省エネルギー - IBM

日本IBMの省エネルギー
オフィスを含む日本IBMの省エネルギー率*も、IBM
全体と同様の4%を目標としています。2004年の省エ
ネルギー率は4.2%と目標を達成することができました。
また、1990年からの省エネルギー活動を通じて、2004
年の日本IBMにおけるCO 2排出量は1990年に対して
約54%となり、CO2排出量を約46%削減したことにな
ります。
省エネルギー
IBMの環境ポリシーではあらゆる事業活動を通じて
責任あるエネルギー利用を求め、エネルギー節減や
エネルギー効率の改善、再生可能なエネルギーを可
能な限り採用することなどを規定しています。
IBMのエネルギー・プログラムでは、以下の項目を
達成し、さらなる進展を続けることを目指しています。
● 省エネルギーにおけるリーダーシップを維持すること
によって環境を改善すること
● エネルギー効率の向上により、コスト削減と競争力
の強化、株主の皆様の利益拡大を実現すること
* その年の全消費エネルギー量に対する省エネルギー量を百
分率で表わしたものです。
IBMの省エネルギー目標
IBMは、エネルギー効率の改善による省エネル
ギー活動と再生可能エネルギーへの転換を通じて、
IBM全体の年間使用電力と燃料の4%に相当する省
エネルギーを達成することを目標としています。節約
分とみなされるのは、認知された省エネルギー活動
の成果に限られ、人員削減や整理統合、事業売却、
コスト削減活動などによるエネルギー消費量の削減は
含まれていません。
2003年の削減実績は4%の省エネ目標を上回り、
総エネルギー使用量の約7.2%となりました。このよう
な省エネルギー活動によって、IBM全体で3億3,100
万キロワット時の電力と約900万リットルの燃料を節約
し、二酸化炭素(CO 2)や他の燃焼関連ガスの排出
を18万1,500トン抑制しました。また、1,610万ドル(約
17億円)のコスト削減にもつながりました。IBMは、コ
スト削減の取り組みを通じてさらに2,270万ドル(約24億
円)のコスト削減を実現したため、燃料管理による
2003年のコスト削減の総額は3,880万ドル(約41億円)
となりました。
1990年以降、IBMはこれまでCO2の排出量を65.8%
削減してきましたが、そのうちの35.4%が省エネの取
り組み、残りは企業統合やビジネスの変革などによる
ものです。
日本IBMの省エネルギー
(単位:テラジュール)
8%
4 目標値
160
(4%)
140
0
120
100
80
60
40
20
0
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04
●
省エネルギー量
●
省エネルギー率
省エネルギー率(%)
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04
1.7 5.1 5.3 5.0 4.0 3.5 3.3 3.7 4.0 4.3 5.4 4.3 4.0 5.3 4.2
電気使用量
(単位:100万キロワット時)
IBM全体
日本IBM
1990
9,370
466
1991
9,130
461
1992
8,948
453
1993
7,871
429
1994
7,067
382
1995
6,412
353
1996
6,187
335
1997
5,820
306
1998
5,898
290
1999
5,800
269
2000
5,325
260
2001
5,228
264
2002
5,031
259
2003
4,446
217
2004
―
195
2001
3,247
147
2002
2,902
145
2003
2,573
122
2004
―
110
エネルギー使用によるCO2 放出総量(電気/ガス/その他)
(単位:1,000トン)
IBM全体
日本IBM
1990
7,650
205
1991
7,533
216
1992
7,059
216
1993
6,137
205
1994
5,475
209
1995
4,437
194
1996
4,286
190
69
1997
4,031
178
1998
4,085
167
1999
3,951
157
2000
3,412
148
日本初の「グリーン電力研修所」
(天城ホームステッド)
日本IBMは、省エネ活動による大幅な地球温暖化
ガスの削減を達成していますが、自然エネルギー採
用による削減も積極的に進めています。お客様エグゼ
クティブ向け研修施設「天城ホームステッド」を自然エ
ネルギー利用のショーケースと位置づけ、2002年8月
に太陽光発電システム、2003年5月には太陽光と風力
を利用したハイブリッド外灯を設置し、ロビー照明など
で利用してきました。2004年10月より、新たに「グリー
ン電力証書システム」*を導入し、年間約100万kWh
(キロワット・アワー)の全消費電力を自然エネルギー
で賄う日本初の「グリーン電力研修所」となりました。
グリーン電力証書システムは、企業や団体が消費
する電力を、風力などの自然エネルギーで発電され
た電力に転換したことを証明するもので、電力会社を
中心に出資された日本自然エネルギー株式会社が
2001年から展開しています。天城ホームステッドで採
用する自然エネルギー電力は、動植物に由来する有
機物をエネルギー源として発電に利用する「バイオマ
ス発電」によるもので、東京都下水道局・森ヶ崎水再
生センターのバイオマス発電設備で発電されます。
日本IBMの化学物質管理
IBMの化学物質管理プログラムは、環境管理シス
テムを構成する重要な活動の 1 つとして、全世界共通
の規定、基準と各国の法規制基準のいずれか厳しい
方を遵守して運営されています。化学物質管理プログ
ラムは、IBMの事業活動や、製品、サービスに使用
される化学物質に関わる社員、お客様や事業所周辺
の住民の皆様の健康や安全のみならず、自然環境
への影響の考慮する広範な活動を含んでいます。
化学物質を管理統括する管理組織は、ケミカル・コー
ディネーターとなる化学技術者を中心に産業医、安全
管理者、衛生管理者、毒劇物取扱責任者、危険物
保安管理者、防火管理者、環境管理責任者、廃棄
物処理責任者などの専門家によって構成されていま
す。新規化学物質については、化学物質環境評価プ
ロセスによって厳しい評価を行ない、購入に当たって
はその受け入れ、保管、使用、廃棄方法の各段階
について、毒性、安全性、環境保全性、取扱基準適
合性などがこの化学物質管理組織によって評価され、
安全で確実な取扱方法が指示されます。また化学物
質の適正な取り扱いを徹底するため、作業者に対す
る日常教育のほかに現場パトロールや厳正な環境内
部監査により定期的に遵守状態を確認しています。
日本IBMでは、1971年から化学物質を多く扱う各
開発・製造事業所にケミカル・コーディネーターを任命し
て、使用する化学物質の受け入れから廃棄まで、そ
*「グリーン電力証書システム」
の詳細は、日本自然エネルギー
株式会社のホームページ
(www.natural-e.co.jp/)
をご参照くだ
さい。
化学物質の環境排出
IBMは開発、製造の事業活動において、米国の
Toxic Release Inventory(TRI)
『定常排出、事業
所外移送、リサイクル、無害化処理、熱回収の管理
に関わる年間記録(有害物質排出目録)』の対象とな
る化学物質を数種類使用しています。右図のとおり、
2003年に全世界で使用したTRI対象化学物質は4,202
トンで、過去10年にわたり全世界でこのTRI対象化
学物質の86.3%を削減しました。IBMは継続して削減
活動を行ない、全世界でのTRI対象化学物質の使
用量を、その排出や処理のための移動も含め最小限
に抑えることを目標としています。
IBM全体の化学物質使用総量*
(SARA313条とPPAに基づく定義)
11.8
12
30.7
(単位:1,000トン)
6
7.4
7.9
9
5.3
2003年のIBM全体の化学物質総使用内訳
化学物質名
銅および銅化合物
4.2
(SARA313条とPPAに基づく定義)
3
トン
1,154
硝酸化合物
993
キシレン
893
その他
1,162
合計
4,202
0
93
99
00
01
02
03
*リサイクル、処理、エネルギー回収、排出、外部への移送を含む。
* SARA:Superfund Amendments and Reauthorization Act
70
の取り扱いについて環境・安全・廃棄処理の面から一
貫した管理を行なっています。また機器のサービスに
使用する化学物質(洗浄剤など)やプリンター用トナー
やリボンなどの管理を強化するため2004年にサービス
部門にも同職を任命しました。化学物質を扱う量が少
ない開発・製造・サービス以外の事業所では、カント
リー・ケミカル・コーディネーターの管理のもと、各事業
所総務が化学物質の取り扱いを管理しています。
IBMは1993年からこの米国における報告項目を、
IBMの全事業所において国際的基準として活用し、
化学物質使用削減の活動を世界規模で展開していま
す。2003年、IBMの世界各地の事業所では、使用
化学物質のうち報告対象規準である年間使用量4,536
トン
(1万ポンド)
を上回るものが19種類ありました。
2003年、IBMの世界各地の事業活動から生じたこ
れらのSARAとPPAの対象とされる化学物質の総量
は、2002年から20.5%削減し、4,202トンになりました。
この削減は幾つかの事業譲渡によるものが主な要因
ですが、汚染予防へのさまざまな取り組みも貢献して
います。
PRTR制度での届け出実績
日本IBMのPRTR制度*により届け出対象となる量
の化学物質を使用している事業所はありません。
* PRTR制度
(Pollutant
Release and Transfer Register)
とは、
人の健康や生態系に有害な恐れのある化学物質について、事
業所からの環境(大気、水、土壌)への排出および廃棄物に
含まれた事業所外への移動量を事業所が自ら把握し国に届
けるとともに、国は届け出データに基づき、排出量・移動量を
推計し、公表する制度です。
(経済産業省ホームページより)
IBM全体の環境排出総量と
処理と廃棄のために外部に移送された廃棄物の総量
2003年、IBM全体の環境排出総量と処理・廃棄の
ために外部に移送された廃棄物の総量は30%増加し、
767トンでした。この増加の主な要因は、米国イース
ト・フィッシュキル事業所の300㎜半導体製造工程から
排出される硝酸塩廃水の放流が認可されたことにより
ます。イースト・フィッシュキル事業所では放流する硝
酸塩廃水の放流量を削減するため、新規の設備の
導入を進めています。
国際的実績報告規準
1986年の米国スーパーファンド改正・再承認法
(SARA)
と1990年の米国汚染防止法(PPA)では、600種類以
上の化学物質を対象に、事業所から排出されるもの・
事業所外処理されるものについての年間実績報告、
リサイクル・処理・エネルギー回収に関わる活動報告
が企業に義務づけられています。
2003年のIBM全体の使用化学物質の処理方法の内訳
(SARA313条とPPAに基づく定義)
IBM全体の環境排出総量および処理と廃棄のために
外部に移送された廃棄物の総量
(SARA313条に基づく定義)
総量 4,202トン
(単位:1,000トン)
1.32
1.5
0.69
2.3% 事業所内リサイクル
水中への排出
17.2%
0.5
0.7% 大気中への排出
0
71
93
99
00
01
02
0.77
1.10
1.0
0.59
17.7%
事業所内処理
53.6%
事業所外リサイクル
1.57
2.0
8.2% 事業所外エネルギー回収
0.2% 事業所外処理
0.1% 事業所外廃棄
03