【概要版】 松野町人権施策基本方針 本方針は、「松野町差別撤廃・人権擁護に関する条例」に基づき、国の 「人権教育・啓発に関する基本計画」及び「愛媛県人権施策推進基本方 針」の考え方を受けて作成するもので、教育・啓発に限らず、本町の人 権に関する施策を総合的かつ計画的に推進していくための指針とします。 また、具体的施策として、同和問題、女性の人権問題、子どもの人権 問題、高齢者の人権問題、障害者の人権問題、外国人の人権問題、HI V患者やハンセン病回復者をめぐる人権問題等、分野ごとの施策を推進 していける体制の整備もあわせて行います。 この方針に基づき、町民と行政が一体となって、家庭、地域社会、学 校、職場などあらゆる場における人権に関する課題について、解決に向 け、総合的に取り組みます。 - 1 - 基本的な考え方 基本理念 自己実現 共同参画 共生社会 全ての人が 安心して暮らせる 地域社会の実現 全ての人が 平等に参加できる 地域社会の実現 全ての人がお互いの 自己実現を尊重する 地域社会の実現 人権尊重の社会づくりを担う 行政の推進 (1)人権行政の確立 ① ② ③ ④ 人権問題について社会の理解を広める。 重要課題についての差別や不合理な格差を解消する。 重要課題の当事者や関係者の権利を拡大し、擁護する。 重要課題の当事者の社会参加や交流を促進する。 (2)人権文化の構築 一人ひとりが自立した人間としての尊厳を自覚し、 お互いを認め合いながら、「人権文化」を育てていくことが 本町の人権施策の基本理念の根底に流れています。 - 2 - 人権施策の総合的な推進 人権教育・啓発の推進 家庭・地域 就学前 企業・事業所 行政 学校教育 相談・支援・権利擁護の推進 人権教育啓発の目的は、町民全体が人権を正しく理解し人権を尊重 する態度を示し、行動する人権文化を構築することです。一方、一人 ひとりの町民が自己実現を追求するためには、生活の中の様々な問題 を解決する必要があります。また、差別的な取扱いを受けたり不合理 な格差が生じていれば、解消に努める必要があります。 こうした問題を解決するためには、相談したり、支援を受けたり、 自らの権利を行使できるなどの仕組みが必要です。 ・迅速に相談できる体制の整備充実に努めます。 ・相談機能を充実します。 ・職員の資質の向上を図るため、研修手法を工夫します。 ・苦情解決の充実・整備に取り組みます。 ・関係機関との連携を図ります。 - 3 - 様々な分野における人権行政の推進 1 同和問題 ・教育、啓発の充実 差別をなくする町民の集いや人権・同和教育講座等、各種教育、啓発事業の 充実を図り、同和問題に対する正しい理解を進めていきます。 ・啓発資料の作成 分かりやすく、読みやすい人権啓発資料を作成し、広く町民に啓発を行います。 ・隣保館活動の充実 人権と福祉の拠点施設として、相談や交流事業など隣保館活動の充実に努めます。 ・意識調査の実施 人権に関する町民意識調査を定期的に行い、町民の意識状況を把握し、効果的な施 策推進を行います。 2 女性の人権問題 ・男女平等、男女共同参画への意識づくり 男女共同参画週間など国・県に合わせた広報活動や、学校教育、各種講座、講演会 等を通して男女の人権が尊重される男女共同参画社会づくりを推進します。 ・女性の人権の尊重のための意識啓発、教育の充実 女性に対するあらゆる暴力の根絶と人権の尊重のため、広報や意識啓発、教育の充実 を図ります。 ・意思決定の場への女性の参画拡大 男女共同による魅力ある地域づくりを推進するため、各種審議会、協議会における 女性委員の参画を促進します。 ・ともに支えあう家庭と地域づくり 多様な地域活動への男女共同参画の推進を図るとともに、子育て支援など福祉の充 実と、家庭や職場生活に必要な知識や技能の習得を目的とした学習機会の充実に努め ます。 3 障害者の人権問題 ※ ・ノーマライゼーション の啓発や広報の推進 ノーマライゼーションの考え方を基本に啓発、広報を進めるとともに、福祉教育の 推進を進め、住民が互いに理解し、尊重しあえる温かい地域づくりを進めます。 (※ノーマライゼーション=社会的弱者が、社会の中で他の人々と同じように生活し、活動するこ とが社会の本来あるべき姿であるという考え方) - 4 - ・教育、育成の充実 障害のある子どもが個性を伸ばしながら、豊かな人間関係の中で成長していくため には、地域の中でともに学びあえる環境を整するとともに、基本的な生活習慣の確立 を図り、適切な相談、指導の充実に努めます。 ・雇用、就業の確保 障害者の社会参加を図り、自立した生きがいのある生活を切り開いていくため、ハ ローワークとの連携を通して、民間企業における雇用の促進を図ります。 4 子どもの人権問題 ・子どもの人権に対する理解を深めるための啓発の推進 学校、家庭、地域が相互に連携をとりながら、子どもの人権尊重と保護に向け、啓 発活動を推進します。 ・児童虐待を防止する取組 児童虐待に関する啓発を進め、通報義務を周知をするとともに、関係機関の連携を 密にし、早期発見、早期対応に向けた取組を行います。また、家庭教育の充実や地域 における育児相談、子育て情報の提供体制を充実していきます。 ・いじめ問題への取組 いじめ問題に対する教員研修をさらに充実し、早期発見と早期対応による解決に努 め、児童生徒や保護者などが、気軽に悩みを相談できる体制の整備を図ります。 ・安心して子どもを生み育てる環境づくり 安心とゆとりを持って子どもを生み育てることができる環境の整備を図るため、多 様なニーズに対応し、子どもの心身の発達や家庭、地域の実情に応じた適切な保育対 策、放課後児童対策等を積極的に展開します。 5 高齢者の人権問題 ・啓発活動の推進 高齢者の人権を尊重する教育・啓発を推進するとともに、高齢者への理解や敬愛精 神を高めていきます。 ・高齢者の生きがいづくりの推進 高齢者に対する生涯学習の推進を図り、様々な知識や技能修得と、生涯スポーツの 振興を図り、心身ともに健康的な生き方を推進します。また、社会福祉法人等との連 携のもと、生きがいづくりを推進します。 ・介護予防の推進 要支援、要介護状態の予防と重度化の抑制を図るため、運動機能の向上、栄養改善、 閉じこもり予防などの地域支援事業を推進します。 ・高齢者虐待の防止 高齢者虐待の背景には、家族の認知症に対する対応方法が分からないことや、過重 な介護負担、地域社会での家族の孤立、経済的困難など様々な原因が考えられますが、 正しい知識を身につけるよう教育、啓発を行い、虐待の防止に努めます。 - 5 - 6 外国人の人権問題 ・教育、啓発活動の推進 今後本町においても、外国人の居住が更に増加していくことが予想され、外国人と の関係を無視して、明るく住みよい地域づくりはできません。外国の歴史や文化を正 しく認識し、尊重するとともに、一人ひとりの違いを認め合う「共生の心」を地域に 根付かせることが求められています。 各種講座においては、外国人への差別や偏見をなくする教育や、国際理解のための 啓発を推進します。 ・交流活動の推進 様々なイベント等を通して外国人との交流を図り、相互理解を深めていきます。 ・外国人が暮らしやすい地域社会づくり 外国人への情報提供や日本語習得の支援、相談体制の充実を図り、外国人が暮らし やすいまちづくりを進めます。 7 ハンセン病回復者の人権問題 ハンセン病は、らい菌により皮膚や末梢神経が侵される感染症ですが、感染力は極 めて弱く、現在では治療法も確立しています。しかし、かつては、有効な治療法がな く不治の病と言われ、差別の対象となっていました。長年にわたる差別的な政策によ り、深く染み付いた偏見を排除していく取組を進め、回復者の方々が、安心して生活 できる地域づくりを進めていかなくてはなりません。 ・差別意識解消のための教育の推進 ハンセン病に対する偏見を解消するため、あおぞら子ども会と連携した各種学習機 会を設けるとともに、町広報紙、チラシ等を通して啓発を進めていきます。 8 HIV感染者の人権問題 ・正しい知識普及のための啓発活動の推進 HIV感染症等に関する啓発資料の作成や町広報紙、チラシなどを通して、正しい 知識の普及に努め、偏見や差別意識の解消を図ります。 ・教育活動の推進 教育活動により、正しい知識を身に付け偏見をなくしていくとともに、正しい予防 知識を身につけます。また、各種講座を通して、正しい知識、考え方を伝えるととも に、企業でのエイズに関する教育を推進し、差別や偏見のない社会づくりを進めます。 9 情報化社会の人権問題 ・侵害情報の排除 差別事象等を発見した場合「プロバイダ責任法」に基づき、侵害情報の排除に努め ます。また、本町が開設しているホームページの適正な管理・運用に努めます。 ・モラルの普及・啓発 人権を侵害するような情報をインターネット上に発信しないように、ホームページ 等により、広く町民へのインターネット利用上のモラルの普及・啓発に取り組みます。 - 6 - 10 その他の人権問題 ・性的マイノリティ(性同一性障害・同性愛・半陰陽) ・刑を終えて出所した人 ・その他様々な人権問題 人権問題について、町民一人ひとりが正しい理解と認識を深 めるとともに、人権尊重意識の高揚を図り、日常生活の中から あらゆる差別や偏見をなくしていくための教育、啓発活動の推 進に努めます。 松野町人権施策基本方針の推進に向けて 1 推進体制の整備 町では、当基本方針に基づいた人権施策を推進するため、行政のあらゆる分 野で人権尊重の理念を踏まえたまちづくりを、総合的に進めます。また、松野 町差別撤廃・人権擁護審議会や人権擁護委員、民生児童委員協議会の意見や提 言を尊重し、適確に推進します。 2 国、県及び関係団体等との連携 ・関係行政機関との連携・関係機関との連携・相談体制の充実を図ります。 3 人権・同和教育及び啓発機能の充実 ・隣保館活動の充実・公民館機能の充実をはかります。 4 評価と見直し 基本計画推進過程において、その進捗状況と効果について評価を行いつつ、 社会状況の変化や必要に応じた見直しを適宜行います。 - 7 - 人権に関する町民意識調査から ◎ あなたが特に関心のあるものを、次の中から3つ以内で選んで下さい。 H22調査 H12調査 0 20 同和問題 40 60 100 単位:% 52.5 21.5 障害者の人権問題 80 46.8 25.4 高齢者の人権問題 34.1 28.9 子どもの人権問題 インターネット上の 人権問題 34.2 24.1 女性の人権問題 19.7 11.8 19.2 医療(HIV、ハンセン病等)の 人権問題 その他 4.5 4.8 2.2 無回答 4.5 外国人の人権問題 ◎あなたは、日常生活の中で、誰かが人を差別するような言動をしたとき、 どのような対応をしますか。次の中から1つ選んで下さい。 H22調査 H12調査 0 20 40 あいづちを打つ その他 無回答 80 100 単位:% 43.0 45.1 誤りを正してあげる 誤りを正すべきだと思うが 勇気がない かかわりたくないから 知らない振りをする 60 37.8 36.8 6.5 15.3 2.0 2.8 6.2 4.5 松野町人権マスコットキャラクター 松野町役場町民課 〒798-2192 愛媛県北宇和郡松野町松丸343 TEL(代表)0895-42-1111 松野町のホームページアドレス http://www.town.matsuno.ehime.jp/ ジーン ケン - 8 -
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