人体機能統御学講座(解剖学第一) 募集せず。 高次神経科学講座(解剖学第二) 私たちは、脳の機能と形態形成の謎に光学顕微鏡や電子顕微鏡を使った種々の組織化学的手法で挑 んでおります。新しくスタートしたばかりの若さあふれる研究室なので、脳、精神機能に興味のお持 ちの方、熱い議論と夢を語り合える方は是非来て下さい。当教室では、学生一人一人に最先端の研究 テーマが与えられ、個別的指導が行なわれますが、学生は、一人の研究者として扱われ、学会発表、 論文発表に耐えうる研究成果を目指します。研究内容は相談可能ですが、脳の性分化、辺縁系と嗅覚 系、斑点小体と神経変性疾患、ステロイドとモノアミンの脳内作用等の実験形態学的解析、電顕解析、 神経培養等による機能解析です。必要に迫られないと動かない体と空中分解しそうな知識、失いかけ た情熱。自信喪失で悩んでいるあなたでも、動機づけにより必要な知識と技術を獲得することで誰も が科学者に変貌できることを体験してもらいたいと思います。詳細は、教室までお尋ね下さい。 篠田 晃:1.脳の性分化、2.嗅覚・辺縁系の構造解析、3.斑点小体と神経変性疾患、 4.ステロイドとモノアミンの脳内作用 器官制御医科学講座(生理学第一) 当教室では、心臓・血管病の原因となるシグナル分子およびその制御機構を解明する事を研究課題と している。シグナル伝達機構をハイスループットで解析するために、質量分析計による機能的プロテ オミクス、表面プラズモン共鳴による分子相互作用解析、シグナル分子の可視化と高速イメージング などの先端技術に加えて、当教室の独自の開発による分子細胞生理学的手法、および遺伝子工学的手 法、蛋白工学的手法を駆使して研究を行っている。「自己開発コース」としては、「プログラムコース学 内研究活動」のみを受け入れる。 当教室の「プログラムコース学内研究活動」に参加する学生は、 1. 研究グループの一員として教室員の行っている実験に参加し、上記の先端的実験手法を取得しなが ら、研究とはどのようなものかを学ぶ。研究テーマは相談の上、決定する。 2. 当教室の論文抄読会に参加し、医学論文および生命科学論文(いずれも英文)の読み方を学習する。 3. 当人が希望すれば、国内・国際学会にて発表、あるいは欧文論文として結果をまとめ国際的学術誌 に投稿する。 小林 誠(加治屋勝子) :血管の細胞内シグナル伝達 岸 博子(川道穗津美) :平滑筋収縮の分子メカニズム 高次神経科学講座(生理学第二) 学生自身が以下のような脳に関する研究活動を積極的に体験するなかで、論理的に物事を考え問題 を解決する能力をのばすことを目標とする。 1.講座の研究者による指導のもとに、ストレス、うつ病、記憶・学習、情動、脳の発達に関するテー マから一つを選択し基礎的な脳研究を行う。 具体的な研究テーマの例:1)うつ病モデルの作製とうつ病の病態の解明 2)情動・学習行動に及 ぼすストレスの影響と扁桃体・前頭前野の機能 3)胎仔脳の機能的発達 4)その他 2.脳・神経研究に必要な基礎的な実験方法を習得する。 3.実験データの解析、作図、論文作成の基礎を習得する。 2 4.実験結果をまとめて、学会および欧文論文で発表する。 5.講座のセミナーに参加し、最新の脳研究の知識にふれると同時に、積極的に議論に参加する態度を 身につける。 6.研究および研究以外においても講座内外の人たちと積極的に交流を深める。 中村彰冶:ストレスとうつ病 坂田義行:低酸素症による胎児脳損傷の予防メカニズム 分子感知医科学講座(生化学第一) 学内プログラムコース研究活動については、教室の研究グループの一員として生化学研究を行う。 担当教官は学生に研究課題を提示し、研究目的、現在の研究状況、今後の展望と研究の位置付けを説 明する。学生は、研究目標を立て、実験計画の立案と実施を行い、得られた成果の考察とまとめをす る。そのまとめを学会形式で発表する。この過程で「研究とは何か」を学ぶ。また、グループの一員 として研究を進める上に必要な人間的なコミュニケーションを学ぶ。研究課題は、1)ヒトT細胞のア ポトーシス誘導とその情報伝達の分子機構、2)感染及び発癌における宿主の感受性に関するプロテオ ーム解析、3)細胞接着因子模擬ペプチドの機能評価、4)免疫応答の多様性と特異性の解析、5)発 生と加齢に関するプロテオーム解析、のうちから学生に選択させる。また、自主的に研究課題を決め て、生化学第一講座で研究を希望する者については相談の上、受入れを決定する。 学外プログラムコース研究活動及び学外プログラムコース社会活動については、希望する学生と面 談の上、受入れを決定するが、研究活動については国内の共同研究者と相談の上、決定する。社会活 動については過去の例に準じて受入れを決定するが、基本的にボランティア活動のみを認める。 中村和行(藤本正憲) :ヒトT細胞のアポトーシス誘導 蔵満保宏: 肝細胞癌のプロテオーム解析 中村和行(赤田純子):ピロリ菌の病原性発現の分子機構 藏満保宏: MIF のシグナル伝達と Toll-like receptors 古元礼子:ノックアウトマウスを用いたアポリポ蛋白Eの機能解析 分子感知医科学講座(生化学第二) 教室員は分子生物学、生化学の専門家からなり、生体防御機構として最も基本的な応答である熱シ ョック応答の分子機構と生理機能の解明に向けた研究を行っています。本研究室を選択した学生さん は、この研究に関連して、研究を始めた時点で最もおもしろいテーマを選択します。数ヶ月の期間で、 決定的な結論を一つ導くことが目標です。テーマのキーワードは、転写制御、クロマチン、シグナル 伝達、個体発生、細胞死、細胞周期、がん遺伝子、ストレス応答、熱ショック蛋白質など。実験内容 は、 遺伝子改変細胞と遺伝子改変マウスを対象として分子生物学的な手技を使って問題を解決します。 本教室のこれまでの自己開発経験者とテーマ、そして学生さんへのメッセージはホームページ (http://ds22.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ seika2/)参照して下さい。 中井 彰 教授 井上幸江 講師 藤本充章 講師 コンフォメーション病:蛋白質の変性が導く病気 転写とがん:転写制御の異常によるがん化 ストレス応答と個体発生:遺伝子発現の時間的空間的制御 3 病態薬理学講座(薬理学) 神経細胞や心筋細胞などの興奮性細胞では、細胞膜のイオン・チャンネルがその機能制御に重要な 役割を果たしている。 これらイオン・チャンネルがどの様に制御されているかを明らかにすることは、 細胞機能の基本メカニズムを理解する上で大切であるのみならず薬剤などの新たな作用点としても重 要である。 本コースでは、当教室が行っている細胞骨格蛋白質によるイオン・チャンネル制御機構の研究に参 加し、教官によるマンツーマンの指導を受ける。内容は研究の進行程度によって異なるが、新規蛋白 質の cDNA クローニング、組み替え蛋白質の作成や in vitro での結合実験、細胞へのチャンネルや細 胞骨格蛋白質の発現、 チャンネル活性の電気生理学的解析等の手法を実際に用いて研究を進めてゆく。 また、教室セミナー等を通して周辺分野の知識や理解も広めてもらう。 乾 誠: 蛋白質ソーティング 木村佳弘: 心筋小胞体のカルシウム輸送と心筋障害 山田康枝:シナプスにおける受容体の機能制御 構造制御病態学講座(病理学第一) 本人の意思を尊重するが、当教室として可能な研究は次のようなものである。 1. 生検、手術および病理解剖症例の検索:病理形態学的(組織学的、組織化学的、免疫組織化学的 および分子病理学的)手法を用いて、過去の症例に新たな症例を加えて検索する。 2. 実験的アミロイドーシス発症病理の解明:マウスにアミロイド惹起物質を投与し、組織学的、組 織化学的、免疫組織化学的および分子病理学的手法を用いてアミロイドーシス発症機序を明らか にする。 3. 学外(県立中央病院病理科、小倉記念病院病理科)で 1 と同様の研究を行う。 石原得博(崔 丹): アミロイドーシス発症病理 河野裕夫: AAアミロイドーシス発症抑制に関する研究 星井嘉信: 全身性アミロイドーシスに関する研究 先端分子応用医科学講座(病理学第二) 大きくは2つの領域に分かれます。1つは、サイトメトリ−です。現在は主に laser scanning cytometry (LSC)が主体となっており、細胞(あるいは組織)の形態と同時に細胞内の分子を各細胞ご とに計測する手技です。教室では、対象は腫瘍細胞です。ポストゲノムとしてのcytomics(細胞の持つ 情報を網羅的に解析する事)を目指しています。もう1つは、腫瘍における細胞遺伝学的解析です。 これには種々の技術がありますが、現在ではDNA chip を利用したarray based CGHという方法を使っ ています。何れも、先端的技術であり、世の中から注目されています。修学論文としても国際誌に受 け入れ易い領域かと思います。因に、現在までに、一流の国際誌に自己開発で研究されたテーマを学 生が筆頭著者として発表された例は当教室では以下のとおりです。Cytometry2編、Cancer Research 1 編、American Journal of Pathology 1編です。 河内講師:アレイCGH法によるがんのゲノム解析 小賀講師:tissue microarrayを利用した癌の遺伝子発現解析 4 生殖・発達・感染医科学講座(微生物学) 1. 肺炎クラミジアは肺炎の起炎菌であるのみならず、 近年ヒトの動脈硬化部位で同菌が検出され、 動物実験で同菌の感染が動脈硬化を促進するなど、同菌が動脈硬化の危険因子であることを示す知見 が相次いだ。現在、肺炎クラミジアがどのように動脈硬化を促進するのかに興味が持たれており、当 研究室では分子生物学的、生化学的、疫学的手法を駆使してこの問題に取り組んでいる。自己開発の 学生にはその一端を担っていただく。具体的な内容については本人の希望を踏まえて選択する。 2.T細胞は自己と非自己を区別する中心的な役割を担い、 胸腺内で複雑な選択過程を経て分化する。 我々は最近、T細胞の分化を in vivoで再現できる革新的な実験系の開発に成功した。この実験系を 用いてT細胞分化に関わる新規遺伝子の探索、および様々な既知遺伝子の機能解析を行う。 当研究室のテーマを選択すれば最新の分子生物学、免疫学の知識および実験技法を習得することが 出来る。 鈴木春巳、(白井睦訓):T細胞分化に関わる遺伝子の探索およびその機能解析 東 慶直(白井睦訓):細菌ゲノムの進化に関する研究. 寄生対ー宿主の相互作用についての 研究 クラミジアの比較ゲノム解析に基づくゲノム創薬に関する研究 福永肇(白井睦訓):肺炎クラミジア検出に関する研究 生殖・発達・感染医科学講座(寄生体学) 当教室で研究しているテーマに参加し、細胞生物学および分子生物学的実験方法および考え方を担 当教官から学ぶ。免疫、血液学、特に形質細胞の研究分野における最新情報を得る。加えて、論文の 読み方、英語による討論(外国人留学生を含む)および発表の仕方の医学研究者としての基本も学習 する。当講座の研究テーマは、 『形質細胞の腫瘍化(骨髄腫の癌化)の機構』である。実際に学生への テーマは、次のごとくである。 1.腫瘍化した形質細胞における増殖因子インターロイキン6(IL-6)による細胞内シグナル伝達機 構の解析、細胞内刺激伝達因子の活性化をリン酸化の有無で検討する。 (石川 助教授) 2. B細胞分化のマスター遺伝子 Pax5 の脱落による骨髄腫細胞の細胞系統逸脱と骨髄腫発症との関わ りを探る。 (小幡 講師) 3.核内ホルモンであり転写因子である PPARβ を介する骨髄腫細胞の増殖抑制の機構を探る。 (大津 山 助手) 以上のうち、興味がもてるどれかに参加して自由に研究してもらう。 石川秀明:サイトカインと細胞内刺激伝達 小幡雅則:骨髄腫における転写因子の変動 大津山賢一郎: 低分子化合物による細胞増殖抑制 人間環境予防医学講座(衛生学) 学内プログラムコース研究活動: 研究課題は教室で対応できることを前提とし学生の自主性と問題意識を尊重して決定する。地域 保健、環境保健、職域保健などの分野における、電算機を使用した疫学的調査、教室内機器を使用 した実験的研究、文献・資料による理論的研究が可能である。課題例として、①急性ストレス負荷 と全身調節系反応、②在宅ケアサービスの評価と健康指標、③高齢者の生活設計と健康対策、④地 域における環境要因と疾病構造の解析、⑤騒音・振動の非特異的生体影響などがある。 5 学外プログラムコース研究活動/社会活動: 疫学関連の学外研究施設における研究活動、保健医療福祉関連領域におけるボランティア活動な ど、学生の関心と希望を考慮し、教室で対応できる分野と施設におけるプログラムを設定する。 原田規章:科学的根拠に基づく医療(EBM)とその課題 井上正岩:交代勤務の健康影響 人間環境予防医学講座(公衆衛生学) 公衆衛生学教室では、環境中毒学の研究をしており、中毒物質の生体内での代謝、生態への影響を 組織、臓器、細胞レベルで実験を行っている。最近、環境ホルモン、ダイオキシン、産業廃棄物、地 球温暖化と言った環境に関係した話題が新聞をにぎわせており、自己開発では、実験を行いながら、 環境、労働衛生の場で中毒や生体影響を考察していく。実験手法は、ガスクロマトグラフィー、液体 クロマトグラフィー、原子吸光計、電気生理(パッチクランプ) 、細胞カルシウム測定を用いて行う。 芳原達也:高齢者の体力維持手法の開発 奥田昌之:化学物質による DNA 損傷 生体侵襲医学講座(法医学) 法医学は社会医学系に属しますが、基礎研究・法医解剖・法医実務と多様な面を持っています。将 来、臨床医として有益となるコース作りを目指します。法医解剖・実務を体験することは臨床・社会 医学において得がたい経験となるでしょう。特に外科系へ志望の学生には有益な体験となります。ま た、病理解剖としての経験も基礎的医学能力の開発にとって有益です。基礎研究では、研究活動の基 本が学べるよう配慮する予定です。具体的には、法医実務への参加と教室での研究への参加です。法 医解剖の体験学習は状況に応じて行いますが、積極的な参加を奨励いたします。基礎研究では薬物動 態学的研究や中毒学・病理学・医事法学的研究に参加してもらう予定です。アルコール・中毒物質等 のストレスは細胞・臓器に様々な障害をもたらしますが、本講座では薬毒物の体内動態の把握と細胞・ 臓器障害との関連を研究しています。 (教室ホームページ参照:http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ legal/) 藤宮龍也:飲酒の法医学、法医学的事例研究 医療環境学講座(医療環境学) 生命倫理学 担当:谷田 生命倫理というと難しそうに聞こえる。しかし、応用倫理の一分野なので、身近な題材を扱うの が生命倫理といえる。身近に疑問に思うことを、知恵を絞って解決してみよう。 医療人類学 担当:星野 国内の特定の市町村における住民の病気・健康観、ヘルス・ケア行動、医療者の社会的位置づけ などヘルス・ケア文化の現状について、医療人類学的な研究を行う。期間中前半は方法論等の検討、 後半はフイールドワーク等の社会調査を実施し、その結果の分析を試みる。 健康科学 担当:上田 現代生活、健康、行動、身体活動をキーワードに研究を行う。「健康の保持、増進を目指した行 動とは」をテーマに、特に、行動変容、身体活動と健康及びQOLとの関連、身体活動の定義や測定、 6 身体活動の介入方法などについて学んでもらう。その中で興味や疑問を感じたことを追いかけてみ ませんか。 谷田憲俊:テレビドラマ、マンガ、他、医療が関係する身近な題材からテーマを選択 星野 晋:生活者に視点から見た病、健康、医療についての医療人類学的研究(民間医療、地域 医療、病気・健康観など) 上田真寿美:各世代における健康教育の現状と展望 生命科学実験施設(動物実験施設) 募集せず。 遺伝子実験施設 遺伝子実験施設ではさまざまな疾患に関連する遺伝子を探索しており、病気との関連性を検討して います。ストレスに応答する遺伝子をスクリーニングし、現在、心筋梗塞や膠原病に関わる遺伝子が 候補としてクローニングされています。こうした疾患の解明に興味がある方があればぜひ研究に参加 ください。 生体分析実験施設(旧実験実習機器センター) 募集せず。 漢方医学 募集せず。 分子脈管病態学 当教室は、心血管系細胞(血管平滑筋細胞、心筋細胞、血管内皮細胞)の分化、機能制御における 細胞内情報伝達機構の解明を目的に、分子細胞生物学的手法を用いて研究を進めている。当教室の学 内研究コースでは、以下の3点を目標とする学生1名を受け入れる用意がある。 1.分子細胞生物学の基礎的な知識を学習する。 2.分子細胞生物学の実践的な技術(具体的には、遺伝子組換、組換タンパクの発現、細胞培養など) を習得する。 3.上記の知識、技術を応用して心血管系細胞の細胞内情報伝達系を検討する。 実験医学生物学は、何事も実践してみるまでわからないのが常である。講義で習った知識の本当の意 味を知りたい、分子細胞生物学に興味はあるが自分に何ができるかわからない、暗記の連続と既成の 答えがある問題を解くのに飽き足りない。そのような学生の参加を期待する。 不明、疑問の点は、青木(第1中央診療棟3階、内線 2361、[email protected])までご連絡 いただきたい。 青木浩樹:心血管系細胞の分化、機能制御における細胞内情報伝達機構 7 眼病態学講座 募集せず。 先端分子応用医科学講座(内科学第一) 従来より、下記のような項目について研究・活動していただき、論文化を含めた、自己の医師とし ての将来像に資する実り多い経験をしていただいています。 学内研究:肝炎ウイルスのゲノム解析・肝線維化の機序解析・肝再生の研究・消化管癌(食道癌・ 胃癌・大腸癌)の病体と診断・胆膵疾患の病態と診断・肝癌の病態と診断 学内活動:1-10 病棟(急性期病床)におけるボランティア活動 学外活動:県内施設の緩和ケア病棟(終末期医療)におけるボランティア活動 寺井崇二:肝不全の病態 黒川典枝(山崎隆弘) :肝癌の病態 西川 潤:胃癌の病態 檜垣真吾:炎症性腸疾患の病態 良沢昭銘:胆膵疾患の病態 器官制御医科学講座(内科学第二) 1R:循環器内科学の基礎研究グループに受入れ、用意した実験プロトコールにそった実験を行いそ の成果をまとめる。いずれも週1回の Raw Data meeting でその結果を検討する。本コース終了時 には実験結果をまとめ、可能であれば論文化する。 1.慢性心不全の発症機序、治療に関する研究 慢性心不全モデル犬において、各種心不全治療薬の心機能と筋小胞体機能(Ca2+取り込み、放 出能)におよぼす効果を検討する。 2.心房細動の発生、維持における Ca2+調節タンパクの役割に関する研究 ラット培養心筋細胞に電気刺激をおこない、心筋細胞肥大や電気的リモデリングのメカニズム を検討する。 3.冠循環、虚血性心不全に関する研究 ラットの心筋梗塞や虚血再還流モデルを用いて、虚血プレコンディショニングや心筋細胞アポ トーシスのメカニズムの解明、治療への応用を検討する。 4.高血圧、動脈硬化に関する研究 高脂血症モデル動物での血管平滑筋の形質変換を遺伝子レベルで解析し、脂質低下療法の効果 を検討する。 2V:山口県内の関連施設(特老など)における入院患者の介護、リハビリテーションの介助等にあ たる。介護、介助記録を2週間に一度、教室でチェックする。また、県外の関連施設(おもに沖 縄北部地区医師会病院)では色々な臨床検査の場に立会い、患者サイドから、受けた検査に対す る侵襲度、苦痛度を評価してもらい諸検査の臨床的必要性と侵襲性の程度に関して調べる。その 結果を4週間に一度報告する。 松 益德:急性冠症候群の画像診断 藤井崇史:急性冠症候群(不安定狭心症)の病態と治療 三浦俊郎:ES 細胞および組織幹細胞からの心筋細胞の再生 矢野雅文:心不全の病態と治療 8 先端分子応用医科学講座(内科学第三) 学内プログラムコース研究活動 糖尿病は遺伝的因子に加齢や肥満、ストレスなどの環境因子が作用して発症する。当科では、膵β 細胞からのインスリン分泌、β細胞の死あるいは再生、インスリン作用という重要な領域において、 そのメカニズムを解明すべく、 培養細胞や実験動物を用いた分子生物学的研究を行っている。 同時に、 これらに深く関わる分子の遺伝子に着目し、糖尿病発症との関連を研究してきた。これらの研究で用 いられる基本的実験法と原理を体験しながら理解し、また基礎研究がどの様に臨床に生かされるかを 理解する。 血液学では、発癌遺伝子の解析や、造血細胞の分化や発癌のメカニズムに関わる情報伝達系につい ての研究を行っている。これらの研究に参加することにより、造血細胞の分化や発癌メカニズムを理 解する。更に、骨髄移植や白血病の治療がどの様に行われているかを、手術室、病棟、無菌病棟など で見学し、臨床の実際が基礎的知見により裏打ちされていることを理解する。 谷澤 奧屋 湯尻 松原 幸生(江本政広):インスリン作用の分子メカニズム 茂:エストロゲンのインスリン抵抗性を惹起するメカニズム 俊昭:癌抑制遺伝子PTENの機能について 淳:インスリン分泌の分子メカニズム 脳神経病態学講座(神経内科学) プログラムコース学内研究活動 脳毛細血管由来内皮細胞、神経細胞株などの細胞培養技術を習得し、in vitroで血液脳関門・血液 神経関門を再現する共培養実験系を構築する。この系を通じて、脳血管障害、脱髄疾患、免疫性ニュ ーロパチーなどに対する新たな治療手段の開発における神経系バリアーシステムの人為的コントロー ルの意義を学習する。 指導教官は基本的培養手技の習得を指導し、実験を通じて実習上の問題点に対処する。 プログラムコース学外研究活動 介護保険の導入にともない、今後さらに在宅での医療・看護・介護が重要な分野をしめるようにな る。学外社会活動コースとして、徳山医師会・徳山医師会病院、徳山健康福祉センター・環境保健所 の協力の元に、在宅介護支援センター、訪問介護ステーション、ホームヘルプサービス、デイサービ スセンター、環境保健所などの現場をローテートし、実際にこれらの活動に参加する。 介護保険制度の要介護判定の実際を体験し、 ケアマネージャーによるケアプランニング、 ケアプラン、 ホームヘルプの施行に参加する。訪問看護では、神経難病等の自宅療養患者の訪問看護を、デイサー ビスセンターでは痴呆性老人を含めた老人ケアの実際を体験する。さらに、徳山健康福祉センター・ 環境保健所における地域保健活動・保健婦活動の実際に参加する。 研修期間中は、 徳山市あるいはその周辺での宿泊が望ましい。 指導教官は定期的に研修現場を訪問し、 あるいは電話連絡にて実習上の問題点に対処する。 神田 隆:培養細胞を用いた神経系バリアーシステムの構築 根来 清:山口県における筋萎縮性硬化症の有病率についての検討 川井元晴:アルツハイマー病の診断・治療に関する最近の動向について 高次神経科学講座(神経精神医学) 精神科では、学内での研究活動で1名、学外での社会活動で2名です。 学内研究活動では、 当教室で行われている精神障害に関連した研究を体験してもらいます。 内容は、 うつ病に関係したリンパ球のグルココルチコイドレセプターの研究、ストレスによる脳内反応の研究 9 などの中から、諸君らとの話し合いでテーマを決めることになります(1名) 。 学外社会活動では、児童の精神的問題(虐待、自閉症など)に関わっている施設での実習が1名と、 老人保健施設での介護の実習が1名です。 渡辺義文:うつ病の生物学、老年期精神医療 秋元隆志:児童・思春期における精神医学的問題 末次正知:ストレスの脳科学 西田 朗:うつ病の神経生物学的研究 生殖・発達・感染医科学講座(小児科学) 小児科の自己開発コースは学内研究活動(2 名) 、学外ボランティア活動(2 名)という全く内容の 異なる活動を提供します。 ・学内研究活動コースは小児科学の中核に位置する感染免疫およびアレルギー学を実習します。当研 究室ではサイトカインと表面マーカーによる細胞分析を主な方法論として川崎病を中心に様々な炎症 性疾患の病態解明を行ってきました。自己開発コースではフローサイトメトリーを用いたリンパ球の 分析、血清・髄液のサイトカイン測定、生検筋の免疫組織学的染色などを行い、種々の疾患の病態解 明を行います。最近になって、高度な細胞分析装置を研究室に導入しましたので、更にいろいろな疾 患の病因・病態の解明が期待されます。指導は米国留学の経歴を持つ松原助教授、市山講師と長谷川 講師が担当します。 ・学外ボランティアコースは小児科学のもう一つの柱である小児保健の実習を行います。正常小児の 発達について身をもって体験してもらうために大学病院附属の保育所で保母さん・保父さんを体験し てもらいます。また慢性の疾患や心身に障害を持ちながら成長していく未熟児・病弱児・障害児の世 界を経験するために、心身障害児の通園施設、病弱養護学校寄宿舎、重度心身障害児施設などでボラ ンティア活動を用意しています。 障害児と一緒に生活するうちに人生観が変わった人もいるようです。 担当は市山講師、前場講師です。 古川 漸(代理 前場進治) :未熟児のフォロー、長期予後 松原知代:アレルギー児の疫学、川崎病の免疫病態 市山高志:発達障害児、神経疾患児を取り巻く問題、神経免疫学 長谷川真成:アレルギー・感染症の免疫学的解析 分子感知医科学講座(皮膚科学) 皮膚は外界と直接接し、生体の恒常性維持に重要な役割を果たす臓器です。皮膚科領域には原因が 不明で、難治性の疾患が多く、原因の究明および新しい治療法の開発に関する研究が活発に行われて います。当教室では主として尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎、尋常性白斑の病因解明や治療法の開発 を目的とし、免疫学的な側面からの研究を行っています。また、種々の皮膚腫瘍の分子生物学的解析、 皮膚真菌症の分子疫学的研究も行っています。主なカリキュラムの内容を以下に示します。 1.乾癬患者および健常者の HLA-DNA typing に基づく疾患あるいは病型との相関の検討。 2.乾癬患者およびアトピー性皮膚炎から樹立した単球系細胞株の分化機構および生物学的機能解析。 3.白斑をモデルとしたメラノサイトの機能解析。 4.皮膚真菌症患者からの真菌の分離・培養・同定ならびに分離菌の分子生物学的解析。 武藤正彦:乾癬の分子疫学、メラノサイトの機能解析、皮膚悪性腫瘍の診断技術向上の基礎研究 一宮 誠:白癬菌臨床分離株の生物学的特徴に関する研究 10 構造制御病態学講座(放射線医学) 1. コンピュータ断層撮影装置(CT)を用いた画像診断法の研究。 2. 磁気共鳴装置(MRI)を用いた画像診断法の研究。 3. CT、MRI、血管造影を用いた肝胆膵疾患の診断プロセスの研究。 4. びまん性肺疾患および肺癌の画像診断の研究。 5. 各種疾患における CT、MRI 所見と手術標本および病理との対比検討。 6. 胸部単純X線写真と Computed radiography(CR)との画質の比較およびデジタル画像のプロセス に関する研究。 7. 消化管疾患の放射線学的研究。 8. 各種疾患における放射性同位元素を用いた核医学の研究。 9. 放射線治療の分野における集学的治療学の研究。 10. 代表的症例、興味ある症例、教育的な症例などX線フィルムの教材用としての teaching fi1e の パソコンによるデータベースの作成。 11. インターネットを用いての症例データベースの作成。 12. デジタルカメラ、スキャナーを用いた電子教科書の作成。 13. X線写真がどのような過程で作成されるかの研究。 松永尚文:心大血管の画像診断の研究 松本常男:びまん性肺疾患の CT の研究 菅 一能:CT・ MR と核医学との融合画像の研究 江部和勇:規導入高精度放射線治療装置を用いた放射線治療の研究 −技術と治療成績の向上を 目指して− 伊東克能:肝疾患の MR 画像診断の研究 特殊専門領域腫瘍病態学講座(臨床検査医学) 21 世紀は予防医学の世紀と言われており、遺伝子検査がその中心的役割を担うため、すでに世界的 に多くの研究室や企業が凄まじい開発競争をしていることはご存知のとおりです。また、我国をはじ め先進諸国では人口の高齢化が著しく、死亡原因の第1位を占めるがんに対しても QOL の高い治療法 の開発が急務となっています。免疫治療はその重要課題の1つとして位置づけられています。 遺伝子検査や免疫治療の情報を十分に理解するには、その実験操作をある程度経験することがどう しても必要です。学生時代からそのような経験を積んでおくことは、医師になってからのデータ解釈 や研究の基礎知識として十分役立つものと確信します。 当部門の現在の研究課題は以下のようなものですが、あまり難しく考えずに、まずやってみること です。実験操作を覚えると、これまで難しく感じていたデータの意味がわかり、論文が易しく感じら れるようになります。コースの終わりに、そのような実感が得られることを期待してトライしてみて 下さい。 ○遺伝子解析・診断 1)遺伝子多型解析と診断応用 2)がんの DNA メチル化 ○癌の免疫遺伝子療法 1)がんの抗体治療 2)樹状細胞を利用した免疫療法 日野田裕治:遺伝子多型、抗体治療 濱中裕一郎:がんの自己抗体 末廣 寛:DNA メチル化、遺伝子診断 11 器官制御医科学講座(外科学第一) 1R:学内プログラムコース研究活動(学内研究) 教室における心臓外科、血管外科、呼吸器外科、肝胆膵外科、小児外科の研究を見学し、そ の研究方法を習得させる。この学内研究によって基礎的研究と臨床との関連性を会得させる。 第一外科では心臓外科、血管外科、呼吸器外科、消化器外科、小児外科を臨床の主体として いるのでこれらの患者に関する術前、術後のケアを病棟において看護婦の指導のもとに学習す る。この学内ボランティアを通じて患者の心理学的変化を学び、医療人のありかたを習得させ ることを目的とする。 2V:学外プログラムコース社会活動(学外ボランティア) 関連病院には老人ホーム等、ボランティアを必要としている多くの施設があるので、その施 設において患者のケアを習得させ、未来の医療人の形成にいかなるものが必要であるかを体験 し学ばせることを目的とする。 濱野公一:冠動脈バイパス術におけるグラフトの特性 野島真治:消化器の発癌メカニズム 榎 忠彦:移植肝の免疫学的特殊性 古谷 彰:腹部動脈瘤に対する血管内治療 先端分子応用医科学 消化器・腫瘍外科学講座(外科学第二) 学内研究活動 研究テーマ 自己開発にきた学生には教室の最新の研究だけでなく、学生自身のアイデアを最優先して研究 テーマを選んでいただく。 1.遺伝子治療:癌遺伝子治療の研究を行う。IL-15, IL-18 などのサイトカイン遺伝子や腫瘍特異 的プロモーターの開発など、最新の研究を行う。 2.遺伝子多型:お酒に弱い・強いはアルコールを分解する酵素の遺伝子多型による。患者の遺伝 子多型を解析することで、癌になりやすさ、癌の進行速度、手術に対する生体の反応、抗癌剤の副 作用などを遺伝子多型解析から予測する。 3.細胞免疫療法:癌に対する特異的免疫療法を開発する。CTL や樹状細胞を用いて癌患者の免疫担 当細胞に自己の癌細胞を攻撃する能力を与え、実際の癌治療に応用する。 4.遺伝子解析研究:cDNA マイクロアレイを用いて、癌細胞と正常細胞の遺伝子発現を解析し、癌 の悪性度、転移再発予測、抗癌剤の感受性、新しい治療的分子標的の同定などを行う。 5.漢方:漢方薬から抗癌剤作用を持つ成分を抽出し、副作用のない抗癌剤を開発する。癌に対す る直接作用と同時に生体に与える作用を検討し、患者の体を改善することで癌を治す治療を開発 する。 学外社会活動 12 小野田赤十字病院にて、入院患者の看護、介護、リハビリなどの補助を行う。実際の患者と医療に ふれる事で、医療の実際と医療人としてのあり方を学んでもらいたい。 硲 彰一:遺伝子治療、遺伝子検査(gene chip. SNPs)、癌細胞免疫療法 吉野茂文:消化器癌の治療 山本 滋:内分泌腫瘍の治療 人体機能統御学講座(整形外科学) 学内において手術後患者や障害者を対象に実践的ボランティアとして教育的リハビリや生活リハビ リを行う。医師として将来経験することの出来ない立場(例えば、看護、介護、生活指導等)をボラ ンティアとして体験しておくことを前提として、可能な範囲において相談に応じる。 田中 浩:関節リウマチの病態と治療 石田洋一郎:骨粗鬆症の病態と治療 峯 孝友:スポーツによる膝関節障害 脇阪敦彦:加齢と股関節障害について 金子和生:頚椎症の診断と治療 特殊専門領域腫瘍病態学講座(泌尿器科学) 2V:学外プログラムコース社会活動(学外ボランティア) 日本人における 65 歳以上の高齢者の増加は著しいが、 それに伴って介護を要する老人も多くな ってきている。痴呆、骨粗鬆症、尿失禁などを認める老人の自宅での介護には限界があり、介護 型の施設で介護を受ける老人が増加している。このような施設ではどのようにして介護されてい るのかの現状、また家族と離れて介護を受けている老人は本当に満足しているのかをボランティ ア活動を通じて体験し、今後の日本における高齢化社会に医師はどのように対応すべきかを考え る。実際には介護型療養施設を持つ病院に泊まり込み、月曜日から金曜日までの朝から夕方まで ボランティア活動を行う。また、体験した内容を定期的に教官と討論する。 1R:学内プログラムコース学内研究活動 両側性腎細胞癌(同時性)は転移によるものか、多発性によるものかをサテライトマーカ−を 用いて癌細胞の遺伝子の異同性を検討する。 内藤克輔:前立腺癌の疫学と発生原因 松山豪泰:前立腺癌患者における治療前血清テストステロン値と予後の関連 坂野 滋:進行性腎細胞癌の治療 分子感知医科学講座(眼科学) 眼の最表層の角膜は透明で毛細血管がない組織である。この角膜での創傷に対する反応(創傷治癒) は種々の細胞外マトリックスやサイトカインおよび成長因子により制御されている。 私達の教室では接着性糖タンパク質であるフィブロネクチンや、角膜上皮細胞の移動能の制御因子で あるSubstance P, IGF-1に由来するペプチドの角膜上皮創傷治癒での役割を明らかにし、実際に難治 性の遷延性角膜上皮欠損の治療に用いている。更に角膜創傷治癒のメカニズムの研究は皮膚やその他 13 の血管の多い組織での創傷治癒のメカニズムの理解にも役立ち、各組織固有の生体反応を知ることが 出来る。自己開発コースでは現在教室で進行している種々の角膜への侵襲に対する角膜の生体反応の 研究プロジェクトに参加していただき、研究の指導を行う予定である 西田輝夫(近間泰一郎) :角膜における上皮−実質作用について 熊谷直樹(近本信彦) :線維芽細胞の多様性 相良 健(平野晋司) :房水流出の制御機構について 特殊専門領域腫瘍病態学講座(耳鼻咽喉科学) 両側前庭障害モデルの行動学的・組織学的研究 過去に多くの前庭障害モデルが考案されているが、末梢レベルで前庭機能を一過性に遮断するモデ ルはほとんどない。現在、われわれはフグ毒(テトロドトキシン)を用いてモルモットの一過性前庭 入力遮断モデルを作成し、さまざまな実験に用いている。テトロドトキシンはナトリウムチャンネル ブロッカーで、 組織に永続的な形態変化を生ずることなしに神経伝達を一過性に遮断する薬物であり、 これまでに中枢・末梢神経系の多くの研究に使用されてきている。今回の自己開発コースでは、これ らのモデルを用いて実際の平衡失調を観察し、行動学的・組織学的変化を検討する予定である。 山下裕司(代理:綿貫浩一):両側前庭障害モデルの行動学的・組織学的研究 今手祐二(代理:竹本成子):音響外傷後の内耳の組織学的変化 下郡博明:めまい、平衡障害の動物モデルの変遷 原 浩貴:喉頭癌治療の歴史と現状について 生殖・発達・感染医科学講座(産科婦人科学) 1R:学内プログラムコース研究活動(学内研究) ①生殖医学に関する研究:卵胞発育・排卵・黄体機能を理解し、ヒトの生殖補助医療に関わる問題 点を考える ②周産期医学に関する研究:母体・胎児・新生児疾患に対する理解を深め、胎児診断・治療の現状 と今後の展望について考える ③癌の悪性度に関する研究:教室で発見された扁平上皮癌関連蛋白(SCC)の分子構造や機能の研 究に参加してがん細胞の特性を考える 杉野法広(代理:田村博史) :1.環境ホルモンと生殖、 武田理:子宮頚癌の発ガン機構について 中田雅彦:胎児治療について 2.メラトニンと生殖 病態薬理学講座(麻酔・蘇生学) 1R:学内プログラムコース研究活動(学内研究) 下記のようなテーマを参考に、希望する研究課題を選択する。 関連するもので自己のアイデアも歓迎。基礎研究の場合でもカンファレンス、 症例検討会にも参加し、 研究に関連する臨床症例についてはその見学を行い、研究の意義付けをより深める。 A.臨床研究 1)術前検査の必要度 14 2)麻酔におけるインフォームドコンセント 3)麻酔のクオリティーアシュアランス 4)麻酔深度の評価法 5)麻酔と自律神経機能の関係 6)疼痛管理 など B.基礎研究 1)脳虚血・外傷の病態と治療 2)脊髄虚血の病態と治療 3)局所麻酔薬の神経毒性 4)中枢神経低侵襲モニタの定量性の検討 5)麻酔薬の中枢作用 など 2R:学外プログラムコース研究活動(学外研究) 下記のようなテーマを参考に、希望する研究課題を選択する。 関連するもので自己のアイデアも歓迎。学外での活動の結果を定期的に報告し、その都度、結果の 分析と今後の方針の設定・調整を行う。 必要であればテーマに関連する学内での見学・実習を行う。 臨床研究 1)緩和ケア病棟における医療・看護・その他ケア:山口赤十字を想定 2)ペインクリニック科における診断・治療:NTT 東日本関東病院を想定 3)心臓麻酔における術中・術後管理:小倉記念病院を想定 4)一般人・患者の麻酔科医療に関する意識調査:特に場所は限定せず 5)海外における麻酔・ペインクリニック・緩和医療についての調査 など 坂部武史 (平田孝夫):中枢神経の虚血耐性 松本美志也(山下敦生):局所麻酔薬の神経毒性 川井康嗣 (宮崎孝尚):痛みと事象関連電位 森本康裕 (歌田浩二):麻酔薬と脳波変化 脳神経病態学講座(脳神経外科学) 1. 脳血管障害後の機能回復、予後に関する研究 ̶̶̶脳出血、脳梗塞で機能障害に陥った患者の機 能回復の時期と程度を観察する。 2. 脳手術後の機能回復に関する研究 ̶̶̶脳動脈瘤手術の前後に高次機能検査を行い、 その変化を 研究する。 3. 脳神経手術における神経機能モニタリングの研究 ̶̶̶末梢神経の情報がどのようにして脳に 伝えられるのかを、手術中の神経モニタリングを通じて研究する。 4. 中枢神経損傷の病態に関する研究 ̶̶̶脳虚血、脳底酸素、脳挫傷、グルタミン酸神経毒性モデ ルなどの動物実験モデルを用い、中枢神経損傷の病態について組織学的、生化学的、生理学的側 面から検討する。 5. 血液脳関門 in vitro モデルによる、脳組織障害の病態解明 ̶̶̶血液脳関門に類似した実験モ デルを作成し、物質の透過性などから脳に与える組織障害について研究する。 6. 特発性正常圧水頭症の病態に関する研究 ̶̶̶水頭症の動物実験モデルを用い、正常圧水頭症の 病態について検討する。 加藤祥一:脳血管障害後の機能回復、予後に関する研究 藤井正美:脳神経手術における神経機能モニタリングの研究 藤澤博亮:中枢神経損傷の病態に関する研究 15 梶原浩司:脳腫瘍におけるタリウムシンチと臨床病理所見との関連についての研究 特殊専門領域腫瘍病態学講座(歯科口腔外科学) 細胞培養は基礎的研究において重要であり、当教室でも口腔癌の研究に使用している。今回のカリ キュラムのテーマは抗癌剤 5Fu の口腔癌細胞に対する抗癌効果と代謝酵素の関係を検討することで ある。5Fu は消化器癌を中心に各種の固形癌で広く使用されている抗癌剤で、その作用は DNA の合 成阻害と RNA の機能異常を発生させて細胞死を誘導する。5Fu の効果に関係する主な酵素として DPD (dihydropyrimidine dehydrogenase)と TS (thynidylate synthase)がある。DPD は 5Fu を分解 する酵素であり、TS は DNA 合成に関係しており、5Fu が効果を発揮するためには癌細胞内の DPD と TS の発現量が少ないことが望ましい。今回の実験では数種の口腔癌細胞における DPD と TS の発 現と 5Fu による細胞死の関係を免疫染色やフローサイトメトリーを使用して検討する。 伊田正道:口腔癌細胞に対する Cox2 阻害剤によるアポトーシス誘導 生体侵襲医学講座(救急医学) 先進救急医療センター(高度救命救急センター)の開設に続いて、ここを頂点とした山口県内 救急医療のネットワーク作成が急務となっています。自己開発に参加した学生には宇部市消防本 部と山陽小野田市消防本部の救急出動の現場活動から救命センターでの治療を見学するだけで はなく、可能な限り消防署職員あるいは医師の指導の下、救急医療活動に参画します。そして、 今後の山口県の理想的な救急医療体制の確立に消防署職員あるいは医師とディスカッションし ながら貢献していただきます。また、救命救急医療に関連した基礎的な研究にも参加できます。 救急医療の原点はバイスタンダーによる心肺蘇生法の普及であることを認識できるコースです。 指導教官とテーマは相互にディスカッションしながら決定していきます。 指導教官:前川剛志、笠岡俊志、鶴田良介、井上健、小田泰崇、金田浩太郎 最近のテーマで取り上げたキーワード ・ 心肺蘇生法 ・ 心原性心肺停止(ウツタイン方式) ・ AED ・ ドクターカー ・ 通信指令システム ・ 救急医療の地域格差 ・ 外傷のプレホスピタルケア ・ 急性中毒 総合診療部 プログラムコース学内研究活動のテーマとしては、「医師―患者関係」について調査研究を行いま す。 学内の山口大学医学部附属病院・総合診療部を中心に外来患者さんに対応してもらい、方法としては インタビューなどの方法を中心にします。患者さんが大学病院を訪れるには、色々な不安や診療に対 する希望があると思います。どんな気持ちで受診しているのか、自分の身体の異常についてどう考え ているか、それに対して医師は充分な対応をしているか、理想的な医師ー患者関係とは等について考 16 えてみたいと思います。 プログラムコース学外社会活動のテーマとしては、「地域医療」についてボランティア活動を行い ます。医療には大学病院などの高度先進医療を行っている病院や、地域で第一線の医療を行っている 施設があります。この二者にはそれぞれに役割があり、今後の高齢化社会ではいずれの役割も重要で す。そこで、地域の医療施設でボランティアを行いながら、地域医療の重要性や役割、高度先進医療 との差について考え、さらに今後のあり方などを考察したいと思います。 福本陽平:良好な医師・患者関係の構築、高齢化社会と地域医療 村上不二夫:医療面接、外来内科学 医療情報部 医療情報部は、病院内外の情報ならびに情報技術についてさまざまな方法を用いて利用できる知 識・技能を習得できる自己開発コースを提供します。 基本:一般的な情報技術を身につける:表計算ソフト、データベース、統計、プログラミングなど 応用1:病院内外のデータを活用できるシステムの構築(概念・設計・開発)を学ぶ 応用2:ネットワーク環境下でのシステムのあり方、セキュリティ管理などを学ぶ 応用3:医学判断学、医療技術評価の概念およびその応用について学ぶ 経験の有無は問いません。基本をマスターし、進度に応じて応用に進んでもらいます。 井上裕二・石田 博:地域医療におけるIT効果に関する研究,効率的医療の指標導出の研究, Bioinformaticsにおける情報連携の研究 薬剤部 1)薬物体内動態及び薬効に及ぼす個体間変動要因の解析 各種病態時に薬物体内動態が変動することから、患者個々の変動要因を事前予測する方法を 確立する。そのための手法として、統計学的体内動態予測法、腎機能評価法、肝機能評価法、 遺伝子解析法等を習得する。 2)院内感染の防止 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や緑膿菌などによる院内感染の防止法について研究す る。また、抗生物質や消毒薬などの選び方を習得する。 神谷 晃:臨床試験におけるCRCの役割 尾家重治:院内感染の防止 周産母子センター 佐世正勝:染色体異常の出生前診断法 中田雅彦:胎児治療について 長谷川恵子:新生児医療の関わる問題について 17 輸血部 タイトル:献血ボランティア活動 山口血液センターの協力により献血ボランティア活動を体験してもらうコースです。 また、献血による採血現場での苦労を体験してもらい、その後大学病院内でこの献血がどのように患 者さんに輸血されているかを見学します。大学病院では献血に来られた方の善意を無駄にしないよう な輸血がなされているかどうか、大学病院内での輸血の実態調査を最後に行います。 項目 1)オリエンテーション(事前に行います。) 2)血液センター業務見学(検査、製剤、センター採血) 3)献血ボランティア活動(移動採血車) 4)輸血部業務見学 5)大学病院内輸血実態調査 あくまでボランティア活動の体験が主体ですので、この点を理解して参加して下さい。 18
© Copyright 2024 ExpyDoc