3. 研究論文 - 水素エネルギー協会 HESS

3
.研究論文
Improvement o
f Oxide Coated Electrodes f
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r Oxygen Evolution
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Ken-ichiro Ota,and Akira H
Department o
f Energy Engineering, Facult
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Yokohama 2
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Abstract
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-5-
酸素発生用酸化物被覆電極の高性能化
太田健一郎,日置
晃
(横浜国立大学工学部エネルギー工学教室)
1
.緒 雷
水素はクリーンな 2次エネルギーとして注目されているが,工業的にはアンモニアなどの化学原料と
して古くからその製造技術が開発されてきた物質である。
水素はかつては電解法により大々的に製造されていたが,電力コストの問題で,化石燃料の分解によ
る製造方式へと移行し,現在わが国では電解法による大規模な製造は行なわれていない。しかし,熱化
学法の開発が未完成であり,光化学反応の利用もいま一つである点を考えると電解法は大量に水から水
素を作る唯一の工業的に確立された方法であるといえる。とくに近年では燃料電池との組合せや自然エ
ネルギーにより得られる小規模な電力の使用などと絡めて今一度見直されなければならなし、。
水素製造における電解法は,
SPE(Solid Polimer Electrolyte)を用いるもの,高温高圧系の
ものも開発中であるが,現在商用となっているものは電解液( 25-28係の水酸化カリウム水搭液あ
るいは,
15-20婦の水酸化ナトリウム水溶液が使用されてきた。〉に 2種類の電極(主にカソードと
して鉄,アノードとしてユッケルが用いられることが多 L、)を隔膜を介して浸し,その電極間にある電
圧を印加する事で水を電気分解し,カソードより水素を,アノードより酸素を取り出すものである。こ
のシステムでは電気エネルギーを水素エネルギーに変換しているわけであるが, 10 0婦の効率でエネ
ルギ一変換を行なうことはできなし、。
水電解を高性能化するためには,このエネルギ一変換効率を向上させることが肝要である。
通常の水電解槽では電流効率は 98-99婦であるのでエネルギー損失は主に電圧にもとづく部分に
ある。
Table
1には水電解槽と食塩電解槽の槽電圧の内容を比較して示す
,
1 2
。
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ロ)10ra1ka1i e1ectro1ytic cel1
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1
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0.33
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0.10
0.30
IR 10ss / V
0.53
0.35
Tota1 cel1 voltage / V
3.01
2.17
-6-
理論分解電圧は必ず必要な電圧であるので,主な損失は水素発生反応抵抗に基づく水素過電圧,酸素発
生反応抵抗に基づく酸素過電圧,並びに電解液・隔膜の抵抗によるオーム損失になる。このうち水素過
電圧は Tableに示す通り,食塩電解用の活性陰極の開発によりかなり切り下げられた。(食塩電解の陰
極ではアルカリ水電解と同ーの水素発生反応、が起こる J
次に問題となるのは酸素過電圧である。カソードより水素を得るために水電解においてはアノードで
酸素発生を起こさねばならなし、。食塩電解においてはアノード反応は塩素発生反応であるが,黒鉛電極
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に代わるチタン上に酸化ルテニウムールチル固溶体を塗布した DSAl.e:Y
Anode)の開発により
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Table 1に示すとおり理想に近いまでに過電圧は切り下げられた。電極におけ
.
る過電圧は新たな材料(電極触媒)の開発により,一挙に小さくなり,省エネルギー効果が大き L、
現在酸素発生反応の起こるアノード材料としては電解液がアルカリであることもあり,ニッケルが主
2
に使用されており,その過電圧は 330mV(20Adm- ,80o
C, 23%水酸化カリウム水溶液)程度
である。これに変わる材料としてベロフ'スカイト型の導電性酸化物を始め数多く報告されている 4)。白
6) または酸化イリジウム( 1r02 )(1,りが酸
金族金属酸化物については酸化ノレテニウム( RU02)5,
素発生用電極触媒として優れているとされている。
本研究においては,塩素発生反応における酸化ルテニウム電極にならいチタン上に白金族金属または
酸化物を塗布した電極を作成し,その作成条件と酸素発生触媒能との関係を中心に検討し,高活性な酸
素発生電極を作成する指針を得ることを目的とした。なお,電解液としてはアルカリ溶液のほかに金属
の電解精錬,メッキなどでの応用も考慮、にいれ,酸性溶液も取り上げた。
2
.実 験
2 ・1 電極の調製
実験には白金,イリジウム,ロジウムの金属線並びにこれらの塩を熱シユウ酸でエッチングした1.6
棚戸チタン線に熱分解被覆した電極を用いた@熱分解は各金属が 50mgcm-s となるよう金属塩濃度
を調製したプタノール溶液を塗布し, 10 OOCで乾燥後通常 50 OoCで行なった。塗布及び熱分解の課
程を 10回繰り返し,酸化物の担持量は約 2mgcm zであった。各電極はテフロン熱収縮チ晶一プで
被覆し,先端 0.5c
r
n 2 を試験電極とした。
2 ・2 酸素過電圧及び電気量密度の測定
0
過電圧は酸素飽和, 2 5 C1M硫酸中及び 5 M水酸化ナトリウムで電流走査法を用いて測定された。
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電流走査法では液抵抗の補正がなされないために 100r
C1M硫酸中で 0
.
3V - 1
.1Vの
測定ができるため簡便な測定には適している。また,窒素飽和, 25o
三角波電位操作 (100rnV/s)によるアノード電気量密度を測定し有効表面積の目安とした。但し
白金線及び白金被覆電極については 0.05V-1.5Vの三角波電位操作( 100rnV/s )で得られる
-7-
駿素脱着ピークを 5.9倍してラフネスファクターをもとめた 8)。以下表記される電位は町田基準(試
験液中での可逆水素電極)である。
3
. 結果及び考察
酸水溶液中での過電圧特性
Fig.1には 1M
硫酸中での金属線,ならびに白金族被覆電極の過電圧特性を示す。 ここに示すよう
に白金族金属の酸溶液中での過電圧は白金,ロジウム,イリジウムの順に低くなっている。 しかしこれ
ら平滑金属線の中で過電圧の最も低いイリジウムでさえ 100mAery12の電流密度で 60OmVもの
過電圧を有している。白金族といえども金属のままでは実用電極とはなり得な L、。そこでチタン線に白
金族の塩化物を熱分解被覆した DSA型の大きな有効表面積を有する電極を調製することが必要である。
Fig.1より 50OoCで熱分解した電極は元の金属線電極と比べ 100- 300mV程度過電圧を低下
させることができる。
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-8-
これらの電極の過電圧特性を比較するのに各電極の有効表面積は重要な因子である。白金線及び白金
被覆電極の場合は,ボルタモグラムに現われる水素吸脱着の電気量密度から,あるいは酸素脱着ピーク
より正確に有効表面積が算出される。しかし,他の白金族金属においては未だこのような関係は明らか
-1
.1Vの範囲の三角波電
ではなし、。そこで本研究では白金の場合を除き定性的ではあるが特に 0.3V -
位操作で得られる電気量密度で相対的な有効表面積を検討した。 Fig.2はこれらの電極の窒素飽和,
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C1M硫酸中でのサイクリックポノレタモグラム及び電気量密度を示したものである。金属線と酸化
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-9ー
物被覆の電気量密度(白金についてはラフネスファクター)を比較すると,白金は 25倍,イリジウム
では 5倍となる。一方 Fig.lより低電位での電流密度を比較をすると熱分解被覆電極は白金で 25倍,
イリジウムで 5倍の電流密度が得られほぼ面積拡大効果として説明できる。ロジウムについては電気量
密度の比は 100倍であるが,これは電流密度の比から得られる 20 00倍より遥かに小さな値である。
これはアノード酸似曹と熱分解して得られる酸化物の質的な違いと考えられる。また白金及ひ'ロジウム
は元来酸素過電圧が高いためにこのような面積拡大効果によってもなおかつ高い過電圧を示している。
面積拡大効果の大きなロジウムでさえ酸化ロジウムは酸化イリジウムと同程度の過電圧となっている。
塩素発生用として優れた特性を示す酸化ルテニウムはここでも優れた性質を示しているが酸溶液中では
耐久性に欠け実用的ではない。
酸化イリジウムは低温で熱分解すると完全な酸化物にならないため耐久t性は落ちるが大きな有効面積
を持つことが知られている 6)
。
一方酸化イリジウムは優れた耐久t性を持つので.
9)多少耐久性を低下させても大きな有効表面積を得,
過電圧特性を向上させる事を検討した。すなわち低温の 35ooCで熱分解を行ない大きな有効表面積を
得,さらに 1時間 50ooCで酸化処理を行なうことで耐久性を維持することを試みた。この電極では
5 0 ooC
熱分解によるものの, 7倍もの大きな有効表面積を得ることができた。過電圧もこれに見合っ
.2V もの切下げとなり, 10 0mAcmで
た切下げが得られ金属イリジウムに対し 0
Z
の電流密度で o
.4
Vを切ることができた。
以上単成分の酸化物電極について過電圧特性の改善を擬すしたが,これに他種金属を添加することで
更に過電圧特性の改善を図った。白金族金属の塩化物の熱分解では異種金属との混合で生成する酸化物
が微細化するためと思われる面積拡大効果が期待される。 Fig.3には白金族金属塩に種々の金属を添
加した結果良好であったロジウムにイリジウムを,ルテニウムにイリジウムをそれぞれモル比で 7 3
に混ぜた塗布液の熱分解で調製した電極の電流電位曲線を酸化イリジウム,酸化ロジウム,酸化ルテニ
ウム各単成分の電極の特性とともに示した。イリジウムにロジウムを添加することで,酸化イリジウム
の電気量密度が 8mCcm-2 から 12mCcm-2 になり有効表面積が拡大されている。過電圧について
はこの面積拡大効果以上の低下がみられる。しかしロジウムの 75mCcm-2 に比べれば面積は小さく
過電圧は酸化ロジウム単身の場合より大きい。ルテニウムにイリジウムを添加した場合には,酸化ルテ
ニウムの 7mCcm-2 から 19mCcm-2 に面積は拡大された。ここでは酸化イリジウム十酸化ロジウ
ムの場合と異なり酸化イリジウム,酸化ノレテニウム両者の単一の場合より有効表面積も大きくなった。
過電圧特性も混合することにより単一の物よりも良好なものが得られているが効果としては面積拡大効
果以上である。
以上,電極触媒の改良に面積拡大は有効な万法であり,第 2成分の添加は面積拡大効果の効果ととも
に複合化にともなう触媒能の変化も加わることが判った。
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3・
2
アルカリ水溶液中での過電圧特性
ここでは従来水電解に用いられてきたアルカリ溶液中での過電圧特性について,白金族金属酸化物の
中で過電圧特性あるいは耐久性能に優れる酸化ロジウム,酸化/レテニウム,酸化イリジウムを対象にし,
酸溶液中での特性と絡めて検討する。 Fig.4はこれらの材料についての過電庄特性を示す。
Fig.lと Fig.4を比較すると,酸化ロジウム及び酸化ルテニウムは酸溶液中よりもアルカリ溶液
中の過電圧特性が優れており,逆に酸化イリジウムはアルカリ中での特性が劣ることが判る。 このこと
は酸中及びアルカリ中での酸性発生反応携構の差異により生じると考えられる。
酸中での実験と同様にこれら 3種の酸化物をそれぞれ混合した電極についての 5 M水酸化ナトリウム
中での過電圧特性を Fig.5に示す。酸中ではよい特性を示した酸化イリジウム 30%添加の酸化ノレテ
ニウム電極は,電気量密度は,純酸化物に比べ 2-3倍となるが,それに見合った過電圧低下はみられ
なかった。 しかしここでは酸化イリジウムによる急激な過電圧増大は抑えられておりイリジウムによる
-11-
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高い耐久性とルテニウム並の低過電圧特性を兼ね合わせた電極となる。酸化ロジウムと酸化イリジウム
を混合した場合には,電気量密度は 10mCcm-2 となり,酸化イリジウムの約1.3倍,酸化ロジウム
の約 1/5となり,これも単純に過電圧の大小とは一致していない。
酸化ルテニウムと酸化ロジウムを混合した場合は電気量密度は 38mCcm-2 となり,酸化ルテニウ
ムの 3倍,酸化ロジウムの 0.8倍となったがこれに見合った過電圧の変化はみられなかった。
しかし酸中の酸化ルテニウムと酸化イリジウムの混合と同様に混合物では純酸化物より過電圧が低下し,
100mAcm-2 の電流密度での過電圧が 350mVまで切り下げられた。
以上より酸化物の混合は酸素過電圧の低下に有効な手段であるが,本研究で得られた最も低い過電圧
特性を示す酸化ルテニウムと酸化ロジウムの混合酸化物電極でさえ, 10 OmAcm-2 の電流密度で
3 50mVもの過電圧を必要としており,未だ十分な低下に至っていなし、。
今後更に低酸素過電圧電極の開発が望まれるところである。
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