NT-306H 技術資料 1 / 4 TECHNICAL DATA SHEET エレクトロニクス事業部門 半導体材料事業部 セルフリリース型トランスファー成型用透明封止樹脂 NT-306H NT−300シリーズはエポキシトランスファー透明材料の長年の課題であった成型性を大きく 改善した材料で、外部離型剤を使用せずに長時間の連続成型が可能です。 NT−306HはNT−300シリーズの中で特に素子との密着性の向上を目的に開発された製 品です。また、リードフレームとの接着力が高く信頼性に優れています。 1 特長 1)外部離型剤を使用せずに連続成型が可能です。そのため以下の効果が期待できます。 ・生産性の向上。 ・外部離型剤に起因する硬化物表面の曇り・汚れによる歩留まり低下の改善。 ・外部離型剤による悪臭などの作業環境の改善。 2)素子、リードフレームとの密着力が高く、信頼性に優れます。 3)速硬化性を有しており、短時間成形が可能です。 2 推奨硬化条件 金型の形状、構造やパッケ−ジデザイン及び半導体素子の特性などにより、成形作業条件は 異なりますが、一般的には下記の条件を推奨します。 成型条件 金型温度 成型時間 射出圧力 アフターキュア条件 : 145 ∼ : 1.5 ∼ : 3 ∼ 150℃ × 160 ℃ 2.5 min 8 MPa(30∼82kgf/cm2) 2hrs (注)アフターキュア時間について 上記の時間は、製品が上記温度に到達してからの時間です。 オーブンの風量や治具の熱容量によって製品の昇温速度は異なってきます。昇温時間を確認し、上記 Copyright © 2001 日東電工株式会社 注意) この文書に係る知的所有権は日東電工(株)にあります。弊社の意図する正当な使用目的以外にこの 文書を使用される場合は、事前に御相談くださるようお願いいたします。弊社に無断の複写、転載は固くお断 りいたします。 NT-306H 技術資料 2 / 4 の推奨条件時間に加えて下さい。 3 特性 3.1 一般特性 試料作製条件 成型条件 150 ℃ × 4min アフターキュア条件 150 ℃ × 2hrs 特性項目 試験方法 単位 特性値 比重 JIS K 6911 - 1.24 硬度 ショアーD − 84 % 1.35 − Fig.1 成型収縮率 100mmφ 2mm 成型条件と熱時硬度 ショアーA t 吸水率 wt% 煮沸吸水率 曲げ強度 N/mm2 曲げ弾性率 α1 線膨張率 JIS K 6911 α2 ガラス転移温度 TMA (Tmg) DSC 1/℃ ℃ 備考 アフタキュアなし 0.21 0.45 131 3220 6.3×10−5 17×10−5 127 125 体積抵抗率 Ω・cm 4.7×1015 誘電率 - 3.7 1MHz 誘電正接 % 2.5 1MHz 分光透過率(at 400nm) % 94.2 1.0mmt 分光光度計 成型温度 vs. 透過率 図2 リードフレーム 銀メッキリードフレーム接着力 4.2 (測定サンプル被着面積25mm2) 剪断接着力 N/mm2 素子接着力−パッシベーション SiO2 (測定サンプル被着面積2.25mm2) 屈折率 アッベ式 - アニール条件 : 180℃×2hrs 27 室温 1.57 at 589.3nm ※ リードフレーム及び素子の接着力は、弊社 標準の測定基材の測定値です。測定値は基材により変動します。 ※ 本特性値は、測定値の一例であり、保証値では有りません。 Copyright © 2001 日東電工株式会社 NT-306H 技術資料 3 / 4 図1.成型条件と熱時硬度の関係 成型温度における硬度 (Shore A) 100 80 60 40 140℃ 150℃ 160℃ 20 0 0 1 2 3 4 成型時間(min) 図2.成型温度と透明性の関係 100 透過率(%) (at 400nm) 80 60 40 1mmt 3mmt 20 0 140 150 160 170 成型温度(℃) Copyright © 2001 日東電工株式会社 180 190 NT-306H 技術資料 4 / 4 3.2 抽出水のイオン性不純物 測定方法 試料作成条件 成 型 条 件 アフタ−キュア−条件 : 150℃×4min : 150℃×2hrs 抽 出 条 件 試 験 試 料 : 硬化物の粉砕品(60mesh 抽 出 : 121℃×0.2MPa(2気圧)×20hrs 項 目 電 気 伝 導 度 pH μΩ 位 特 −1 /cm 性 値 270 − 3.1 Na+ イオン ppm 0.7 − イオン ppm 190 Cl * 単 pass) Na+は、原子吸光分析法。 Cl−はイオンクロマトグラフ法にて測定。 * 本特性値は、測定値の一例であり保証値ではありません。 4 ご注意 (1)取り扱いに際してはMSDS(製品安全データシート)をご参照ください。 (2)成型時には、型開きおよびイジェクト速度は0.5mm/s(下型5mm下降位置まで の速度)以下を必ず尊守ください。その他、保管・成型・金型設計に関しては、 「NT−30 0シリーズの取り扱い説明書」をご参照ください。 以上 Copyright © 2001 日東電工株式会社
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