自 己 の 発 意 に 基 づ く調 査 (1) (前年度繰越分) 対象機関 調査の趣旨 健康福祉部保育課(H21 年度は、市民生活部子育て支援課) 古城保育園の園庭の一部が職員の駐車場なっているのは、本末転倒で園 児の遊び場に戻すべきとの市民の声が、平成 19 年、20 年の 2 度にわたっ て寄せられました。 古城保育園だけの問題なのか、他にも類似の問題があるのか調査するも のです。 調査の結果 下記のとおり、意見の表明をします。 意 見 の 表 明 【対象機関】 健康福祉部保育課(H21 年度は、市民生活部子育て支援課) 1 意見の要旨 当該保育園の責任者は、園児の保護者らが多数集まる機会に、自家用車の駐車に対し て苦情があったことを説明するとともに、保育園立地等の状況を説明して、近い将来に どこまで改善できるか、又はできないのかを伝えて、保護者らの理解を得るように努め ることが望まれる。 2 事実関係の概要 ⑴ 調査のきっかけ 本件は、市立古城保育園の園庭に、職員の通勤用の自家用車が駐車していることに 対して、市民の声に匿名の投書があったことをきっかけにして、発意による調査を遂 げた。事実関係の大部分は、保育園を所管する保育課(旧子育て支援課)から提供さ れた資料及び聴取りの結果である。 ⑵ 園庭駐車の現況 園庭に自家用車が駐車しているのは、古城保育園の他、北本町、有田、有間川各保 育園の計 4 か所であり、更に、中央保育園は駐車スペースさえなく、職員の自家用車 は保育園外の民間駐車場に駐車している。 ⑶ 自家用車及び駐車スペース必要性増加の原因 職員数の増加に尽きる。 園児の定員はあまり増加していないのに、職員数は平成 15 年と現在を比較しても - 30 - 50%以上増加した。その原因は延長保育、障害児保育等が加わったことにある。更 に、各保育園で、職員数とほぼ同数の駐車場又は駐車スペースがある。自家用車以外 の通勤をする職員はいないことになる。 ⑷ 当局の便宜供与の必要性 保育園に限らず、地方自治体に属する職員の通勤用自動車について、自治体当局が 駐車用のスペースを確保するなどの方法で便宜を供与すべき根拠は見当たらない。上 越市保育課としても、法的根拠があるとは考えていない。なお、上記各保育園で、保 育園内の駐車スペースでは足りずに、保育園外の駐車場を借りた場合に、その費用は 職員の負担となる。 ⑸ 類似施設の状況 上越市立の各小・中学校では、校庭を駐車スペースとしている例はない。 (教育委員 会事務局への照会) 3 解決の方策 ⑴ 市立保育園の園庭に職員の自家用車を駐車させるべきでない。との主張が正しいか 否かはさておき、現状を改めようとすれば、駐車場のために保育園敷地を拡張するか、 自家用車を減らすしか方法がない。 ⑵ 敷地の拡張について、古城保育園は周辺の状況から困難である。有間川保育園は 5 月 18 日に見分したが、傾斜地の中腹にある施設で極めて困難である。北本町保育園は 園庭に隣接して空地があるが、道路計画があるので取得できない。 ⑶ 自家用車の削減について、職員の転勤等の方法は個別の事情もあり、大規模に実行 するめどは立たない。なお、台数そのものの削減ではなく、古城保育園で従来園庭に 駐車していた分を保育園外の場所を確保して移転させる方法が検討されている。早期 の実現が期待される。 4 意見の理由 ⑴ 保育園の園庭に職員の自家用車が恒常的に駐車しているのは好ましくない。 この見方は保育園児の保護者らを含めて、多くの市民の同感を得られると思われ る。しかし、本件調査が発意によるもので、匿名の投書から始まったことから、感じ が悪いとの思いがどこまで広まるかは明らかではない。更に感覚的な問題を超えて、 園児らにどれだけ現実の不便があるのかは、十分に検証できなかった。 ⑵ 現状を改めるとしても、容易ではないことは上記のとおりである。強引に進めよう とすれば、人事、予算の問題にぶつかる。第三者機関にすぎないオンブズパーソンに は、人事、予算に関わる問題に介入する権限はない。そこで、園庭での駐車によって 生じる問題のうち、少なくとも保護者らの感情を少しでも和らげる方向で、改善に努 めるのが相当であると判断し、頭書のとおり意見を表明した。 - 31 - 市の改善状況 【状 況】 公共用地や民間の空き地を職員用駐車場として利用できないか検討したが、距離の問題や職 員の個人的負担の増などがあり、早急な実現は難しい状況である。近日中に保護者が集まる機 会があることから、現状を説明し理解を得たいと考えている。 【運用の改善及び今後の予定】 保育園周辺に職員用駐車場として利用できる公共用地が少なく、早急な改善は困難な状況で ある。 7 月 28 日(水)に古城保育園でみこし祭りが行われ、多くの保護者が保育園に集まる予定 であるため、その際に園長から、園庭に職員の自家用車を駐車していることに対して苦情があ ったこと、保育園の立地条件等からやむを得ず停めていること、日常の保育に支障はなく国の 基準は満たしていること等を伝え、保護者の理解を得たいと考えている。 また、引き続き改善に向けた検討を行うとともに、今後の施設整備にあたっては必要な駐車 スペースを確保するなど、抜本的な解決を図りたいと考えている。 - 32 -
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