佐野修久日本政策投資銀行参事役

ファイナンス面から見た
PFI導入のポイント
日本政策投資銀行 北海道支店
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PFI事業のストラクチャ<サービス購入型の場合>
直接契約
公共
サービス提供
事業権契約
サービス対価
融 資 ・返 済
出 資 ・配 当
金融機関
SPC
各業務に関する契約
設計
会社
建設
会社
維持管理
会社
企画運営
会社
コン ソ ー シ ア ム
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PFI事業の主要プレーヤーと最適バランスの構築
行 政
民間主体
利益の確保(リターンの最大化)
VFMの実現
公共サービスの安定
金融機関
元利償還の確保
プレーヤー全員の利益への寄与が必要
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プロジェクトファイナンス(1)
○一般的な定義 (米国財務会計基準書第47号)
大規模資金プロジェクトへの金融であって、
貸手が原則としてそのプロジェクトの資金繰り及び収益を返済財源とし、
またそのプロジェクトの資産(*)を融資の担保として行うものをいう。
当該プロジェクトの事業主体の一般的な信用力は通常重要な要素ではない。
なぜなら、その事業主体が他に資産を保有しない企業であるか、
又は、当該金融が、その事業主体の所有者(親企業)に対して直接遡求の
できないものであるか、 のいずれかであるからである。
*プロジェクトのキャッシュフローを生み出すための事業遂行に必要な諸契約を含む。
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プロジェクトファイナンス(2)
コーポレート・
ファイナンス
プロジェクト・
ファイナンス
事業主体
借入人
出資者
借入人
既存企業
特別目的会社(SPC)
返済財源
企業全体の
事業収益
当該事業の収益のみ
担 保
企業信用力及び 所有財産・親会社等
当該事業資産及び権利
審 査
企業財務分析・
業績予測
事業採算・事業リスク
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プロジェクトファイナンス(3)
公 共
PFI事業契約
金融機関
個別
融資契約
担保契約
金融機関
PFI事業
公 共
金融機関
個別
融資契約
金融機関
担保契約
金融機関
PFI事業契約
プロジェクト
会社
出 資
既存企業等
債務保証
担保提供
既存
企業
既存企業
他事業
他資産
金融機関
公 共
直接協定
特別目的会社
(SPC)
融
資
契
約
キャッシュフロー
事業スポンサーに
対する遡求権限定
リスク分担と契約
資産・契約の担保
金
融
団
PFI
事業契約
出資
契約
プロジェクト
担
保
契
約
会社
建設
契約
保守・運営
契約
保険
契約
スポンサー
保険
会社
賃借
契約
供給
契約
地主
シンジケーション
建設
JV
運営
会社
原材料
供給
会社
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プロジェクトファイナンスを活用する意義
関係事業者1
性能発注、リスク移転
サービス料
公共
民間(SPC)
公共サービス提供
関係事業者2
関係事業者3
ファイナンス
直接協定(DA)
金融機関
事業の実現性に対し
て厳格なチェック
◎公共サイドは、
①最適リスクアロケーションの達成による事業効率性の向上
②長期事業継続の安定性向上(長期間の企業信用力の制約からの開放)
③金融機関によるモニタリング機能の発揮 が期待可能
◎民間サイドは、オフバラニーズ、最適リスクアロケーションを達成
→より「Comfortable」な事業参画機会を追求可能 7
ファイナンスサイドからみたポイント
● 事業の継続性の確保
Step-in Rightの必要性
⇒ 行政と金融機関間の直接契約(Direct Agreement)の締結等
● 返済可能なキャッシュフローの確保
そのためにファイナンス組成の工夫も必要
● SPCにおける適切なリスク分担
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ファイナンス組成の考え方
(出資・借入・メザニンファイナンス)
投資額 資金調達 回収見込
現在価値化
出
資
低リスク
100
借
入
高リスク
CF
期待プロジェクトキャッシュフロー
楽観ケース
ベースケース
悲観ケース
メザニンファイナンスの必要性
・劣後融資、優先株
融資期間
・支出の優先劣後関係構築
プロジェクト稼働期間
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ファイナンスの円滑化に向けて(1)
1.あるべきPFIの構築
● 事業期間にわたる安定的な公共ニーズの確保
<公共サイドの支払い履行に対する見方>
⇒ 「公共サイドの信用力」
+ 「事業の公共ニーズの明確性、継続性」
● 民間の工夫の余地の確保
民間主体参画による、運営面での効率化可能性の大きいもの ⇒ 今後公共サービスの運営部分まで含めたPFIをどこまで進めるか
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ファイナンスの円滑化に向けて(2)
2.十分な事前対話による適切な官民リスク分担
● 契約書案の早期公開による
官民の実質的な対話を尽くすことが最も重要
対話を通じ公共サイドが契約書案を見直す柔軟な姿勢が不可欠
<例:寒川浄水場PFI(神奈川県)> 実施方針と同時に契約書案を公表。契約書案を前提として、
民間事業者ともインタラクティブな意見交換会を実施。
● 事業者決定後における事業契約の細部の詰め
(=他の入札者との公平性を損なわない範囲での合理的な詰め)
の必要性・有効性の認知も必要
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ファイナンスの円滑化に向けて(3)
⑨ サービス料支払い開始
⑧融資実行
⑦工事完工
⑥工事着工
⑤PFの詳細協議
④事業契約締結
②事業者決定
①入札提案
③SPC設立
3.契約ベースで事業ストラクチャ−を構築するための時間の確保 建設期間
事業者選定から事業権契約締結及び工事着工までの期間が短く、
ファイナンスアレンジメントに要する時間を考慮していない案件が多い。
○ 事業権契約の最終的な詰め
○ ローン契約の前提となる事業の関連諸契約の作成
(→民間内の詳細なリスク分担を契約ベースで決定)
のため、長期の事業の安定化を図る上でも、
関係者間の十分な協議を行う時間を確保することが必要。
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