1月号(PDFファイル 1327KB)

~中部教育局生涯学習推進だより
平成 23 年 1 月 27 日発行~
1 月 19 日(水)~2 月 25 日(金) 社会教育主事講習(旧赤碕高校)
平成 23 年1月 16 日にまなびタウンとうはく行われた東伯郡連合婦人会の「青年団との交流会」に参加しま
した。第 1 部は、(株)三菱総合研究所の吉村哲也さんを講師として「消費者の標準化入門セミナー」を受講
しました。第 2 部は、
「青年団って、婦人会ってどんなとこ?」と題して意見交換会が行われました。しかし、
当日は大雪。参加するだけでも大変で、例年より少ない参加者でしたが、講演の後には、どんどん熱い質問が
飛び出しました。
セミナーでは、「標準化」とは、人々が作り出した「取り決め」をルール化すること。「規格」とは、「取り
決め」を文書化、明文化すること。という説明のあと、具体的な規格について、JIS や ISO 等の例示をしなが
ら解説がありました。
そして、いままでは、合理化、高品質化の観点から製造業などの業界団体中心で進められていた標準化です
が、これからは、消費者の声を聞き、健康、安全、便利、環境配慮といった視点の標準化をしていかなくては
ならないと経済産業省でも考えているので、みなさんの意見がいた
だきたい。そして、消費者が規格作りに参画する方法、消費者団体
の声を JIS に反映させる方法について紹介がありました。
その後の参加者からの質問では、
「標準化」をすすめるべきは、製
品のパッケージの方法ではないかという意見が多く出ました。例え
ば、瓶・ペットボトルの「規格化」を進めて、再利用しやすくして
環境配慮するといった意見や洗剤の詰替と飲料と間違えるといった
事故があったが、こうした誤飲を防ぐ安心につなぐわかりやすい包
装はできないものかといった意見がありました。
企業にとって、パッケージは、他社の製品と差別化する大事な要
素かもしれませんが、消費者としては、製品の中身で判断したい、
パッケージで惑わされたり、ごまかされたりは、もうイヤ。という
メモをとりながら受講するセミナーの様子
思いからの発言だったのではないかと思います。
第 2 部では、青年団の活動の様子について、東伯郡青年団の田中団
長から、今年度、三朝町青年団が 10 名に増え、活気が出ていること。
自分たちの学びの研修だけでなく、清掃活動や保育園でサンタに扮す
るといった、出かけていくボランティア活動をはじめていることが報
告されました。
青年団の人数が増えたという話を聞いて婦人会のみなさんから
次々と質問がありました。
そして、婦人会でも、保育園で昔遊びや食育、畑作りで協力してい
ることについて発表がありました。
自分たちの町で、活動している婦人会と青年団ですが、互いに知ら
ないことが多いので、良い取組をどんどん発信し、語り合う場をつく
っていこうと確認されました。
みなさん笑顔で意見交換をしています。
平成 22 年 12 月 8 日に倉吉体育文化会館を会場として公民館職員・社会教育主事等企画能力向上研
修を開催しました。研修では、香川大学生涯学習教育研究センター清國祐二教授に講演とワークショ
ップをしていただきました。
(1)公民館講座と評価
評価の目的は改善。改善の無い評価は時間の無駄。けれども、「評価」からイメージされるものに
は、テスト、レッテル、予算削減、数値目標、仕分けといった負のイメージのものも多い。講座の評
価において、こうした負のイメージにとらわれると、実施することが目的になる。だから、評価を行
うときには、改善につなげる方向へ、つまり、事業効果(アウトカム)を意識していく必要がある。
評価の方法には、主観的評価と客観的評価、絶対的評価と相対的評価、
自己評価と他者評価といった手法があるが、行政評価のイメージは事業
に対してどれだけの費用をかけ、参加者がどれだけ集まったかという「費
用対効果」のようなアウトプット(事業結果)がつきまとう。
また、評価の主体について自己評価と他者評価がある。自己評価は、
講座の改善のために必要なので、職員自身がスキルアップしていく必要
がある。他者評価では、アンケートなど学習者評価、公民館運営審議会
等を利用した外部評価、オンブズマン、事業仕分けといった第三者評価
の組み合わせを意識して評価していきたい。
そして、評価には目標や計画が必要。計画で 8 割が決まる。計画通り
に行かないときには、修正していく必要がある。また、個別の講座だけ
でなく、公民館の事業評価をするために公民館としての目標と計画を作
成する必要がある。
(2)参加型学習の効果
様々な理由により地域における共通認識が失われている現代社会にお
いて、住民がよりわかり合うためにコミュニケーションスキルが、職員
にも住民に求められている。
公民館で行われている「集団学習」にある教育的相互作用の活用に着
眼し、職員は、集団学習の技術を身につけていく必要がある。
集団学習の1つとして「参加型学習」がある。参加型学習の効果とし
て、例えば、
「耳を傾け、正確に伝えること」といったコミュニケーショ
ンには守るべきルールがあることを理解できる。
また、参加型学習には、積極的な姿勢、ルールの遵守、豊かな人権感
覚の要素があり、一人一人が大事にされる感覚を身につける効果がある
こと。
そして、参加型学習をとおして、学習者との関係づくり、学習者相互
の関係づくりができることが挙げられ、社会教育において適した学習方
法であることを説明されました。
(3)ワークショップ
参加型学習の手法を経験していただき、公民館に持ち帰っていただく
ように、公民館の講座づくりをしながら、ワークショップの手法を学び
ました。
香川大学 清國教授
熱心に協議しています。
予想を上回る参加者の数と熱気
今年度の公民館訪問の中では、多くの取り組みを聞かせていただきありがとうございました。その
中でお伺いした成徳公民館の学社連携の事業について、改めて小学校を訪問し、その様子を見学させ
ていただきましたので紹介させていただきます。
成徳公民館では、22 年 6 月から「学校へ行こう!」と題して、週に 1 度火曜日のお昼休憩に、成
徳小学校に老人クラブを中心とした地域の方が出かけて、子どもたちと空き教室で囲碁や将棋の指導、
昔遊びをして交流しています。その他にも学校の環境整備に協力していただいたり、小学生と一緒に
わらべ館主催の童謡コンサートを聴いたり、「元気なときから考える講座」など高齢者向けの講座を
開催したりしています。
この事業は、公民館長から校長先生に「空き教室を利用した公
民館事業」の話を持ちかけて始まりました。
当初、小学校で地域の方が活動されることに、ケガの責任であ
るとか、教員の負担の増といった不安の声もありました。しかし、
職員会議の中で、校長先生が運営方法について具体的に話をして
いく中で、職員の理解が深まり、実現したものです。
地域の方からは「数十年ぶりの学校で感激した。」
「子どもと触
れ合うだけで元気になれる。」といった声があり、たいへん好評
です。また、小学校での高齢者向け講座は、公民館の「小学校を
学びの場として印象づけたい」という思惑と「ただ集まるだけで
なく、小学校でなにか目的をもって活動したい。」という参加者
の声が合致して始まったものです。
その高齢者向け講座では、鳥取地方法務局倉吉支局の槇浦栄子
さん(成徳小学校のPTA副会長でもあります。)を講師に迎え、
「相続・成年後見について」講座を開いたところ 29 人の参加者
があり、相続について学びました。参加者の中には、
「活動には、
講座が初めての参加だが、子どもとふれあえるのはすばらしい。」
という声もあり、講座と普段の活動の相乗効果で、まだまだ、協
真剣勝負!囲碁バトルだそうです。
力していただける方は増えていきそうな雰囲気でした。
また、小学校からは、ゲストティーチャーとして地域の方に来
ていただきたいという声が、自然とあがるようになり、教科の枠
を越えた授業が展開できるようになったとお話しされていまし
た。
まだまだスタートしたばかりの事業で、これからどう発展する
のか期待の事業です。
手の内は明かしてくれませんが、校長先生と公民館長さんのな
かでは、いろいろとアイデアがあるようです。
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「相続」は身近な課題。質問が飛びます。
わくわく中部 12 月号の「紹介!学社連携の取り組み」で竹細工クラブの活動場所を古民家「鳥飼家住宅」と記載
していましたが、正しくは県指定保護文化財「鳥飼家住宅」でした。訂正いたします。
【あとがき】
今年度もあと 60 日になりました。今年度のまとめと反省、
来年度への改善に向けての準備をしています。
「評価」の言葉が重くのしかかりますが、インフルエンザに
気をつけ、体調管理を万全にして、年度末を乗り切りたいも
のです。
(大本)
中部教育局生涯学習推進係
電話 0858(23)3253
FAX 0858(23)5203
E-mail [email protected]
ウェブ http://www.pref.tottori.lg.jp/chubukyoiku/