平成22年12月133号 - 富山県総合教育センター

平成22年12月10日
第 1 3 3 号
魚津市教育センター
博物館活用のすすめ
魚津市教育委員会生涯学習・スポーツ課
課長 紙尾 昌志
魚津市東部の長引野台地上に位置する桜峠遺跡は、明治時代から石器や土器の出土地として知ら
れていました。昭和 35、36 年に発掘調査が行われ、地層の深い部分から富山県で最初の発見にな
かいてんおしがたもん ど き
る「回転押型文土器」が出土したことから、富山県の史跡に指定されています。押型文土器とは、
鉛筆のような丸い棒に模様を彫り、その棒を土器の表面で回転させて付けた模様を持つ土器で、そ
の土器の特徴から、今から約 6,000∼7,000 年前の縄文時代早期には、すでに魚津が人の生活の場
となっていたことが分かりました。当時の土器は、粘土をこね、野焼きして化学変化をおこし、固
くて丈夫な耐熱・耐水の器を作るという単純なものですが、土器によって縄文人の生活は大きく変
化が起こりました。土器のない時代の調理は、
「生で食べる」もしくは「焼く」ことでした。ところ
が、土器の出現により「煮る」ことができるようになり、当時の人の食べることができる植物が増
加しました。また、
「煮る」ことで食べ物が殺菌され、食中毒の防止につながります。さらに食べ物
の貯蔵期間の長期化も実現しました。桜峠遺跡の浅い地層からは、縄文時代中期の2棟の竪穴住居
跡とその内部には石囲い炉も見つかっています。当時は、現在よりも気候が暖かく、海水位も高く
なっていたので、沿岸の低い場所には、海が広がっていました。長引野台地には、シカやイノシシ、
ツキノワグマが棲む豊かな森や小川があり、安定した食べ物の得ることができる居住に適した場所
でもあるので桜峠遺跡全体では、かなり大きな集落で存在したことが推測されます。当時の魚津は、
縄文人にとっては、桜峠は生活のしやすい場所と思われます。
ところで、そんな縄文人の生活を体験したいと思いませんか?魚
津歴史民俗博物館では、毎年夏休みに小学生対象に「博物館教室」
まがたま
を開催しています。今年の「博物館教室」は「勾玉作りと火起こし
体験」と「土器作りと縄文クッキー作り」でした。
「勾玉作り」は、
神秘的な形と輝きをもつ古代のアクセサリーである勾玉を石を削っ
たり、穴を開けたりして作りました。
「火起こし体験」は木と木をす
(勾玉作りで石を削る参加者)
り合わせて昔ながらの方法で火を起こすもので、参加者は火の大切
さ、必要性を理解することができ、自分たちで、火が起こった体験
により、達成したという満足感を味わうことができます。また、
「土器作り」は、粘土をこねて、形
づくりをし、陰干しをして乾燥させ、最後に野焼きをして完成しま
す。野焼きが終わり、各自の土器が出てくる時の期待感は、格別で
す。また、トチの実やドングリを材料にした「縄文クッキー作り」
も同時開催し、試食をします。これらの教室では、縄文人の食生活
の体験を通して、参加者が環境保全の大切さや、働くことの大変さ
や喜びを実感し考える、自己探求心の促進につながると思います。
さらに近年、歴史民俗博物館では、小学校の授業とタイアップし、
(土器の野焼き)
博物館に収蔵する石器や土器、古い農具を小学校に持って行って活
用するアウトリーチ事業(出前講座)も展開しています。博物館には、さまざまな古い生活用具が
展示、保管されています。そのような収蔵品をただ保管するのではなく、いかに生かすかを考える
ことも博物館の学芸員の大切な仕事です。授業の中で、歴史や生活、自然などのアドバイスが必要
になりましたら、ぜひ、魚津の3つの博物館にお問い合わせください。ふるさと「魚津」を自慢で
きる子供たちが育つことのお手伝いを多少でもできればと思っております。
1
第 47回魚津市小・中学校科学展覧会
9月 25日(土)・26日(日)
会場:新川学びの森 天神山交流館
今年は、新川学びの森 天神山交流館で科学展覧会を開催しました。身近な生活の中からテーマを
設定し、子どもらしい発想で観察や実験を根気強く行い、力作ぞろいでした。(全出品数 125点)
○入賞作品
部門
作
品
名
学 校 名
学年
氏
名
賞
1
2
2
2
みんなのたいよう
さい強の紙ヘリコプターを作ろう
道下小学校
経田小学校
2
3
森内 芙紀
竹中 颯汰
県出品
県出品
3
4
2
2
野菜の観察・パート4
衝突と緩衝の研究
上野方小学校
東部中学校
6
2
道前 果歩
山口 春香
県出品
県出品
5
6
7
8
9
10
2
2
2
2
2
1
上野方小学校
片貝小学校
道下小学校
大町小学校
上野方小学校
吉島小学校
1
1
1
2
2
2
川村
徳本
松本
魚住
八幡
伊
悠珠
有里
息吹
奈萌
祐世
遼
市教委
市教委
市教委
市教委
市教委
市教委
11
2
片貝小学校
3
平川 瑠菜
市教委
12
13
14
15
2
2
2
2
ふしぎいっぱい あさがおのかんさつ
はなのいろみずしらべ
10 えんだまをピカピカにしよう!
わたしたちのちきゅうをまもろう②
赤ちゃんとあそぼう
ピタゴラそうち
太ようのねつで
エコシャワーを作ろう!!
ハムスターのかんさつパート2
だんご虫のうごきかた(パート3)
せんたく物のかわき方
ペットボトルで水てっぽうを作ろう
道下小学校
経田小学校
道下小学校
経田小学校
3
3
4
4
平澤
中松
沢野
大家
奏人
奨悟
桜雪
衣織
市教委
市教委
市教委
市教委
16
1
コロコロちりとり
西布施小学校
4
後藤 壮賢
市教委
17
2
水が動く実験 パート2
大町小学校
2
氷の実験
住吉小学校
19
20
21
22
23
24
25
26
2
2
2
2
2
2
2
2
うちわ大研究
私たちの地球を守ろう!!
すごいぞ新聞!新聞紙の効果の研究
カイワレダイコンの育ち方調べ
夢の永久機関システム
水性ペンの本当の色は
気化熱 打ち水効果を調べる PART2
果物電池の研究
経田小学校
大町小学校
大町小学校
経田小学校
西部中学校
東部中学校
西部中学校
西部中学校
戸島
高島
高島
中松
魚住
繰菅
経田
吉﨑
関口
木下
岡本
市教委
18
5
3
5
5
6
6
6
1
1
2
2
住吉小学校
上野方小学校
5
5
高崎 涼斗
矢口 大輔
岳史
良夢
翔希
萌々香
采希
沙耶
鈴旺
巧人
心優
宜紀
壮真
市教委
市教委
市教委
市教委
市教委
市教委
市教委
市教委
市教委
※県発明とくふう展
1
2
ラクラク缶つぶし
見よ!得意のウルトラC(猿回し)
2
魚津市長賞
奨励賞
○県出品作品の紹介
『みんなのたいよう』 道下小学校 2年 森内 芙紀
県科学展「研究努力賞」
外で遊ぶのが大すきなわたしは、明るい時間が長い夏が大すきです。でも長い間外にいるとひりひりしてきま
す。お日様のしわざなのかなあと思いました。そこで、いつもわたしたちを遠くから照らしている太陽について調べ
てみることにしました。いろいろな実けんをして、わたしは改めて太陽のすごさが分かりました。特に黒にたくさん熱
が集まり、それを利用してお料理もできることが分かりました。これからも太陽についてもっとくわしく調べてみたい
と思いました。
【寸評】
子どもらしい疑問から出発し、いろいろなアイディアで根気強く追究している研究になっています。太陽について、多く
の条件で実験し、いろいろな角度から結果が検討されています。継続観察や実験によって、すばらしい発見が生まれまし
たね。
『さい強の紙ヘリコプタ−を作ろう』 経田小学校 3年 竹中 颯汰
県科学展「研究努力賞」
ぼくは、さい強の紙ヘリコプターを作るために七つの実けんをしました。たくさんの実けんをして大へんだったけ
ど、やってみると楽しかったしさい強の紙ヘリコプターを作ることができてうれしかったです。とばしてみると、とても
はやく回りました。
今年研きゅうしたことを生かして、次は、かならずもどってくるブーメランを作ってみたいです。
【寸評】
最強のヘリコプターを作るために、多くの条件で実験し、くわしく調べてあります。形や羽の長さなど何通りもの検証がな
されている点がすばらしいです。ひとつのことについて、じっくりと取り組んだ研究となっています。
『野菜の観察パート・4』 上野方小学校 6年 道前 果歩
県科学展「研究努力賞」
観察の仕方を工夫しながら3年生から6年生までの4年間、野菜の観察をしてきました。毎日変化を調べて記録
することは根気のいることでしたが、野菜も生きているんだなあということが実感できたことや、がんばった成果が実
り、このような賞をいただけたことは、私にとって小学校生活の良い思い出になりました。「これって不思議!」という
気持ちを今後も大切にしていきたいと思います。
【寸評】
4年間にわたり、継続して観察し、発展させながら追究しているところが素晴らしいです。また、夏休みだけではなく、1
年を通して観察、実験を継続し丁寧に野帳に記録、整理してあります。記録のとり方、まとめ方も視覚的に工夫してあり、
研究の道筋が非常に分かりやすくなっています。
『衝突と緩衝の研究』 東部中学校 2年 山口 春香
県科学展「研究努力賞」
理科や数学の教科書には、「証明」や「法則」といった言葉が多く出てきます。これは、昔から多くの人が疑問に
対して解き明かしてきたものです。
何気なく理解している「証明」や「法則」、実際に自分で確かめてみることは大変です。今回の研究でも目的・仮
説・条件・実験方法・考察・結論と進めていく中で、いろいろな問題が出てきました。しかし、科学の研究を進めるこ
とで、問題にぶつかってもそれを乗り越えようとするあきらめない心が大切だと感じました。そして、研究を通して自
分自身を大きく成長させてくれました。
【寸評】
「速さ」を「高さ」に置き換えて実験装置を工夫するなど、条件を整え、丁寧に実験を行うことができています。また、条件
から与えられる効果を読み取り、しっかりと考察を加えている点がすばらしいです。
3
第 63回魚津市少年少女自作童話大会
10 月4日(月)
会場:経田小学校
体育館
童話の創作活動を通して表現能力・理解能力などの向上に努め、童話への関心
を深めるとともに、児童の創造性の育成を図ることを目的として、今年も、市少
年少女自作童話大会が経田小学校の体育館で開催されました。
出場資格は市内の4∼6年生ですが、今年度は7つの小学校の5・6年生7名
が参加しました。
どの参加児童も、練習の成果を十分発揮し、表現力豊かに堂々と発表すること
ができました。
○出場者(発表順)
発表順
学校名
学年
氏
名
演
題
1
本江小学校
6
弥生 一志
おばあちゃんパワー
2
村木小学校
6
住田
自然のねがい
3
道下小学校
5
早川 京佑
まさとと不思議な水晶
4
経田小学校
5
浦田 真希
カースケの見守り隊
5
西布施小学校
5
谷﨑 健吾
強くなりたいぼく
6
坪野小学校
6
清河 壮太
メリメリ星人クックとネコのロン
7
上中島小学校
5
河口 拓磨
研太の大発見
最優秀賞
萌
西布施小学校 5年 谷﨑 健吾さん
第63回 魚津市少年少女自作童話大会に参加して
西布施小学校 5年 谷﨑 健吾
人前で話すのが苦手で最初は無理だと思っていたぼく
に、「絶対応えんに行くからがんばれ。」と友達がはげまし
てくれました。大会に向けて、家でも学校でもたくさん練
習しました。本番では、練習の時よりも大きな声で発表で
きました。最優秀賞にぼくの名前がよばれたときは信じら
れなかったけど、とてもうれしかったです。大会に参加し
たことで自分に自信がもて、とてもよい経験ができました。
4
<最優秀賞>
『強くなりたいぼく』
西布施小学校 5年 谷﨑 健吾
ぼくの 名前はツヨシ。先月、となり町から転校してきた。新しい学校では、なかなか友達が作れない。休み時
間は、いつも一人だった。
その上クラスのいじめっ子のげん太としん一、まさるにいじめられて、くやしい思いをしていた。
そんなぼくにも、いやなことをわすれられる大好きな場所があった。近所にある動物園だ。そこには、ぼくのお
じさんが飼育員として働いていた。そこでぼくは、毎日おじさんのお手伝いをさせてもらった。うさぎや鳥にえさ
をあげたり、小屋をそうじしたりすることで、学校であったいやなことが忘れられた。
中でも一番大好きなのは、百じゅうの王ライオンだ。なぜなら、強いから・・・。いつもいじめられているぼく
には、ライオンがうらやましかった。ぼくも、ライオンみたいに強くなりたかった。
「どうしたら君みたいに強くなれるんだろう。
」
ぼくがたずねても、ライオンは答えてくれない。今日もライオンのおりの前でたずねてみた。すると、
「君は、どうして強くなりたいの。
」
ぼくは、あたりを見回した。でも、だれもいない。そこにいるのは、ぼくとライオンだけ。
ぼくは、おどろいた。でも、それ以上にうれしかった。
「どうしてしゃべれるの?」
ライオンは、ぼくの目をじっと見つめて言った。
「君とぼくは、友だちだから・・・。
」
次の日の朝、目が覚めると様子がおかしかった。おそるおそる鏡をのぞくと・・・。そこには百じゅうの王、ラ
イオンがいた。おどろいたぼくは、家のまどから外に飛びおりた。そして、だれにも見つからないように、近く
の林にかくれた。そこで、これからどうしようか考えた。
「そうだ。ぼくをいじめた三人の所へ行っておどろかせてやるんだ。
」
ぼくは、学校の近くの公園で、三人をまちぶせた。
「ガオー!」
三人とも、ぼくの顔をみたとたん、
「うわー、助けてー!」
と、泣きながらにげて行った。三人のにげるすがたを見て、ぼくはすっきりした気持ちになった。
たてがみをなびかせ、自信満々に道を歩いていると、
「ピーポー、ピーポー。
」
パトカーの音が聞こえてきた。あっという間に、ぼくは警察官に囲まれた。そして、ますいじゅうでうたれ、ね
むらされてしまった。
目が覚めると、動物園のおりの中だった。そこにいたのは、あの、ぼくのことを友達だと言ってくれたライオン
だった。ぼくは、ライオンにきのういじめっ子たちをおどろかせて、いい気味だったことを話した。彼は、ぼくの
話を目をとじながら聞いていた。しばらくだまっていたが、やがて静かに話し始めた。
「わたしは昔、ジャングルでたくさんの仲間とくらしていた。そこで、いろいろな動物と戦い、王様とよばれるよ
うになった。でも、ある日人間につかまって、動物園に連れてこられた。仲間もいなくなり、おりの中でこどく
だった。そんなときに、君が毎日やって来て、わたしに話しかけてくれるようになったんだ。おかげで、こどく
な毎日から救われたんだよ。動物園で過ごすようになって分かったことがある。それは、一人じゃなにもできな
いっていうことだ。確かにライオンは強いかもしれない。でも、仲間がいてこその百じゅうの王だ。人を驚かせ
て喜ぶのは、本当の強さじゃない。仲間を守って大切にすること。それが本当の強さだとわたしは思うよ。
」
ぼくは、ライオンの話を聞いて、はっとした。三人に心からあやまりたいと思った。そして、自分から友だちを
作る強さをもとうと思った。
気がつくと朝だった。ぼくは、自分の部屋にいた。
「夢だったのか・・・。
」
でも、左手には、ライオンのたてがみがしっかりとにぎられていた。
「やっぱり、あれは本当のことだったんだ。
」
今日からライオンの言葉をむねにしまって学校へ行こう。そして、自分からみんなに話しかけてみるんだ。たて
がみをお守りに・・・。
5
中学校教育課程研究大会(魚津地区)を終えて
【英語部会 】
魚津市立東部中学校
長谷川久枝
魚津市立東部中学校において、佐藤宏樹教諭による2学年英語科の研究授業が行わ
れ た 。 DVD を 用 い て 接 続 詞 because を 導 入 し 、 カ ー ド で 接 続 詞 の 語 順 に 慣 れ さ せ 、
接続詞を用いて友達の好きなものとその理由を発表させるという展開であった。学年
の 先 生 方 が 登 場 し た DVD を 使 っ た 導 入 で は 、 生 徒 た ち が 先 生 方 の 言 葉 に 耳 を 澄 ま せ
て理解しようとしたり、先生方の英語に感心したりする姿が見られ、学習に対する意
欲を効果的に高めていた。また、カードの並べ替えゲームでは、班で協力し合って意
味を考えながら活動し、接続詞の語順を楽しく学んでいた。友だちに好きなものを聞
く 場 面 で は 、そ の 理 由 を「 伝 え た い 」
「 知 り た い 」と い う 思 い が 互 い に あ り 、助 け 合 い
ながら一生懸命活動していた。全体を
通してテンポがよく、先生の元気な英
語での指示に生徒がしっかり反応して
いた。東部教育事務所中坪正美主任指
導主事先生からは、文法中心ではなく
価値ある意味内容に目を向けた課題設
定になっていたこと、感動のある導入
であったこと、生徒の「知りたい」や
「気づき」を大切にした構成であった
ことが大変よかったと講評をいただい
た。また、部会協議では、今回の授業でも気になった「発表時の声の小ささ」につい
て他の先生方も悩みを共有しておられ、話し合いを深めた。多くの参考になる意見が
出され、有意義な大会となった。
【国語部会 】
魚津市立西部中学校
幾島
友也
西部中学校の藤田美希教諭が、
「 基 礎 的・基 本 的 な 知 識 及 び 技 能 を 活 用 し て 、主 体 的
に 課 題 を 解 決 し て い く 生 徒 を 育 て る 指 導 は ど う あ れ ば よ い か 」と い う 研 究 主 題 の も と 、
2年生の教室で、教材「盆土産」を用いた研究授業を行った。
授 業 は 、 出 稼 ぎ 先 へ と 戻 る 父 親 が 別 れ の 場 面 で 主 人 公 に 言 っ た 、「 わ か っ て ら ぁ に 、
また買ってくるすけ…」という言葉に込められた父の心情について話し合わせるとい
うものであった。研究主題解明のために、叙述に着目させて心情や人柄を読み取らせ
ることを目的としたワークシートの工夫や、意見がなかなか出にくい学級の実態に即
6
し、グループから全体での意見交流へと学習形態を転換させるなどといった工夫を取
り入れながら授業は進められた。藤田教諭は事前に生徒のワークシートを見て個々の
読み取りを十分にチェックし、特に全体の話し合いの場では、意図的指名を織り交ぜ
ながら、没していきやすい個の意見
もよく拾い上げていた。
授業後の協議においては、読解の
基本である「叙述に着目する態度の
育成」および「話し合いにおける話
題を焦点化させるための工夫」に関
する意見や指導助言が多くあり、参
加者にとって非常に実りあるものと
なった。
【美術部会 】
魚津市立東部中学校
寺崎
ひろみ
職員玄関や廊下、校内の各所に展示されているたくさんの卒業制作作品。東部中学
校の校舎を飾るこの取り組みも、今年度で15年目を迎えます。
「ともにつくる思い出」は、共同での造形活動を通じて、一人一人の思いや考えを
集結し、学年や学級の仲間とかかわり合う中から、表現することのよさや大切さを学
んだり実感したりすることのできる題材です。最初はバラバラな一人一人の発想から
全体構想に練り上げるための話し合い、協力するための段取りの工夫等、多くの過程
を踏み、いろいろな人の協力によって
できあがる大切な思い出となります。
今回の研究授業では、生徒一人一人
がテーマに基づいて色や形などを工夫
して表現したいことを、友達やグルー
プ、学級に伝えるといった学び合い高
め合う活動に重点を置きました。生徒
からは、先輩の作品を越えた自分たち
の学年らしいものにしたいという強い
思いやエネルギーが感じられました。
今後、219名の力が一つとなってで
きあがった作品が、卒業を控えた生徒たちの瞳に感動となって映る日を楽しみにしな
がらも、これからの授業を綿密に計画し取り組んでいくことの大切さを改めて実感し
ました。
7
「県東部小学校教育課程研究集会生活科部会(初年度)」を終えて
魚津市立住吉小学校
本校は、県小学校教育研究会生活科の研究推進校の指定を受け、研究主題を「自分の思いや願
いをもち、身近な人々、社会及び自然に主体的にかかわり、生活を豊かにする子どもの育成」と
し、次の2つの研究の視点から実践に取り組みました。
1 子どもが主体的に学んでいくための指導計画や単元構想の在り方
自分の思いや願いを膨らませながら対象にかかわることができるように、子どもたちが魅力
的と感じる単元や出会い、単元構想を工夫しました。その際、地域の特徴やよさ、教育資源を
生かした単元構想や2年間を見通した指導計画を工夫し、子どもたちが地域とともに豊かに学
ぶことができるようにしました。その中で、様々な気付きをして「分かった」
「できた」
「楽し
い」といった満足感や成就感を味わい、さらに自分自身の願いを広め、対象に積極的に働きか
けようとする子どもを育てたいと考えました。
2 子どもの気付きの質を高めるための教師の支援
自分の思いや願いを実現させるまでの過程で、子どもたちは試行錯誤を繰り返します。問題
点の解決に向けて自らの気付きを振り返り、友達とのかかわりを通して気付きのよさや可能性
を認識し、次の活動や体験に生かそうとします。このような積み重ねを行い気付きの質を高め
ていくことによって、自分の思いや願いの実現へつながるようにしたいと考えました。そのた
めに、教師が子どもの活動や考えの背景を探りながら一人一人に応じた支援をしたり、子ども
たちが気付きを共有し高め合う場の支援を工夫したりしていきたいと考えました。
県東部小学校教育課程研究集会では、2つの公開授業を行いました。
<1年 すみよし わくわく あそびたい ― スキー山○○ランドでつくってあそびたい ―>
子どもたちの大好きなスキー山という自然環境の中で、四季を通
して繰り返し遊びを工夫していけるように、1年を見通した年間計
画を立てたことによって、主体的でダイナミックな活動を展開する
ことができました。
友達やグループの遊びの工夫を自分の遊びの工夫と比べること
で共通点や相違点に気づくことができました。また、何度も繰り返
して遊ぶことでどうしてだろうという疑問が生まれ、試すことによ
って、安全や仲良しにかかわるきまりを考えることができました。
話し合いでは、自分の思いを言葉にしたり、実際に遊びの様子を見せたりしたことによって、共
感したり、教え合ったり、満足したりすることができました。一方、うまく言葉に表現できない子
どももいるため、自己評価シールの背景にある思いを汲み取り、大切にする必要があることが課題
として残りました。
<2年 すみよしキラキラたんけんたいパート2
― はっ見、水ぞくかんではたらくキラキラさん ―>
地域にある水族館を取り上げ、探検を通して人と主体的にかかわ
り、働く人や地域のよさに気づく単元構想を展開しました。子ども
たちは、繰り返し飼育員とかかわり、多様な気付きを共感し合うこ
とができました。
本時の話し合いでは、飼育員のよさを多様にとらえ、自分なりの
言葉で発言することができました。切り返しの発問やグループ活動によって気付きを広め、次の探
検への見通しをもつことができました。また、見たことや体験したことを友達に広めたり深めたり
するために、ビデオや写真を提示したり、具体物を使った追体験を取り入れたりすることによって、
話し合いを焦点化することができました。
1時間の授業の中で、活動と話し合いの時間をバランスよく取り入れるために、活動の内容や形
態を工夫したり、子どもの実態を把握し、どのグループにどうかかわりどう支援するかを考慮した
りする必要があることが課題として残りました。
研究集会では、指導助言の先生方、会員の皆様から貴重な指導や意見をいただきました。また、
富山大学人間発達科学部教授松本謙一先生には、研究当初から研究構想や単元構想について指導し
ていただきました。解明された研究の成果や課題をふまえて今後も研究を進めていきたいと考えて
います。
8
<わが校の取り組み>
地域と共に育てる
魚津市立村木小学校
校区は、市の商店街の中心部に位置し、また、寺社や商業、漁業等にちなむ遺跡や伝統文化が数多
く残っている。保護者や地域の人々は、学校教育への理解が深く大変協力的であり、教育支援のため
のボランティア活動も盛んである。
「たてもん祭り」
「蝶六踊り」
「鴨川」等、地域の素材を教材に取り
上げ、地域の人々の協力を得て地域を知る学習を積極的に展開している。
【鴨川清掃】
鴨川清掃は、住民有志で結成する「鴨川にもサケを呼ぶ会」
と共に行っている。村木小が活動に参加するようになって1
4年目になるが、現在は、高学年を中心に月に一度参加して
おり、6年生は、
「総合的な学習」と関連付けて行っている。
掃除をしていると、水の量やごみの量、水中生物、周りの草
の様子など、川が変化していることが分かる。子どもたちの
地域を知る活動の大きな部分を占めている。
【蝶六踊り】
蝶六踊りは村木地区が発祥の地とされ、本校では3年生以
上が、毎年、6月から授業の一環として蝶六踊りを練習して
いる。また、夏休みを利用して8月上旬に行われる蝶六街流
しの練習を行い参加している。郷土芸能を体得すると同時
に、自分たちの生まれ育った地域の理解に役立っている。
【たてもん祭り】
たてもん保存会の協力を得て、国の重要無形民俗文化財で
もある「たてもん祭り」に諏訪町の児童だけでなく、高学年
を中心として参加している。たてもんの灯を守るために、昨
今は、全市の小学校にも参加を呼びかけている。
【魚津神社の祭礼】
校区にある魚津神社の祭礼の際、6年生が中心となり、中
央通り商店街にゴミ箱を設置したり、新聞紙でエコバックを
作ったりして広く市民にゴミのポイ捨てをしないよう呼び
かける活動を行っている。鴨川清掃と合わせて、ふるさとを
大事にする活動となっている。
上記の活動の他に、地区のお年寄りとのふれあい交流を行っている。4年生は「もみじ集会」の際
に、お年寄りに歌や合奏演奏の発表をしたり、焼いたさつまいもを手作りのしおりと一緒にプレゼン
トしたりしながら交流を行っている。交流タイムでは、一緒にジャンケンや指相撲をしたり、昔の話
を聞いたりしながら互いに交流を楽しんでいる。
公民館の行事に「友遊の集い」があり、2年生が参加している。お年寄りと一緒に楽しむために、
自分たちで考え、準備したゲーム(ジャンケン列車、輪投げ、魚つり、ボール投げ等)をしながら交
流を行っている。
また、土曜日の活動として、年に何回かの緑化活動がある。村木地区を花でいっぱいにしようと、
毎回、土づくりや苗植え、苗の植え替えなどにたくさんの児童が参加している。
地域の伝統や地域の方々の学校に寄せる思いにも支えられ、子どもたちは、素直に元気に育ってい
る。
9
<初任者の感想・抱負>
成長するために
魚津市立西部中学校
森川 康裕
魚津市立西部中学校に新任教諭として赴任し、数ヶ月が過ぎました。毎日が楽しく、充実している
ため「あっ」という間のような感じがします。初めの頃は、どう行動していいのかわからず、多くの
先生方に迷惑をかけました。その度に、丁寧に指導してくださった先生方に感謝しています。そして
また、様々な経験をさせて頂きました。もちろん失敗の方が多いのですが、一生記憶に残る出来事も
経験することができました。
その一つが、北日本新聞NIEの『クラスが選ぶ5
大ニュース』です。6月にその話を聞き、私のクラス
で授業を行うことになりました。初任の私にうまくで
きるかどうか不安でしたが、経験しないことには自分
の成長はないと思い、がんばろうと決めました。まず、
新聞の読み方を生徒に指導し、気になる記事をグルー
プごとに選び、それを、クラスでまとめる授業を公開
しました。生徒はみんながんばって様々な意見を発表
し、活発な話し合い活動が行われました。私の想像以
上に生徒が成長していたことがとてもうれしかったです。中学生の成長は早いということを実感し、
私も負けずに成長しないといけないと感じました。この記事が北日本こども新聞に掲載され、保護者
の方々にも大変喜んでいただきました。私にも、生徒にも大変心に残る授業が出来たと思います。
ただ、失敗から学んだ大きな課題も2つあります。
一つ目は、授業に関することです。年度当初に比べ、見通しをもって授業に臨めるようになってき
ました。しかし、実際に授業をしてみると、自分が準備していた以上のことが度々起こります。とい
うことは、自分の準備がまだまだ不足していることになります。どんな展開になるかの予測が不十分
だと痛感させられました。生徒がどんな発言をするのか事前にしっかり考えて、授業に臨みたいと思
います。
二つ目は生活・勤務に関することです。仕事の量に圧倒され、目の前
のことに一つずつ対処していくことしかできていません。そして、大切
な仕事が遅れてしまうこともありました。やらなくてはいけない仕事を
書き出しながら行っているのですが、今後は、その仕事に優先順位をつ
けて取り組むようにしたいです。まだまだ、優先すべき仕事がよくわか
らないということもあるのですが、学年の先生方に相談しながら取り組
んでいきたいと思います。
もうすぐ、教員になって1年が経ちます。そして4月にはまた新規採
用の教員が入ってきて、先輩となります。まだまだ力不足ですが、日々
考えて仕事をし、成長していきたいと思います。そして、私が今年教えていただいたことを、来年度
の新規採用の教員に伝え、見本となれればいいなと思っています。今後ともよろしくお願いします。
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<初任者の感想・抱負>
多くの人に支えられて
魚津市立道下小学校
3年2組担任 宮本 明佳
道下小学校に来て半年以上が経ち、もう2学期もラストスパートに入っています。今までを振り返ってみ
ると、本当にたくさんの方々に支えられてここまで来たのだという感じがします。
初めての校内研の日、私は算数科「三角形を調べよう」の授業を見ていただくことになりました。そこで
深く感じたことが二つあります。一つ目は、子どもたちに日々支えられて学校生活を送っているのだという
ことです。授業の際、第一発言者として考えていた子が、当日の朝になって「先生、やっぱりたくさんの先
生が来られるから、発表するの恥ずかしいよ。
」と言って来ました。正直、困りましたが無理をさせてはなら
ないという思いもあり、自分自身が戸惑ってしまいました。しかし、後になって「先生、どんなふうに発表
したらいいかな。
」と聞いてきたので、発表の仕方についてアドバイスしました。すると、授業の際に小さな
声ではありますが、自分の考えを発表することができたのです。たくさんの先生方が見ておられる中で発表
するのは、その子にとってはとても緊張することだったと思いますが、授業を支えるために勇気を出して頑
張ってくれたのだと思います。他にも、
「先生は道下小学校に来たばかりだから、音楽室の場所を教えてあげ
るね。
」と優しく接してくれたり「先生、一緒に遊ぼうよ!」と元気よく誘ってくれたり、
「先生に作ったん
だよ。見て見て!」と自分の工作を嬉しそうに見せてくれたりと、子どもたちのよい面を見つけるたびに、
自分はこんなに多くの子どもに支えられて初めて楽しく学校生活を送ることができているのだと実感します。
それと同時に、この子どもたちと共に勉強したい、多くのことを楽しく学んでもらいたいという思いが強く
なっていきました。休み時間や授業中、子どもたちと一緒に過ごすことが、日々頑張っていくことができる
糧となっているのだと感じます。
二つ目は、周囲の先生方の温かさです。校内研の何カ月も前から前日まで、授業のために指導案を見てく
ださったり、多くのアドバイスをしてくださったりした指導教員の先生をはじめ、校内の先生方に教材につ
いて、板書や発問の仕方など、多くのことを教えていただきました。また、授業の前には「緊張するけど、
頑張って。
」
「きっと大丈夫だよ。
」という励ましの声もたくさんいただきました。自分を支えてくださるこん
なに素敵な先生方と一緒に働けることを、とても嬉しく感じました。また、自分も学校のために役立つこと
をしたいという思いも、このときから強くなりました。まだまだ未熟ではありますが、これからは学校のた
めに何かできることはないかを自分で考え、周りの先生方に相談しながら進んで行動していこうと思いまし
た。
私は、憧れだった教師という仕事に就き、周りには自分のことを「先生!」と明るく呼んでくれる子ども
たち、学級指導や生徒指導について相談にのってくださる先生方、また、家に帰ったらいつも「お帰り。
」と
声をかけてくれる家族、つらいときに話を聞いてくれる友達がいて、本当に幸せだと思います。とてもたく
さんの人に支えられ、初めて仕事ができるのだと改めて思いま
す。
3学期は、子どもたちにとっても、私にとっても、大切な学
習のまとめの時期であり、4年生への階段を少しずつ登ってい
くときでもあります。感謝の気持ちを忘れず、しっかりと子ど
もたちと向き合い、一人一人との関係をよりよいものにできる
よう全力でいろいろな行事や日々の授業に取り組んでいきたい
と思います。
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<初任者の感想・抱負>
人とのかかわりを大切に
魚津市立松倉小学校
養護教諭 大海寺 恵
4月から松倉小学校に勤務し、もう半年以上がたちました。学校に養護教諭が一人しかいないこと
もあり、特に最初の一か月は何をしてよいかわからず、一日一日が長く感じられました。しかし、最
近は思っていた通りに仕事が進められず、一日の勤務があっという間に終わってしまいます。新しい
ことをする度に悩んで仕事が滞ってしまいますが、そんなときには校内の先生方や他校の養護教諭の
先生方に相談し、いつも助けてもらっています。学校保健委員会や就学時健康診断といった養護教諭
にとって大きな行事も校内の先生方の協力を得て、なんとか終えることができました。しかし、1 年
たってみないと見通しがもてないことも多々あります。2学期は特に学校行事が多いので、一つ一つ
の行事の中で自分の役割を認識し、行事と行事の合間
に目についての保健指導や生活チェックカードの集
計・評価をしながら、なんとか子どもたちに健康の大
切さを少しでも伝えていこうという気持ちで取り組ん
でいます。これらのことを実際に経験した後で、自分
で反省したり、先生方にアドバイスをいただいたり、
ときには子どもたちに教えられたりして気づいたこと
がたくさんありました。前回より少しでも良くなるよ
うに反省を生かして計画を立てていきたいと思います。
また、新採研や小教研では、同期や先輩の養護教諭の方と情報を共有し、よりよい保健室経営を行
うための知識を互いに高め合うことができました。研修の機会は本当にありがたく、これからの教員
生活にとって励みになることや、今すぐ学校で実践したいことなどいろいろ知ることができます。こ
れからも積極的に参加していきたいです。
今勤めている松倉小学校は小規模校ですが、54 人の子どもたちは一人一人個性豊かで、まだまだ子
どもたち全員のことを理解できていません。私が中学生のとき、保健室に行ったのは 1 回だけでした
が、その時の養護教諭が私の気持ちを即座に理解し、温かい声掛けをしてくださったのを覚えていま
す。私も相手のことをよく理解し、気軽に話しかけられる、そんな養護教諭を目指しています。保健
室来室者は一日に 2、3 人と少ないですが、だからこそ日常の生活の中で子どもとかかわる時間を大切
にし、相手のことをより深く理解したり、日々の保健指導につなげたりしていこうと思います。
これからの抱負としては、もっと周りを見て、学校内、あるいは子どもや保護者の方と共に行動す
ることです。また、最近では気軽に相談できる先生方とのネットワークも広がり、本当に心強く感じ
ています。新採研で何度も説明していただいた、ネットワーク・フットワーク・チームワークの大切
さを早くも実感してきました。まだ不安なこともありますが、一人で抱え込まず、失敗を恐れずに、
一人前の養護教諭として成長していきたいと思います。
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<内地留学報告>
内地留学を終えて
魚津市立本江小学校
松原 仁美
本年度5月より3か月間、上越教育大学への内地留学の機会を与えていただき、
「児童の道徳
性をはぐくみ健全育成を目指す開発的な生徒指導の在り方」について研修をしました。
たくさんの講義を聴き、研修会に参加させていただいたり文献で生徒指導の理論や方法について
調べたりする中で、
「心の教育」と学級活動の充実により児童一人一人の自尊感情、規範意識、人間
関係力を高めること、学習指導と生徒指導のプラスの循環により個を育て集団の質を高めること、
校内の生徒指導体制の確立により組織的な生徒指導を進めることなど、たくさんのことを学ばせて
いただきました。個を生かす生徒指導を進めるには、教師自身が自分の児童認知の傾向を理解し、
肯定的視点から児童理解が行えるように自己変革することが望まれます。一人一人の子どもを大切
にして指導するとはどういうことなのか、研修を通して、今までの自分の指導や取り組みを振り返
ることができました。
キャリア教育の講義でお世話になった白木みどり先生は、ご自身の著書の中で、
「学校や学級の集
団は、社会の縮図である。その小社会の中で起こり得る様々な出来事を子どもたちが解決できるよ
うに導く知恵と工夫が教師には求められる。児童一人一人の個性・能力・適正、個々が抱える問題
を把握し支援に当たらなければならない。」と述べていらっしゃいます。学校や学級は児童にとって
のびのびと安心して過ごせる楽しい場でなければなりま
せん。どのような学校にしたいのか、どのような学級を
つくりたいのか、教師自身がしっかりとした方向性をも
ち、学校における子どもの生活環境と指導体制を整える
ことが大切であることを強く感じました。
また、研修を通して多くの方々と出会い、支えていた
だいた3か月間でもありました。指導教官の林泰成先生
は、いくつもの役職や仕事をお持ちでたいへんお忙しい
ご様子でしたが、どんなときも快く時間をつくってくだ
さり、丁寧にご指導くださいました。講義でお世話にな
った先生方も、
「いつでも研究室へいらしてください。」と声をかけてくださり、大切な文献や資料
を貸してくださいました。いろいろな地域から研修に来ていらっしゃる現職の先生方や教員を目指
して熱心に勉強している学生さんからの「松原さん、研修は進んでいますか。」
「がんばってくださ
い」の言葉に励まされ、
「自分もがんばらなければ」とたくさんの刺激をもらいました。
人は、自分を温かく見守ってくれる人がそばにいることで心が安らぎます。自分のことを理解し
てくれる人がいると優しくなれます。自分の個性やよさを認めてもらうと頑張る意欲がわいてきま
す。学んだことも多くありましたが、それ以上にたくさんの課題が見つかった3か月であったと感
じています。学んだ理論を現場で実践しながらさらに研修を積み、子どもがもつ無限の可能性をし
っかり伸ばすことのできる教師、信頼される教師、子どもにとって太陽のような温かい教師を目指
して努力したいと思います。
最後になりましたが、このような貴重な研修の機会を与えてくださいました長島潔教育長はじめ
魚津市教育委員会、関係各位に厚くお礼申し上げます。また、快く研修に送り出してくださった本
江小学校井口勝義校長をはじめ職員の方々に心より感謝申し上げます。
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