(174KB)(PDF文書) - 出雲市

監
査
第
103
号
平成22年(2010)11月8日
長
長
岡
秀 人 様
出雲市議会議長
山
代
裕 始 様
出
雲 市
特定非営利活動法人 出雲スポーツ振興21
理
事 長
安
井
清 三 様
出雲市監査委員
勝
部
一 郎
出雲市監査委員
福
代 秀 洋
財政援助団体等監査の結果について(報告)
地方自治法第199条第7項の規定に基づく財政援助団体等監査を執行したので、
同条第9項の規定により、その結果を報告します。
監
第1
査 結
果 報
告 書
監査の対象
特定非営利活動法人
出雲スポーツ振興21
① 平成21年度(2009)指定管理対象施設の運営状況
②
第2
平成21年度(2009)指定管理対象施設の経理状況
等
監査の実施期間
平成22年(2010)9月27日から同年10月22日まで
第3
監査の方法
今回の監査は、特定非営利活動法人
出雲スポーツ振興21の指定管理に係る決
算書、事業報告書及び付属書類を基に、関係職員に対する事情聴取を行う等の方法
により実施した。
第4
監査の結果
関係諸帳簿はいずれも証拠書類と適合しており、計数的には正確に処理されてい
ることを認めた。なお、経理事務を中心とした事務処理については、概ね良好であ
ったが、一部改善又は検討を要する処理が見受けられた。
今回の監査を踏まえ、特定非営利活動法人
出雲スポーツ振興21が、今後も経
営の健全性と安定性を維持し、着実に繁栄するよう次の4点を要望する。
1.年度末手当については、支給根拠が給与規則に規定されており、支給すること
自体は問題ないと考える。しかし、各施設の利用者数や利用料金収入が年々減少
する中で、給料の3ヶ月分、総額1千万円を超す手当の支給は、昨今の経済情勢
を見たとき、いささか驚くものがある。スポーツ振興21は非営利の法人であり、
事業計画書でも「財務の安定に努め、利益が出た場合はスポーツ振興事業へ再投
資を行う。」としており、剰余金はそうした事業に積極的に充てる等、無用な誤
解を招かないような対応を望みたい。なお、指定管理者制度では、剰余金が出た
場合、指定管理料を返納する取決めを定めることも可能であるので、併せて検討
されたい。
2.職員を全員1年或いは2年の期限付き契約職員としていることについては、職
員がモチベーションを高め、危機感をもって働くという意味では有効な制度と考
える。しかし、期限付きという不安定な条件で働くことが果たしてスポーツ振興
21にとって有益なことなのか、一考の余地があるのではと感じた。施設の指定
管理期間のほとんどが5年であり、万一公募に漏れたときは職員が余るための苦
渋の判断と推察するが、職員は誰しも安定した職場で安心して働ける労働環境を
求めているので、期限付き雇用契約の在り方について、役員会等で検討されたい。
3.西部体育館と長浜中央公園は、スポーツ振興21の職員は常駐せず、現場業務
を長浜地区自治協会に約 200 万円で再委託している。しかし、実際には昼間は長
浜コミュニティセンターの職員が業務を行っているとのことであり、この委託料
の妥当性について検証されたい。なお、このことは稗原地区自治協会に約 190 万
円で再委託し、稗原コミュニティセンターで受付業務をしている稗原運動広場に
ついても同様であるので、併せて検討されるよう申し添える。
4.出雲プールの監視業務についてであるが、3年前の出雲ゆうプラザでの事故以
来、監査委員としても水の事故を心配している。業務日誌により7人での監視業
務を確認し安心したが、監視員は誰にでも出来る業務ではなく、万一のときはプ
ールに飛び込んで人命を救助する知識や技術、体力を持った人でなければならな
い。夏季のみの業務であり、アルバイトの雇用やシルバー人材センターに委託せ
ざるを得ない現状は理解するが、可能な限り責任のある正規職員で監視する等、
体制づくりを徹底されるよう望むものである。
第5
監査の概要
〔特定非営利活動法人
出雲スポーツ振興21の概要〕
出雲市は、平成11年度を「スポーツ振興元年」と位置づけ、「人づくり」
、「シス
テムづくり」、
「環境づくり」を3本柱とし、健康の増進と体力の向上、また、スポー
ツ文化の振興と地域活性化を図るため、
「出雲スポーツ振興プラン21」を策定した。
そして、同プランの総合推進役として、各種スポーツ振興団体が横の連携を強めると
共に、社会的な信用性を高め、スポーツの一層の振興を図ろうと、平成12年3月に
立ち上げたのが特定非営利活動法人(Non Profit
Organization)
・出雲スポーツ振
興21である。
特定非営利活動法人としたのは、公益法人などと比べ法人化へのハードルが低く、
法人の名前で行政からの委託事業や施設管理、財産の所有が可能になるなど、幅広い
事業展開が可能となるからである。
以来、出雲ドームをはじめとする市内の各種スポーツ施設を一体的に管理運営し、
単なる貸し館業務に留まらず、ハードとソフトを有機的に結合し、子どもから高齢者
までを対象に、多様なスポーツ・レクリエーション活動を展開している。
〔特定非営利活動法人
特定非営利活動法人
出雲スポーツ振興21の事業概要〕
出雲スポーツ振興21は、市民の健康の増進、体力の向上、
スポーツ文化の振興と発展に寄与することを目的に、次の事業を展開している。
①
出雲市及び島根県から指定を受けた施設の管理運営及び有効活用
出雲市からの指定管理施設 10 施設
島根県からの指定管理施設 1施設(県立浜山公園の管理運営)
②
総合型地域スポーツクラブ育成・活動の支援
・はまやまスポーツクラブ
・出雲ファーストクラブ
・センタースポーツクラブ
・出雲南スポーツクラブ
・ゆうゆうきたクラブ
③
エリアネットワーク事業
上記5クラブに当法人直営の「いずもスポーツクラブ21」を加えた6クラブに
よるエリアネットワーク事業(川くだり in かんどがわ・古志備後街道ふれあい
ウオーク等)
④
⑤
スポーツ振興4団体の事務局業務及び各種大会、研修会等の開催
・出雲市体育協会
・出雲市スポーツ少年団
・出雲市体育指導委員協議会
・出雲市おはようサイクリング協議会
自主事業の実施
・地域住民に密着したスポーツ振興事業(PPKプロジェクト、いずもスポーツ
チャレンジデー、ネットワーク推進事業、スポーツ教室、アイルランド交流等)
・緑化推進事業(斐伊川河川敷芝生化等の支援)
・スキルアップ研修(職員の能力向上のため研修会や先進プログラム実施クラブ
への派遣等)
⑥
イベント支援事業
スポーツ、文化イベントの開催支援(会場設営や各種物品手配、スポーツ用品の
斡旋等)
〔指定管理施設の概要〕
①
出雲健康公園(矢野町)の管理運営
・管理施設
出雲ドーム、健康センター、クラブハウス、天然芝生多目的広場、
少年野球場、出雲健康公園遊園地、関連サービス施設
・開館期間
通年(クラブハウスは火曜日閉館)、午前 9 時から午後 10 時まで
・指定期間
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 273,206 人
・H21 年度指定管理料
69,710,000 円
・H21 年度決算
1,759,224 円の赤字
②
出雲体育館(今市町)の管理運営
・管理施設
大ホール、大集会場、玄関前庭
・開館期間
通年、午前 9 時から午後 10 時まで
・指定期間
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 36,845 人
・H21 年度指定管理料
16,400,000 円
・H21 年度決算
③
3,946,922 円の黒字
出雲西部体育館(長浜町)の管理運営
・管理施設
体育室
・開館期間
通年、午前 9 時から午後 10 時まで、
・指定期間
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 19,772 人
・H21 年度指定管理料
3,100,000 円
・H21 年度決算
④
67,295 円の黒字
稗原運動広場(稗原町)の管理運営
・管理施設
運動広場、テニスコート
・開館期間
通年、午前 9 時から午後 10 時まで
・指定期間
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 7,698 人
・H21 年度指定管理料
5,700,000 円
・H21 年度決算
⑤
399,522 円の黒字
長浜中央公園(長浜町)の管理運営
・管理施設
天然芝生多目的広場、その他公園施設
・開館期間
通年(天然芝生多目的広場は 5 月 1 日から 11 月 30 日まで)、午
前 9 時から日没まで
・指定期間
⑥
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 9,871 人
・H21 年度指定管理料
9,000,000 円
・H21 年度決算
2,041,777 円の黒字
出雲プール(今市町)の管理運営
・管理施設
プール
・開館期間
7 月 1 日から 8 月 31 日、午前 9 時から午後 7 時まで
・指定期間
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 4,621 人
・H21 年度指定管理料
2,500,000 円
・H21 年度決算
218,431 円の赤字
⑦
湖陵運動広場(湖陵町)の管理運営
・管理施設
運動広場
・開館期間
通年、午前 9 時から午後 10 時まで
・指定期間
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 1,423 人
・H21 年度指定管理料
200,000 円
・H21 年度決算
⑧
⑨
85,203 円の黒字
湖陵体育センター(湖陵町)の管理運営
・管理施設
体育室
・開館期間
通年、午前 9 時から午後 10 時まで
・指定期間
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 13,512 人
・H21 年度指定管理料
4,500,000 円
・H21 年度決算
1,169,817 円の黒字
サン・アビリティーズいずも(今市町)の管理運営
・管理施設
体育室、多目的室、研修室等
・開館期間
通年、午前 9 時から午後 10 時まで
・指定期間
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 50,955 人
・H21 年度指定管理料
13,900,000 円
・H21 年度決算
⑩
765,017 円の黒字
湖陵総合公園(湖陵町)の管理運営
・管理施設
野球場、テニスコート、フットサルコート、多目的広場その他公
園施設
・開館期間
通年、季節により開設時間の変動あり
・指定期間
平成 18 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日(5 年)
・H21 年度施設使用者数
延べ 18,421 人
・H21 年度指定管理料
11,265,000 円
・H21 年度決算
890,218 円の赤字