Beyond Civilizational Dialogue - 鈴鹿国際大学

Beyond Civilizational Dialogue
-----A multicultural Symbiosis in the Service of World Politics.
by Dr. H. Arifin Bey, Emeritus Prof., Kanda Univ. of Int’l Studies,
published by Paramadina, Jakarta, in Jan. 2003
小 林 路 義
この本は平成 15 年(2003 年)1 月にインドネシアで出版された英文の本であるが、
それを敢えて私が日本で日本語で紹介しようというのは、この本の主要論攷が日本
で書かれたものであり(一部はマレーシア)、また私もこの本の出版に多少、関係があ
ったからである。既に随分以前のことになるが、私は昭和 62 年(1987 年)著者アリフィ
ン・ベイ氏が日本のあちこちの学術誌や総合雑誌に発表された論攷を編集・翻訳して、
『アジア太平洋の時代』(中央公論社)として出版したことがある。そのとき、私は標題
の「アジア太平洋の時代」の「の」を入れるかどうかで随分悩んだのだが、それは当時
まだ「アジア太平洋時代」という言葉が日本では充分、成熟していなかったからである。
従って、「アジア太平洋時代」という言葉の定着にこの本が、一定の役割を果したとい
う自負が我々にあり、私としても、氏のその後の国際会議や学会の論攷、学術誌の
論文などを集めて次の本を出さなければと思い乍ら、未だに果せないのは誠に胸中
忸怩たるものがある。そうこうしているうちに氏はマラヤ大学に移り、またマラヤ大学
の引留めにも拘らず、同大学の「文明間対話研究所」の発足をもって、アジア金融危
機のさなかに、最終的にインドネシアへお帰りになることになった。そこで、それならと
いうことで、いっそのこと、英語の原文のままで出版してしまったほうが早いということ
になって、この本ができたのである(これらの経緯については本書の「序章」を参照)。