香川 利春:空気圧システム基礎特性研究委員会 (流量特性に着目した省エネ化及び信頼性研究) 解 説 空気圧システム基礎特性研究委員会 (流量特性に着目した省エネ化及び信頼性研究)* 香川利春** * 平成 21 年 6 月 11 日原稿受付 **東京工業大学精密工学研究所,〒226-8503 横浜市緑区長津田町 4259 R2-45 1.はじめに 空気圧システムは簡便性,環境性能,初期投資の低さなどから広く利用され,自動車産業や半導体製造装 置にも多用されている.近年空気圧システムにも省エネルギーの検討が行なわれ,様々な空気圧機器の流量 特性が着目されている.本委員会は空気圧システムの諸問題に対して流量計測,電磁弁・サーボ弁の特性表 示方法,消費エネルギーの計測等の基礎的問題をテーマとして取り上げ,空気圧研究分野の進展を図る. 日本フルードパワーシステム学会創立 40 周年を来年に控え、本研究委員会の空気圧関係者が中心となり, 空気圧システムのシミュレーションを本学会ホームページから入り,利用可能となるシステム作成を行って いる.2008 年 8 月までに空気圧抵抗容量系の圧力応答計算,空気圧シリンダシステムのシミュレーションが 可能となる予定である. 2.委員名簿(平成 20 年) 香川利春(委員長,東京工業大学),尹鍾晧 (幹事,東京工業大学),赤井英夫(委員,太陽鉄工(株)),池 内昌三(委員,東京メータ(株)),海老原邦夫(委員,クロダニューマチックス(株)),亀谷裕敬(委員,日立 製作所(株)),小川辰志(委員,マックス(株)),小林敏也(委員,東京メータ(株)),小倉厚(委員,東京メー タ(株)) ,佐々木政彰(委員,TACO(株)) ,島田晴示(委員,ニッタームアー(株)),妹尾満(委員,SMC (株)), 高橋隆通(委員,甲南電機(株)),高橋浩爾(委員,上智大学),寺澤勝彦(委員,CKD(株)),長岐忠則(委 員,妙徳(株)),中村武(委員,SMC (株)) ,高牟英治(委員,オリオン機械(株)),谷口宏次(委員,東急 車輛) ,藤山 武男(委員,マックス(株)),藤野謙司(委員,JR 東日本),山本円朗(委員,東京メータ(株)), 渡邊勇治(委員,クロダニューマチックス(株)) 3.話題提供された議題 1) 新幹線車両における空気圧システムの解析と考察(藤野謙司氏) JR 東日本の新幹線車両に使用されているフルアクティブサスペンションの空気圧配管,機器における圧 力,流量を測定し,空気圧システムの効率向上による性能向上やコストダウンのため,車両配管をモデ ル化して試験結果との比較を行った.配管径,補助空気タンク容量等の変更による各要素での圧力変動 の考察を行った. 2) 3段エジェクタ(荒井里志氏) 噴出ノズルを3段に構成することにより、エネルギーを効率よく利用したエジェクタである.排気エア を有効に利用することにより,少ない消費流量で,大きな流量を吸引する.また,内部のチェック弁の 動きにより,高真空圧を発生させる. 3) 真空式汚物処理装置(山本寛氏) 近年の鉄道車両トイレにはホテルにある設備のような快適性,多様性などが求められる.このような高 第 40 巻 第 E1 号 - E81 - 2009 年 8 月(平成 21 年) 香川 利春:空気圧システム基礎特性研究委員会 (流量特性に着目した省エネ化及び信頼性研究) 品位はトイレを鉄道車両に実現していくには,建築物にない厳しい条件を満たす必要がある. 著者紹介 かがわ としはる 香川 利春 君 1974 年東京工業大学制御工学科卒業.同年度北辰電機製作所入社.76 年東京工業大学 工学部制御システム工学科助手,同講師,同助教授を経て,現在同大学精密工学研究所 教授.流体計制御システム,流体計測,生体計測に関する研究に従事.計測自動制御学 会,日本機械学会,日本シミュレーション学会などの評議員及び日本フルードパワーシ ステム学会副会長を務める.工学博士. 第 40 巻 第 E1 号 - E82 - 2009 年 8 月(平成 21 年)
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