2002年10月の科研費(一般)申請書、不採択! - 東京工業大学大学院

「黒色」を塗ること
基盤A B C(一般)―1
平成 15 年度 基盤研究
(A・B・C)(一般)研究計画調書(新規)
A・B・C
○
基盤研究
分
(1) ・ ○
(2)
研究
野
分
審査区分
科
※整理番号
一 般
細
12608
※機関番号
注1. 別途平成 15 年度基盤研究
(A
・B
・C)(一般) 研究計画調書作成・記入要領 (鶯色) を参照してください。
注2. ※印の欄は研究機関において記入してください。
細目番号 (4ケタ)
目
審査
数物系科学
希望
部門
ふ
数学
分割番号
り
が
4105
総合・新領域
A ・ B
分割番号が付されている細目を選択した場合,
基盤研究(C)
1 ・ 2
どちらかに必ず○を付すること(「作成・記入要領」2.
な
いのうえ あつし
研究代表者氏名
研究課題
大域解析学
井上淳
所属研究機関
・部局・職
印
を参照)
東京工業大学・大学院理工学研究
科・教授
偏微分方程式系、ランダム行列理論へのスーパー解析学の応用
年
度
平 成 15 年 度
研 究 経 費



千円未満の
 平 成 16 年 度



端数は切り



 平 成 17 年 度


捨てる
平 成 18 年 度
総 計
使
研 究 経 費
(千円)
設備備品費
9,600
7,950
3,270
2,370
23,190
600
800
0
0
1,400
用
消耗品費
500
500
400
400
1,800
内
訳
(
千
円
国内旅費
外国旅費
3,600
2,000
1,000
1,100
7,700
2,000
2,500
500
500
5,500
)
謝 金
その他
1,350
1,000
1,050
150
3,550
1,550
1,150
320
220
3,240
研究組織 (研究代表者及び研究分担者) (研究分担者も、本研究計画に常時参加する者です。)
氏 名(年齢) 所 属 研 究 機 関・部 局・職 現 在の専門
学 位
井上淳 (58)
理学
博士
合計
東京工業大学・大学院
理工学研究科・教授
1
○
名
基盤研究(A・B・C)
(うち他機関の分担者
研究機関名
偏微分方程
式論
役
割
分
担
(本年度の研究実施計画に対する分担事項)
平成 15 年度
研 究 経 費
研究及び研究集会の開催等、全部
研究経費合計(研究 (1) のみ該当)
0 名)
研究代表者氏名
東京工業大学
井上淳
基盤A B C(一般)―2
(金額単位:千円)



設備備品費の明細 多数の図書、資料を購入する場合は「西洋中世政治史関係図書」のように
ある程度、図書、資料の内容が判明するような表現で記入してください。
品 名・仕 様
(数量×単価) (設置機関)
年度
平成 15
金
携帯用プロジェクターシステム
(東京工業大学)
平成 16
額
品
600
計
パソコン、プリンター、ソフト一式
(東京工業大学)
800
旅費等の明細
平成 17
平成 18
300
200
計
500
300
100
計
400
書籍
文具
計
事
額
500
書籍
文具
0
平成 18
平成 16
計
書籍
文具
計
平成 15
金
300
200
800
平成 17
名
書籍
文具
600
計
年度
消耗品費の明細
300
100
計
0
400
(記入に当たっては、基盤研究(A・B
・C)
(一般)
研究計画調書作成・記入要領を参照してください。
)
国 内 旅 費
項
金 額
事
外 国 旅 費
項
金 額
謝
事
金
項
そ
金 額
調査・研究旅費
研究打合せ旅費
成果発表
3,000
600
調査・研究旅費
研究打合せ旅費
成果発表
1,500
500
研究補助
専門的知識の提供
資料提供・閲覧
外国語論文の校閲
計
3,600
計
2,000
計
調査・研究旅費
研究打合せ旅費
2,000
研究打合せ旅費
成果発表
2,000
500
研究補助
専門的知識の提供
計
2,000
計
2,500
計
調査・研究旅費
研究打合せ旅費
成果発表
500
1,000
研究補助
専門的知識の提供
資料提供・閲覧
計
1,000
計
500
計
調査・研究旅費
研究打合せ旅費
1,000
100
成果発表
500
研究補助
専門的知識の提供
資料提供・閲覧
50
50
50
計
1,100
計
500
計
150
800
500
50
1,350
500
500
1,000
500
500
50
1,050
事
の
項
他
金 額
計算機使用料
機器のレンタル料
会議費
印刷費
研究成果投稿料
研究支援者雇用費
100
100
1,000
100
200
50
計
1,550
計算機使用料
会議費
研究支援者雇用費
100
1,000
50
計
1,150
計算機使用料
会議費
印刷費
計
計算機使用料
会議費
印刷費
計
100
200
20
320
100
20
100
220
基盤A B C(一般)―3
研 究 目 的








1 科学研究費の交付を希望する期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか、
○
2 当該分野におけるこの研究(計画)の学術的な特色・独創的な点及び予想される結果と意義、
○
3 国内外の関連する研究の中での当該研究の位置づけ、
○
について焦点を絞り、具体的かつ明確に記入してください。








(0) 研究課題の由来: 物理学では、電子と光子(フェルミオンとボゾン)との相互作用を介して種々の物理的現象
が説明されている。ところがスカラー場であるボゾンとスピンを持ったフェルミオンとを同一基盤の「数体」の上で
扱う事ができない不自由さがあった。 Berezin& Marinov(より旧く Marti n)がこの状態を変えるべく Grassmann
数を含んだ「体もどき」を導入した(このような非可換体の上での解析の必要性は Feynman&Hibbs の教科書 355
頁にも述べられている)。
一方、偏微分方程式系、即ち、行列係数の偏微分方程式に対し対応する古典力学を構成できるかを考える。一つ
の偏微分方程式ならば対応する表象をハミルトニアンとすれば古典力学を構成できたので、今までは偏微分方程式
系を対角化してスカラー的及びそれからの摂動で対処できる場合を主として考察してきた。この考え方は極めて粗
く言えば、フェルミオンをボゾン的に扱っていることに相当する。行列を対角化せず行列のまま扱う方法はないか?
これには「行列は Clifford 代数を用いて分解でき、更に Clifford 代数の元は Grassmann 代数上に表現を持つ」を用
いる。例えば、2 × 2 行列は Pauli 行列で分解でき、Pauli 行列は Clifford 関係式を満たすので、2ベクトル t (u0, u1 )
∂
を 1-form u0 + u1 dy と同一視し form の外積 (dyj ∧dyk = −dyk ∧dyj ) と内積 (
dyj = δkj ) を、それぞれ掛け算、
∂yk
微分演算とみなせるような体系を作れば良い。この考えを整備したものが、可算無限個の Grassmann 生成元を持っ
たスーパー数で、それを実数体のごとく見なしその上での解析学(それをスーパー解析学とかスーパー空間上の解
析学と言う)を展開することが、研究目的である。
(1-1) Egorov の定理のシステム版を考える。幾つかの具体例については計算し所期の形になる事は証明され、現
在投稿中である。これらの例の計算で、スカラーの場合の Strichartz, Taylor, Widom 等による擬微分作用素達の
Operational Calculus を整備する必要性が認識された。即ち、彼等の結果はスカラーの場合で、その擬微分作用素
達が非有界だが可換だったり、非可換だが有界の場合しか扱っていない。これを擬微分作用素達が非有界、非可換
の場合に、Weyl Calculus を用いて拡張する。これができると上記の具体例を少し一般化する事が出来、擬微分作用
素系を、例えば1階対称双曲型方程式系で conjugati on したものの表象がその1階対称双曲型方程式系から定まる
Hamilton flow での合成で表される事が証明され得る。
(1-2) それを用いて方程式系に対する正規形、Nirenberg-Treves の可解性に対する考察のシステム版、偏微分方程
式系で支配されるベクトル値関数の特異性の伝播、より一般に双曲型偏微分方程式系の解の構造の研究等を「対角
化」せずに行う。
(1-3) Dirac 方程式に電磁場を与えその基本解をスーパー解析を用いて構成する事を考える。Weyl 方程式の基本
解には 4 つの成分の評価が必要であったが、Dirac 方程式の場合は 16 個の評価が必要なのでめんどうであり、うま
い表現形態を考案しなければならない。また、Dirac 方程式に対する相関数がスカラーでない WKB 解の構成をし、
どのような条件下でそれが解の一様な近似を与えるのか調べる。例えば、Aharanov-Bohm 効果がどういう形で現れ
てくるか明らかにする。
(1-4) 古典力学系の時間無限大での挙動と対応する線型微分作用素のスペクトラムの相関関係は Koopman によっ
て導かれたが、それの拡張として Gelfand によって提出された双曲型偏微分方程式系と「対応する古典力学系の時
間無限大での挙動」との関連をスーパー解析を用いて考察する。
(1-5) Atiyah-Singer の指数定理をスカラー熱方程式の基本解のトレースに関する Weyl の定理のスーパー版と
して数学的に定式化する。これは物理学者 Witten, J. Ma˜
nes & B. Zumino, Alvarez-Gaume 達が言い、数学者
Getzler も言及してはいるが、数学的言明としては Rempel & Schmidtt を見ても未だに不十分である。Weyl の定理
は、スカラー熱方程式の基本解の t → 0 での挙動 t−m/2 の一部であり、t−k の係数も微分幾何学的意味を持った。故
に、それのスーパー版である上記の基本解の構成は、新しい何物かを期待させる。
(1-6) 物性理論のモデルとしてのランダム行列理論の最近の発展は目覚ましい。ところで、最近の、ランダム行列
理論と数え上げ理論との関連、可積分系、特に Painlev´
e 方程式の解との関連についての別証を探すと共に、新しい
見解を模索する。
(2) 以上のようにスーパー解析を用いる手法は、スカラーの場合と同様の手順で、対象物をすべてスーパー化し
て準備しておく事により、行列を持った構造すべてに適用される。とはいえ、例えば擬微分作用素論、 Fourier 積分
作用素論、停留位相の方法、鞍点法等を全て準備しなければならないので、時間がかかる。そこで私はもっぱら面
白い適用例を作る事を目指していく。上に述べた課題のうち、(1-1) は平成 15 年度内に解決できるであろう。 (1-2)
, (1-3) , (1-5) やスーパー解析学の教科書の執筆を数年内に達成する予定である。
(3) そもそも既存の問題をスーパー空間上に焼き直して解くという試みは世界的にも少なく、日本ではほとんど
ないといって良いであろう。例えばスーパー多様体を考える数学者はいるが、その多様体を考えねばならない理由
や得られるものについての説明はほとんどない。更に物理学者は、原則として方程式が書ければその方程式には解
があるとしてしまう性向がある。故に、スーパー空間上の Hamilton-Jacobi や Eikonal 方程式を書き上げても、そ
の方程式にはどういう条件下で解があり、初期条件を用いてどう評価されるか等の研究はほとんどないといって良
いであろう。この意味で、独創的な体系を構築中であると言う意識を持っている。
○
基盤研究(A・B・C)
研究機 関名
東京工業大学
研究代表者氏名
井上淳
基盤A B C(一般)―4
(「研究計画最終年度前年度の申請」
(公募要領13頁参照)
として新規申請する場合のみ記入)
特別推進研究又は基盤研究による研究計画及び研究成果



研究代表者として行っている特 別推進研究及び 基盤研究のうち 研究期間が4年 以上で、かつ、平成 15 年度 が最終年度に当 たる研
究課題の当初研究計画及びこの研究によって得られた新たな知見等の研究成果について具体的かつ明確に記入してください。
研究種目名
審査区分
課題番号
研 究 課 題 名
研究期間
平成
年度
∼平成 15 年度
当初 研究 計画 及び 研究 成 果
基盤A B C(一般)―5
従来の研究経過・研究成果または準備状況等
I 及び I I を区別するため、I を記入後は点線を引いて分けてください。


I.この研究課題又はこれに密接に関連した研究課題で、研究代表者が従来受けた科学研究費補助金の研究種目、期間




(年度)
、研究課題名、研究経費を記入のうえ、それぞれの当初の研究計画、研究経過及び研究成果等について、具体的








かつ明確に記入するとともに、その研究成果をふまえ研究をどのように発展させていくのか、また、準備状況等につ






いて、焦点を絞り、具体的かつ明確に記入してください。








.
以外で、この研究課題又はこれに密接に関連した研究課題で受けた、科学研究費補助金以外の研究費(他府省・地
II
I






方公共団体・研究助成法人・民間企業等からの研究費を含む。
)におけるそれぞれの研究経過・研究成果等について、







 名称、期間(年度)、研究課題名、研究者(研究代表者又は研究分担者)氏名、研究経費を記入のうえ、具体的かつ明確に

記入してください。
従来受けた科学研究費補助金:
H8(1996) 基盤 (A)(1)230「微分方程式の解の研究の新展開」H9(1997) – 390 H10(1998) 基盤 (C)(2)140「偏微分方程式系と非可換解析」H11(1999) – 120 H12(2000) – 50
「微分方程式の解の研究の新展開」では「痴人達と若人達の数学三昧」という研究集会を催し、参加者 25、講演
「数学的量子化とは何か」では参加者 31、講演者 13、経費約 130 万円、
「ランダム系とスー
者 11、経費約 100 万円、
パー解析」では参加者 16、講演者 7、経費約 100 万円であった。これらには、数名の物理学者を招聘し講演を通し
て親睦を深め、その後も研究交流が続いている。
「微分方程式が一体どの程度の記述能力のあるものなのかという観
点で全てを見直す」という当初計画及び若い人や他分野との交流を少しは達成し得たと考えている。
その後、幾つかの研究を通して行き着いた「偏微分方程式系と非可換解析」で、物理学者のいう光子と電子を同
等に扱うための数学的基盤として、普通の数の概念ではなく、Grassmann 数を基礎とする解析学の提唱をした。こ
れは、Feynman の問題「スピンを持った系に対応する量の量子力学的積分表示はあるか」に端を発しているが、一
般に偏微分方程式系を取り扱うときこの問題は極めて自然に立ち現われてくる。即ち、与えられた偏微分方程式系
の特性方程式とそれの解への影響をと考えれば、それは必然的に上の Feynman の問題を誘導する。
この問題はこの科研費の当初からの課題であったが、その第一歩が [4, 5] で相互作用のない Weyl 或いは Dirac 方
程式の Feynman 的な解の積分表示をした。記号の意味はここでは述べられないが、スーパー空間上に焼き直した方
程式の解は
−1
dξdπ D1/2 (t, x, θ, ξ, π)ei¯h
u(t, x, θ) =
S(t,x,θ,ξ,π)
F u(ξ, π )
R3|2
と表示される。ここで大切な事は、この積分表示では、Fourier 積分作用素でその相関数としてスーパー空間上の
Hamilton-Jacobi 方程式の解 S(t, x, θ, ξ, π ) が明示的に現れる事である(相互作用のない場合は Fourier 変換を用い
て行列のままで、解を明示的に表現する事だけなら易しい)。ここでの基本的戦略は2つある。一つは、前に述べた
ように、如何なる行列も Clifford 代数の元で分解でき、その Clifford 代数の元は Grassmann 代数上に表現を持つこ
とから、方程式系に対応する古典力学が導入できることにある。2つめは、Newton 力学は時間に関し2階であるか
ら、条件として初期時刻と到達時刻での2点の位置を与える事ができるが、時間に関し1階の場合には、配位空間
の2点を与える事はできない。そこで、Fourier 変換を用い、相空間で初期時刻と到達時刻での2点として条件を与
えねばならない。それにより、方程式系の parametri x は Hamilton-Jacobi 方程式の解を相関数とする Fourier 積分
作用素となる [3]。
相互作用のある Weyl 方程式の解の Feynman 的な解の積分表示のレジュメは、2000 年に発刊された Wichmansymposium での講演として発表された [1]。Hamilton-Jacobi 方程式の解は、相互作用のない場合と違い具体的に
表示できないが、 Jacobi の方法を用いて解の存在を示すと共にその初期データに関する評価を示した。ここで、
Fr´echet-Grassmann という弱い位相を用いていることが本質的に用いられている。また、前田と共に [6] で、これ
等の計算のモデルとして3次元ユークリッド空間上の Pauli 方程式の parametri x の Feynman 的な積分表示を求め
たが、これからの研究の原型となろう。
また、ランダム行列理論の中で、Efetov による次の表示は極めて示唆的であろう:UN を N × N Hermite 行列全
2
体とし RN と同一視する。そこに、確率測度 dµN (H ) を、H = (Hjk ) として、
N
dµN (H) =
N
−1
d( Hjk )d( Hjk )ZN,J
exp −
d( Hkk )
k=1
j<k
N
tr H ∗ H ,
2J 2
J > 0,
ZN,J = 2N/2 (J 2 π/N )3N/2 と入れる。Eα = Eα (H) (α = 1, · · · , N ) を H ∈ UN の実固有値とし、
N
ρN (λ) = ρN (λ; H) = N −1
δ(λ − Eα (H )),
α=1
とおき、その平均を
ρN
○
基盤研究(A・B・C)
研究機関名
N
= ρ N (·)
N
=
dµN (H) ρN (H),
(1)
UN
東京工業大学
研究代表者氏名
井上淳
基盤
(
般)
従来の研究経過 研究成果又は準備状況等(つづき)
と書く。すると、スーパー空間上の奇変数、偶変数を弛緩変数として用いると、(1) 式では複雑で見えなかった ρ N (λ−
i ) N の N への依存がただ一ケ所、指数関数の肩に N 倍の相関数という形でのみ表れるようにできる。以下に、記
号を説明せず形だけを参考のために記す:
ρN (λ)
N
= π −1
dQ {(λ − i0)I2 − Q}−1
Q
bb
exp [−N L(Q)]
これは極めて美しい表示で、数学的にはそのままでは正しくないが、鞍点法を使えると想定して計算を続けると容
易に求めたい結果が従う。これは、Feynman による Schr¨
odinge r 方程式の解の表示では h
¯ 依存がはっきり見え、停
留位相の方法を「 Feynman 積分」記号下で用いるとの Bohr 対応原理が従うのと酷似している。これを正当化した
が [2] の結果であり、その表示は、無限小の虚数を付け加えた状況 (λ − i0) にまでは、そのままでは成立しない事を
示し、漸近展開の剰余項の評価も詳しく与えた。
基盤A B C(
研 究 計 画・方 法
般) 7
I 及び I I を区別するため、I を記入後は点線を引いて分けてください。



1 主要設備(現有設備を含む)との関連、
2 研究代表者・
I. 研究目的を達成するための研究計画・方法を 15 年度と 16 年度以降に区分して、○
○






研究分担者の相互関係
(役割分担状況)(図式化する等)
も含めて具体的に記入してください。






1
2
高額
或いは全体の研究費に比べその占める割合が高い設備備品費、消耗品費、謝金、旅費等を必要とする場合、
設備備品費又は
また、
○
○






%を超える場合
(公募要領
頁を参照)
には、これらの費用に重点をおかなければならな
研究支援者雇用費が各年度の申請研究費の
9
0
1
0





との共同研究を含む場合には、
その必要性及びこれらの者 
い理由を記入してください。さらに
、
、海外共同研究者(公募要領8頁を参照)






とどのように共同して研究を実施していくのかについて記入してください。




1


ヒトの遺伝子解析研究については、
ヒト由来試料等の提供者、
その家族・血縁者その他関係者の人権及び利益の保護の取扱いについて
II
.
○




2


相手方の同意・協力や社会的コンセンサスを必要とする研究課題又はアンケート調査等を行う研究課
十分配慮する必要があること、
○



3 「生命倫理・安全に関する留意事項(公募要領14
題については、
人権及び利益の保護の取扱について十分配慮する必要があること、


○



 ∼15頁を参照)」に記載されている研究については、手続き等が必要とされていること、から、このような計画を含む場合には、計画

について講じる対策・措置状況について具体的に記入してください。
I. 一般の数学者にとってはまだポピュラーでない技術としてのスーパー空間上の解析手法、偏微分方程式系に対
応する古典力学の方程式及びそれの解の構成と評価、を持っている。その技術及びそれの開発中に手に入れたノウ
ハウを、如何に活用し既存の単独偏微分方程式に対する結果を拡張するかが当面の研究計画の根底を成す。この過
程で、若手研究者と共に新しい問題を提案し解決することを通じて、研究者の人材の継続的供給を容易ならしめる
試みをする。スーパー解析学の可能性を確かめるためには、旧来の方法でなされていた研究を、新しい言葉で書き
変える事が必要である。この過程で既存の論文を注意深く読む事自身が自然に新しい論文を産み出すだろうから、
若い研究者の人材の継続的供給を容易にする。それのキーワードは生真面目な勉学態度だけではどうにもならない、
感受性を高め、楽しく数学をして、如何に壁を突き抜けるか!である。これを実行するためには、研究集会の開催、
研究連絡の為の十全な旅費が必要である。
平成15年度:
(i ) 先きにも述べたように、Egorov の定理のシステム版を完成するために、まずはスカラーケースで、擬微分作
用素達を関数に代入したものがいつ擬微分作用素になるか、その表象が与えられた擬微分作用素達の表象でどう表
現されるかを、Weyl Calculus を用いて計算する。この第1段階として Widom の結果を見直し、非可換、非有界な
擬微分作用素をある評価を持った関数に代入したときの作用素の表象を求める。
(ii) Fr´echet-Grassmann 代数を基礎体とする非可環な空間上の解析学は、世界的にも極めて新しく、多くの未解
決の問題に適用出来ると期待している。この新しい手法を広めるためにも、「夏の学校」を開催する予定である。こ
れには、代数的な扱いをしている表現論関連や物理学者、海外の研究者にも助けを請うつもりである。
この研究集会には、20 名程の若い研究者、大学院生、10 名程の講演者を環境の良い研修所(関東近辺)に集める
予定なので、それらのための旅費(集会は1週間程としているので、講師は宿泊費、交通費、日当等1人平均 10 万
円程度、若い研究者は1人平均 8 万円程度、大学院生は研究補助、専門的知識の提供等のために1人当たり平均 6 万
円程度、合計 240 万円)、及びそのための参考書等の購入 20 万円が計上されている。その他研究連絡のために経費 80
万円及び海外への成果発表 80 万円を想定している。更に、海外からの講演者として、A. Rogers, R. Brummelhuis,
J. M. Rabin, S. Rempel , T. Schmitt, M.J. Rothstein 等のこの方面関連の仕事をしている人々を想定しその旅費等
に 150 万円程を計上してある。
平成16年度:
(i) Dirac 方程式に電磁場が付加された場合の基本解を構成する。これの問題点は、Weyl 方程式のときより格段
に複雑になるので、記述方法のより一層の工夫を探さねばならない。
(ii) スーパー解析に関連した色々な分野の国際研究集会を開催するつもりである。勿論一つの分野は「ランダム
行列理論」絡みのものであり、もう一つは、
「超対称性」絡みのものである。物理学者(氷上忍、江口徹 等)や幾何
学関係者(大森英樹、脇本実 等)の応援を想定している。海外からは、平成15年度 (ii) で述べた人々以外に、ラン
ダム行列理論絡みの人々、例えば、E. Brezin, K.B. Efetov, P.J. Forrester, Y.V. Fyodorov, A. Zee, M.R. Zirnbauer
等の理論物性的素養の強い専門家の招聘を想定し、旅費を 200 万円程申請している。
井上は、少なくともこの会議の前迄には、現在準備中の「An Introduction to Super Analysis and its Applications
–Systems of Partial Differential Equations and Random Matrix Theory」を発刊し、それによってその国際会議で
の共通基盤を与えるつもりである(実は、基礎体とする Grassmann 代数は生成元を無限個とするか有限個でいいの
か、その位相は Rogers の 1(Banach-Grassmann 空間)とすべきか、或いは de Witt の non-Hausdorff 位相にすべ
きか、積分記号下での変数変換は都合良くできるかなどが問題であった。井上ー前田は無限個の Grassmann 生成元
を持った Fr´echet-Grassmann 代数を、基礎体もどきとして用いるのがもっとも自然であると主張している。しかし、
まだ定着しておらず、この新しい基礎体もどきの説明が必要になるのは厄介なことだ)。
--------------------------------------------------------------------------------------------------II. 研究計画・方法は以下の通りである。
○
基盤研究(A・B・C)
研究機関名
東京工業大学
研究代表者氏名
井上淳
基盤A B C(
般) 8
研究計画 方法(つづき)
研究組 織を研 究
(1)で 組 織 す る 理 由 等(公募要領8頁を参照)


1 当該 研 究の 特殊性 及 び○
2 当該
研 究代 表者と 異 なる 研究 機関 に 所属す る研 究 者を研 究組 織 の人数 の1/2を 越 えて研 究分 担 者とし て 加え る場合 に は、○






研究計画の遂行上、研究 (1) の組織形態でなければならない理由を必ず記述してください。



 ま た 、研 究 代 表 者 と 異 な る 研 究 機 関 に 所 属 す る 研 究 者 を 研 究 分 担 者 に 加 え る 研 究 で あって 、例 え ば 、遠 隔 地 に 所 在 す る 研 究 機 関 に お い て 実 施 






す る一 定 規模の分 担研 究 など、研 究分 担者に研 究 費の 一部を 配分 しな いと研 究遂 行上 大きな 支障 があ る場合 には 、研究費 の一 部 を配分し なけ れ ば分担





部分の研究実施が困難な理由を必ず記述してください。
該当なし
基盤A B C(一般)―9
研 究 業 績
最近5ヵ年間に学術誌等に発表した論文、著書のうち本計画に関連する重要なものを選定し、研究組織欄に記入された研究者ごとに、現在から
順に発表年次を過去にさかのぼって記入してください。なお、この頁で記入できない場合は、裏面を使用してください。
発表論文名・著書名
研究代表者・分担者氏名
(所属研究機関・部局・職名)
井上淳
(東京工業大学・大学院
理工学研究科・教授)
(著者名、論文名、学協会誌名、巻(号)、最初と最後のページ、発表年(西暦))
(以上の各項目が記載されていれば、
項目の順序を入れ替えても可。著者名が多数にわたる場
合は、
主な著者を数名記入し以下を省略
(省略する場合、その員数と、
掲載されている順番を○
番目と記入)
しても可。
なお、研究代表者及び研究分担者にはアンダーラインを付すこと。
)
[1] A. Inoue, A partial solution for Feynman’s problem–A new derivation
of the Weyl equation,
Mathematical Physics and Quantum Field Theory, Electron.J.Diff.Eqns. Conf.4
(2000) 121-145
[2] A. Inoue and Y. Nomura, Some refinements of Wigner’s semi-circle
law for Gaussian Random Matrices using superanalysis,
Asymptotic Analysis 23 (2000) 329-375
[3] A. Inoue, On a “Hamiltonian path-integral” derivation of the
Schr¨odinger equation,
Osaka J.Math. 36 (1999) 111-150
[4] A. Inoue, On a construction of the fundamental solution for the free
Dirac equation by Hamiltonian path-integral method.– another
interpretation of Zitterbewegung,
Japanese J.Math.24 (1998) 297-334
[5] A. Inoue, On a construction of the fundamental solution for the free
Weyl equation by Hamiltonian path-integral method –an exactly solvable
case with “odd variable coefficients”,
Tohoku J. Math.50 (1998) 91-118
参考:未発刊論文
井上淳
[6] A. Inoue and Y. Maeda, On a construction of a good parametrix for
the Pauli equation by Hamiltonian path-integral method — an
application of superanalysis,
to appear in Japanese J. Math.
○
基盤研究(A・B・C)
研究機関名
東京工業大学
研究代表者氏名
井上淳