28SH-am05 脂肪組織における膜結合型カルシウム非依存性ホスホリパーゼ A2(iPLA2γ) の解析 1 1 2 ◯依田 恵美子 1 , 鉢須 桂子 1 , 武富 芳隆 1,2 , 原 俊太郎( 昭和大薬, 都臨床研) 【目的】本研究では、脂肪組織における膜結合型Ca2+非依存性ホスホリ パーゼA 2 (iPLA 2 γ) の機能を明らかとするために、iPLA 2 γ遺伝子欠損(KO) マウス及びKOマウス胎児由来線維芽細胞(MEF)を用いて解析を行った。 【方法・結果】①WTおよびKOマウスの表現型を解析した結果、KOは WTに比べ低体重を示した。また、病理学的解析の結果、褐色、白色組 織におけるKOの脂肪細胞はWTのものと比べて小さかった。血清中の中 性脂質、総コレステロール、遊離脂肪酸量を測定した結果、KOマウス では中性脂質量が有意に低値を示し、総コレステロール、遊離脂肪酸量 は低下傾向を示した。④WTならびにKOマウスよりMEFを調製し、脂肪 細胞分化誘導剤を添加して培養することで脂肪細胞への分化を促した。 誘導剤添加より 9 日後、オイルレッドOで脂肪滴を染色することにより 脂肪の蓄積を評価し、脂肪細胞分化マーカーであるaP2 とPPARγ の発現 を定量的PCR により検討した。その結果、KO由来のMEFではWTに比 べてオイルレッド染色陽性数の減少とaP2、PPARγ の発現低下が認めら れた。 さらにPPARγ のリガンドであるトログリタゾン(Tro)を添加したと ころ、KO由来のMEFではTro添加により脂肪蓄積の増加と分化マーカー の発現上昇が認められた。 【考察】iPLA 2 γ の欠損により脂肪細胞への分 化能が低下していることが明らかとなった。この分化能の低下はTroの 添加により回復したことから、iPLA 2 γ はPPARγ のリガンドとなる脂質代 謝物を産生している可能性が考えられる。 P R R R R P R R
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