製造工程図(フローダ イアグラム)の作り方

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製造工程図(フローダ
イアグラム)の作り方
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製造工程フロー図の作りかた
(1)作成上の留意点
HACCPシステム適用の12手順の手順4では製造工程図(フローダイアグラ
ム)の作成が、手順5では製造工程図の現場での確認が求められています。
はじめに、安全性に関係する原材料の収受から最終製品の出荷に至る一連の
製造または加工の工程の流れを記載した製造工程図を次の手順で作成します。
①原材料の収受から最終製品の出荷までのすべての工程または作業ごとに、
当該工程または作業を簡潔に列挙し、その文字を枠で囲み、枠を線(矢印)
で結びます。
②原材料において、主原材料、副原材料、食品添加物、容器包装、使用水等
は同列に枠囲みで記載し、使用する工程まで線(矢印)で結びます。
③危害要因(ハザード)の発生防止に関連する作業場のパラメータ(殺菌温
度、冷却温度、pHなど)を具体的に記載します。
④原材料、製造または加工の工程ごとに順を追って番号を付けます。
⑤いずれの製造または加工の工程が汚染区、準清浄区、清浄区かの作業区域
を示します。
⑥CCPを決定したら、その箇所にCCP番号を付けて記載します。
製造工程図は誰にでも理解できるように作成しなければなりません。
次に、製造工程図に誤りがないかどうか、操業中に施設に立ち入り、工程の流
れに従って確認作業を行い、実際の状況と相違点があれば、工程図を修正しま
す。
製造工程図を見れば、当該食品の原材料から最終製品に至るまでの大略の流
れ、安全管理上の留意点や処理などがイメージされることが必要です。再利用
などがある場合ももれなく記入します。
(2)例示
図1に豆腐の製造工程図を、図2にクリームコロッケの製造工程図を示しま
す。これらの図では、原材料の受け入れから、1、2、3~と番号が記載され
ていますが、原材料から番号を付けることもあります。
なお、製造工程図とは別に、個々の施設内での交差汚染の可能性を把握し、
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製造工程図(フローダイアグラム)の作り方
第3章
これを排除するために、施設内での製品の流れ、作業者の動線を示す施設内
見取り図を作成することが求められることがあります(『食品の安全を創る
HACCP』p.78,79の図3、p.80,81の図4参照)。
製造工程図(フローダイアグラム)の作り方
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●図1
もめん豆腐の製造工程図の例
書類No.
作成者
制定:平成��年��月��日
製品の名称:もめん豆腐
大���豆
汚
1
水
凝�固�剤
容器包装
染
受���入
2 受���入
3 受���入
4 受���入
5 受���入
6 常温保存
7 常温保存
8 常温保存
9 常温保存
10 常 温 保 存
区
11 精選・洗浄
(洗浄機)
12 計���量 13 計���量 14 外 装 除 去
(計量器)
(計量器)
(手作業)
(水温量・時間確認)
16 磨���砕(磨砕機)
(品量・時間確認)
17 煮���沸(煮沸器)
(水温量・時間確認)
18 豆 乳 分 離(絞り機)
(ろ過状態確認)
19 凝固剤添加(添加機)
(添加量確認)
20 凝���固(凝固機)
(水温・時間確認)
準
15 浸���漬(浸漬槽)
清
浄
区
清
21 崩���し(手作業)
22 型�入�れ(型�箱)
浄
23 プ�レ�ス(プレス)
(作動チェック)
24 型�出�し(手作業)
25 カ�ッ�ト(切断機)
(作動チェック)
26 水 さ ら し(水�槽)
(水温・時間確認)
27 包���装(包装機)
(作動チェック)
28 検�品(金属探知機)
(作動チェック)
29 保���管(手作業)
(温度確認)
区
準 清 浄 区
26
消�泡�剤
30 出���荷(手作業)
製造工程図(フローダイアグラム)の作り方
●図2
クリームコロッケの製造工程図の例
第3章
書類No.
作成者
制定:平成��年��月��日
製品の名称:クリームコロッケ
汚 染 区
油
脂
1
受�入
9
保�管
小 麦 粉
2
受�入
10 保�管
準清浄区
16 加�熱
牛
3
受�入
11 保�管
17
調 味 料
香 辛 料
乳
4
受�入
12 保�管
加熱溶解
20 加�熱
とうもろこし
たまねぎ
5
受�入
水
6
13 保�管
粉
受�入
7
物
受�入
14 保�管
18 選�別
19
混合溶解
21 加�熱
22
冷却保管
パ ン 粉
8
受�入
15 保�管
23 加熱混合
清
24 加熱混合 温度85℃
25 冷�却
26 成�型
27 衣付け
浄
28 パン粉付け
ト レ イ
フィルム
ダンボール
29 フライ
温度205℃
時間120秒
31 受�入
32 受�入
33 受�入
30 凍�結
-40℃,50分 34 保�管
35 保�管
36 保�管
区
37 トレー詰め
38 金属検出
Fe 0.8φ
SUS 2.0φ
39 フィルム包装
準
40 重量チェック
清
41 箱詰め
浄
42 保�管
-20℃以下
区
43 出�荷
-18℃以下
製造工程図(フローダイアグラム)の作り方
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