と呼吸管理に関する研究

1呼吸管理に関する研究
②新生児経皮酸素分圧連続測定に関する検討
郎彦隆
次康
川治田
小判柴
研 究 目 的
った。
新生児・未熟児の呼吸管理に経皮酸素分圧の測
i) (oxymonitor PO−100)tcPO2と
定がきわめて有用であることは広く認められつつあ
P202 との相関(図1)夕電極温はすべて
43.5℃に加温して測定したQ電極は腹壁に
装着し,PaO2は贋動脈カテーテルより採血
る。間欺的な動脈採血によるPaO2測定では知る
ことのできない経時的変化,情報を得ることが可
能である。今回,国産の経皮酸素分圧測定装置
した下行大動脈血である。t e PO2とPaO2
P O−100を用いて基礎的,および臨床的に検
は良好な相関が見られ(図1),tcPO2
討したoまた,Oxygen monitor5301とも』
50∼100㎜H9内では1例を除き,PaO2
は50∼100篇H9内であった。しかし,
比較検討した。
1,0xy en moni tor PO−100の基礎的検討
i)電極安定化に要する時問
電極の電解液,膜を交換後,安定化までに
.tePO2とPaO2は必ずしも一致せず,最大
30㎜H9の差が見られた。図2は重症貧血
成熟児(生後3日)の輸血中Oxygen−
cardio respiratory gramであるQ輸
には1∼5時間を必要とした。電極の再使用
では20∼50分にて安定化が得られた。
鶉)C&libration
電極温度43・5℃にて水の入った較正容器
を43.5℃に加温しつつN2カスを吹き込み,
血中にtcPO2は急速に上昇し約18伽H9
ゼロ点設定を行った・また・加温した較正容
でほぼ一致したQ輸血による循環状態改善の
器内にエアーポンプで空気を送り,190聯
H9に設定した・N2ガスによるゼρ点は測定
使用前後でほとんど変ることなくすべて±1
結果と思われる。tcPO2とPaO2との関係
㎜H9以内であった。
判断する必要がある。
ljl)95%反応時間
ll)Driftについて
2個の電極で膜交換後経日的に95%反応
時間を測定した結果,95%反応時間は短く,
膜年令7日目の1回で22.5秒で,他はすべ
図3は測定後のDr i f tと膜年令との関係
て20秒以下であった。
上昇した。この間に血圧は上り脈拍数は低下
した。輸血前はPaO286伽H9に対して
tcPO262伽H9 で大ぎな差が見られたが,
輸血後Pa O275㎜H9,tc PO276㎜H9
には,患児の全身状態が影響することは明ら
かであり,患児の状態を把握してtcPO2を
をみたもので,Driftは59回使用中±3
%紅our以内が49回(83%)であり残り
10回はそれ以上の大きなDriftがあったo
特に膜年令5日目,6日目ではDriftが大
五、未熟児,新生児における測定成績
きく・電極交換後4日内で使用すべきと思わ
被験児は聖隷浜松病院未熟児センターに入院し
れるQ1日目にても大きなDrlft例がある
た未熟児,新生児16名で59回に亘り測定した。
が,膜交換後十分な安定化を行なわなかった
測定時間は25分から500分で平均150分であ
例に集中して見られる。5時間は安定化を確
一164一
面積が大であり,皮膚発赤面が大である。し
認して測定する必要があろう。
かし,水泡形成を生じたものは1例も見られ
ず発赤もほぼ2日内に消失した。
班,OxygenM・nit・r530iとPO『100
の比較検討
i)invitroでの反応速度はPO−100は
結 語
5301より速いがy実際使用上(invivo)
oxygenmonitoγPO−100とPaO2との
では差は見られなかった。
相関は良好であり,oxygen monitor5301
ll)oxygen monitor5301とPO−100
とほぽ同様の結果であった。PO−100の利点
を同時測定し,P&02との相関をそれぞれの
として,膜交換の回数が少なくて済み,また膜固
tePO2と比較した結果,ほとんど同様の関
定が確実で再使用時の電極の安定化が確実となり
係が見られたがPaO2100伽H9 以下で
待機時間は短く実際使用機会を多く与えてくれる。
は5301のtcPO2はPO−100のtcPO2
しかし,P O−100 の加熱板の面積は大きく,
よりもやや高い値を呈した。
被検児の皮膚発赤面積が大きいQ加熱板の面積の
iii)PO−100では膜の固定が確実であり,
縮少が望まれる。また,P O−100 では飽和水
測定中に被検児の体動などの外的影響による
蒸気中空気cal ibrationで理論値より高い
tcPO2の変動がほとんど見られなかった。
190㎜H9に設定することは測定器として問題で
lV)PO−100は5301に比較し加熱板の
あリフ改善が望まれる。
図1
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