5.0
10-11
10.0
15.0
10-6
20.0
10-12
10-8
10-10
R/R0=1.01
7
10
8
10
9
10
10
10
11
10
12
10
13
10
' [eV]
10-13 -3
10
100
Kolmogorov value q=5/3
103
106
109
1012  [eV]
Mrk 421
𝐿ext = 4.9 × 1038 erg s −1 𝜀𝑝 = 10−6 eV (240MHz)
Asano+ 2014(時間発展モデル)
電子スペクトル
光子スペクトル
𝐿 = 1.4 × 1043 erg s −1
𝑞 = 5/3
Γ = 15, 𝐵0 =
𝐾 = 1.3 × 10−2
𝑅0
𝑊′
′
16
=
= 10 cm, Δ𝑇𝑖𝑛𝑗 = 2
,
Γ
𝑐
7
𝑅
eV1/3 s −1 , 𝑁 = 9.8 × 1043
s −1
𝑅0
0.13G, 𝑊 ′
𝑅
𝑅0
−1
Hard Sphere
10
-2
3
'e2 n'(')
e [erg/cm ]
Mrk 421
-9
10
f() [erg/cm2/s]
Tramacere+ 2009
Abdo+ 2011
10
2.0
5.0
1.5
-4
10-10
10.0
3.0
15.0
10-11
20.0
10
-6
10-12
10-8
R/R0=1.01
10-13
10-10
107
108
109
1010
1011
1012
1013
'e [eV]
10-14
10-5
100
105
1010
 [eV]
𝑞=2
Γ = 15, 𝐵0 =
0.16G, 𝑊 ′
時間発展が本質的
𝑅0
𝑊′
′
16
=
= 10 cm, Δ𝑇𝑖𝑛𝑗 =
, 𝐾 = 3.7 × 10−6 s −1 , 𝑁 = 9.8 × 1046 s−1
Γ
𝑐
定常モデルの困難
Kakuwa+ 2015(定常放射領域モデル)
電子スペクトル
光子スペクトル
電子逃走が効き始める 冷却が効き始める
自己吸収
定常状態:
低エネルギー 注入=加速
中エネルギー 加速=逃走
高エネルギー 加速=冷却・逃走
観測スペクトルから、
電子の典型的エネルギー、総数、
磁場、Γは大体決まる。
定常モデルの微調整
冷却時間・加速時間・逃走時間の比はスペクトルから一意に決まってるモデル
電子の典型的エネルギー、総数、磁場、Γは大体決まる。
磁場で冷却時間はほぼ決まっているから、他の2つの時間スケールもほぼ決まる。
加速時間を固定したまま、逃走時間を短くしなくてはならない。
𝑡acc ∝ 𝛽𝑤−2 𝛿𝐵 −2 ,
2 𝛿𝐵 2
𝑡𝑒𝑠𝑐 ∝ 𝑅esc
乱流強度δB2を小さくすると、乱流速度をその分上げなくてはいけない。
しかし上限βW<~0.3がある。サイズRescを小さくせざるをえない。
3 とすると、光子密度が高すぎ、逆コンプトン成分が出すぎるので、
体積を𝑅𝑒𝑠𝑐
3 とせざるを得ない。
つぶれた形𝑉 = 𝑅02 𝑅esc ≫ 𝑅esc
高すぎるエネルギー輸送効率
体積が通常モデルよりも小さいので、電子の密度が高い。
加速時間や磁場はAsano+と同じくらいで、その結果乱流エネルギー密度は固定される。
だが、電子密度が高いので、エネルギー輸送効率を高くしなくてはいけない。
Damping time
乱流のエネルギー密度
エネルギー注入率
−1
カスケード時間で規格化
Asano+では𝑣W に制限もない。
乱流の波数
高エネルギー電子と相互作用
最近発見された激烈なFSRQのフレア
Hayashida+ 2015
フレアのスペクトル
非常にハード
二次加速モデルに
うってつけ。
Broken power-law
モデルのパラメータ
3C 279 Steady Model
まず定常放射モデルを作る。
10
2
1 'e
3
n'(')
e [erg/cm ]
10
(a)
(b)
100
10-9
2.0
10
Hayashida+2012
f() [erg/cm2/s]
-8
1.5
-1
3
10
SSC成分が放射半径を強く制限
2.5
1.1
10-2
-10
10-11
4
10-3
10-4 6
10
10-12
R/R0
=1.01
10
7
10
8
10
9
10
10
10
11
12
10
'e [eV]
10-13 -6
10
10-3
100
103
106
109
 [eV]
Flare Model
放射半径、ローレンツ因子などは同一と仮定
10
1
3
'e2 n'(')
e [erg/cm ]
10
-8
(a)
f() [erg/cm2/s]
(b)
2.0
100
3.5h
10-9
1.5
6.2h
1.8
20h
2.5
2h
3
10-1
11h
35h
10-10
1.1
10
4
-2
10-3
10-4 6
10
10-11
10-12
R/R0=1.01
10
7
10
8
10
9
10
10
10
11
12
10
'e [eV]
10-13 -6
10
10-3
100
103
106
109
 [eV]
Flare only animation
10-8
f() [erg/cm2/s]
6.2h
3.5h
11h
10-9
20h
2h
10-10
35h
10-11
10-12
10-13 -6
10
10-3
100
103
106
109
 [eV]
Lightcurve
Photon Flux [Phs/cm2/s] (>0.1GeV)
1.6
(10-5)
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
-3
0
3
6
9
12 15 18 21 24 27 30
tobs[hours]
Energy Density
Energy Density [erg/cm3]
101
U'UV
磁場が弱い。
U'e
100
U'
10-1
10-2
10-3
U'B
10-4
1
2
3
4
5
6 7 8 9 10
R/R0
磁場が非常に小さい。磁気リコネクションは考えにくい。
磁気圧によるジェットの加速
定常
𝐿𝐵 ∝ 1/𝑣
磁場エネルギーの減少→Kinetic Energyへの転換
に達すると加速は終了。
なぜなら誤差
は充分小さく
v=cとみなせる。
磁気散逸によるジェットの加速
リコネクションの時間スケール
加速するにつれ、時間スケールが伸びる。
理想MHDでは
だったが、散逸の効果をいれて、
(Drenkhahn 2002)
3C 279の場合
定常放射などから制限された半径やΓから
Γ∼
想定されている値に届かない
Variation
-1
10
3
'e2 n'(')
e [erg/cm ]
3C 279
2.0
2.5
3
10-2
1.8
4
1.5
-3
10
R/R0=1.1
10-4 6
10
108
1010
1012
1014
'e [eV]
Γを2倍、Rも4倍、拡散係数は一緒
まとめ
• 指数2の乱流加速モデルがベター
(加速時間がエネルギーに依らない)
• 定常電子分布も可能だが、時間発展(加速時間=動
的時間)の方が自然かもしれない
• 3C279は定常状態に比べて、主に磁場を下げるだけ
でフレアを再現
• Hardなスペクトル、光度曲線を共に説明
• 磁場が弱い:磁気リコネクションは棄却
• アルヴェン波ではなく、音波モード?⇒指数2と一致
?
• 小さな放射半径も磁場散逸によるジェット加速と矛
盾