2006. 6. 1 13号 発行者/中山勝平 発行所/株式会社あまの創健 最近では算盤を見かけることが少なくなりました。 しかし算盤には、安価で手軽ということだけでなく、 数値が目に見える形で表されるため、 直感的な理解を促すという利点があります。 これは非常に大切なことで、数値を単なる記号としてではなく、実体をもつものとして とらえることができれば、その大きさを実感として理解することができます。 これまで生活習慣病の診断には主に血液検査のデータが用いられていたのですが、最近 注目されているウエストを用いた診断基準というのは、まさに安価で手軽、そして何よ りも直感的な手法です。 血液検査のデータだけでなく、ウエストの変化にも気を配り、自分の健康状態や生活習 慣を実感として理解して下さい。 ホームページ http://www.amano-s.co.jp この用紙は再生紙を使用しています。 健康づくり事業 の 紹介 ホト ニ クス・グ ル ー プ 健 康 保 険 組 合 設立:昭和58年10月1日 健康保険組合の設立にあたり、単に皆さんの医療費を支払う為の健康保険組合であってはならない。 被保険者が病気にならない心身ともに健康な体を作る為に設立する。このようなことから被保険者本人 の健康状態、体力等について自己診断をする事で始まりました。それが健康度測定であります。 実施人数 平成17年度 対象男性 対象女性 対象合計人数 2,031名 776名 2,807名 1,887名 745名 2,632名 92.9% 96.0% 93.8% 実績 対象者から60歳以上、育児休業者、人材養成室の未実施者は除く。県外勤務者も除く。 実施項目 状 況 ① 自己問診票 ⑦ トライイリス 全ての項目の測定が終了いたします ② 身 長 (眼精疲労測定) と後日、受診者の体力診断表が送付さ ③ 体 重 ⑧ 立位体前屈 れます。 ④体脂肪率 ⑨ 握 力 また、項目の⑧∼⑪の測定では柔軟 ⑤ 血 圧 ⑩ ステップテスト 性、筋力、持久力の測定で受診者の体 ⑥ プリケアグラフ (踏み台昇降) 力年齢は〇〇歳ですと総合体力年齢の (末梢血液循環測定) ⑪ 上体おこし (腹筋) 判定がでます。 事業主のご理解ご協力により測定が就業時間内にて実施されている事、また、各事業所に 出向いて事業所の健康推進担当者と共に行っているため実施率が90%前後で推移しており ます。 そして、この測定時に保健師も同行して頂き過去5年分の健康診断の結果と健康度測定の 結果、また当日の問診票を見ながら本人に保健指導相談を実施しています。この事により健 康、体力の維持について生活習慣を見直しして頂く為の支援となっております。 実施年数 昭和60年 第1回目を実施∼平成17年現在まで継続中であります。 (合計19年間実施) 〔取材協力:ホトニクス・グループ健康保険組合様〕 平成18年 月 日 3 8 (水)愛鉄連厚生年金基金会館にて、半田市 医師会健康管理センターと共催で、第 回学術講座を開催しま 7 した。 今話題のメタボリックシンドロームをテーマに、その概念・ 厚生労働省の方針・保険者としてのとるべき方向などについて、 みずほフィナンシャルグループ大阪健康開発センター所長で 大阪大学医学部講師の廣部一彦様を講師にお迎えし、講演して いただきました。 当日は、健康保険組合関係者・市町村の保 健センター関係者を中心に100名強ものご参加をいただき、好 廣部一彦先生の講演風景 評を博しました。 メタボリックシンドロームは、日本発祥の概念で世界が注目していること、その発見のバックグランドから職 場での取組みに至るまで詳細な発表がありました。その一つとしてメタボリックシンドロームは、日本で内臓脂 肪型肥満と皮下脂肪型肥満の違いの発見から研究が始まり、その診断基準が確立されたこと。また、最近の研究 では、血液中のアディポネクチン(注1.参照)と内臓脂肪が関係していることが判明し、近い将来、アディポネク チン測定が保険適応される見込みです。職場における取組みとして、定期健診時のウエスト周囲径の測定が効果 的であり、その後のフォロー(表①)にも有効といわれています。講演後には、健保・国保関係者様から多くの質 問があり、関心の高さを表していました。 (注1.)アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌される物質で、イ ンスリンの働きを活性化するなどの機能をもっていますが、 内臓脂肪が過剰にたまると分泌が低下します。 今回の学術講座では、弊社が平成17年度に国保事業として取組 んだ、「血液さらさら教室」(高脂血症改善教室)と「スクエアス テップ教室」 (人生これから元気教室)の成果についても発表させ ていただきました。 血液さらさら教室は、週 回12週連続の高頻度介入型で、栄養 1 表① フォロー事業 面と運動面から集団指導に個別指導を織り交ぜての開催であり、スクエアステップ教室も高頻度介入型で、「ス クエアステップ」という独自の運動プログラムを導入し、運動面を中心に栄養面も取入れて開催いたしました。 血液さらさら教室では、食行動の変化や運動習慣の会得といった行動変容が確認でき、総コレステロール・中 性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロールの全ての項目で改善を確認できました。これらのことから血 液さらさら教室は、高脂血症改善プログラムとして効果が高く、メタボリックシンドローム対策としての有効性 が確認できました。 スクエアステップ教室では、敏捷性・下肢筋力・平衡性・認知判断力の全ての項目で改善を確認できました。 これらのことからスクエアステップ教室は、高齢者対策・転倒予防プログラムとして、楽しみながら効果が高く、 介護予防対策としての有効性が確認できました。 両教室とも、地域推進者としての指導者を育成し継続フォローをしていくシステムにつなげて、展開中です。 総コレステロール・中性脂肪の比較グラフ HDLコレステロール・LDLコレステロールの比較グラフ 開眼片足立ちなどの比較グラフ ビ タ ミ ン っ て 何 ? 私たちは呼吸をして、水を飲み、食物を食べて、生きています。その食べ物は炭水化物・たんぱく質・脂肪(三 大栄養素)からできています。この栄養素を身体の中に摂り入れて化学的に変化させて、エネルギーの元(もと) にしたり、身体の組織(臓器・筋肉)に必要な成分に作り変えたりしています。つまり身体の中で、いろいろな化 学反応が行われることにより私たちは生かされているのです。 その体内の化学反応を促進するのが酵素です。胃腸内で行われる消化・吸収や肝臓で行われる代謝はそれぞれ固 有の酵素がないと反応が進みません。その酵素もビタミンやミネラルの助けがないと体の中で化学反応が行われま せん。万一酵素が不足し、ビタミンが不足すると代謝に支障をきたし結果、エネルギー供給不足になり、組織細胞 の再生もままならず、健康を維持できず、生きていくことすらできなくなります。 酵素は身体の中で作り出せる、ある程度自給自足できますが、ビタミンとミネラルは食べ物等から摂取する必要 があります。微量であるけれども、どうしても必要なものです。 ビ タミ ン( Vitamin )と い う 名 前 の 由 来 は ? ビタは生命、アミンは化学のアミン(化学構造でアミノ基をもつもの)の結合語で、つまり『生命に必要なアミ ン』ということでビタミンという名前が付けられました。名付け親はポーランドのCフンク、1911年米糠から脚気 に効く物質の抽出に成功し、「ビタミン」と命名したのです。 (実は日本の鈴木梅太郎もその前年に同じ物質を発見しており、1912年に「オリザニン」と名付けてドイツの研 究雑誌に発表しましたがその名前はメジャーになり得ませんでした。) 前後して夜盲症に有効な脂溶性の物質や、壊血病の予防に欠かせない物質がオレンジやレモンから抽出されまし た。化学構造式はアミンではありませんが、発見された順番でビタミンA、ビタミンCとされました。その後も相次 いで発見されたビタミンは、D、E・・・と順に命名されました。 B や D の場合さらに種類が幾つかに分かれる事がわかったため、横に小さくナンバ−を付けて識別されました。 発見されたものが重複していたことが後からわかり、また効果がなく削除されたりして、結局B1、B2、B6、B12 の4つが残りました。Bグループであるけれども、番号をつけずに常用名そのままのものもあります。パントテン酸 とビオチンの二つです。その他にナイアシンと葉酸があり、全部で13種類のビタミンが国際純正応用化学連合・国 際生化学連合により認められています。 ビタミンは本来、食べ物から摂るべきです。 1日30品目の食材を食べていれば、ビタミン不足にはならないといわれています。しかし日本人の食生活はハン バーカーやステーキなどに象徴されるように欧米化しつつあり肉食に偏り気味です。ファーストフードやレトルト 食品が普及し、さらに偏食傾向の人が増えるのではないかと心配される昨今です。食事献立は手抜きをせず、バラ ンスのよい食生活を心がけましょう。 ビタミンを薬や健康食品から摂るときはどんなとき? どんな人が摂ったほうがよいか? 激しいスポーツをしたとき、長時間労働により疲れたとき、病気(発熱性疾患)で体力消耗したときなど、ビタ ミンを薬や健康食品からも摂った方がよいと考えられます。また喫煙・飲酒の生活習慣者、偏食傾向の人、いつも ストレスにさらされている人も同様です。 《管理薬剤師 林 準郎》 2008年医療制度改革に向け標準的な健診ならびに保健指導プログラムが検討されている中、 弊社では専門の先生がたのご指導により、メタボリックシンドロームの概念を健診や保健指導に 取り入れ、より信頼される有効な健康管理サービスを策定中です。先にご案内いたしました愛知 県内の国保組合様で実施しました「健康教室」の特徴は数値での有効性を出すことはもとより、 教室参加者の中から地域推進者としての指導者を育成していくシステムも兼ねていることです。 同教室にご関心の方は次までご連絡お願いします。 (お問合せ先) トータルヘルス研究所 担当:菊谷 徹 電話(052)931−0102 E-mail:[email protected]
© Copyright 2024 ExpyDoc