医薬品インタビューフォーム - 田辺三菱製薬株式会社

2007年 10月改訂(改訂9版)
日本標準商品分類番号:871162
医薬品インタビューフォーム
剤
形
注射剤
規格・含量
1管(1mL)中ビペリデン3.88mg(乳酸ビペリデンとして5mg)
一
和名:ビペリデン
洋名:Biperiden
般
名
開発・製造・
輸入・発売・
販売会社名
製造販売元:田辺三菱製薬株式会社
プロモーション提携:吉富薬品株式会社
担当者の連絡
先・電話番号
薬価基準収載
・発売年月日
TEL.
薬価基準収載年月日:2003 年7月4日(変更銘柄名での収載日)
発 売 年 月 日:1976 年11月29日
整理番号
ご自由にご利用下さい
目
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1
次
Ⅵ.使用上の注意に関する項目
1.警告とその理由‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9
2.製品の特徴及び有用性,類似薬との比較‥ 1
2.一般的注意とその理由及び処置方法‥‥‥ 9
3.主な外国での発売状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1
3.禁忌とその理由‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9
4.慎重投与とその理由‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9
Ⅱ.名称に関する項目
5.副作用‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10
1.商品名‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2
6.薬物アレルギーに対する注意及び試験法‥ 11
2.一般名‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2
7.高齢者への使用に関する注意‥‥‥‥‥‥ 11
3.構造式又は示性式‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2
8.妊娠又は妊婦への使用に関する注意‥‥‥ 11
4.分子式及び分子量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2
9.授乳婦への使用に関する注意‥‥‥‥‥‥ 11
5.化学名(命名法)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2
10.未熟児,新生児,乳児,幼児,小児への
6.慣用名,別名,略号,記号番号‥‥‥‥‥ 2
使用に関する注意‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11
7.CAS登録番号‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2
11.相互作用‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12
12.臨床検査値への影響‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12
Ⅲ.原薬の性状に関する項目
13.適用上の注意‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12
1.原薬の規制区分‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3
14.薬剤交付時の注意事項‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13
2.起
源‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3
15.過量投与時‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13
3.物理化学的性質‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3
16.その他‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13
4.原薬の安定性‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3
5.原薬の確認試験法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4
Ⅶ.薬効薬理に関する項目
6.原薬の純度試験法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群‥ 14
7.構造上関連のある化合物又は化合物群‥‥ 4
2.薬理作用‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14
3.薬理学的特徴‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤
形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5
Ⅷ.体内薬物動態に関する項目
2.製剤上の特徴‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5
1.血中濃度の推移,測定法‥‥‥‥‥‥‥‥ 15
3.製剤の組成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5
2.薬物速度論的パラメータ‥‥‥‥‥‥‥‥ 15
4.製剤の安定性‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5
3.作用発現時間‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16
5.他剤との配合変化(物理化学的変化)‥‥ 6
4.作用持続時間‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16
6.混入する可能性のある夾雑物‥‥‥‥‥‥ 6
5.吸
収‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16
7.製剤中の原薬確認試験‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6
6.分
布‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16
8.製剤中の原薬定量法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6
7.代
謝‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16
9.容器の材質‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6
8.排
泄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17
9.透析等による除去率‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17
Ⅴ.治療に関する項目
1.効能・効果‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
2.用法・用量‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7
1.一般薬理‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18
3.臨床適用‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8
2.毒
4.その他の薬理作用‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8
3.動物での体内動態‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18
5.治療的特徴‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8
性‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18
Ⅹ.取扱い上の注意,包装,承認等に
Ⅹ
Ⅰ.文
関する項目
献
1.引用文献‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20
1.有効期間又は使用期限‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
2.その他の参考文献‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20
2.貯法・保存条件‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
3.文献請求先‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20
3.薬剤取扱い上の注意点‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
4.包
装‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
ⅩⅡ.末
尾‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 21
5.同一成分,同効薬‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
6.製造販売承認年月日,承認番号‥‥‥‥‥ 19
7.薬価基準収載年月日‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
8.再審査期間の年数‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
9.長期投与の可否‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
10.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード‥‥ 19
付
録
タスモリン注5mg配合変化成績
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯
中枢性抗コリン作用を有するトリヘキシフェニジルのシクロヘキシル
基をbicycloalkyl基で置きかえた構造であり,ドイツ Knoll社により開発
された。
2.製品の特徴及び有用性,
類似薬との比較
タスモリンは向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア
(遅発性を除く),アカシジア,特発性パーキンソニズム,その他のパー
キンソニズム(脳炎後,動脈硬化性,中毒性)に有用な抗パーキンソン
剤である。
3.主な外国での発売状況 Akineton (Abbott;カナダ,アイルランド,イタリア,南アフリカ,スペ
イン,スウェーデン,スイス,イギリス,アメリカ)
(Knoll / Ludwigsh;ドイツ)
―
1 ―
Ⅱ.名称に関する項目
1.商品名
(1) 和
名:タスモリン注5mg
(2) 洋
名:TASMOLIN INJECTION 5mg
(3) 名称の由来:特になし
2.一般名
(1) 和名 (命名法):ビペリデン (JAN)
(2) 洋名 (命名法):Biperiden (JAN)
3.構造式又は示性式
4.分子式及び分子量
分子式:C21H29NO
分子量:311.46
5.化学名(命名法)
1-(bicyclo〔2.2.1〕hept-5-en-2-yl)-1-phenyl-3-piperidino-1-propanol
6.慣用名,別名,略号,
記号番号
7.CAS登録番号
541-65-8
―
2 ―
Ⅲ.原薬の性状に関する項目
1.原薬の規制区分
2.起
源
劇薬,指定医薬品
中枢性抗コリン作用を有するトリヘキシフェニジルのシクロヘキシル
基をbicycloalkyl基で置きかえた構造であり,ドイツ Knoll社により開発
された。
3.物理化学的性質
(1) 外観・性状
白色の結晶性の粉末で,においはないか,又はわずかに特異なにおい
がある。
(2) 溶解性
クロロホルムに極めて溶けやすく,酢酸(100)に溶けやすく,ジエチ
ルエーテルにやや溶けやすく,メタノール又はエタノール(95)にやや
溶けにくく,水にほとんど溶けない。
(3) 吸湿性
該当資料なし
(4) 融点(分解点),沸
融点:112∼115℃
点,凝固点
(5) 酸塩基解離定数
(6) 分配係数
該当資料なし
(7) その他の主な示性値
4.原薬の安定性
(1) 各種条件下における
安定性
試験の種類
保存条件
保存形態
保存期間
結果
長期保存試験
25℃,60%RH
ポリエチレン袋(二重)
+ミニファイバードラム
36ヵ月
変化なし
加速試験
40℃,75%RH
ポリエチレン袋(二重)
+ミニファイバードラム
6ヵ月
変化なし
試験項目:外観,確認試験,純度試験,乾燥減量,強熱残分,含量
(2) 強制分解による生成 該当資料なし
物
―
3 ―
Ⅲ.原薬の性状に関する項目
5.原薬の確認試験法
(1) リン酸による呈色反応
(2) 臭素による沈殿生成
(3) 過マンガン酸カリウム試液の脱色
(4) 紫外可視吸光度測定法
6.原薬の純度試験法
非水滴定法(指示薬法)
7.構造上関連のある化合 Aminopropanol系化合物
物又は化合物群
―
4 ―
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤
形
(1) 剤形の区別,規格及
び性状
1管(1mL)中ビペリデン3.88mg(乳酸ビペリデンとして5mg)を含有
する無色澄明の液である。
(2) 溶解性及び溶解時の pH:4.8∼5.8
pH,浸透圧比,粘度, 浸透圧比 (生理食塩液に対する比):約1
比重,安定なpH域等
(3) 注射剤の容器中の特 窒素
殊な気体の有無及び
種類
2.製剤上の特徴
特になし
3.製剤の組成
(1) 原薬(活性成分)の
含量
有効成分
ビペリデン
〔1管(1mL)中〕
添加物
(2) 保存剤, 賦形剤, 安
3.88mg(乳酸ビペリデンとして5mg)
乳酸,乳酸ナトリウム
上記(1)項参照
定剤, 溶媒, 緩衝剤,
溶解補助剤, 基剤等
4.製剤の安定性1)
試験の種類
保存条件
保存形態
保存期間
結果
長期保存試験*1
室温
褐色ガラスアンプル
+紙箱
3年
変化なし
加速試験*2
40℃,75%RH
褐色ガラスアンプル
+紙箱
6ヵ月
変化なし
苛酷試験*3
光
褐色ガラスアンプル
60万lx・h
変化なし
蛍光灯
試験項目:*1 性状,確認試験,pH,実容量,不溶性異物検査,不
溶性微粒子試験,無菌試験,含量
*2 性状,pH,実容量,不溶性異物検査,不溶性微粒子
試験,無菌試験,含量
*3 外観,pH,薄層クロマトグラフィー(TLC),含量
―
5 ―
Ⅳ.製剤に関する項目
5.他剤との配合変化
付録参照
(物理化学的変化)
6.混入する可能性のある 該当資料なし
夾雑物
7.製剤中の原薬確認試験 (1) 紫外可視吸光度測定法
(2) ナトリウム塩の定性反応及び乳酸塩の定性反応
8.製剤中の原薬定量法
分相滴定法
9.容器の材質
淡褐色ガラスアンプル+紙箱
―
6 ―
Ⅴ.治療に関する項目
1.効能・効果
○向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア (遅発性を除
く)・アカシジア
○特発性パーキンソニズム
○その他のパーキンソニズム(脳炎後,動脈硬化性,中毒性)
<効能・効果に関連する使用上の注意>
抗パーキンソン剤はフェノチアジン系薬剤,ブチロフェノン系
薬剤,レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発
性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によってはこのよう
な症状を増悪,顕性化させることがある。
2.用法・用量
(1) 用
量
乳酸ビペリデンとして,通常成人5∼10mg(1∼2管)を筋肉内注射
(2) 用
法
する。静脈内注射は特殊な場合にのみ行い,乳酸ビペリデンとして5∼
10mg(1∼2管)を5mg(1管)につき約3分かけて徐々に静脈内注射
する。なお,年齢,症状により適宜増減する。
※(3) 最大使用投与量,
投与期間
※(4) 小児用量
※(5) 高齢者用量
※(6) 臓器障害時の投与量
※(7) 透析時の補正投与量
該当資料なし
※(8) 特殊患者群に対する
注意
※(9) 特別な投与法
特になし
―
7 ―
Ⅴ.治療に関する項目
3.臨床適用
(1) 臨床効果
向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア (遅発性を除く)・
ア カ シ ジ ア , 特 発 性 パ ー キ ン ソ ニ ズ ム , そ の 他 のパーキンソニズム
(脳炎後,動脈硬化性,中毒性)に有用性が認められている。
※(2) 従来使用されている 該当資料なし
薬物との比較臨床試
験データ
※4.その他の薬理作用
なし
5.治療的特徴
特になし
―
8 ―
Ⅵ.使用上の注意に関する項目
1.警告とその理由
2.一般的注意とその理由
及び処置方法
現段階では定められていない
重要な基本的注意
(1) 本剤の投与は,少量から開始し,観察を十分に行い慎重に維持量
まで増量すること。また,他剤から本剤に切りかえる場合には,
他剤を徐々に減量しながら,本剤を増量するのが原則である。
(2) 本剤投与中は定期的に隅角検査及び眼圧検査を行うことが望まし
い。
(3) 本剤の大量投与により,パーキンソン症状の増悪がみられること
があるので,このような場合には減量する等適切な処置を行うこ
と。
(4) 眠気,調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こる
ことがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴
う機械の操作に従事させないように注意すること。
3.禁忌とその理由
禁忌(次の患者には投与しないこと)
(1) 緑内障の患者〔本剤の抗コリン作用により眼内圧が亢進し,症状
が悪化するおそれがある。〕
(2) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(3) 重症筋無力症の患者〔本剤の抗コリン作用により症状が悪化する
おそれがある。〕
4.慎重投与とその理由
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 前立腺肥大等尿路に閉塞性疾患のある患者〔排尿障害が発現又は
悪化することがある。〕
(2) 胃腸管に閉塞性疾患のある患者〔腸管麻痺が発現又は悪化するお
それがある。〕
(3) 不整脈又は頻拍傾向のある患者〔不整脈等の循環器系の副作用を
起こすおそれがある。〕
(4) 肝又は腎障害のある患者〔代謝・排泄機能が低下しているため,
副作用が起こりやすい。〕
(5) 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
(6) てんかんの患者〔発作の誘因となるおそれがある。〕
(7) 高温環境にある者〔発汗抑制が起こりやすい。〕
―
9 ―
Ⅵ.使用上の注意に関する項目
(8) 動脈硬化性パーキンソン症候群の患者〔精神神経系の副作用が起
こりやすい。〕
(9) 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔Syndrome
malin(悪性症候群)が起こりやすい。〕
5.副作用
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施し
ていない。
(1) 重大な副作用(頻度不明)
1)Syndrome malin(悪性症候群):抗精神病薬,抗うつ剤及びド
パミン作動系抗パーキンソン剤との併用において,本剤及び併
用薬の減量又は中止により,発熱,無動緘黙,意識障害,強度
の筋強剛,不随意運動,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等
があらわれることがある。このような症状があらわれた場合に
は,体冷却,水分補給等の全身管理及び本剤の投与量を一旦も
とに戻した後慎重に漸減するなどの適切な処置を行うこと。本
症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇があらわれる
ことが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があら
われることがある。
2)依存性:本剤により気分高揚等が発現したとする報告があ
り,依存形成につながるおそれがあるので,観察を十分に行
い,慎重に投与すること。
(2) その他の副作用
頻度
頻度不明
種類
精神神経系注1)
幻覚,せん妄,精神錯乱,不安,嗜眠,記憶障害
消化器
口渇,悪心,嘔吐,食欲不振,胃部不快感,下痢,
便秘,口内炎
泌尿器
過敏症
排尿困難,尿閉
注2)
発疹
循環器
血圧低下,血圧上昇
眼
眼の調節障害
肝臓
注3)
肝障害
注1)異常が認められた場合には,減量又は休薬するなど適切な処置
を行うこと。
注2)異常が認められた場合には投与を中止すること。
注3)異常が認められた場合には,減量又は中止するなど適切な処置
を行うこと。投与中は定期的に肝機能検査を行うことが望まし
い。
―
10 ―
Ⅵ.使用上の注意に関する項目
(1) 項目別副作用出現率
及び臨床検査値異常
該当資料なし
(2) 背景別副作用出現率
(3) 副作用の発生原因及 副作用の項参照
び処置方法
(4) 日本で見られていな 特になし
い外国での副作用報
告及びその出典
6.薬物アレルギーに対す
る注意及び試験法
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者は禁忌。
発疹(頻度不明)があらわれることがあるので,異常が認められた場合
には,投与を中止すること。
7.高齢者への使用に関す
る注意
高齢者への投与
高齢者では,慎重に投与すること。〔せん妄,不安等の精神症状及
び抗コリン作用による口渇,排尿困難,便秘等があらわれやすい。〕
8.妊娠又は妊婦への使用
に関する注意
9.授乳婦への使用に関す
る注意
10.未熟児, 新生児,乳児,
幼児,小児への使用に
関する注意
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には投与
しないことが望ましい。〔妊娠中及び授乳中の投与に関する安全性は
確立していない。〕
小児等への投与
小児等には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にの
み投与すること。〔小児等に対する安全性は確立していない。〕
―
11 ―
Ⅵ.使用上の注意に関する項目
11.相互作用
(1) 併用療法時の注意
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
抗コリン作用を
有する薬剤
腸管麻痺(食欲不振,悪
心・嘔吐,著しい便秘,腹
部の膨満あるいは弛緩及び
腸内容物のうっ滞等)を来
し,麻痺性イレウスに移行
することがあるので,腸管
麻痺があらわれた場合には
投与を中止すること。な
お,この悪心・嘔吐はフェ
ノチアジン系薬剤等の制吐
作用により不顕性化するこ
ともあるので,注意するこ
と。
併用により抗コリン作用が
強くあらわれる。
中枢神経抑制剤
( バルビツール
酸誘導体,フェ
ノチアジン系薬
剤,三環系抗う
つ剤,モノアミ
ン酸化酵素阻害
剤等)
眠気,精神運動機能低下,
幻覚,妄想等があらわれる
ことがあるので,減量する
など注意すること。
併用により中枢神経抑制作
用又は抗コリン作用が強く
あらわれる。
他の抗パーキン
ソン剤
(レボドパ,ア
マンタジン,ブ
ロモクリプチン
等)
幻覚,妄想等の精神神経系
の副作用が増強することが
ある。
ドパミン過剰及びアセチル
コリン系神経機能低下が考
えられている。
(フェノチアジ
ン系薬剤,ブチ
ロフェノン系薬
剤,三環系抗う
つ剤等)
(2) 食物, 嗜好品等による 該当資料なし
影響
12.臨床検査値への影響
13.適用上の注意
該当資料なし
(1) 静脈内注射時:
静脈内注射を必要とする場合にはゆっくり投与すること。
(2) 筋肉内注射時:
筋肉内注射にあたっては,組織・神経等への影響を避けるため,
下記の点に注意すること。
1)筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。
なお,特に,同一部位への反復注射は行わないこと。また,低出
生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児には特に注意すること。
2)神経走行部位を避けるよう注意すること。
―
12 ―
Ⅵ.使用上の注意に関する項目
3)注射針を刺入したとき,激痛を訴えたり,血液の逆流をみた場
合は,直ちに針を抜き,部位をかえて注射すること。
(3) アンプルカット時:
本剤の容器はワンポイントカットアンプルを使用しているので,
丸印を上にして下方向へ折ること。なお,アンプルカット時の異物
混入を避けるためエタノール綿等で清拭しカットすること。
14.薬剤交付時の注意事項
15.過量投与時
特になし
症状:
主な症状は抗コリン作用に基づくものである。口渇,体温上昇,頻
脈,不整脈,尿閉,興奮,幻覚,妄想,錯乱,痙攣,呼吸抑制等があ
らわれることがある。
処置:
中枢神経興奮症状に対してはジアゼパム,短時間作用型のバルビ
ツール酸系薬剤の投与を行う。抗コリン作用を有する抗精神病薬は症
状を悪化させることがあるので投与しないこと。
16.その他
―
13 ―
Ⅶ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連ある
Aminopropanol系化合物
化合物又は化合物群
2.薬理作用
(1) 作用部位・作用機序 作用部位:中枢神経系,特に線条体
作用機序:中枢ムスカリン受容体を遮断することにより,相対的に亢進
している線条体アセチルコリン神経の機能を抑える。
(2) 効力を裏付ける試験 該当資料なし
成績
3.薬理学的特徴
ビペリデンは中枢ムスカリン受容体を遮断することにより,相対的に
亢進している線条体アセチルコリン神経の機能を抑える薬剤である。
―
14 ―
Ⅷ.体内薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移, 測定
法
(1) 治療上有効な血中濃 該当資料なし
度
(2) 最高血中濃度到達時 該当資料なし
間
<参考> 経口のデータ2)
tmax 1.5h (4mg経口)
(3) 通常用量での血中濃
度
該当資料なし
(4) 中毒症状を発現する
血中濃度
2.薬物速度論的パラメー 該当資料なし
タ 2)
<参考> 経口のデータ
(1) 吸収速度定数
2.18h-1
(2) 消失速度定数
α=1.11h-1,β=0.03h-1
(3) 分布容積
みかけのVd
VC/F=419L
total Vd
VB/F=4032L
(4) 血漿蛋白結合率
該当資料なし
(5) クリアランス
146L/h
(6) バイオアベイラビリ
ティ
4mg経口
tmax
(h)
1.5
Cmax
(ng/mL)
5.1
t½α (h)
0.6
t½β (h)
18.4
AUC (ng・h/mL)
27.2
―
15 ―
Ⅷ.体内薬物動態に関する項目
3.作用発現時間
該当資料なし
4.作用持続時間
該当資料なし
5.吸
収
該当資料なし
6.分
布
(1) 血液−脳関門通過性
(2) 血液−胎盤関門通過
性
(3) 母乳中への移行性
該当資料なし
(4) 髄液への移行性
(5) その他の組織への移
行性
7.代
謝
(1) 代謝部位及び代謝経
路
(2) 初回通過効果の有無
及びその割合
該当資料なし
(3) 代謝物の活性の有無
(4) 活性代謝物の速度論
的パラメータ
―
16 ―
Ⅷ.体内薬物動態に関する項目
8.排
泄
(1) 排泄部位
(2) 排泄率
該当資料なし
(3) 排泄速度
9.透析等による除去率
(1) 腹膜透析
(2) 血液透析
該当資料なし
(3) 直接血液灌流
―
17 ―
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.一般薬理
2.毒
該当資料なし
性
(LD50 mg/kg)
(1) 急性毒性3)
投与経路
使用動物
マ
ラ
イ
ウ
ッ
ス
ト
ヌ
(2) 亜急性毒性
(3) 慢性毒性
該当資料なし
(4) 生殖試験
(5) その他の特殊毒性
3.動物での体内動態
(1) 吸
収
(2) 分
布
(3) 代
謝
(4) 排
泄
該当資料なし
(5) その他
―
18 ―
経
口
545
750
340
皮
下
195
−
−
静脈内
56
−
−
Ⅹ.取扱い上の注意,包装,承認等に関する項目
1.有効期間又は使用期限 使用期限:3年(安定性試験結果に基づく)
2.貯法・保存条件
遮光保存,室温保存
3.薬剤取扱い上の注意点 注意−医師等の処方せんにより使用すること
4.包
装
5.同一成分,同効薬
1mL×10管,1mL×50管
同一成分:アキネトン(大日本住友)
同 効 薬:トリヘキシフェニジル
プロメタジン
プロフェナミン
6.製造販売承認年月日, 2003年2月14日(販売名変更に伴う再承認)
承認番号
21500AMZ00047000
7.薬価基準収載年月日
2003年7月4日
8.再審査期間の年数
該当しない
9.長期投与の可否
該当しない
10.厚生労働省薬価基準
1162400A1040
収載医薬品コード
―
19 ―
ⅩⅠ.文
献
1.引用文献
1)社内資料
2)Hollman,M., et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol., 27, 619 (1984)
3)Usdin,E., et al.:Psychotropic Drugs and Related Compounds 2nd
ed., 208 (1972)
2.その他の参考文献
3.文献請求先
田辺三菱製薬株式会社
〒541-8505
大阪市中央区道修町3−2−10
吉富薬品株式会社
〒541-0047
くすり相談センター
学術企画部
大阪市中央区淡路町2−5−6
―
20 ―
ⅩⅡ.末
尾
「日本病院薬剤師会のIF様式(1988年4月)に基づいて作成」
―
21 ―
付
タスモリン注5mg配合変化成績
試験条件
配 合 比:1管対1管をもって行い,まず注射剤をサンプル管にとり,これに混合対象製
剤を徐々に加えて混合した。なお,ブドウ糖注及び生理食塩液については,1
管に対し各々20mLを混合した。
保存条件:すべて室温で行い,暗所及び室内散乱光下(500lxで連続照射)に保存した。
試験項目
外観,pH,TLCについて配合直後,30分後,1時間後,3時間後,6時間後,24時間後に観
察した。
ただし,TLCは配合直後,6時間後及び24時間後のみについて観察した。
観:肉眼により色*及び沈殿の有無を観察。
① 外
②
pH
:pH計を用いて測定。
③ TLC:配合後に変化(結晶,沈殿等)のあったものについては行わなかった。
備考欄には色調変化のあったもののみ記載。
*色は便宜上,例えば黄色系ならば微々黄,微黄,淡黄,黄などの数段階で表現。
タスモリン注5mg(保存条件:室温・室内散乱光下)
薬 剤 名
タスモリン注
5mg
単位
容量
外 観
pH
配
合
比
ブドウ糖注
生理食塩液
pH
備
考
3h後
6h後
24h後
配合
直後
0.5h
後
1h
後
3h
後
6h
後
24h
後
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
5.25
5.27
5.29
5.26
5.21
5.20
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
微黄色
澄明の
液
5.36
5.38
5.41
5.26
5.24
TLC:6h,24h後コン
4.99 トミンの光分解物を
認めた。
無色澄
明の液
同 左
わずかに
結晶析出 同 左
結晶析出
同 左
5.14
5.13
5.12
5.13
5.13
5.06 結晶析出
無色澄
明の液
同 左
同 左
わずかに
結晶析出 同 左
結晶析出
5.01
5.01
5.00
5.03
5.02
5.01 結晶析出
無色澄
明の液
同 左
同 左 結晶析出 同 左
同 左
5.04
5.04
5.03
5.04
5.04
5.04 結晶析出
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
4.54
4.53
4.52
4.52
4.53
4.52 外観変化なし
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
4.56
4.55
4.54
4.56
4.56
4.55 外観変化なし
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
わずかに
5.09
結晶析出
5.09
5.09
5.09
5.09
5.08 結晶析出
淡黄色
1管 淡黄色
10mg
澄 明 の 6.61 : 澄明の
2mL
液
1管 液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
6.05
6.05
6.04
6.06
6.07
6.06
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
5.43
5.43
5.45
5.45
5.46
5.45 外観変化なし
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
5.03
5.06
5.03
5.02
5.05
5.05 外観変化なし
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
5.24
5.19
5.11
5.14
5.15
5.15 外観変化なし
無色澄
無色澄
5mg
5.25 単味
明の液
1mL 明の液
1管
無色澄
25mg
5.65 :
5mL 明の液
1管
1管
ビー ゼットシー筋注 2mg
無色澄
5.24 :
2mg
1mL 明の液
1管
1管
レボトミン筋注 25mg
無色澄
4.31 :
25mg
1mL 明の液
1管
1管
無色澄
25mg
ヒルナミン注
4.52 :
1mL 明の液
1管
1管
無色澄
5mg
リントン注
3.95 :
1mL 明の液
1管
1管
セレネース注 5mg
無色澄
4.07 :
5mg
1mL 明の液
1管
1管
ドグマチール 100mg
無色澄
5.34 :
注射液100mg
明の液
2mL
1管
ヒベルナ注
観
1h後
コントミン筋注
25mg
セルシン
注射液10mg
外
配合直後 0.5h後
1管
無色澄
25mg
5.98 :
1mL 明の液
1管
1管
無色澄
4g
4.20 :
20mL 明の液
20mL
1管
無色澄
0.18g
6.03 :
20mL 明の液
20mL
―
22 ―
外観変化なし
配合すると直ちに白
濁するが,ふりまぜる
と淡黄色澄明となる。
録
タスモリン注5mg(保存条件:室温・暗所)
薬 剤 名
タスモリン注
5mg
単位
容量
外 観
pH
配
合
比
1管
無色澄
25mg
5.65 :
5mL 明の液
1管
1管
ビー ゼットシー筋注 2mg
無色澄
5.24 :
2mg
1mL 明の液
1管
1管
レボトミン筋注 25mg
無色澄
4.31 :
25mg
1mL 明の液
1管
1管
無色澄
25mg
4.52 :
ヒルナミン注
1mL 明の液
1管
1管
無色澄
5mg
3.95 :
リントン注
1mL 明の液
1管
1管
セレネース注 5mg
無色澄
4.07 :
5mg
1mL 明の液
1管
1管
ドグマチール 100mg
無色澄
5.34 :
注射液100mg
2mL 明の液
1管
ヒベルナ注
ブドウ糖注
生理食塩液
観
pH
備
1h後
3h後
6h後
24h後
配合
直後
0.5h
後
1h
後
3h
後
6h
後
24h
後
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
5.25
5.29
5.31
5.21
5.24
5.23
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
5.36
5.43
5.44
5.34
5.36
5.33 外観変化なし
同 左
無色澄 わずかに
同 左 結晶析出
(多量)
明の液 結晶析出
同 左
5.14
5.14
5.13
5.13
5.14
5.12 結晶析出
わずかに
結晶析出 同 左
結晶析出
5.01
5.00
5.00
5.01
5.01
5.01 結晶析出
無色澄
無色澄
5mg
5.25 単味
明の液
1mL 明の液
コントミン筋注
25mg
セルシン
注射液10mg
外
配合直後 0.5h後
無色澄
明の液
無色澄
明の液
同 左
同 左
無色澄
明の液
同 左
同 左 結晶析出 同 左
同 左
(多量)
5.04
5.04
5.04
5.05
5.05
5.06 結晶析出
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
4.54
4.53
4.53
4.53
4.54
4.53 外観変化なし
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
4.56
4.54
4.54
4.55
4.55
4.54 外観変化なし
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
わずかに
5.09
結晶析出
5.10
5.09
5.09
5.09
5.08 結晶析出
1管 淡黄色
淡黄色
10mg
澄 明 の 6.61 : 澄明の
2mL
液
1管 液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
6.05
6.05
6.05
6.08
6.07
6.07
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
5.43
5.43
5.44
5.44
5.45
5.44 外観変化なし
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
5.03
5.09
5.05
5.04
5.05
5.06 外観変化なし
無色澄
明の液
同 左
同 左
同 左
同 左
同 左
5.24
5.19
5.11
5.14
5.15
5.15 外観変化なし
1管
無色澄
25mg
5.98 :
1mL 明の液
1管
1管
無色澄
4g
4.20 :
20mL 明の液
20mL
1管
無色澄
0.18g
6.03 :
20mL 明の液
20mL
―
23 ―
考
外観変化なし
配合すると直ちに白
濁するが,ふりまぜる
と淡黄色澄明となる。