仕様書(PDF形式、345kバイト) - 日立GEニュークリア・エナジー株式会社

No.2-2
仕様書
1.
件名
原子炉建屋漏えい箇所止水・格納容器下部補修技術の開発(真空破壊ライン止水工法の
検討及び試験)
2. 概要・目的
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により引き起こされた東京電
力福島第一原子力発電所事故については、現在、事故を収束させるために、安定した炉
心冷却システムを構築し、安全な停止状態を継続する努力が行われている。
これらが達成された後は、使用済燃料を取り出すことに始まり、発生する放射性物質
を管理しつつ、炉心燃料を取り出した後、廃止措置に係る取組みに着手することが予定
されている。福島第一原子力発電所1~3号機では、炉心溶融が発生し、核燃料が炉内
構造物の一部と溶融した上で再度固化した状態(燃料デブリ)となって原子炉圧力容器
(RPV)下部及び格納容器(PCV)内に存在すると考えられる。現状、燃料デブリ
の位置・性状、原子炉圧力容器・格納容器の損傷箇所等の詳細は不明であるが、燃料デ
ブリ取出しに向けた作業手順は、スリーマイルアイランド原子力発電所2号機と同様に、
作業被曝低減等の観点から燃料デブリを冠水させた状態で取り出すことが想定される。
RPVとPCVのバウンダリ機能が喪失した状態で燃料デブリを冠水させるにはPC
Vを補修してバウンダリを再構築し、PCV内をRPVごと水で満たした状態にするこ
とが想定される。しかし、PCV近傍が高線量であり、狭隘部もあり、さらにPCV下
部(圧力抑制室(S/C)等)については冠水しているような環境で損傷箇所を補修(止
水)する技術は確立されていない。このため、高線量・狭隘・水中環境における補修(止
水)工法と装置の開発が必要である。また、PCV内を水で満たすため、PCV下部の
みならず、PCV上部の補修工法及び装置の開発も行う。
本案件は、本技術開発のうち、損傷の可能性が高い箇所への適用を目的としたPCV
上部貫通部止水工法の検討と真空破壊ライン止水工法の検討を依頼するものである。
原子炉建屋漏えい箇所止水・格納容器下部補修技術の開発(真空破壊ライン止水工法の検討及び試験)
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3.
事業内容
(1)PCV上部貫通部止水工法の検討
PCV上部貫通部の補修工法を検討し、使用する止水材の選定、止水を注入する
ツールの概念設計および試験を行う。
①ベロー部の止水工法の検討
図 1 に示すようなベロー付き貫通孔のベロー部に遠隔で止水を行う工法について
検討し、その工法に適した止水材を選定する。
②止水に用いるツールヘッドに関する検討
以下の項目を含む検討および試験を行う。

遠隔で止水する工法および止水材を注入するためのツール

作業方法および作業手順

1/2スケールのモックアップを使った基礎試験

1/1スケールのモックアップを使った実機適用性試験(0.45MPa での加圧試験)
③止水性確認用試験体の供給
3.(1)①で選定した止水材を径 50mm、長さ 200mm の鋼管に 20mm、50mm、100mm
の厚さでそれぞれ充填したものを発注者に送付する。
補修対象
X-10A ベロー部
ベロー保護カバー(半透明表示)
X-10Aプロセス配管
IC系配管
860
φ983.2
FPC系配管
図1
X-10 外形および周辺構造物
原子炉建屋漏えい箇所止水・格納容器下部補修技術の開発(真空破壊ライン止水工法の検討及び試験)
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(2)真空破壊ライン止水工法の検討
図 2 に示すような原子炉建屋(R/B)1階からガイドパイプを設置し、真空破
壊ラインおよびS/C内部にアクセスするための孔をガイドパイプ内にあけるこ
とで、PCV内水位を低下させないで真空破壊ラインを止水する工法を検討(止水
材検討、確認試験)し、その工法に使用するツールを検討する。
①ガイドパイプの設置方法に関する検討
(i)ガイドパイプの設置方法の検討
以下の項目を含む検討を行う。

真空破壊ラインおよびS/Cへのガイドパイプの設置方法

真空破壊ラインおよびS/Cへガイドパイプを設置する手順

ガイドパイプと真空破壊ラインの接合部、ガイドパイプとS/Cの接合部を止水
するための固定方法
(ii)穴あけに関する検討
以下の項目を含む検討を行う

R/B1階から遠隔でガイドパイプ内に孔をあけるツールの概念設計

真空破壊ラインおよびS/Cの孔あけ手順
(iii)妥当性確認試験
検討した工法を確認するため、ガイドパイプと遠隔で止水を行うツールヘッドの
試作品を製作し、真空破壊ライン、S/C及びR/B1階床面の厚さを模擬した1
/1スケールのモックアップを用いて妥当性確認試験を行う。
原子炉建屋漏えい箇所止水・格納容器下部補修技術の開発(真空破壊ライン止水工法の検討及び試験)
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②バルーン等を用いた真空破壊ラインの止水工法の検討
(i)止水工法の選定および止水性能の評価
以下の項目を含む検討および試験を行う。

ガイドパイプ内にあけた孔からバルーン等を挿入して真空破壊ラインの両端
をふさぐ工法

スケールモックアップを用いた真空破壊ラインの両端をふさぐバルーン等の
性能確認試験

真空破壊ラインの両端をふさぐバルーン等で真空破壊ラインを止水する工法
(バルーン等を挿入した後に止水材を注入することなく止水する工法)
(ii)バルーン等の挿入の検討
以下の項目を含む検討を行う。

バルーン等を真空破壊ライン逆止弁およびベロー部まで到達させる方法

バルーン等を真空破壊ラインの適切な位置および方向に設置する方法
(iii)妥当性確認試験
検討した工法を確認するため、1/1スケールのモックアップを用いてバルーン
等の性能確認試験を行う。
③止水材の供給
3.
(2)②で検討した真空破壊ラインの両端をふさぐバルーン等の止水材を発注
者に送付する。
原子炉建屋漏えい箇所止水・格納容器下部補修技術の開発(真空破壊ライン止水工法の検討及び試験)
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止水材
真空破壊ライン(φi504.8)
1FL OP. 10200
700
ガイドパイプ
バルーン等
バルーン等
4783
真空破壊ライン
OP. 7930
2660
S/C
S/C中心 OP. 3570
ベント管
BFL OP. ‐1230
クエンチャ
図 2 真空破壊ライン止水のイメージ
4.
実施期間
委託契約締結日から平成 26年 2月 28日まで
5.
納入物
報告書2部及び報告書の電子データを収めたCD-ROM2枚
6.
納入場所
日立 GE ニュークリア・エナジー株式会社
7.
その他条件
(1)止水対象の構造、周辺の干渉物等については、守秘義務契約後に受注者に対して図
面を送付する。
(2)本案件の実施者は、原子炉建屋漏えい箇所止水・格納容器下部補修技術の開発の全
体取りまとめに協力すること。
(3)本案件の適用先は、東京電力福島第一原子力発電所である。
(4)出張場所(電力,メーカ調整)
・東京都千代田区内幸町
東京電力株式会社 本店、他都内近郊関連施設
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・東京都千代田区外神田
秋葉原ダイビル内
日立GEニュークリア・エナジー株式会社、他都内近郊関連施設
・東京都千代田区丸の内
株式会社日立製作所、他都内近郊関連施設
・東京都港区芝浦
株式会社東芝、他都内近郊関連施設
・東京都港区港南
三菱重工業株式会社、他都内近郊関連施設
(5)本案件は、資源エネルギー庁公募案件「発電用原子炉等廃炉・安全技術開発費補
助金(格納容器漏えい箇所特定技術・補修技術の開発)」に関するものであり、日
立 GE ニュークリア・エナジー株式会社が前記資源エネルギー庁からの交付決定を
得られなかった場合は本案件の入札は無効となります。
以上
原子炉建屋漏えい箇所止水・格納容器下部補修技術の開発(真空破壊ライン止水工法の検討及び試験)
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