北海道総合開発の推進について

北海道総合開発の推進について
(要
旨)
北海道は、ゆとりある広大な土地と豊かな自然に囲まれ、これを生か
した観光の振興や地球温暖化の防止や我が国の食料供給基地としての役
割を担っているほか、ITやバイオなどの先端産業の発展に大きく貢献
しているところであります。
今後においても、地球環境の保全が強く求められている中で、北海道
には大きく発展する潜在力があり、その優位性、特殊性を生かした自立
型経済を構築する必要があリます。
このため、引き続き北海道開発法、予算一括計上、北海道特例など北
海道開発の枠組みを維持するとともに、広大な面積を有する北海道の実
情を十分に配慮して社会資本整備の一層の充実強化をはかるため、第7
期北海道総合開発計画の策定を進めていく必要があると考えております。
あわせて、社会資本整備重点計画に基づく整備事業の重点的、効果的
かつ効率的な実施に関しては、地方の意見を十分取り入れ、国と地方の
適切な役割分担の下、地域の実情に応じて必要な社会資本整備を進める
ことが必要であります。
つきましては、北海道の自立型経済を確立し、国土の発展を促進する
ため、次の事項について適切な措置が講じられるよう強く要望いたしま
す。
記
1 北海道新幹線の建設促進について
(1) 新函館・札幌間の全線フル規格での一日も早い認可・着工と早期完
成をはかること。
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(2) 新青森・新函館間の早期開業をはかること。
(3) 新函館・札幌間の新幹線全駅についての駅部調査等を実施すること。
(4) 公共事業費の重点配分などによる建設財源の確保及び地域負担に
対する財源措置の充実強化をはかること。
2 治水事業等の整備促進について
(1) 大雨、地震などの自然災害に備え、河川事業、砂防事業等について
積極的に整備を進めること。
(2) 海岸の高潮、浸食対策の着実な推進をはかること。
3 高規格幹線道路網をはじめとする道路整備の促進について
(1) 有 料道路 方式及 び新 直轄方 式に よる高 速自動 車国 道の整 備を更 に
加速すること。
① 着工している区間の早期完成をはかること。
② 新直轄方式区間のうち、抜本的見直しの結果「当面着工しない」
とされた区間の早期着手をはかること。
③ 整備計画区間の早期着手をはかること。
④ 基本計画区間及び予定路線の早期着手をはかること。
(2) 一般国道自動車専用道路整備の重点化・効率化をはかること。
(3) 地域高規格道路の整備促進をはかること。
(4) 一般国道の整備促進をはかること。
(5) 道路特定財源については、受益者負担の原則に基づき、道路整備に
充当するとともに、地方への配分割合を高めるなど地方における道路
整備財源の充実をはかること。
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4 港湾施設の整備促進等について
(1) 国際的な物流拠点として、船舶の大型化や輸送貨物のコンテナ化な
どに対応する大型岸壁を備えた港湾機能の充実及び大規模災害等に
対する防災機能を備えた港湾の整備を促進すること。
その場合、地元自治体の負担についても配慮すること。
5 空港の整備促進について
(1) 北海道経済の活性化をはかるため、新千歳空港の国際拠点化を推進
する国際線専用ターミナルビルの早期整備をはじめ、道内空港の整備
に必要な予算を確保すること。
6 国際的に通用する観光地づくりについて
(1) 多 彩な観 光資源 に恵 まれた 北海 道を国 際的に も通 用する 観光地 と
するため、必要な措置を講ずること。
① 外国人の出入国に対応できるよう空港及び港湾におけるCIQ体
制の整備充実をはかること。
② 来道者が最も多い台湾からの観光客の強い要望がある国際運転免
許証所有者の日本での運転を許可すること。
③ 中国からの定期便の新千歳空港への乗り入れ制限を緩和すること。
7 空港と道路の連携強化について
(1) 新千歳空港と道央自動車道との接続の円滑化をはかるため、重点的
な整備を促進すること。
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8 農業の振興について
(1) WTO農業交渉及びFTA農業交渉にあたっては、非貿易的関心事
項への配慮など、日本提案の実現を目指すというこれまでの基本方針
を堅持すること。
また、上限関税の設定に反対するとともに、重要品目の数を十分に
確保するなど、本道の主要産品である米や乳製品、でん粉、雑豆、砂
糖等に係る適切な国境措置を確保すること。
(2) 日豪EPA/FTA交渉にあたっては、本道の農産物の生産事情を
十分考慮し、米、牛肉、乳製品、小麦、砂糖などの重要品目について
例外措置を講ずるなど、慎重な対応をすること。
(3) 食料・農業・農村基本計画に基づき、食料供給基地としての本道農
業を持続的に発展させるため、「多様な担い手の確保」、「品目横断
的な経営安定対策」、「米政策改革推進対策」、「農地・水・環境保
全向上対策」などの農業施策を強力に推進すること。
(4) 平成18年4月から3年間続く生乳の生産調整、さらには、乳価の下
落など、酪農を取り巻く環境が厳しい状況が続くなか、自給飼料基盤に
立脚した酪農経営への支援など、積極的な経営安定対策を推進すること。
(5) 家畜ふん尿処理施設の整備については、平成20年度以降における
必要な予算を確保すること。
(6) 牛海綿状脳症(BSE)対策については、再発防止、安全確保のた
め、万全の措置を継続して講じること。
9 林業の振興について
(1) 国土保全、水源涵養、保健・文化・教育的利用の場を提供する機能
に加え、地球温暖化防止、生物多様性の保全など多面的な機能を有す
る森林の整備・保全が必要であることから、森林整備保全事業計画を
着実に推進すること。
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10 水産業の振興について
(1) 水産基本法に則り、漁業及び関連産業の経営安定対策を充実する
こと。
(2) WTO交渉における対策を講じること。
① コンブをはじめ主要品目に係る現行輸入割当制度を堅持すること。
② 水産物に係る現行関税水準を堅持すること。
(3) ロシア漁業資源管理体制に対応するため、対ロシア漁業外交を強力
に推進するとともに、民間漁業交渉に対する側面的支援を強化すること。
(4) 産業廃棄物である漁業系廃棄物の処理対策及び資源化に関する調
査研究の推進と事業化を促進すること。
11 季節労働者対策の強化について
(1)
季節労働者対策を進めるため、通年雇用化促進策の充実・強化、
公共事業の平準化等による冬期雇用の拡大及び建設事業主等の取組
みへの支援の充実・強化をはかること。
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