(5) 民間気象事業 [pdf形式:2.2MB] - 気象庁

3DUW,
5 民間気象事業
○予報業務許可制度
気象庁以外の事業者は、天気や波浪、地震動などの予報を行うための気象資料の収集体制や解析
に関する施設を整え、気象予報士を置くなどの条件を満たせば、気象業務法に基づき予報業務の許
可を取得することができます。こうした予報業務の許可を取得した「予報業務許可事業者」は年々
増加してきています。特に最近は、平成 19 年 12 月から地震動及び火山現象の許可制度が開始され
たことを受け、平成 19 年度は前年度に比べ6割以上増加しています。
予報業務許可事業者は、携帯電話や
予報業務許可事業者の気象関連事業の年間総売上高と事業者数の推移(事業者数は各年度末現在)
インターネットなどを通じて地域的・
時間的にきめ細かい気象情報の提供や
個々の企業のリスク管理や個人のニー
ズに応じた気象情報の作成・提供など
を行っています。
予報業務許可事業者(国、地方公共
団体、報道機関を除く。)による気象関
連事業の年間売上高は、300 億円前後で
推移しています。
○気象予報士制度
気象予報士数の推移(各年度末現在)
予報業務許可事業者が気象や波浪の予報を行う場
合、気象予報士資格を有する者がそれらの現象の予
想を行う必要があります。気象予報士には、気象予
報士試験に合格し、気象庁長官の登録を受けてなる
ことができます。平成 6 年(1994 年)の気象予報
士制度の導入以降、平成 22 年 1 月までに 33 回の試
験が行われ、平成 22 年 3 月末現在、7,526 人が気象
予報士として登録されています。また、気象予報士
の団体として約 2,900 人が所属する日本気象予報士
会があり、予報技術の向上に関する情報交換などが行われています。
○民間気象事業への支援
民間の事業者による予報業務やコンサルティング業務などの様々な気象情報サービスの実施を支
援するため、(財)気象業務支援センターは、気象庁が作成した警報・注意報、天気予報、観測デ
ータ、数値予報、天気図などの、各種気象資料を即時的に提供するとともに、過去の気象統計デー
タや天気図も CD-ROM などで提供しています。
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第一部
気象業務の現状と今後
○民間気象事業の展望
企業や人々の活動は、あらゆる場面で気象の影響を大きく受けています。このため、民間気象事
業においては、対価を得て情報を提供する業務だけでなく、気象の影響による被害を最小限に抑え
たい、あるいは効果を最大限に生かしたいといった要求を金融商品化したり、情報をリスク管理に
活用する動きも進んでいます。そのような例としてウェザーマーチャンダイジング(脚注 1)、天候デ
リバティブ(脚注 2)、エネルギーマネジメント(脚注 3)、農業の生産性向上などがあります。今後、予報
業務許可事業者には、高い予報技術はもとより、利用者の潜在的な要求を掘り起こし、気象情報や
予報と結びつけた商品を開発することが一層求められると見込まれます。
気象庁は、民間気象事業の推進を支援するために、最新の予報技術の公表、気象情報の効果的な
活用例の調査など、様々な取り組みを実施していきます。
予報業務許可事業者(地震動)の分布(平成 22 年 3 月 31 日現在 54 事業者、斜字は気象等の許可も取得)
(脚注 1)予想される気温や天気などの変化に対応して、最適な品揃えや商品の陳列などを調整する販売戦略。
(脚注 2)あらかじめ設定した気象状況になったら、損害の有無に関係なく一定金額が支払われる金融商品。予期せぬ天候や異常
気象によって収益が減少する危険性を回避し、収益を安定させる効果があります。「イベントの期間中に雨が 3 日以上降
ったら○○円を支払う」といった商品を弁当業者が購入するなど、様々な種類の商品が提供されています。
(脚注 3)太陽光や風力等の再生可能エネルギーが社会で注目される中、気温、日射、風等の気象要素は、電力の需要側及び(特
に再生エネルギー等の)供給側の双方に影響するものであり、気象情報は電力需給バランスを効率的に保つための重要
な情報と期待されます。
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第
一
部